2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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佐藤将史氏(以下、佐藤):今もうそれぞれいろんなお話をうかがったところなんですけど、改めて、みなさんがイチオシのSFの作品なんていうのをおうかがいしていきながら話を膨らませていきたいなと思っているんですね。小説、映画、アニメ、漫画、いろいろあると思うんですけど、ご自身のこれまでの人生の中で一番インパクトを与えてくれたものは何か。その理由は何かというところをおうかがいしていきたいと思います。阿部さんはもう先ほどすでに出ているなと思うんですけど、改めてその魅力を語っていただけますか?
阿部圭史氏(以下、阿部):はい。どうもありがとうございます。私も先ほどMy SFポートフォリオというところでお話しましたけれども、私の人生に影響を与えたSFは3つ。『機動戦士ガンダムSEED』と『攻殻機動隊』と『銀河英雄伝説』ですね。ガンダムSEEDは、ガンダムの世界は全部そうですけども、いろんな戦争があるんですよね。その中でやはりいろんな困難に立ち向かいながらできることをやっていく。
やはりその中で、「できること」「望むこと」「やらなければならないこと」。この3つの交点にこそ進むべき道があるんだというのを主人公のキラ・ヤマトが言っていてですね、まさにそのとおりだと思って、私はこの言葉に人生のキャリアとか、自分が事業をやる上での選択肢を導いていただいたという感じです。『銀河英雄伝説』は、それこそ宇宙対戦の話なんですけれども、やはり権威主義対民主主義。
その大きな構図をどう戦っていくかということで、私の民主主義の考え方に非常に影響を及ぼしました。あと『攻殻機動隊』は、もう今後100年どういうふうな社会を作っていくのかというので、非常にSFプロトタイピングとして有用な材料を提供してくれるものですので挙げさせていただきました。
佐藤:ありがとうございます。いずれの作品もたぶん共通した影響というのは、やはりその世界観みたいなところなんですかね。その世界観がどういう世界を作っていくかという思想の勉強になったという感じですかね。
阿部:そうですね。やはり個人の人生、そして今私は政治の道にいますけども、この社会、日本社会と世界のこの社会をどういうふうに形作っていくかというのは非常に影響を及ぼしていると思います。
佐藤:ありがとうございます。もう石井さんも最初からわかっていますけど改めて聞きますが、何の作品が一番でした?
石井啓範氏(以下、石井):そうですね。先ほどもちょっとお話させていただいたんですけど、ガンダムですね。ガンダムの中でも特にファーストガンダムが一番影響を受けていました。そのきっかけでいうと、私は小学校1年生ぐらいの時にあったガンプラブームの時に直撃した世代で、その時は小学校1年生なのであまり話は、けっこう難しい話なのでよくわからないんですね。
なので一番最初は、やはり圧倒的にそのモビルスーツのデザインのカッコ良さで、特にその相手側ですね、ジオン公国の……。
佐藤:そっち(笑)!?
石井:はい。連邦じゃない、ガンダムじゃなくて相手側の。私はドムというモビルスーツが一番好きなんですけど、やはりミリタリーチックなデザインにすごく心を打たれたという感じで、物作りの興味の原点は、ガンダムのジオン側のモビルスーツというところが最初のきっかけです。
佐藤:ガンダムはやはり話がすごく難しいから、デザインとかカッコ良さから入るのがすごくわかるんですよね。自分もぜんぜんわからなかったんですけど、ドムなんですね。
石井:ドムですね。そうですね。
佐藤:みなさん、ドムをわかる方?
(会場挙手)
佐藤:半分もいませんよ(笑)?
