2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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曽根壮大氏:この恩送りについてすげぇ考えたきっかけがあって。これは弓本さん(Osamu Yumimoto氏)との出会いなんですが、(この弓本さんは)第1回オープンラボ備後の主催者の人なんですよね。僕の人生を変えるようなイベントのきっかけを与えてくれた人です。
この忘年会議はいつぐらいだろうな。2015年ぐらいかな……。t_wadaさんの講演で“恩送り”という言葉自体は知っていたんですが、「弓本さんのおかげでいろいろなコミュニティに行くきっかけがあったし、オープンラボ備後をやってくれたことを、すごく感謝しています」という話をしたんです。
そうしたら弓本さんが、「僕に恩返ししたいと言ってくれるのはすごくうれしいんだけど、でも僕にするんじゃなくて、次の人に“水の場所”を教えてあげて」と。
僕は恩送りという言葉は、t_wadaさんのセッションで知っていました。だけど、t_wadaさんの言葉を、言葉じゃなくて心で理解した瞬間がこの時で、「これを僕はやっていかなきゃいけないんだな。弓本さんとかt_wadaさんがやってくれていること、先輩かちがやってくれていること。きよくらさん(きよくらならみ氏)とか、ひらさん(平聡輔氏)みたいなことを僕もやっていかなきゃいけないな」と思ったのは、これがきっかけでした。
これがきっかけで、みんなの新しい1日であったり、日々書くコードに影響を与えられるような言葉をここで紡いでいかないといけないなと思うきっかけになりました。
ということで、結局こういうコミュニティの螺旋というか歴史みたいなものがあって、そこに自分で飛び込んでいく。
飛び込んでいくと、先輩たちから歴史が続いていて、その螺旋に巻き込まれていく。そうすると、その螺旋に合わせて自分のキャリアだったり視座、視野が上がっていったり、いろいろなチャンスがあったり。「仕事の中でなかなかリーダーができないな」みたいなことがあったとしても、リーダーをするチャンスをもらえたり、いろいろなところにチャンスがあるんですよね。
なので、そういうチャンスを自分から取りにいくのがすごく大事だと思っています。
ということで、ここまで勉強会に参加して、いろいろな人に出会えて、いろいろなきっかけで僕が今ここにいますという話もしたし、人生を変えるような話もたくさんあった感じなんですが。今日、ここに櫛井さん(櫛井優介氏)はたぶんいないかなと思うんですが……。
昔、寿司屋で櫛井さんに「僕、やはりt_wadaさんとか憧れているんですよ。あれだけ僕にすごいインパクトを与えてくれた人はなかなかいないから、t_wadaさんみたいな人ってすごく憧れがあります」みたいな話をした時に、大谷翔平よりも前に櫛井さんが「憧れているだけだったらt_wadaさんと一緒に仕事をしたり、t_wadaさんを超えて、もっといいインパクトがあるアウトプットを出せないよ」と。「憧れているだけじゃ駄目だよ」という話をしてくれたんですよ。
寿司を食いながらしたその話に「そうだな」「いつまで経っても憧れてちゃ駄目だ」と。
当時の僕は、本当に恩送りをしていきたいと思っていたんですよね。思っていたから、t_wadaさんとかを超えていけるようなエンジニアになっていかなきゃなと思っていて。コミュニティと共に生きるというのは、そういう意味でも、憧れるだけじゃなくて、自分自身がコミュニティの一部としてやっていかなきゃいけないなと思ったきっかけでした。
ということで、まとめにいきたいと思います。はい、ペースが絶妙っぽい。素振りは1回もしていないんですけどね(笑)。
(会場笑)
怒られますから、みなさん素振りはしてください(笑)。
今日はエンジニアコミュニティが私の原点という話をしました。先ほどの宮川さんの話じゃないんですが、今日ここに参加してくれたみなさんには、コミュニティというものに(初めて)触れたり、ふだんから触っていたり、久々のコミュニティ活動だなという人もたくさんいると思うんです。
これをきっかけにした新しい恩送りはいろいろあると思うんですが、「やりたいな」とか「やったほうがいいな」とか「自分ももっとコミュニティに参加したいな」と思ったら、先ほども言いましたが、今から始めるのがいつだって一番早いんですよね。
10代でしかできないことも確かにあるし、20代でしかできないこともある。39歳になると朝まで飲むのがしんどい(笑)。
(会場笑)
まぁ、しんどいんですよ、僕は昨日2時まで飲んでいましたからね。
なんですが、コードは今からでも書けるし、勉強会も今からだって行けるし、「すごい広島」は毎週水曜日にやっているので。毎週水曜日に行けるコミュニティがあるってすごいことだと思うし、それを継続させるために、むじん君(mu2in氏)とか、いろいろな人ががんばってくれているんですよね。
じん君1人でがんばっているのを、「ちょっと手伝ってあげますよ」と言うだけでもコミュニティの一部になれたりするし、毎日参加してあげるだけでもコミュニティの一部になれるので、ぜひ自分の変わるきっかけを今日見つけてもらえたらなと思っています。
