2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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佐地良太氏(以下、佐地):ただいま紹介いただきましたBranding Careerの佐地と申します。私は新卒でリクルートという会社に入っていて、そこから16年ほど、ずっと人事・人材畑の仕事をしています。
今日1人だけ夏みたいな格好をしているんですが、Tanpan&Co.という短パンの会社じゃないんですが、夏のクソ暑い日には短パンを穿いて気楽に過ごしたいという意味を込めて、Tanpan&Co.という自分の会社をやっています。
株式会社TWOSTONE&Sonsのグループの代表もやっていて、本日ログミーTechさんと共催で登壇、セミナーをさせていただき、ファシリテーターとして司会、そして進行します。よろしくお願いします。
(会場拍手)
佐地:ありがとうございます。
佐地:ちょっと順番がアレですが、林さんから自己紹介をお願いします。
林要氏(以下、林):GROOVE Xの林と申します。GROOVE Xという会社は「LOVOT」だけを開発・販売している会社です。
2015年11月に起業して、約4年の開発を経てLOVOTを発売しました。ようやく市場に出たと思ったら2年程は不具合対応に追われましたが、信頼性が上がって今は堂々と展開できるようになったと。
発売当初はよく不具合も起きましたが、オーナーさんに育てていただいたんですね。1年に何回も壊れるのに、みなさん辛抱強く直していただいて。
もう1つ良かったのは、ロボットってだいたい早く飽きられるものだったんですよ。買って3週間、場合によっては3日、長くて半年ですよ。それが、(LOVOTの場合は)ほとんどの方がチャーンをしなくて。3年経っても9割近い人たちが残っているっていう意味で、本当にオーナーさんに育てられているプロダクトです。
佐地:しかもサブスクですもんね。ロボットなのにサブスク。
林:サブスクです。サブスクなのに初期費用も要る。
佐地:要る(笑)。
林:そう言うと高額に感じますが……。考えてみてくださいよ。犬や猫もまあまあかかりますから。おもしろいのは、犬を飼ったことがない人には高いと言われるんですが、犬を飼ったことがある人にとっては安いと言われる。
佐地:そうです。病院代も要らないです。
林:そうそう。病院とかトリミング代とか、実は意外とお金がかかるんだということを知っている方にとっては、安いって言っていただける製品です。
佐地:なるほど。ありがとうございます。
佐地:では続きまして、今井さん。お願いします。
今井翔太氏(以下、今井):はい。ここでは、『生成AIで世界はこう変わる』という本の著者として紹介されていますが、元松尾研究室の今井と申します。
佐地:いつまででしたっけ? 2024年3月末?
今井:3月31日までは松尾研究室で博士課程の人間として所属していました。今はちょっと怪しい人として水面下でなにかをやろうとしています。
生成AIの本を書かせていただいているんですが、僕はもともと強化学習という、ロボットとか、ゲームとかを動かすようなAIの技術をやっていて、それが「ChatGPT」のコア技術に強化学習が使われているということで生成AIの人間として認識されるようになったという。そんな感じでこういう場にも呼んでいただいています。
今日は、生成AIがどういうふうに活用されているのかを研究者の視点からいろいろ語っていきたいと思うので、みなさんよろしくお願いします。
佐地:ありがとうございます。
(会場拍手)
佐地:世界一AIに詳しいニート。
今井:そうですね。世界一かどうかはわからないですが、日本一かもしれないですね。
佐地:日本一AIに詳しい無職の今井さんです。よろしくお願いします。