石井:あのー、そうですね。劇中でランバ・ラルというパイロットがですね、グフと。
佐藤:ムチを打つやつですよね。
石井:そう。ザクが出てきて、グフが出てきて、「ザクとは違うのだよ、ザクとは!」という名台詞を言うんですけど、子どもながらに見ていて「いや、ザクが青くなっただけじゃん」というのがあって。
佐藤:角が生えてね。
石井:そうです。そのあとにドムが出てきて、すごくマッチョなフォルムが、ザクとぜんぜん違うと思って。その登場とかもすごくカッコ良かったので、それで好きになりました。
佐藤:じゃあ御社のロボットがちょっとマッチョなのはそういう影響もあるんですか?
石井:いや、どうなんだろう。あれはデザイナーのもあるんですけど。そうですね。
佐藤:ありがとうございます。じゃあ安野さんもぜひ。
安野貴博氏(以下、安野):いやー、この質問はめちゃくちゃ難しくないですか(笑)? 一番影響を受けたSFですよね。それで言うといろんな面ではいろいろあるんですけど、一番は私の場合は中学2年生の時にやっていた『METAL GEAR SOLID 2』ですね。
佐藤:ゲームですね。
安野:ゲームですね。すごくSF的な発想がいろいろと込められている作品で、その『METAL GEAR SOLID』という作品にさらに影響を受けた伊藤計劃さんという方が日本のSFの2000年代を作っているんですけど。その人が『虐殺器官』というのと『ハーモニー』というすごいベストセラーを出したんですよね。実はそれが早川書房という会社から出ていまして、その2冊を出したことで潤った早川書房が作ったのがハヤカワSFコンテストなんですよ。
私はその賞をもらっているので、その元祖をたどっていくとやはりメタルギアになるという。
佐藤:小島秀夫監督。
安野:小島秀夫監督に、ものすごく影響を受けていますね。
佐藤:そうか。あの方はどちらかというとSFの人なのか。なんか戦争のイメージがあったけど。
安野:まぁ、いろんな見られ方がされていますけど、やはりメタルギアの中でもミームとかAIとか、いろんなSFの発想が詰まっているので、SFファンの方はぜひやられるといいと思います。
佐藤:なるほど。ありがとうございます。ちょっと想像しないところから作品が出てきてビックリしました。岡島さんはいかがでしょうか?
岡島礼奈氏(以下、岡島):好きなSF作品とかじゃなくて影響を受けたですもんね。だからそれは安野さんがおっしゃったようにすごく難しいなと思っていて、そういう意味でいうと私はマイケル・クライトンの『ジュラシック・パーク』ですね。映画じゃなくて小説のほうです。何が影響を受けたかというと、あれは中学校か高校の時に読んだんですけど。理学系の知識を基に、そのなんかサイエンスを本当にベースに話が発展していて、けっこうリアリティがあるなと学生時代に思ったというのがあります。
なのでこのサイエンスを使って、その科学技術を使って未来が作れるみたいな、そういうものをなんか目の当たりにした体験というのが、その『ジュラシック・パーク』だったというのがあります。ぜんぜんSFじゃないんだけど、やはり私が影響受けたのがホーキングの宇宙論とかで、あれも結局まだ実現されていなかったりとかするので、ある種フィクションも入っているとは思うんですけど全力で科学で、ああいうのを見て本当に宇宙の壮大さとか、そういうのを見て影響を受けたという、そういう世代です。
佐藤:ありがとうございます。『ジュラシック・パーク』は懐かしいですね。あれはけっこう続編も作られていて、一気に長い作品になったんでしたっけ?
岡島:そう。続編はでもなんか、もう普通にアクションが多くなるんですけど。1弾目ってやはりどうやってこのDNAの技術を応用するかみたいなのをかなりリアルに話していて、けっこうカオス理論とかを混ぜながら話していくので、すごく楽しかった記憶があります。
佐藤:岡島さんは基本的にサイエンスバックグラウンドがすごくあるので、本当にそういうのが大好きですよね。先ほどの『三体』もそうですしね。
岡島:そうですね。だからみなさんはその人間の心の話とかは科学技術のテクノロジーの話をされているんですけれども、私は本当にそのサイエンスのほうで好きなタイプです。
(次回へつづく)
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