お知らせ
お知らせ
CLOSE

この人、未踏だったんだ(全4記事)

経営危機から一転、「にじさんじ」など有名VTuber事務所も使う技術に “イラストに命を吹き込む”株式会社Live2Dの逆転劇 [1/2]

お笑い芸人の野田クリスタル氏とフリーアナウンサーの久代萌美氏が、エンターテインメント分野で活躍する未踏修了生を紹介。株式会社Live2D 代表取締役社長 中城哲也氏が開発した、2Dイラストをアニメーション化する技術を体験します。

「にじさんじ」など大手VTuber事務所も採用

野田クリスタル氏(以下、野田):もっとお堅いものを紹介するのかと思っていたら、そういうのじゃない! 癒やしもあるし、おもしろいぞこれ。

久代萌美氏(以下、久代):よかったですね。では、続いて最後の未踏修了生に登場いただきましょう。株式会社Live2D代表取締役社長の中城哲也さんです。どうぞ! 自己紹介をお願いいたします。

中城哲也氏(以下、中城):株式会社Live2Dの中城と申します。よろしくお願いします。

久代:中城さんが代表取締役を務めるLive2Dとはどんな会社なんでしょうか。

中城:はい。コンピューターグラフィックスの会社で、2Dのイラストに命を吹き込む技術を作っております。

久代:一番の注目技術は何になるんでしょうか?

中城:この後に説明していくので見ていただければと思うんですが、イラストや3Dと違って、絵を描いたものを動かしています。

野田:なるほど、2Dのまま動いてるんですね!

中城:はい。最近だとテレビCMで『メメントモリ』をやっていただいたりとか、ゲーム業界の有名どころでは『桃太郎電鉄』シリーズとか、『パワフルプロ野球』シリーズとか、本当にいろんな作品で使っていただいています。あと、最近はVTuberでも。

(「にじさんじ」、「ホロライブ」のロゴが映る)

野田:うわ、トップ2じゃないですか。

中城:そうですね。2DのVTuberというと、だいたいうちのやつを使っていただいています。

野田:あ! そうなんですか!?

中城:3Dだとまた別なんですけど、2Dでは世界中で、ほとんどうちのやつになってますね。

野田:VTuberって2Dで動いてますもんね。まさにその技術ですよね。

中城:そうですね。ふだんの配信は2Dでやってる方が多くて、だいたいうちの技術を使っています。

野田:当然、みなさまもそれを見られてるわけだから、ほぼみんな見ている。えぇ~、エグ!

世界で約400タイトル以上の作品が活用

(アニメ『殿と犬』の映像が流れる)

久代:わぁ、かわいい。

中城:アニメーションでも使える汎用的な技術になっています。これは今、ちょうどテレビ放送をやっている『殿と犬』という作品ですが、ほとんどの映像をうちの会社が作っています。

野田:やっぱり2Dだからこそいいっすね。

久代:温かみがありますよね。

中城:ありがとうございます。あとは最近、AIとの会話のインターフェースとしても使っていただくことがすごく増えてきている状況です。

野田:確かにそうだ。お客様サポートとかでも、2Dの人の顔が画面に映って動いているとかありますよね。

中城:軽量で表情も豊かということで、すごく重宝いただいています。

久代:そっか、軽量。なるほど。

野田:まさに今の時代に必要な技術ですね。

中城:そんなこんなで、今は世界中で約400タイトルに使っていただいていて、個人も数えるともっとたくさんある状況です。

野田:エグいっすねぇ。

未踏に採択されるも、あわや経営危機に

中城:未踏とか最初の頃の経緯から紹介させていただくと、まず2006年に会社を作りまして。その後、直後に未踏ソフトウェア創造事業に採択されました。ただし、補欠としてギリギリで採択されたんですけど。

その後に個人として1年間作り続けて、未踏のスーパークリエータをいただきました。その頃からLive2Dだけをやっているのがもう20年ぐらい続いています。

野田:2006年からなんですね。

中城:未踏の成果、個人支援なんですけど、会社に売却するのが許されているので、そのまま会社の事業としてやってきました。

野田:はあ。2006年って、まだそういう技術が広まっていない……。

中城:まだFlashアニメーションが一生懸命動いていた時代で。

野田:そうです、Flashの時代ですよ。それこそ、2006年なんてまだニコ動も広まっていないくらいで(ニコニコ動画のサービス開始は2006年)、YouTubeもまだそんなに。懐かしいなぁ。懐古厨ですみません。

(一同笑)

久代:そこから一気に技術が進歩しましたからね。

中城:未踏の成果をもとに、2009年にLive2D Vector版という最初のLive2Dシリーズを発売したんですが、その直後の年末には経営危機になって潰れかけてしまって。

その翌年の前半ぐらいに、バンダイナムコさんの『俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブル』という作品で、PSPとiPhoneで使っていただいて、そこから波に乗ってきました。

野田:そうか、そこからiPhoneがあってソシャゲブームが。もう、どんどん自分たちの界隈になってきてますね。そのあとはVTuberだし、時代がどんどん来てますね。

中城:本当に運も良く。潰れかけるまでは大変でしたけど、そこからは本当に毎回いい波が来てくれて、順調に伸びているという状況です。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
スピーカーフォローや記事のブックマークなど、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

すでに会員の方はこちらからログイン

または

名刺アプリ「Eightをご利用中の方は
こちらを読み込むだけで、すぐに記事が読めます!

スマホで読み込んで
ログインまたは登録作業をスキップ

名刺アプリ「Eight」をご利用中の方は

デジタル名刺で
ログインまたは会員登録

ボタンをタップするだけで

すぐに記事が読めます!

次ページ: 100年後も残る、日本発の技術を目指して

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

この記事をブックマークすると、同じログの新着記事をマイページでお知らせします

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

人気の記事

    新着イベント

      ログミーBusinessに
      記事掲載しませんか?

      イベント・インタビュー・対談 etc.

      “編集しない編集”で、
      スピーカーの「意図をそのまま」お届け!