今井:そういうことです。
佐地:では、竹迫さん。よろしくお願いします。
竹迫良範氏(以下、竹迫):はい。ログミーTechアンバサダーの竹迫と申します。実は私は学生時代にドラえもんを作りたくて、それで当時の広島市立大学の情報機械システム工学科の知能ロボット講座を卒業しました。
ドラえもんっていろいろな構成要素があるんですが、「四次元ポケット」ってあるじゃないですか。あれって、のび太くんの悩みを聞いて、無限にある空間から必要なものをパッと出せるじゃないですか。まさに、あれは検索エンジンなんですよ。
それで検索エンジンの研究をしていました。今思うと、それってLLMと近いなと思っていて。人類が残した大量の欠片の中から、聞かれていることに対して心地良い感じで適切なものを拾って答えてくれるものなので。
佐地:なるほど。その発想はなかったです。
竹迫:それでいろいろ開発とかもした後に、「セキュリティ・キャンプ」で教育事業をやっています。セキュリティって日々変化が速くて、教科書がないようなことを学生さんに教えます。
ハッキングの技術も教えるんですが、それって諸刃の剣みたいなかたちで。正しく使えば本当に社会の役に立つんですが、正しく使わないと良くないことが起きるということで、そういった倫理とかも一緒に教えるということもやっていました。今日はよろしくお願いします。
佐地:ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
林:ドラえもんを作るという意味だと、世界で最もドラえもんを目指して大量のお金をつぎ込んでいるという意味でいけば、たぶん弊社が最もつぎ込んでいるので、転職の時はぜひぜひ(笑)。
竹迫:その時はご相談させてください(笑)。ありがとうございます。
佐地:よろしくお願いします。ということで質問をSlidoで募集するので、QRを読み込んでください。大丈夫そうですかね? オフラインに関しては、直接手を挙げていただいて大丈夫です。よろしくお願いします。
佐地:本日のテーマの1つ目です。「エンジニアの仕事におけるAI活用の現状」というところで、今日のメインテーマとしては、わりと未来のお話になりますが、その前に「今どんな感じなんだっけ?」というところをみなさんに聞いていきたいなと思います。
まず今井さんからお話を聞いていければと思いますが、いかがでしょうか?
今井:ここに来ている人はたぶんみんなエンジニアですよね。
佐地:高確率ですが。意識の高いビジネスサイドの方もいらっしゃるかと思います。
今井:なるほど。じゃあ聞いてみますか。エンジニアリング、コーディングとかでChatGPT、あるいは生成AIを使っているという方はどれぐらいいますかね?
(会場を見渡して)半分ぐらいですかね。ありがとうございます。ソフトバンクの孫正義会長が、別にエンジニアの(集まるような)会じゃないんですが……。たぶん社員とかかな。
佐地:株主総会とかですよね。
今井:そういうところで聞いた時に、ぜんぜん手が挙がらなくて「君たちは人生を悔い改めたほうがいい」と言ったらしいんですが、さすが。ここに来ている人は意識が高い。
佐地:間違いないです。
今井:ということで、エンジニアの仕事におけるAI活用の現状を言っていきたいんですが、僕はそもそもエンジニアではないので、ちょっとずれているところもあるかもしれません。
いろいろな統計などから見てみると、とあるエンジニアの人は「ChatGPTが出る前のエンジニアリングは石器時代だった」と言っているんですね。
具体的な統計情報でいうと、PythonとかJavaとか、Cはどれだけあるか分かりませんが、「GitHub」とかにいろいろなコードがありますが、今GitHubに公開されている、共有されているJavaのコードの6割ぐらいは(AIによって)生成されたものであろうということになっています。
佐地:へぇ、もう6割ですか?