こういう話をした時に、すごく反省もあるんですが、「いや俺、もうスーパーハッカーになったるぞ」と(笑)。「ポスグレのコミッターになったるぞ」みたいに思っている時期もあったんですが、そんなに大それたことを考える必要はなくて、目の前のチームのメンバーであったり、みなさん仕事をしていると思うので、業務委託だろうが受託開発だろうが事業会社だろうが、エンドユーザーがいるわけですよ。
そのエンドユーザーのためにコードを書くとか価値を提供するのが、コミュニティ活動を活かして社会に貢献するということなので、そこをまず大事にしてもらいたいなと思っています。
僕がポスグレユーザ会(日本PostgreSQLユーザ会)に入ってすぐぐらいの時に、3人目の子どもが生まれて。ぜんぜんコードも書けないし、「勉強会とか行っている場合じゃねえ、3人も子どもいるんだぞ」と奥さんに激詰めされて、「そりゃ確かにそうだな」と思ったんですよね(笑)。
あの時、ポスグレユーザ会にだいぶ先輩なんですが三谷さん(三谷篤氏)という人がいて、その人も子どもを3人育てていて。すでにみなさんだいぶ大きいんですが、「いや、今は家族の時間だから家族を大事にしなさい」「家族を大事にして、5年後、10年後の、『ちょっと落ち着いたな』という時に戻ってくればいいじゃん。それまで続けておくのが僕らの番」と。
三谷さん自身も10年前ぐらいに同じようなことがあって、先輩たちが続けてくれたから戻る場所があったから、「だから曽根君が帰ってくるまでコミュニティとしては存続させるから、それまでに戻ってくればいいし、別に普通に遊んでくれたりとか、Twitter(※現X)でポスグレのことをしゃべってくれるだけでも、コミュニティへの貢献だから。コードを書くことやカンファレンスの主催をすることだけがコミュニティに対する還元じゃないよ」と言ってくれて、「そうだな」と。すごくうれしかったんですよね。
今はもう僕は落ち着いてきたので、次は僕がコミュニティを続けさせる番だと思っているし、みんなが帰ってくる場所だったり、新しい人が来る場所を作る立場のポジションにいるのかなと思っています。これも恩送りの1つかなと思っています。
あと、曽根幹子さんという人がいて、この人は僕に陸上……。僕は陸上部なんですよ。広島工大高校という名門(出身)なんですけど(笑)。
曽根幹子さんという人が陸上を教えてくれた時に、「自分の限界は自分が決めるのよ」と言っていたんですよね。「だから、自分ができないと思ったらできないし、まずは自分がやれる、やってみようと思うことが、なんでも最初のスタートだよ」という話をしていて。
今日話しを聞いて、「曽根さんがたまたまなだけで、自分は違うな」と思ってしまうともうできないので、まずは自分の限界を超えるということをやってもらえたらなと思っています。
これは弓本さんの話ですが、弓本さんが恩送りの話で「でも、いっても感謝しています」という話をした時に、「僕は水の場所を教えただけで、水を飲んだのはそーだい君自身の意思だよ」という話をしていて。
僕が今日、水の場所とかコミュニティの価値みたいなことを言った時に、飲むか飲まないかはみなさん次第なんですよ。なのでぜひ、そこを考えてもらえたらなと思っているし、YAPCでこういうチャンスや出会いは僕自身がたくさんあったから。
今日、みなさんの人生を変える出会いだったり思いであったり、学びというものに必ず出会えるはずなので。今日は好みを見つける場所だから、自分の好みのコミュニティの付き合い方とか、そういうものを見つけてもらえたらなと思っています。
ということで、人生が変わるようなきっかけというのは、目の前にあるので、ぜひチャンスをつかみとってほしいなと思っています。
(スライドを示して)これはね、今からでもできます。今日はせっかくのチャンスなので。(このセッションは)なんと朝一のセッションで、今からたくさんセッションがあります。
ぜひいろいろなセッションに行ったり、懇親会で隣の人にしゃべり掛けたり、ロビーで目の前でちょっと寂しそうにしている人がいたら声を掛けてみるとか。今日スピーカーで、めちゃくちゃおもしろいなと思う人がいたら、「おもしろかったです」と言うだけでも、めちゃくちゃうれしいきっかけになるので、そういうことを一つひとつやってもらえたらなと思っています。
最後に、人生を変える大切なことの中で、僕がすごく大事にしている一言です。今日、大西さん(大西康裕氏)はいないんですよね。「手を動かした者だけが、世界を変える」という名言があって、これは僕、本当にすべてだなと思っています。
やはりエンジニアなのでコードを書かないと、デプロイしないと世界は変わりませんし、自分の行動をアクションにしていかないと、世界が変わらないので。ぜひ今日、自分自身で手を動かして、足を動かして、いろいろな人と出会って、自分自身の世界も変えるのも大事だし、自分の目の前の世界を変えていくということにチャレンジしてもらえたらなと思っています。
ご清聴ありがとうございました。
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