2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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重村:けっこうハイレベルな質問が多いですね。「レベル2からレベル3への進化にむけて、乗り越えなきゃいけない壁はなんでしょうか」売上じゃなくて利益ですよね? もしかしたら先ほどの回答と重複するかもしれませんが、もし補足があればお願いします。
山崎:これはすごく良い質問ですね。話していなかったので話さないといけないと思いますが、いきなり「やれ」と言ってやれる話じゃないんですよね。それは私も自覚していて、数年前はやらせて成果を見るということをやりました。
が、これはさっきの話と同じで、何が間違っているかを教えるのが難しい。プロダクトマネージャーはオートノミーがある人が多いので、「自分の思うようにやりたい」という人がたぶんどこかで絶対に出てくるんですよ。「それはそうじゃなくてこっち」と言うのは、関係性を構築していく上でも難しいんですね。
なので私も途中から方針を変えて、この3、4年は「まず私がホームランを打ちます」と。「プロジェクトで一緒にやりましょう」と言って、もう見せちゃう。
(一同笑)
結果が良かったらバーッとKPIが上がるわけですよ。だいたい再現性がありますから、ガーンッと上がったのを見て「なるほど! 次やらせてください!」みたいな。そういうところを作っていくのは非常に重要かと思いますね。
重村:大将軍の景色をまずは見せてあげる。
山崎:まずは見せないと。自動車レースの世界もそうですが、これは私がモータースポーツやっていたので、プロドライバーの隣に乗って1回実感してみないと、どのぐらいのスピードでどう突っ込んでるかがわからないんですよね。サーキットを走っている車って、外からはあそこでこうって絶対にわからないんですよ。
なので、思いっきり突っ込んで行って曲がる姿というのを体感して、自分でG(重力)を感じないとわからないので。そういう理解かなと。わかりにくい解説をしちゃってすみません。
重村:ありがとうございます。
重村:あとは「今週の学びを共有するのは、どれぐらいの粒度の情報でやりとりされているのかを聞いてみたい」。情報共有のやつですね。あと1個は「L2とL3の間に隔たりがありそう」も、もう少し深掘りしたいです。この2つの質問で、いったん閉じさせてもらえればと思います。
学びの共有は、宮田さんがいろいろな会社さんを見られていますし、いろいろな会社さんの話を聞いていると思います。情報共有の質問は宮田さんからの知見をいただけたらなと思うんですが、いかがでしょうか?
宮田:そうですね。PMをやっている上で起点になるアウトプットはあると思うんですよ。プロダクトビジョンもそう、ロードマップもそう、PRDもそう。どういう視点で何を共有して、何を学びたいのかという論点を持った時に、どのレイヤーの、どのビジョンなのか。そこから設計しないといけない。これをすると目的が明確になるので。勉強会をプロダクトと見立てて、目的やターゲットを明確にすればよく、プロダクトのアウトプットに似ているはずなんですね。
重村:プロダクトで表現してしまいますよね。
宮田:その持っている知見をプロダクトに見立てて、どのソリューションを誰に対して提供するのかという発想で少し考えるとわかりやすいのかなと思ったりします。
山崎:これ、おもしろいですね。私たちの先程紹介した勉強会では、私は毎回出ているので、私が「いやー、それ深いですね」と言って、学んでほしい方向に話を盛り上げていますから。
重村:聞くポイントだよということですね。
山崎:ここは聞くポイントだと。
重村:「テストに出る」と(笑)。
山崎:「いや、そこですよねー」と言って、「これは私も昔そうだったんだけど、そういうラダーがありますよね」とか言って、本人は「聞きたいこととちょっと違うんだけどな」となりつつも、ギリギリの範囲で学びを最大にする方向に寄せていますね。あと、これは本当にみんながおもしろい質問をしてくれて、たまに「山崎さん名言集」とか(笑)。
なんか「先月の山崎さんの名言で、これがすばらしかった」みたいなものをまとめてくれている人がいて、それを私に質問してきて、解説する。
(一同笑)
「これはどういう意図だったんですか?」「普通はこっちに行くと思うんだけど、こっちに行ったのはなぜですか?」みたいな。解説したりとかをやっていますね。
宮田:すごいですね(笑)。
重村:設計されていますね。ありがとうございます。
重村:「レベル2とレベル3の間の隔たり」については、先ほどの質問の回答として追加で補足することはありますか?
山崎:メチャクチャ隔たっていますよ。
(一同笑)
重村:引き出しがすごい。
山崎:レベル1とレベル2は接続されているんですね。レベル1とレベル2は本に書いてあるし、レベル1とレベル2はなんとなくわかるんですが、レベル2からレベル3は本当に一生をかけて学ぶ話、CPOを目指すとかそういう話なので。ここは隔たりはあるんですが、でもやはりエンジニアもデザイナーもそうだと思うんです。「そこまでいく」という気概(気持ち)が大事だなと思っています。
デザイナーの場合だったらすごくわかりやすくて、「基本的なデザインができます」だったらレベル1。「ある程度デザイナーとして活躍できます」がレベル2。レベル3はルイ・ヴィトンとか、「ブランドを自分で作れます」というレベルなんですね。だからメチャクチャすごいんですよ。
メチャクチャすごいんだけど、それを目指すか・目指さないかに差があるということを言いたくて。「もう食べることに困らないからレベル2」というのもいいんですよ。「絶対にレベル3を目指さなきゃダメです」とかは誰も言っていません。
だけど、レベル3というものが存在して、「どうせだったらレベル3を一緒に目指さないか」というオリエンテーションしたいというか、そんな話ですかね。
宮田:実際レベル3に成長していく方って、いるんですか?
山崎:そうですね。そういう人が育ってくれないとコーディングも自分が引退するとどうなるの? となるじゃないですか。
宮田:なりますね。
山崎:それで会社の業績がだだ下がりしても困ります。そういう人が必要とされている会社なので、なんとか(レベル3のPMを)生み出したい。
重村:なるほど。個人的にはプロダクトマネージャーとして学ぶこと以外のことも学ばなくちゃいけないんじゃないかなとは思っていて。もしかしたら含まれるかもしれないんですけど、もう少し戦略的な。マーケティングのインプットとか、ブランドの知識とか。プロダクトマネージャーとして一般的に学びそうなところから以外の学びが必要なんじゃないかという気はしていたりもします。そのあたりもぜひ深掘りしたいですが、時間もアレですね。
山崎:一言で言うと、エムスリーの場合は優秀な事業責任者とか、優秀なPMMがいるんですね。その人たちに頼れるという前提があるので。
宮田:その人たちが一緒に伴走してくれる?
山崎:伴走してくれていることさえ学んでくれればいいから。そこの範囲で見ると「純粋にプロダクトマネージャーとして事業責任者とどう付き合いますか?」とか、「プロダクトマネージャーとしてPMMとどう付き合うのか」という話になるので。比較的純粋にプロダクトマネージャーという単位で、レベル3でも収まるかなとは思います。
重村:なるほど。納得しました。
山崎:そういう私はCTOなんですけど。
(会場笑)
何を言っているんだという話になっちゃうんですが、ロジックとしてはそうです。
重村:納得しました。ありがとうございます。みなさまも質問いただき、ありがとうございました。懇親会の時間を厚く取って、いろいろ質問をしていただければと思います。
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