2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
リンクをコピー
記事をブックマーク
佐藤将史氏(以下、佐藤):今こうやって話してきたユートピア的なところ、またはディストピア的な社会のところを全部織り交ぜた上で、今日ここにお集まりいただいたみなさんへのメッセージということで少しコメントをもらいたいと思っています。
これからそれぞれの場所でみなさん活躍されると思いますけれども、我々自身も含めてこれからこのSF起点の社会を作っていくためにどんなことに我々は気を付けて、そして努力や投資を注いでいくべきかというところについてコメントをいただけないでしょうか? 私から近い順でお願いしてもいいですかね?
阿部圭史氏(以下、阿部):はい。今後ですね。みなさんへのメッセージということで、私は3つぐらい簡単に挙げさせていただければと思うんですけれども。1つはやはり今日ユートピアもディストピアもいろんな話がありましたけども、やはり共通しているのはSF思考というのは未来に目を向けることだということは共通していると思うんですね。
その上で思考の制限を解除するということだと思うんです。やはり常識に囚われずにビジョンを作ったりとか、人生を作っていくという上でSF思考というのは非常にいいことだと私は思っていて、それはメッセージとして1つあるかなと思います。2つ目がスティーブ・ジョブズが、お亡くなりになる前にこんなことをおっしゃていました。「21世紀最大のイノベーションはバイオとテクノロジーの交差点にある」と言っていたんですね。
これは単語で言うとバイオ・デジタル・コンバージェンスとか、バイオ・デジタル収斂というんですね。今日出たSFの話でいうと、まさにコーディネーターとモビルスーツが一緒に戦うんですね。乗り込んで戦う。(石井さんを見て)作っていらっしゃいますけども、それもまさにバイオ・デジタル・コンバージェンスですし、『攻殻機動隊』の電脳化、義体化というのもまさにそうだと思うんです。
なので今後いろんな事業を考えるとか、道を考える上でバイオとデジタルの収斂するところはどこかというのが1つのヒントになるんじゃないかなというふうに思っています。最後にいろいろと未来の話を語りましたけれども、カナダ政府とかシンガポール政府に未来予測機関というのがあるんですね。Center for Futures Studiesとかですね、いろいろあるんです。
やはり私も今政治の道で政府関係の仕事もやっていますけれども、単年度予算主義でなかなか将来的な思考というのが及ばないんですよね。やはりそういったいろんなところで成功している海外の事例も持ってきて、将来に目を向けた機関というのを作ってみる。こういうのもおもしろいんじゃないかなと思いまして、最後のメッセージとさせていただきます。
佐藤:はい。ありがとうございます。私個人的には1点目のところですね。みなさんの殻を破るためにもSFの考えを持てるとちょっと気が楽になるんじゃないかなとかいろいろと思うこともあるので、ぜひみなさんもSF思考を実装してみてください。
佐藤:じゃあ石井さんお願いします。
石井啓範氏(以下、石井):はい、そうですね。やはり一番言いたいのは社会課題を解決するためにビジネスがあるというのはすごく大切だと思うんですけども、その100人に1人でもいいので「そうじゃなくて、私はこれが作りたいんだ」みたいなものを起点にして、それがなんかSF起点であったら同じ仲間としてすごいがんばってほしいなと思います。
あと弊社としては、将来的には何年先かわからないんですけど、その自分が乗って動かすロボットが、あたかも自分が巨大化したかのような感覚で動かせるということになって初めていろんな分野で搭乗型ロボットが活躍できるというのを想定しています。ただ、すぐそれがビジネスにはつながっていかないところがあるので、まずはエンターテインメントの分野から乗って動かすというそのものを価値として提供しようというかたちで今はビジネスを回しています。
これからどんどん資金調達とかも進めていこうと思っておりますので、ぜひそのロマンとかに賛同いただける方がいましたらお声がけとかをいただければと思います。本日はどうもありがとうございました。
佐藤:はい。今日のお話をうかがうとエンターテインメントが間に入ることの意味というのもね、感じるところだと思いますし、ツバメインダストリさんをぜひ応援いただければと思います。
佐藤:では安野さん、お願いします。
安野貴博氏(以下、安野):はい。まず阿部さんが先ほどおっしゃったことに完全に同意で、自分の思考の殻を破ることが、SF思考という意味では一番重要であると。こういう話をした時に必ず聞かれるのが「それをするのが一番難しいんだ」と。「どうやったらその思考のリミットって外せるんだ」ということをよく言われるので、それだけちょっと付け加えさせていただくと、私がよくおすすめしているのが別の人の思考のエミュレーターを自分の中に持つことですね。
