AIエージェントを使って何をするのか
佐藤:ChatGPTの中にもエージェントがいるんですよ。これ、羊一さんは気づいていました?
伊藤:マジか。
佐藤:もうChatGPTの伊藤羊一も、そのうちにエージェントになると僕は思っていて。
伊藤:それ、俺が賢くなるみたいな?
佐藤:賢くなるみたいな話の世界線ですよ、もはや。
伊藤:俺が忘れっぽくなくなるみたいな?
佐藤:はい、はい。そうです。
伊藤:それはすごいな。要はあれだな。今、まだよくわからないという人は、2026年まで待っていれば、エージェントを誰でも使えるようになっているんでしょうね。
佐藤:そうですね。もう1回1回の対話ではなくなります。(ChatGPTの画面を示して)ここの上のところを見てもらうとわかるんですけど、レポートがまとまった後に、連携します。これです。「連携してWebページを作ります。インフォグラフィックを作ります。クイズを作ります。音声解説します」みたいなことができるので。
これで「インフォグラフィック」を押すと、また違うエージェントが立ち上がって、サイトを作り始める。(画面を示して)これ、エージェントです。今、小兵隊がこうやって動いています。1隊目、2隊目、3隊目、4隊目が動いて、ワシャワシャッと動いて、「ボスの指示を理解したので、今からサイトを作ります」って言っているようなものです。

世の中の変化がこうなっているので、僕は「これ、どうやっているんだろう?」って、興味を抱くんですよ。でも、だいたいの人はそこまで深く中を見ないじゃないですか。
僕は「あっ、HTMLって書いてあるから、ホームページを作っているのと一緒なのかもしれない」ってなったら、「じゃあ、この中身ってどう作っているんだろう?」という掘り下げる探究心が湧いてくるので、「じゃあ、これも作ってみて」になるから、このサービスを自分で作ってみたくなっちゃうんですよ。
伊藤:なるほど。
佐藤:そのへんの根源的欲求は、やはり「狂気的な」って言っている差があるから、人とはちょっと違うかもしれないですね。
「リアム・ギャラガー風にいきますか?」
佐藤:(画面を示して)さっき作ったサイトも見てください。ほら。一瞬にしてサイトになっちゃう。結論・根拠・事実。
伊藤:これは、サイトを作りたい人はサイトを作るんだろうね。俺は、なんか「ふーん」っていう感じなんだけど。
佐藤:でも、こうやって変換していく作業の後だと、さっきの文章ではわかりづらくないですか? 僕はヒューマンリーダブルって言っているんですけど、人にとってわかりやすい文体になるから相手に説明するにはちょうどいい。
伊藤:なるほどね。
佐藤:これが構造化だと言っているんですよ。抽象化、構造化、最初の具体化を、何度も行き来して壁打ちをしているから、また形容詞の語彙力がついてきて、人よりもゴールイメージが湧いているんだと思います。
僕にとっては30年前、ファミコンに熱中している時とあまり変わらない(笑)。「『ドラクエ(ドラゴンクエスト)』クリアしたぞ」みたいな感覚です。
伊藤:でも、いろんなことが楽になってきて、とりあえず授業(の資料)を作るのもラクだし。それはやはり骨子があるからだなと。翻訳するのもめちゃラクだから。
佐藤:ラクですね。
伊藤:しかも最近って、(AIが)「羊一さん、今度ライブがありますね。オフィシャルなスーツ系ですか? ロックですか?」って聞かれて、「ロックだね」って言ったら、「リアム・ギャラガー風にいきますか? Fall Out Boy風にいきますか?」とか、「なんでお前、俺の趣味を知っているんだろう?」っていうところまでになっているんですよね。
佐藤:(Oasisの)東京ドーム、最高でしたか?
伊藤:最高でしたね。ちょっとね、それを語ると現世から消えちゃうので……。
(会場笑)
今はまだ、かろうじて現世に残っていますけどね。
欲望のない20代にどうやって火を付けるか
佐藤:でも、それも「自分が熱狂するものが何かありますか?」っていう共通項じゃないですか? やはり、人の根源的欲求に根差すものって、僕ら昭和世代の人間からすると、「フェラーリが欲しいよ」とか「女の子にモテたいよ」とか、すごく強い欲求だったからがんばれることがあったと思うんです。
よく言われる、今の20代の子とかはそういうのが薄いってなると、何を目標にすれば狂気じみた1,000時間を作れるのかなっていうのは、僕も一応、人を育成する側の人間として悩むところではあるんです。羊一さんだったら、20代にどうやって火をつけますか?
伊藤:いや、今そういう仕事をやっているからこそ、ぜんぜんわからない。
佐藤:(笑)。現在進行形で。
伊藤:そこはもどかしいよね、本当に。
佐藤:1つ、なんか解というか、「こういうことなんじゃねぇの?」みたいな……。
伊藤:それはもう、めっちゃ簡単に言うとたくさんしゃべること。それでみんな目覚めるんだったら苦労していないんだよね。
佐藤:なるほど。でも、やはり人の目が輝いている瞬間って手に取るようにわかるので。
伊藤:そうね。
佐藤:対AIに対しても同じ熱量を向けてほしいなとは常々思います。
伊藤:これ、時間は何分まででしたっけ。
佐藤:もうそろそろ(笑)? 最後1問ぐらいあります?
