【AI導入待ったなし】社内でのAI推進成功の鍵は?/「まず一度やってみる」で文化をつくる/手段を目的化せよ/AI強制と多様性のバランス/kubell × Algomatic(全2記事)
組織が社員に対してできる“AIへの関心の育て方” 「個人の在り方」を受け入れながら変化を促すアプローチ [2/2]
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AIへの関心・興味は後天的に身につく
桐谷:先ほどの自転車に乗せるとか念を送って進みやすい人と、とはいえそうじゃない人とか、もうちょっと巻き戻ると「使う人は使うんですよ」という採用の話だとか、これって何が違うんですかね? すごくよくわかるんですけど、どうやって見極めるのかなみたいな。
逆に懸念の観点とかで言うと、そういう側になりたい人もたくさんいると思うんですけど、根本的に「いや、もうそれは諦めたほうがいいんです」という話なのか、後天的に身につくものなのかとか。どういう差異があるんですかね?
大野:後天的に身につくんじゃないですかね。それこそ僕は成功体験の数な気もしますけどね。若干の負荷をかけてでも、そういう新しいものを最初にキャッチアップしたり習得することによってうまくいった体験が多い人というのは、やはりやりがちですよね。
だからこれまでの経験でも、見極めるという意味合いだと、見極められる気もします。知らないことを習得して、それで成功体験を積んでいるかみたいなことだし。そういう体験を積めば積むほど、後天的には人は変わるのかなという気もしますね。
不確実性の高い世界におけるピラミッド型組織の難しさ
桐谷:思ったのが、年齢の話とか世代の話もチラッとあったじゃないですか。そういう人とかを同じコミュニティに入れておくみたいな。DMMさんって、これをすげぇ上手にやっているなと思ったんですけど(笑)。どういうふうに捉えているんですか?
大野:そうだと思いますね。僕もDMM内部のことはそんなに知らないですけど、亀山(敬司)さんという64歳の会長がいて、僕らもDMMの投資を受けながら自由にある程度やっているわけですが、うまくやっていますね。ある種、年齢のピラミッドにはしていないですよね。
桐谷:へぇ、なるほどね。
大野:例えば亀山さんは64歳ですが、考え方とかは若いというかすごく柔軟ですし、柔軟に新しいことをキャッチアップしてやってきた成功体験が、それこそすごくたくさんあられる方なので。
それを伝書鳩的にピラミッドの中で降ろしていくのは難しいところで。僕らの場合だと、亀山さんの直のレポートラインというか、DMMから僕らに投資するという意思決定は亀山さんがやっていらっしゃるんですけど、そういうのはピラミッド化していないかもしれないですね。不確実性の高い世界においては、ピラミッド型組織はけっこう難しいのかもしれないです。
桐谷:へぇ、おもしろいですね。
状況を正しく伝えないのは1周回って不誠実
桐谷:僕らの会社の話で言うと、(AIは)まあまあ活用できているほうなのかなという気はしたりするんですけど。先ほどのメッセージングの話、例えばユニクロの柳井さんが言っていた「Sink or Swim」、訳すと「泳げないものは沈めばいい」みたいな。これってけっこう強烈な言葉じゃないですか。
なんですけど、AI時代に入ってきて、言葉を選ばずに言うと、相当選別が始まっているとか、生産性にめちゃくちゃ差がつき始めているみたいなところがあったりするので、これを周りの人たちに正しく伝えないというのは、逆になんか1周回って不誠実かなと思ったりするので。
「沈めばいい」ってけっこうやばいと思うんですけど、「泳ぎ方もみんなで習っていこうね」みたいな話もするし、ボートを作る、浮き輪も作るという危機感も与えつつ、メッセージングとしてはポジティブにするというところも、両面でやっていくのが必要なのかなとあらためて思いましたね。
大野:確かに。それはそうですね。
桐谷:けっこうやばいですものね。3年前、4年前ぐらいに戻ると、自分としても「どうやって生きていくんだろうな」みたいな(笑)。
社会全体としては無理に変えなくてもいいのかも
大野:めちゃくちゃ賛成しつつ、あえて逆を言うと、新しいものにキャッチアップしてやっていく個体と、そうじゃない保守的な個体がいること自体は、人類という種としてはすごく健全という気も僕はしていて。
桐谷:あー、わかりますね。
大野:だから実は沈まないんじゃないかという説もあって。めちゃくちゃ古いお店とか、今でもたくさんあるじゃないですか。でも生き残っていますよね。それを求めるお客さんもいるし。人類みんなが新しいことにいったら、それはそれで成り立たなくなるので、適材適所かなみたいな、すべてを受け入れる気持ちもあります(笑)。
社会全体としては無理に変えなくてもいいのかもしれないですね。でも、個としてはたぶん変わったほうが生きやすい方もたくさんいるので、そういう方にはちゃんと伝えていくとかが大事な気もしますよね。
個として本当にありたい姿に対してやり方が間違っている可能性もあるので。例えば安定を求めて大きな企業に入って、古い仕事をやったとしても、実は安定しませんみたいな話もあるので、それはちょっとあるかもしれない。ちゃんと啓発されるべきかもしれないですけど。
桐谷:そうですよね。
大野:まあまあ、必ずしもって感じもしますよね。
どちらにも感謝しないといけない
桐谷:1個前か2個前の動画の話に戻っちゃうかもしれないですけど、個人的にはうちの会社って、スタートアップでチャレンジをしないといけないという前提があったりするので、やはり尖って新しいものを価値提供していく人たちの、半分偏った集団でないといけないのかなというのがあったりはするのかなと思うんです。
そういう新しいものって言っている人たち、僕自身も5年後もつかわからないですけど、学生とかに「いや、桐谷さん、古いっすよそれ」と言われて、「あ、そうですか。すみません」みたいな(笑)。そんな世界がきっと来るんだろうなと思っていて。
逆に「いやいや、こっちはこっちで歴史があって、こういうエコシステムがあって成り立っているんだよ」みたいなものも、それこそ企業群として、エコシステムとしての生態系としては美しいっちゃ美しいので、あるべきだと思います。
大野:海に出て、島があるかわからないところに行く人たちもいれば、この島で見つかっている木の実とか植物とかをちゃんと育ててやってくれている人たちがいるからこそ、冒険者は冒険ができるみたいなところもあるので。
桐谷:そうですよね(笑)。
大野:と思いながら僕は、おじいちゃん・おばあちゃんが作ってくれたお饅頭とかを食べながら「こんなおいしいものが食べられるんだな」みたいな。
桐谷:そっちがあるから生きていけるんですよね。なので、両方感謝しないといけないっていうのは、本当におっしゃるとおりだと思いますね。
大野:そんなところですかね。AIシフトをどうするのか、アンチパターンと、どうしていくべきかみたいな話をテーマにお話ししました。ありがとうございました。
桐谷:ありがとうございました。
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