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AIは“バイアスなき意思決定”を実現できるか?─ 組織の判断力を支えるAI活用のリアルと、成果につながる意思決定デザイン(全3記事)

実は日本はAIへの文化的リテラシーが高い国 アニメ・漫画の影響から生まれたAI活用の“日本的”なアイデア [2/2]

バイアスをプロンプトとして入れておく

佐々木:今ふと思ったんですけど、パナソニック コネクトさんは社内でGPTを使われているじゃないですか。こっそりリスクとか新しいものに対して後押しするようなバイアスをプロンプト入れておくとか、そういう新しい類の文化醸成みたいなことも最近はできなくない世界ですよね。

山口:おもしろいですね、それ。

佐々木:一歩間違うと思想誘導とかそういう危ない話にもなりかねないですけれど、ポジティブめのチャレンジを後押ししてというのはぜんぜんありかなと思ったりしますね。

山口:ありだと思いますね。

國本:そうですよね。

自分のバイアスを与え続け、自分なりの1台を作る

國本:やる気のスイッチは人によっても違うじゃないですか。声をすごく優しくかけてほしいとか、逆に厳しくやってほしいとか。

山口:先ほどの話とつながりますね。

國本:そうなんです。組織のデザインの話に戻すと、個別だからこそ、組織一人ひとりのモチベーションや役割の見える化をしていって、それに対してどういうふうに自分のパフォーマンスが最大化するようにAIを使いこなせるのかもけっこうポイントになりそうかなと思ったりしました。

山内:確かにね。そういうAIエージェントはこれから絶対に出てくるんですけど、ありだし、必要だと思います。大企業だと人事の人が従業員一人ひとりと面談している時間なんかないので、そこをAIエージェントに置き換えるっていうのは……。

山口:360度評価して、どういうふうにすればその人がモチベーションを上げられるかっていう、その人のキャラクターに合わせた接し方みたいな話。つながりました。

國本:そうですね。これからはたぶん1人1台AIを持つ時代ですもんね。

山口:本当にそうだと思います。

國本:なので、それに対して自分のバイアスをむしろ与え続けて、自分なりの1台を作っていくかみたいなところは、全員のチャレンジになるかもしれないですね。

佐々木:おもしろいですね。バイアスはうまく使いこなすとプラスのガソリンになるというか推進力になっていくので、うまく使いこなしたいってことですよね。

國本:はい、まさに。

良いバイアスを作り、新しいチャレンジをする

國本:すごくおもしろい話ではありますが、そろそろまとめにも入りたいなと思っています。今日は「AIは“バイアスなき意思決定”を実現できるか?」というテーマで関心に持って、みなさん来ていただいているので。

AI活用っていったところもそうですし、こういったバイアスとどう向き合っていくべきなのかを、ぜひ一言でメッセージをいただけたらなと思っています。山口さんからお願いいたします。

山口:今日、悪いバイアスもあるけど良いバイアスもあるよねっていう話があったと思うんですね。私が信じている、「テクノロジーは人を幸せにするものであるべきである」ということを考えると、良いバイアスを作って、新しいことにチャレンジをして、そしてAIというテクノロジーがより良い世の中、フェアな世の中を作っていくのに寄与できればいいなって。

そういうことをするために、一人ひとりそれぞれの立ち位置でチャレンジを続けていけたらなと思います。私もチャレンジします。

國本:はい、ありがとうございます。

「自分たちなりにより良くするには?」を考える時代

國本:山内さんもお願いします。

山内:私もAIとかが好きで、いろいろ技術的な勉強もしてきたんですけど、やはり今からの時代はその反転として、「人間って何だっけ?」を考える時代だと思う。人間っていう大きいくくりもそうだし、「自分は何をしたいんだっけ?」というのも大事な時代になる。

そういう時に、身体性とか機械じゃない自然の世界とか、物理的な実体の世界とか、そちらの思想もこれから発展すると思っているし、そこで自分たちなりにより良くするには何をすればいいのかをみんなが考えていく時代になるといいと思いました。以上です。

國本:ありがとうございます。

AIの登場をチャンスにひっくり返してやりたい

國本:佐々木さん。

佐々木:先ほどのチャレンジの話と同じなんですけれども、AIっていうゲームチェンジャーが来たので、これに対してリスクとかのいろいろな議論はあるものの、そういうのとバランスを取りながら、チャレンジみたいなことをきちんとしていく文化を世の中作っていかなきゃいけないんだなと思っていて。

IVSに来ると、毎年何か新しいことにチャレンジしたいっていう熱気にあふれているんですけれども、その温度感で世の中、道を歩いている人はいないので、これを世の中全体に広げていきたいなと思っている。

日本、アメリカ、中国とかいろいろな国がある中、これまでの国力の差とかがだんだんついてきちゃった中で、AIっていうゲームチェンジャーがせっかく来たんだから、他国にまた負けるんじゃなくて、それをチャンスにしてひっくり返してやりたいなっていう気持ちを強く持っているので。みんなでやっていきたいなと思っています。

國本:ありがとうございます。

今日はバイアスが1つテーマだったんですけども、バイアスがあることが悪いことではなくて、むしろどう活かすかが、スタートアップとしても、大企業としても非常に重要なキーになるといったところで。

みなさんも今日聞いて終わりではなくて、この後のプロダクト作りであったり、組織デザインのところだったりで活かしてもらえたらなと思っております。

ということで、このセッションは以上となります。みなさん、ありがとうございました。

(会場拍手)

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