2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
リンクをコピー
記事をブックマーク
ーーいろいろなことに挑戦されている安野さんですが、エンジニアリングという面で一貫して大事にしてきたことは何でしょうか?
安野貴博氏(以下、安野):いくつかある気がするんですけど、1個は、自分できちんと理解することですかね。プロダクトってやはり全部1人で作るわけではないじゃないですか。会社だと何十人で作るものですし。
でも、技術的なことを理解しなくていいわけではないと思っています。ここまで行けてここまでは行けないみたいなことをわかっていないと、プロダクト全体って考えられないじゃないですか。
AIも、90点取れるAIと、80点しか取れないAIと、99点取れるAIでは、製品で何をするか、どういうユーザーインターフェイスにするか、ビジネスモデルをどうするかがもうぜんぜん変わっちゃうんですよね。なので、そういうところをきちんと自分の手を動かしながら把握しようとするのは、重要なことかなと思います。
ーー挑戦する原動力は何でしょうか?
安野:原動力は、やはり知的好奇心だと思いますね。知的じゃないかもしれない。単純な好奇心ですね。
ーー好奇心?
安野:はい。こうするとおもしろいんじゃないかとか、いたずら心的なものな気がしますね。
ーーなるほど。ちなみに、エンジニアに好奇心は必要だと思いますか?
安野:好奇心ベースで動いていない方でもすごい方もいるとは思いますね。でも、一般的にはあったほうがいいと思うな。
やはりなにかができなかった時に、「なんでこのコードは動かないんだろう?」とか、「もっとできるいいやり方ないかな?」とか、「ほかの人はどうやっているんだろう?」とか、そういうのを調べるか調べないかって、けっこう好奇心の問題ですよね。そういうのを調べる人のほうが伸びていきやすいかなとは思いますよね。
ーー将来挑戦したいことはありますか?
安野:将来挑戦してみたいことはいろいろあって、ある意味、物語を作るのと、技術を実装するという2つをずっとやっているんですけど、この2つはけっこう親和性が意外と高いと思っていて。
例えばスタートアップって、技術がベースにあるように見えつつ、その周辺に物語がきちんとないと世の中に使ってもらえないんですよね。
SpaceXも、ただ大きなロケットを「こうこうこういう技術で作ります」と言っているだけだとあそこまでの企業にならないわけですが、「人類をMulti-PlanetaryなSpeciesにするんだ」と言うことで、世の中的な共感がすごく集まって、優秀な人も集まるというところで、この2つってすごい近いところにあると思うんですよ。
僕は技術が未来社会にあった時に起きる人間同士のコミュニケーションとか、この技術があったからこそ初めてわかる人の気持ちみたいなものを書きたいなと思っているんですけど、そういうところも、両方の組み合わせで初めて想像できる部分があると思っていて。
もう片方で、人を感動させることって、けっこうアルゴリズムにできると思うんですよ。人の心を動かせるような物語を作る技術を作っていきたいし、その技術を使って人の心を動かす物語を作りたいというのが、1個の目標です。
ーー10年後はどうなっていたいと思いますか?
安野:10年後……43歳。10年後は、あまり大きな会社はやっていたくなくて、小さな集団でものづくりをしていたいなと思いますね。8人くらいの集団で(笑)。よく「ツー・ピザ」って言うじゃないですか。ピザ2枚くらいを囲めるチームが、1つの塊として機能する良い大きさだと言われるんですけど。
やはり、自分の人生を振り返っていても、そのサイズで物を作っている時って、お互いのこともわかるし、グルーヴ感もあるし、1人だとできないことも8人いれば、けっこう世の中的に新しいことも実現できると思っていて、しかもそれは今後、AIによってより増幅されていくと思うんですよね。
スモールチームができることの幅がどんどん広がっていくと思っていて、そういうチームで大きなインパクトを生めるような技術なり物語なり、また別のプロダクトなりを作り続けるのが理想かなと思いますね。
関連タグ:
2024.12.20
日本の約10倍がん患者が殺到し、病院はキャパオーバー ジャパンハートが描く医療の未来と、カンボジアに新病院を作る理由
2024.12.19
12万通りの「資格の組み合わせ」の中で厳選された60の項目 532の資格を持つ林雄次氏の新刊『資格のかけ算』の見所
2024.12.16
32歳で成績最下位から1年でトップ営業になれた理由 売るテクニックよりも大事な「あり方」
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
PR | 2024.12.20
モンスター化したExcelが、ある日突然崩壊 昭和のガス工事会社を生まれ変わらせた、起死回生のノーコード活用術
2024.12.12
会議で発言しやすくなる「心理的安全性」を高めるには ファシリテーションがうまい人の3つの条件
2024.12.18
「社長以外みんな儲かる給与設計」にした理由 経営者たちが語る、優秀な人材集め・会社を発展させるためのヒント
2024.12.17
面接で「後輩を指導できなさそう」と思われる人の伝え方 歳を重ねるほど重視される経験の「ノウハウ化」
2024.12.13
ファシリテーターは「しゃべらないほうがいい」理由 入山章栄氏が語る、心理的安全性の高い場を作るポイント
2024.12.10
メールのラリー回数でわかる「評価されない人」の特徴 職場での評価を下げる行動5選
Climbers Startup JAPAN EXPO 2024 - 秋 -
2024.11.20 - 2024.11.21
『主体的なキャリア形成』を考える~資格のかけ算について〜
2024.12.07 - 2024.12.07
Startup CTO of the year 2024
2024.11.19 - 2024.11.19
社員の力を引き出す経営戦略〜ひとり一人が自ら成長する組織づくり〜
2024.11.20 - 2024.11.20
「確率思考」で未来を見通す 事業を成功に導く意思決定 ~エビデンス・ベースド・マーケティング思考の調査分析で事業に有効な予測手法とは~
2024.11.05 - 2024.11.05