2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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江草陽太
大阪府生まれ。ネットワーク、データベース、情報セキュリティのスペシャリスト。洛星中学・高校のロボット研究部創立メンバー。ロボカップジュニアジャパンなどのロボコンに出場。その後、大阪大学工学部電気電子情報工学科に進学。NHK大学ロボコンに出場。学生時代より個人事業としてシステム開発を行う。2014年10月、新卒採用によりさくらインターネットに入社。「さくらのVPS」等のバックエンド開発を担当。IoTプラットフォーム「sakura.io」の開発責任者を担当し、サービス設計と開発を行う。
2016年7月、執行役員に就任。現在は、さくらインターネット全体の技術統括とコーポレートIT、情報セキュリティを担当。宅急便をSlackから発送できるサービスを開始するなど、コーポレートITに関わるDXのサービス化も行っている。
けっこう難しい問題ですよね。1つは、基準となる物差しを持っておいて、相対評価で適切かどうかを俯瞰的にチェックする。これが1つのわかりやすい指標ですね。この評価は社内かもしれませんし、社外も含めた市場での雰囲気に対してもあるかもしれません。自分の中でその人の評価はどれぐらいが適切だと思っているかを、まずはその相対評価で見る。
その上で、それが本人の認識と合っていそうかをすり合わせをするのがたぶんすごく大事です。本人も「そんなもんですよね」と思っていたら問題ないですが、たまにある特殊なパターンとして、「いや、自分はそんなんじゃないんで」という、本人の評価のほうが低い場合と、よく耳にする本人の評価のほうが高い場合があると思います。
どちらにもけっこう問題があって、本人自身の評価のほうが低い場合は、もうちょっと自信を持ってもらったほうがいいパターンが多いので、自己肯定感を上げてもらうとか、そういったところに注力したほうがいいかなと思います。さらに無理に給料を上げたり、役職を付けたりすると、負担に思う場合もあるので、その場合は自己評価を上げることを給料上げることよりも優先する感じですね。
本人の自己評価のほうが高い場合は、評価者側が間違っているパターンと、相手が「いやぁ、そうでもないよね」とか、あるいは「確かに技術的にはそうなんだけど他の行動や振る舞いの課題感が大きい分も加味されているんだよ」というパターンがあると思います。そのあたりは、よく話を聞いてすり合わせる。
「日々のコミュニケーションが良くないよね」みたいなことであれば、それをまずは理解してもらうというのが、評価する上でのやり方なのかなと思っています。
相対評価のための指標として一番わかりやすいのは「この人とこの人との給料の差はけっこうあるけれど、2人とも同じような仕事をしているから同じスキルを持っているよね」というもの。
あとは、自分の転職市場での価値を知るのも1つの指標になるかもしれない。自分のスキルは、わりと正しく知っているはずだという前提に立って市場の価値を一番よく知れるので。それを物差しの指標に使うみたいことはできるかもしれませんね。
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