元2ちゃんねる管理人のひろゆき氏が、学生エンジニアの開発プロダクトにフィードバックを行うセッション「ひろゆき虎の穴」。データ活用の意外な可能性や、グレーゾーンのサービスを安全にリリースするための責任分界点の設定など、学生には思いつかない視点を提供。最後には、成功するサービスになるためのメッセージを送りました。
タクシーと警察の意外な関係性から学ぶデータ活用法
楓博光氏(以下、楓):(スライドを示して)これ、3つ目のところはいかがですか? ここの、リソースだったりデータというのをどういうふうに活かしていきたいか、いけそうかみたいなところも相談したい内容ですかね?
ひろゆき氏(以下、ひろゆき):なんか、タクシーと警察ってめっちゃ仲いいんですよね。
七輝(ないしん)氏(以下、七輝):そうなんですか(笑)?
ひろゆき:なんで仲がいいかというと、やらかした犯罪者とかが逃げている時の「この車のこの車種でこの番号があったら教えて」ってタクシー会社に行くんですよ。
七輝:なるほど。確かに。
ひろゆき:で、タクシー会社が「これ、あったよ」というのを報告して、捕まえるということがあって。なので本当に世の中で、たまたま通っていたけど本人は気づいていないデータがドライブレコーダーに残っていることって、けっこうあると思うんですよね。
七輝:なるほど。
ひろゆき:なのでそこの掘り起こしをしてしまいましょう。
七輝:とすると、例えば言ってしまえば指名手配されている人の顔検出システムを組み込んでおいて、それで検知されたらすぐに警察に通報するみたいな、というイメージですか?
ひろゆき:まあまあ、きれいごとで言うとそうなんですけど、金になるポイントでいくと、例えば『文春(週刊文春)』とか『新潮(週刊新潮)』とかが、芸能人の車のナンバーを覚えていると思うんですよ。それが見つかった時は報告をすると、ユーザーがお金をもらえるとか。
七輝:なるほど。
ひろゆき:登録したくなければしなくていいんですよ。でも使っているユーザーが、なんか「『文春』に報告しますか?」「はい」って押すと、なぜか1万円が振り込まれるみたいになると。そこは本人次第ですけど。
七輝:なるほど(笑)。
楓:学生さんには絶対出てこないアイデアですね(笑)。
七輝:(笑)。
ひろゆき:でも、けっこう出版社とか、需要あると思うんですよね。芸能事務所とかも。
グレーゾーンの開発とユーザー責任の分界点
七輝:確かに。それで言うと、今作っているPhotoBotはかなり健全なプロジェクトですけれども、前身になったプロジェクトは少々グレーなものを作っていまして、これ、このまま何も対策せずリリースしてしまうと、ちょっと昔のWinny事件ではないですけど、開発者が逮捕されてしまうんじゃないかみたいな、ちょっとそういう恐怖もありまして。
このあたり、どうリリースしていけばいいかなということをちょっとひろゆきさんにご意見があればおうかがいしたいんですけど、いかがでしょうか?
ひろゆき:でもそこは、細かく本人が設定しているかどうかの問題で、例えば先ほど言った『文春』『新潮』の話や自動車の番号の話とかも、どの番号でどれを送りますとかは特に出ず、「必要なデータと言っているのがあります、送りますか? 1万円です」というぐらいでやっちゃうと、たぶん送っている側も何を送っているかわからないとなれば、責任分界点がけっこう曖昧になると思うので。
ユーザー本人の責任が発生しないような仕組み。ユーザー本人が何か犯罪に加担しているわけではない、だって知りようがないからね、というそこの区切りをちゃんとしておけばいいんじゃないかなと思うんですけど。
七輝:ちょっと今までにない視点でした(笑)。ありがとうございます。
楓:はい。そんなところですかね。はい、ありがとうございます。
七輝:ありがとうございました。
「諦めずに質を上げ続ける根性」成功への鍵
楓:では、時間も来ましたのでPhotoBotもこれにて終了とさせていただきたいと思います。あらためてみなさん拍手をお送りください。お疲れさまでした。ということで、では学生のみなさん、最後全員顔出しをお願いします。
では最後にですね、そんなまだ本当にこれからサービスを作っていくというところで事業化を目指しているという3チーム。そしてこの技育祭のセッションを聞いているエンジニア学生のみなさんに、ひろゆきさんから、ものづくりだったりプロダクトというところに関しての一言メッセージをいただいて、締めたいと思います。ひろゆきさん、よろしくお願いします。
ひろゆき:はやっているサービスと、同じようなことをやってうまくいっていないサービスって、実はほとんど機能は変わらなかったりするんですよね。
なので本当にたった1つの機能差とか、なんかちょっとした使いやすさとかという、そこの質をちょっとずつでも上げるという根性がひたすらあって、(それを)やっている人はやはりうまくいくので、諦めないで成功するまでひたすら「良くするんだ、良くするんだ」って努力をし続ける。(そうすると)結果としてどれか当たるよねというパターンだと思うんですよね。
だからスポンサーのディー・エヌ・エーさんももともとオークションサイトだったんですけれども、誰も思っていないですよね、ディー・エヌ・エーさんがオークションサイトだったって(笑)。
でもあれも、その中で、スタッフの中でちょっとゲーム関係をやりたいというのがいたから、「じゃあ、よくわからないけどやってみよう」というので、バカ当たりしたみたいなのがあったりするので。
なので、何が当たるかわからないけどいろいろな機能とかいろいろなビジネスモデルとかもいろいろ試して、結果として当たったらいいよねとやるとうまくいく。創業者の人たちって、やはりプロジェクトとか会社とかが好きだと思うので、そこをワークライフバランスと言わずにひたすら働き続けるというのが、成功するための要因の1つじゃないかなと思うんですけれども。
楓:はい。とのことです。もしかしたらね、10年後、20年後に、そういう日本や世界を代表するプロダクトや経営者が、ここから生まれるかもしれないですね。それを願って、本日のセッションを終わりにさせていただきたいと思います。
あらためて発表された3チームのみなさん、そしてひろゆきさん、本当にありがとうございました。では最後、拍手で締めましょう。視聴者のみなさんも拍手をお送りください。本当にありがとうございました。
それでは以上とさせていただきます。ひろゆきさん、本当にお疲れさまでした。みなさんひろゆきさんにバイバイしましょう。ありがとうございます。
ひろゆき:お疲れさまです。ありがとうございました。失礼します。