今井:正確に言うと、ChatGPTが出る前から、GitHubとか「GitHub Copilot」は使っている人がたぶんいると思います。「VSCode」とかにプラグインとして組み込んで、続きを予測してくれる。
あれとかはChatGPTが出る前からあったわけです。それとかで書いていた人がけっこういて、「俺たちはこれがないともうやってられない」ということで、Javaとかのコードは6割ぐらいが生成AIによって書かれたものになっているという感じですね。
日本企業で具体的に言うと……。もしかしたら会場に(その企業に所属している方が)いるかもしれないですが、サイバーエージェントさん。日本でたぶん一番生成AIを活用している組織だと思います。
佐地:そうなんですね。
今井:確か、です。僕が資料を見た時は、AI活用をしている.......。全社かどうかはわかりませんが、導入をしている部門の書いているコードの3割は、もう生成AIが書いている。生成AIが提案してきたものを受け入れているという状況ですね。僕はエンジニアではありませんが、AI研究者なのでコードを書くわけです。たぶん僕は、もう6割ぐらいは生成AIでコードを書いている感じですね。というのが、僕の見た感じのエンジニアの世界における生成AI活用になります。
佐地:ありがとうございます。
佐地:じゃあこの流れで竹迫さん、お願いします。
竹迫:実は組み込み機器のプログラミングの時には僕もかなり生成AIを活用していました。というのも、古い情報は断片的にはインターネットにあるんですが、それがPDFだったり、あとリンクが切れていたり、今から(その情報を検索エンジンから)たどるのってけっこう難しかったりするんです。でも、生成AIに聞くとサンプルコードとか、それなりにいいものを出してくるんですね。
昔ネットに上がっていた情報とかを基にプログラミングのサンプルコードを作るみたいなことは、かなりの精度でできる感じになっています。
あと、プログラムのいいところは、それが間違っているかどうか、実行すればわかるんですよね。
佐地:確かに。
竹迫:実行してうまくいかなかったら、「間違っているよ」と生成AIに教えると修正してくれたり。そのサイクルができるのでかなり楽にプログラミングできるようになって、参考書とかはあまり買わなくなった感じですね。
佐地:なるほど、ありがとうございます。
佐地:林さん、お願いします。
林:弊社の場合、ハードウェアエンジニアとソフトウェアエンジニアがいますが、ハードウェアではまだあまり使っていないですね。ソフトウェアエンジニアはCopilotみたいなのを当然のように使っています。使うことで効率は上がっていてもう日常になっていますね。とはいえ、まだまだ間違いを見つけるのが大変という声がありますね。
それっぽいことをぶわって書くんだけど、間違いを見つけるのは意外と大変なので、コードの量としてはまあまあ書けているのかもしれないですが、量に応じてかかる時間が減っているかというとそこまででもない。心強い仲間がいるみたいな感じですかね。
弊社の場合はスクラムで開発、2人とか3人でコードを見ながら書いているので、そういうものを使いながらも、人と人のつながりみたいなものはまだまだ大事かなと思っていますね。
佐地:なるほどですね。ありがとうございます。
佐地:ちなみに先ほど竹迫さんが、「これ間違っているよ」みたいなもの、修正プロンプトというか、そういうものを出せば、(コードの間違いも)ある程度出してくれるんですかね?
竹迫:そうですね。「エラーが出たよ」といってエラーコードを貼り付けたら、直して再生成してくれたり、そういうことまではやってくれる感じですね。コンピューターでそれが実行できるからこそ、エンジニアとかにはすごい役立つのかなと思っていて。
林:それはあるかもしれないですね。弊社の場合、シミュレーション環境だけで完結しているものとは限らなくて。画面上のなにかを作るとかならそれでいけるんですが、例えば自己位置推定をしましょうとかいう時には、ちょっとそういうふうにはいかない。なので苦労している面があるのかもしれないです。
佐地:なるほど。
竹迫:そこはまさにデジタルツインみたいな考え方で、現実世界と同じものを仮想的に作って検証する。それで高速にやっていくみたいなものは流れとしてはあると思います。
林:そうですね。なので、シミュレーション環境が完璧に整うようになると良いのだと思いますが、シミュレーション環境が整うところと整わないところがやはりあるんですよね。そういうところで、時間がかかるところはどうしてもそういった方面になりがちというのはありますね。
佐地:なるほど。ハードウェアメーカーならではの悩みというか。
林:そうですね。
竹迫:あとは、今、プライベートで注文住宅をしようと思っているんですが、注文住宅についてはChatGPTとかで聞きながらはやらないですね。失敗するとお金がウン千万とか溶けちゃうので。
佐地:確かに(笑)。
竹迫:やはり細かく試していけるような場所には、今の段階ではすごく向いているんじゃないかなと思います。
佐地:なるほどです。ありがとうございます。
(次回につづく)
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