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学生エンジニアの生存戦略 〜Rubyの父が語るキャリアのヒント〜(全3記事)

「つよつよエンジニアになれない」と悩むすべての人へ Rubyの父が教える“本当の成功の道”とは [2/2]


「Rubyのおかげで人生が変わりました」技術的成功と承認の喜び

成功したいというのもいろいろあって、例えば技術的成功。自分の作ったものが技術的に優れていて、それによって、なんていうの。すばらしい技術を世に出すとかですね。あるいは情緒的成功。先ほどの承認欲求ですよね。その優れたもの、成果があるゆえに、人々に認められてチヤホヤするという(笑)。あるいは、「あの人すごいですね」「あなたすごいですね」と言われたい気持ちとかですね、あると思います。

私自身もRubyを作っていて、Rubyは世界中で使われているので海外のカンファレンスとかに行くと、海外の人たちが私のところに来て「Rubyを作ってくれてありがとう」と。「私はRubyのおかげで人生が変わりました」と。例えば起業したりとか、転職したりとか。それで今までよりももっと、例えば「楽しいプログラムができています」とか、それから「経済的に成功しています」とか、いろいろあるわけですけど。

だから「ありがとう」というふうに言われることが、時々あるんですね。そういうのを聞くと、すごくうれしいわけですよ。

技術的な成功の他には、経済的成功というのがありますね。そういうふうになりたいというのならば、じゃあどうやってネームドになるか。あらためて考えてみるとネームドというのは受け身なので、名付けられた存在なんですよね。そうすると、誰か他の人。他社から評価されて、初めてネームドになるわけですよね。

そうなんですが。評価を得ようとする過程、有名になりたいと思っていろいろもがいたりとかをするわけなんですけれども。その過程というのは、その評価の対象にはならないんですよね。それを考えると、「評価されたい」「有名になりたい」と思っていても。「有名になりたいな」と思ってがんばれるほどネームドになれないという(笑)。

これはもう皮肉な状況になっているんですね。私自身も、それから私の周りにいる名の知れたプログラマーという人も何人もいますけども。そういう人たちも、別にネームドになりたいと思ってなった人は別にいないんですよね。どちらかというと「これがやりたい」とか、そういうふうなことを一生懸命やっていて、その結果、成果が上がって、その成果のおかげで有名になったので、狙っていない成功みたいな感じがあるんですよね。

「成果」と「広報」の両輪があってこそのネームド

なので、ネームドになるためには、もちろん成果が何もないのに、何もやっていないのに有名になることはまずないので。評価される成果がまずはあって、それが十分に広報されて、認知度が上がって、その成果と認知度の両方が必要なんですよね。そうすると、まず、そのつよつよエンジニアになりたいという人は、どちらかというと自分のスキル・能力、それから成果みたいなことにフォーカスしがちなんですけど。

実はその広報というものがないと、つよつよにはなれない、ネームドにはなれないんですね。じゃあ、まずは成果を上げることについてフォーカスして考えましょう。ただ、これを聞いている方もたくさんいますが、何人いても、一人ひとり違うんですよね。だから例えば今の若者が「じゃあ、Rubyを作ります」と言って、Rubyにそっくりな言語を作ったからと言って、私のようになれないんですよ。

「自分の個性を活かす」インベントリで自己分析から始まる成功

それは、みなさんと私とでは興味の方向は違うし、それから得意なことも違うし、苦手なことも違うし。ぜんぜん違う個性と違う背景と、違う特性を持っているので。それで同じことをしてもしょうがないんですよね。むしろ、自分の持っている特性みたいなものを活かしていかないといけないというね。ということで、自分の個性を活かすしかない。

そうすると、まずは自分の得意なところとか、個性とか、特性とかですね。(特性とかを)知る必要があるんですね。こういうのを私は「インベントリ」と呼びます。インベントリって棚卸しっていう意味なんですけど。つまり、自分の進路。あるいは自分の方向性を決める時に、まず自分を振り返って自分が何に興味があるのか。何が得意なのか、あるいは何が不得意なのか。何がモチベーションの源泉なのかみたいなことを、あらためて考える必要があると思うんですね。

これは一人ひとり違うので、一人ひとり違う結果が出て、それはむしろ当然なんですよ。というか、その結果が他の人とズレていればズレているほど成功確率が上がるんですよね。

(次回につづく)

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