【3行要約】・エンジニアに求められるスキルセットが変化する中、専門性と幅広い知識のバランスが課題となっています。
・ひろゆき氏は「全部やる」エンジニアの優位性を説き、AI時代には少人数で大規模開発が可能になると予測。
・AIの発展によりSIer構造が変化し、優秀な個人が大規模チームに取って代わる時代に、自社エンジニア枠は増加傾向にあると予測されています。
前回の記事はこちら “全部やる”フルスタック志向の理由
ひろゆき氏(以下、ひろゆき):(質問を見て)「ひろゆきさんが目指すなら、どんな種類のエンジニアを目指しますか? クラウドエンジニアとか、フロントエンジニアとか。教えてください」。それでいくと、たぶん「全部やる」っていうエンジニアですね(笑)。
楓博光氏(以下、楓):おぉー。
ひろゆき:結局、フロントエンジニアだと、フロントしかできません。バックエンドがよくわからないから、誰かに頼まなきゃいけません。その誰かのコストが高かったりそんなに優秀じゃなかったりしても、やはり対抗できなくなっちゃうので、基本的には自分1人で全部できるっていうふうにしたほうが(いい)。
そのほうがバックエンドをやっている人を選ぶ時も「話が通じるよね」っていうのもあるし。あとは、やはり優秀な人を見抜くには、その業界の知識がないとダメだと思うんですよね。サーバーを立てたことがない人に「優秀なサーバーエンジニアを選んでください」って言っても、どういう基準で話をしたらいいかわからないよねってなっちゃうのでひと通り理解するというのを早めにやっておいたほうが(いいと思います)。まぁ、人生は長いので得することは多いんじゃないかなとは思いますけど。
テキストで十分な現場運営
楓:「コミュニケーションが苦手でもエンジニアをやっていけるという発言を過去にされていましたが、AIが発展し、エンジニアにもコミュニケーション能力が必須になってきていると感じます。このあたりの役割や求められるものの変化は、どう思われますか?」。
ひろゆき:いや……。何の問題もないと思いますけどね。僕、今、月に3、4,000万人ぐらい世界中で使われている「4chan」というサイトをやっているんですけど。エンジニアの人とは基本、全部メールだったり、ネットワーク経由でやり取りしていて、直接会ったことがある人は1人もいないんですよね。電話で話したことがある人は、何人かいますけど。
実際、そのやり取りもテキストベースなので、その人が本当に英語を理解しているかどうかも、わからないんですよね(笑)。翻訳ツールを使っているかもしれないじゃないですか。でも、「これやって」って言ったらやってくれるので、それで別になんか困ったこともないので「それでいいよね」っていう。
タイムゾーンの問題とかもあるので、顔を合わせてやる必要もないし、テキストで書いて「これやっておいて」って言ったほうが、口頭で説明するよりも、情報が伝播しやすいじゃないですか。なので、なんか別にと思うんですけど。
「都会はやはり人が多くてゴミゴミしていて、自然が美しくないから嫌だ」って言って、ある国のすごい山奥に住んでいるエンジニアがいるんですけど、まぁたぶん彼はコミュニケーションが苦手なんですよ。でも別に何の問題もなく暮らしているので、コミュニケーションが苦手な方のほうがエンジニアはやりやすいんじゃないかなと思いますけれども。
多様化するエンジニア像
楓:その文化というところで、こういった質問が来ています。「最近のIT界隈って、リア充っぽいエンジニアが増えていませんか? それって健全だと思われますか? オタク的なギーク文化が失われつつあることに寂しさを感じてしまいます」と。どうですか?
ひろゆき:いやー! 逆じゃないですかね。どちらかというと、オシャレ系エンジニアも、コミュニケーションが苦手エンジニアも増えていると思います。エンジニアの枠自体がどんどん増えているんですよね。エンジニアという職業の人が増えているので、ギーク的な、ニッチなことが好きなオタクと言われるような人数もめちゃくちゃ増えていると思います。
なので、むしろ今のほうが「同じ考え方のエンジニアだけ集めたいです」っていうのはやりやすくなってる気がするんですよね。「幅広くなってよかったね」って話で。
今だと女性エンジニアもそんなに珍しくないので、「女性同士でエンジニアの話したいです」って人でも、ちゃんとコミュニティが作れる時代になってる。なので、いい時代になってるんじゃないかなと思いますけどね。
楓:ありがとうございます。残り時間も少なくなってきましたので、ここからは基本的に、ひろゆきさんに取り上げてもらいましょうかね。「これをどうしても読んでほしい!」という方は、もう1回質問を投稿していただけますと幸いです。では、ひろゆきさん。ピックアップをお願いします。