元2ちゃんねる管理人のひろゆき氏が、学生エンジニアの開発プロダクトにフィードバックを行うセッション「ひろゆき虎の穴」。前半では「DevCone」というサービスについてコミュニティ形成に活かす方法を議論。後半では「リフティ」という振り返り・日記アプリについて、過去の投稿を意図せず見られる機能やAIフィードバックの特徴が紹介され、ひろゆき氏が差別化戦略を提案しました。
「スタンプ収集」でイベント参加実績を見える化する
ごみちゃん氏(以下、ごみちゃん):すみません、もう1点なんですけれども。
ひろゆき氏(以下、ひろゆき):はいはい。
ごみちゃん:DevCone(DevConnection)の広報の仕方なんですが、現在はXを広報として力を入れていこうかなと考えているんですけれども、そのほかに効果的な広報の方法はあるかなっていうところで今考えているところで。もし今ひろゆきさんが新しいサービスを作った時に、「広報していくとしたらこういうのを使うな」みたいなのってあったりしますか?
ひろゆき:広報というのはお金を使うという意味ではなくて、たぶんいろいろなイベントだったりとかに行って、なんか「このイベントに参加したよね」っていうのを、なんかスタンプだったりみたいなかたちで、記録が残るようにしておくっていうのをすると。
そうすると、イベントをやっているほうも、それでなんかここに参加しているよねっていう人数がわかるとか、この人が参加したんだってわかると、「あぁ、じゃあ、私も行きたい」ってなるかもしれないみたいなのがあったりするので。なのでイベントに積極的に使ってもらうっていうのを作ったほうがいいんじゃないかなと思うんですけれども。
ごみちゃん:なるほど、ありがとうございます。なんか例えばサポーターズ内で言うと、サポーターズのハッカソンに参加したみたいな、第何回目に参加したらこのスタンプが押せるみたいな感じでどんどん溜まっていくと。そこと「じゃあ、自分とまったくハッカソンとか出ているのも同じだし、似ているよね」みたいなところで仲良くなれるみたいな、またコミュニティができるみたいなところがいいっていうことですよね?
ひろゆき:なので、スタンプがいっぱいついていると、そういうのに積極的に参加する人なんだなって、プラスのイメージはあるじゃないですか。
ごみちゃん:そうですね。
ひろゆき:なのでスタンプを集めたほうがいいよねってなると思うので。イベント側としても、なんか毎年ハッカソンに出ているんだったら今年も出たほうがいいよねっていうモチベーションが上がるという。
ごみちゃん:なるほど、ありがとうございます。でも、なんかあんまりお金を使って大々的に広報するっていうよりかは、地道に「便利だから使おう」みたいな、「周りの人たちも使っているし使っていこうか」みたいなところで、ジワジワ増やしていくっていうのがいいってことですかね。
「ジワジワ広げて牙をむく」ひろゆき氏が考えるマネタイズ戦略
ひろゆき:そうですね、なので投資とかは集めないで、ひたすら地味にじわじわと続けていって、かなり広がっているよねという状態で、いきなり牙をむいて金儲けに走るくらいのほうがうまくいくんじゃないかなという気がします。
ごみちゃん:(笑)。いや、本当にそうだと思います。なので、例えばですけど、僕自身とかがもうDevConeを使って、いろいろなイベントに参加するぐらいの勢いで、「DevConeを今自分たちで作っているんだけど、これってめっちゃ便利だよね」みたいな感じで話を広げていくみたいなのもまたアリなのかなと、ひろゆきさんと話していて思いました。
ひろゆき:あと既存のコミュニティと違って、けっこう濃いつながりになる可能性があるので、例えば「なんか今仕事でこれに困っているんだけど、5,000円払ってもいいからすぐ答えが知りたい」みたいなのもあったりするので、そういう感じでエンジニア同士でもお金のやり取りを発生させちゃうと、そこがマネタイズのポイントにはなるんじゃないかなと思いますけど。
ごみちゃん:なるほど、ありがとうございます。求人じゃないですけど、今知見が欲しいみたいなのでお金を払うみたいな、掲示板というか募集みたいなのをかけられる機能があると、またそこでマネタイズできるよね、みたいなお話ですよね。
ひろゆき:うん、そんな感じです。あと会社によっては、なんかエンジニアをこれで紹介すると紹介料を数万円くれるみたいな会社もあったりするので、そういうのも裏同士で、要はそのエンジニアがDevCone経由で人を集めてきたら、それでお小遣いが入っちゃったみたいなのもあったり。
なので、そういうXとかの一般的なコミュニティとは違う、ある程度濃い、お金が介在してもいいよねぐらいのコミュニティの感じにしたほうが、より差別化はしやすいんじゃないかなと思います。