自分の発想を飛躍させるのは非常に難しいんですけども。例えばイーロン・マスクを自分の中に飼うことによって、この時イーロン・マスクだったらどう言うかなみたいなことをエミュレートできるようになると。これってSF作家はみんなやっていて、セリフを書く時とかってその各プレイヤー、各キャラクターのエミュレーターがないと書けないんですよね。これはみなさんが今日からできることなので、ぜひ心の中にヤバい奴を飼っていただけるといいと思います。
佐藤:「心の中にヤバい奴」、今日みなさん持って帰ってくださいね。お願いします。安野さんありがとうございました。
佐藤:では岡島さん。
岡島礼奈氏(以下、岡島):私はですね、やはり基礎科学というのが一番人間の未来に対して大きなインパクトおよび大きな変革をもたらすと思っています。なのでみなさんそうですね。先ほどリミッターを外す方法というのをおっしゃられていますが私も同意で、物理学的にできることだったら何でもできるというふうに思うと、わりと実はリミットをかけているのは人間の法整備だったりとか、人間の気持ちとかそっちだったりします。
なのでそれはちゃんとね、社会と技術の関係性という意味でちゃんと考えないといけないところではあるんですけれども、アイデアとしてリミッターを外すんだったら、もう物理学でできることは何でもできると思って考えてみるといいのではないかと思っています。なので本当に何百年先の未来、人類が存続できるようにがんばっていきたいと思っているので、ぜひみなさんも基礎科学のほうにも何人かぜひ投資をしてくれればと思います。以上です。
佐藤:ありがとうございます。
佐藤:やはりこのサイエンス領域、日本はね、少し理系が「文高理低」なんて言われちゃうこともありましたけれども。やはりこうテックで活躍する人が増えてくればその風向きが変わると思いますし、そういった人たちの背中を見てくれる次世代が、どんどん増えてくることもとても大事だなと思います。
なので、教育も含めてみなさんと一緒にまた盛り上げていければと思います。いろいろありがとうございました。ここでディスカッションを、終わりにしたいと思いますけど。すみません、最後にモデレーター特権で、1つだけ宣伝させてもらって終わらせてください。実は7月8日から心の中にヤバい物を持った、宇宙好きが集まるイベントを都内で行います。
もし東京へアクセスできる方がいらっしゃったらぜひWebでチェックいただければと思いますが、私のやっているSPACETIDEという団体で年に1回のカンファレンスを行います。ここに、本当にヤバい人たちが集まる感じなので、ヤバいことを感じたい方がいらっしゃったら、またここで再会できればというふうに思っております。
というところでちょうどお時間になったかなと思います。本当に今日はみなさんとご一緒できて、私はとても楽しかったですし、この楽しさをみなさんも感じ取っていただいて引き続きいろんなところでご活躍いただければと思っています。本当に今日はありがとうございました。登壇者のみなさんに大きな拍手をお願いします。
一同:ありがとうございました。
(会場拍手)
関連タグ:
2024.10.29
5〜10万円の低単価案件の受注をやめたら労働生産性が劇的に向上 相見積もり案件には提案書を出さないことで見えた“意外な効果”
2024.10.24
パワポ資料の「手戻り」が多すぎる問題の解消法 資料作成のプロが語る、修正の無限ループから抜け出す4つのコツ
2024.10.28
スキル重視の採用を続けた結果、早期離職が増え社員が1人に… 下半期の退職者ゼロを達成した「関係の質」向上の取り組み
2024.10.22
気づかぬうちに評価を下げる「ダメな口癖」3選 デキる人はやっている、上司の指摘に対する上手な返し方
2024.10.24
リスクを取らない人が多い日本は、むしろ稼ぐチャンス? 日本のGDP4位転落の今、個人に必要なマインドとは
2024.10.23
「初任給40万円時代」が、比較的早いうちにやってくる? これから淘汰される会社・生き残る会社の分かれ目
2024.10.23
「どうしてもあなたから買いたい」と言われる営業になるには 『無敗営業』著者が教える、納得感を高める商談の進め方
2024.10.28
“力を抜くこと”がリーダーにとって重要な理由 「人間の達人」タモリさんから学んだ自然体の大切さ
2024.10.29
「テスラの何がすごいのか」がわからない学生たち 起業率2年連続日本一の大学で「Appleのフレームワーク」を教えるわけ
2024.10.30
職場にいる「困った部下」への対処法 上司・部下間で生まれる“常識のズレ”を解消するには