(会場挙手)
はい、お願いします。
注目のAIエンジン「Codex」
参加者2:先ほど「『Cursor』でエージェントを自動的に指定すればやれます」って言われましたけど、それは何か指示をしていくんですか? それともいろいろ入れ込んだ中で、指示をしたことを解釈をして、「それだったらこれが要るな」っていうことを「Cursor」が考えてくれるんですか?
佐藤:今、すごく正確に話したほうがいいかどうか迷っているんですけど。ちょっと乱暴な言い方をしているのは、まず「Cursor」はスタートアップの会社が作ったエディターのアプリで、当然彼らもビジネスなので、今、OpenAIなんかを飛び越えて、1年で100ミリオンドルを突破するぐらい儲かっている会社なんですね。
今、「Cursor」は20ドル課金すると……(画面を示して)「Codex」って書いてあるんですけど、実はこれ、Cursorへの課金ではなくて。「Cursor」の課金はこっち側なんですよ。ここにエージェントがいるんですよ。
佐藤が使っているエージェントって実は「Cursor」じゃないっていう裏側があって(笑)、「じゃあ、Codexって何なのか?」っていうと、実は「Cursor」の中に生息させることができるChatGPTなんです。
この中でChatGPTに課金している方、いらっしゃいます? 今手を挙げた方は、僕と同じくCodexをすでにインストールできます。僕、今日は議事録を書いておりますけど、その方々はOpenAIのこれをインストールすると、拡張機能の中にCodexっていうのが、ビヨンと出てきます。
「えっ、なんでGPTって書いていないの?」っていう話はちょっと摩訶不思議なんですが(笑)。このCodex君が今、世界最強に頭がいいと言われているエージェントで。生成AIの上位層でも当たり前に使われています。
こいつに先ほどの15万字の書籍の種を渡したので、「今、書いておけ」「わかりました」って、一瞬にして作ってくれたのが、先ほどの15万字のものになっています。
これも、さっきの「300個のソースを全部書き上げて」って、書いてもらって、その後に「15万字の本のベースの執筆デモを書いて」って言って、(画面を示して)ここに「1-1」って書いていますね。これ、全部右側のCodex君にお願いしていたんですよ。
一瞬で膨大なテキストを生成
佐藤:ちょっと(画面の)解像度が低いのでね。わからないかもしれないけど、8,000文字書いています。これの、掛ける200個書いているので、もうとんでもないですよね。
さっき「風呂に入っている」とか「一晩」って言っていましたけど、実は慣れてくると15分もかからずに15万字書いちゃっているんですよ。そういう世界線。
なので、誰でもできるゾーンがあります。ただ、レベルの初級、中級、上級があるので、初心者なりにがんばってやってみたはいいけど、当然、つまずくポイントがいろいろあります。困ったら佐藤勝彦に連絡いただければ、一応そういう講座は用意しております。
ただ、独学もできます。どうやればいいかは覚えました? NotebookLMの中の(画面の左側を示して)ここにCodexのデータを突っ込んでいただいて、「佐藤先生は何を言っているかぜんぜんわからなかったので、非エンジニアの私でもわかるように教えてほしい」って言うと、かみ砕いてやってくれます。
何だったら、「構造化して、ちょっとラジオにしてくれよ。1980年代のDJ風にしゃべってくれ」って言ったら、「OK、今日もやってみようかあ!」みたいにしゃべり倒してくるわけですよ。
eラーニング動画もできちゃうし、ブログもできちゃうので、覚えるソースを入れれば誰でも学べるものがNotebookLMだということです。伝わりますでしょうか?
参加者2:ありがとうございます。
LLMを使い倒して新時代の学びへ
伊藤:まずはNotebookLMを使い倒しましょう。
佐藤:はい、勉強しましょうっていうことですね。
伊藤:わかりました。じゃあ、そろそろお時間ということで、最後に一言。
佐藤:いやぁ、羊一さんのおかげで、発売5日で重版が決まったんですよ。
伊藤:おぉ。
(会場拍手)
佐藤:5日で著者累計1.1万部っていうのはすごいんですか?
伊藤:5日で1.1万部? すばらしい。ところが、それはもう終わりがないからね。だからもう、1万部を超えたら2万部だし。3万部いけばヒットですよ。
佐藤:もう、認められる? 10万部だったらけっこうすごいでしょうね。
伊藤:10万部は大ヒットですよ。
佐藤:大ヒット(笑)。
伊藤:1.5万部ぐらいを超えたら、たぶん損益分岐点を超える。だからもう、そこまで来ている。
佐藤:来ているっていうことですね。もう2冊目が確定しまして、これ(『AI独学 超大全』)はぜんぜん書き切れていないんですよ。インプットの本なので、アウトプットが書き切れていないんですよ。ぶつ切りのように終わっているのは、本をこれ以上大きくできないから致し方なく切って、次回をお待ちくださいっていうものになります。
年明け早々にまたこうやって羊一さんと語らせていただくかもしれません。引き続きご愛顧いただければと思います。今日はありがとうございました。
伊藤:ありがとうございました!
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