長期的な成功のために「社会人エンジニアの需要に合わせる」
ごみちゃん:なるほど、ありがとうございます。それで言うと、以前にちょっと考えていたのが、「DevConeの未来、こうなったらいいよな」みたいなところで。
こういうDevConeを使ってくれるのって、イベントに参加してくれる学生エンジニアだったりすると思うんですけど、(それ以外にも)企業の方とかも使ってくれると思うので、実際こういうイベントに参加していて、メチャクチャハッカソンに出ているとか、なおかつ賞も取っているみたいなところで興味が出たら、最終的にその人に求人を出せるみたいなところまで進化できたら、学生エンジニアの助けになるのかなみたいな。発展として考えてはいるんですけど、そういった方向もありなのかなっていうのをお聞きしたいなと思いました。
ひろゆき:ごみちゃんさんってまだ学生ですよね?
ごみちゃん:はい、学生です。
ひろゆき:学生エンジニアの登録が多いだろうっていうのは、たぶん自分の周りを見て思っていると思うんですけど、でもエンジニアの人数で言ったら社会人エンジニアのほうが圧倒的に多いんですよね。なので社会人エンジニアとしてはどういう需要があるのか、そちらに合わせたほうが長期的にはうまくいくんじゃないかなと思うんですけど。
ごみちゃん:なるほど、ありがとうございます。というと、最初の新卒じゃなくて転職とか、そういった方向に持っていったほうがいいのかな。
ひろゆき:あとは働いているエンジニアが便利だなと思う機能。
ごみちゃん:そうですね。
ひろゆき:例えば「プロジェクトでこういう人が、ちょっと人手足りないんだけど数ヶ月だけプロジェクトに入ってくれる人、いないかな?」みたいに、ある程度この人は信用できそうだなっていうのが見えるようになっていると、「じゃあ、この人に頼もうかな」みたいになる。
ごみちゃん:なるほど。そうですね。それがもう先ほどちょうど話していた募集みたいなのがかけられる機能でできると、という感じですね。
ひろゆき:はい。
ごみちゃん:確かに発展として、そういった方向でマネタイズを進めていってもいいのかなと思いました。ありがとうございます。
ひろゆき:ただマネタイズをしなくても大丈夫な体制でやったほうがいいと思います。投資を集めないとか、コストをかけないとか。
ごみちゃん:ありがとうございます。
楓博光氏(以下、楓):はい、ということで、もうあっという間に時間になってきてしまいました。こんな感じでまずはいったんヒントを何か得ていただけたらいいかなと思っています。ではトップバッターのDevConnectionは、これにて終了とさせていただきたいと思います。ごみちゃんさん、本当にお疲れさまでした。そしてひろゆきさん、ありがとうございました。
ひろゆき:ありがとうございました。
楓:ではみなさん、拍手で1つ目のチームにチャットのほうでリアクションをお願いします。
ごみちゃん:ありがとうございました。
「振り返りと日記を一元管理」リフティが目指すユーザー体験向上
楓:はい、ということで、こんな感じで進んでまいります。そんなむっちゃ怖くなかったよね? みんなね、安心して。
ひろゆき:いや、普通だったと思うんですけど(笑)。
楓:(笑)。はい、それでは続きまして、2プロダクト目です。「リフティ」のみなさん、それではご準備をお願いします。
ゆせ氏(以下、ゆせ):お願いします。
楓:はい、お願いします。
ひろゆき:こんちはーっす。
楓:1チーム目を見て、ちょっと気は楽になりましたか?
ゆせ:いや、ぜんぜんならないですね(笑)。
楓:なっていないですと(笑)。さぁ、それではまいりましょうかね。何かスタート前にひろゆきさんに言っておきたいことはありますか?
ゆせ:そうですね。正直、先ほどのお話ともしかしたら同じような感じですけど、なんか目の前で、すぐに事業化したいとかではなくて、どちらかというとユーザーをどんどん増やしていきたいとか(考えていて)。これ、投稿するアプリなんですけど、投稿数を増やしていきたいとかっていうほうを直近で目標にいろいろ開発しているので、そういった目線も含めてフィードバックをいただければ、すごくありがたいです。
楓:厳しめで大丈夫ですかね?
ゆせ:いや、厳しめ半分、優しさ半分でお願いします(笑)。
楓:とのことです。3分間まいりましょう。リフティの発表になります。みなさん拍手でお迎えください。よろしくお願いします。
ゆせ:はい、よろしくお願いいたします。PeachTechのゆせと申します。リフティのプレゼンになります。アジェンダはこの4つになっています。

まず「リフティとは」なんですけれども、一言で言うと振り返りとか日記を一元管理できるWebアプリケーションになっています。ちょうどリリースして3ヶ月が経ったんですけれども、投稿数、現在700投稿を突破していて、先日の技育博においても、株式会社サイバーエージェントさまから賞を受賞したものになっています。

まず「なんで振り返りなのか?」っていうところなんですけれども、頭出しだけさせてもらうと、1つ目が、自分自身が毎日振り返りをするんですけど、管理する場所がなかったというのが1つ大きくあります。
もう1つが、振り返りがもたらす効果が多くの先行研究で明らかになっているということを知ってから、周りのエンジニアとか、自分が団体を代表していたというのもあって、もっと自分の周りのエンジニアと一緒に強くなるとか、ゆくゆくは日本全体に振り返り文化を根付かせたいという思いがあって、リフティの開発に至りました。

デモ動画なんですけれども、こちらはマイページの投稿一覧ページで、いろいろソートがあって、フォルダとかタグでソートができます。これが投稿しているページなんですけど、日記とかポエムっぽく書く人もいれば振り返りで書く人もいて。振り返りの場合は先ほどみたいなテンプレート機能を使って、今回だと例えば「Fun Done Learn」の振り返りをしている場面です。
Markdownでもけっこういろいろ自由に書けて、スタンプとかあとは公開・非公開機能があって、投稿しておしまい。最後は、過去の投稿をランダムで1個表示しながら、モーダルが出て終了といった感じです。

推し機能の1つ目なんですけれども、過去の投稿を意図せず見られる仕組み作りをリフティはがんばっていて。こういう振り返りとか日記のアプリって、過去の投稿をもう見る機会が一切ない、埋もれてしまうっていう課題とかがあると思っていて。
ただわりと見てみるとおもしろいとか、過去の自分から学べることも多いなっていうことがけっこう多くて、それをWebアプリで実現する。わざわざノートに書かなくてもWebアプリでこういうふうに流し読みができて、気になったところがあればその投稿に飛ぶみたいな体験をもっと強めていきたいなと思っています。

2つ目が、5種類の好きなAIからフィードバックをもらえるというところで、ちょっと今早すぎて見られなかったと思うんですけど、5種類のAIからフィードバックをもらうことができて、今回はストイックなAIを使っています。
この日出社日で、メチャクチャパフォーマンスが良かったので、振り返りでも良かったことをめっちゃ書いたんですけど、「自己評価が楽観的すぎる」とか「客観性が欠けていますよ」みたいな、けっこう厳しめのフィードバックをもらうこともあれば、ほかの種類のAIからフィードバックをもらうこともできる感じですね。