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やりたい!を考える方法と、やりたい!を叶えるためのキャリア戦略(全3記事)

あなたのやりたいことは何? エンジニアとしてのキャリアの“第一歩目”は2つの軸で決める

「技術者を育てる」ことを目的とした、エンジニアを目指す学生のための日本最大のオンラインカンファレンス「技育祭」。ここで登壇したのは、ディー・エヌ・エーの山本創大氏。新卒2年目PdMの目線から、エンジニアのキャリア戦略について発表しました。全3回。1回目は、第一歩目を決めるための重要な軸について。

新卒2年目PdM・山本創大氏

山本創大氏:では「やりたい!を考える方法と、やりたい!を叶えるためのキャリア戦略」と題して、始めていこうと思います。よろしくお願いします。はじめに、あくまで私観です。持論なので、いろいろ参考にしながら自分と結び付けて、いろいろ考えていただけるとありがたいです。

今日伝えたいのは、1年半ぐらい新卒社員として過ごして、あらためてこれまでを振り返ってみて、自分がどういう意思決定を最終的にしてきたかというところと、そのポイント。それと、これまでもらってきたアドバイスを合算してみなさんに近い視点でお届けできればなと思います。

まず自己紹介です。山本創大と申します。yamasoと呼ばれているので、「yamaso!」とコメントに書いていただけるとありがたいです。ディー・エヌ・エーのメディカル事業本部 プロダクト開発部 DXソリューション開発グループに所属しています。医療系のアライアンス(協業)ですね。今はアライアンスのDX新規事業をやるプロジェクトでPdM(プロダクトマネージャー)業務を担当しています。

PdMにはいろいろ役割があって、人によってやっていることが変わる職種かなと思いますが、自分はデザインとエンジニアリングですね。いわゆるデザインエンジニアリングの分野に軸足を置いたPdMとして、自己を確立できるように奮闘中です。「Twitter」(現「X」)もやっているので、良かったらフォローしたり話しかけたりしていただければと思います。

今回、おそらく最若手登壇らしいと聞いていて、けっこう緊張するのでよかったらチャットでワイワイ応援してください。練習で「ワイワイ!」みたいな感じで適当に書いてみてくれるとうれしい……。(コメントを見て)ありがとうございます! ありがとうございます! いやぁ、心強いです。ありがとうございます。

目次はこんな感じですね。まずはやりたい! を考えるというところと、そのやりたい! を叶えるというところ。あとは僕の事例で、実際にはどうだったのかというところと、最後に みたいな感じで話をさせていただきます。

あなたのやりたいことは何?

じゃあ、やりたい! を考える方法についてですね。「やりたいこと」って何でしょう? せっかくチャットがあるので、これはみなさんにも聞いてみたいです。今の時点でやりたいことはありますか? どんな職業に就きたいとか、夢みたいなものでもいいです。「わからない」でもいいので、ぜひ教えてください。

(コメントを見て)お! 「ゲーム開発」「プログラマー」「農業の自動化」いいですね。「迷子」。おぉ、いいですね。「作っているWebアプリを完成させたい」「バックエンド」「前向きに生きたい」、いいですね。「ゲーム制作」。みんなきちんと(やりたいことが)いろいろとありますね。めちゃくちゃいいと思います。

これは「やりたいこと」というくくりで、漠然と聞かれた時に漠然と立ち尽くすような質問かなと思います。就活時によく聞かれることがありますが、漠然と聞かれると(答えるのが)難しいですよね。

ただ、キャリアや社会人第一歩目みたいな話に落とし込むと、複数の思いをまとめることで意思を作ることができるんじゃないかなと僕は考えています。みなさんすでにいろいろやりたいことがありそうで、すばらしいと思いますが、自分が社会人第一歩目のやりたいことを決める時に掛け合わせると良さそうだなと思った2つの軸をこれから紹介したいと思います。

第一歩目を決めるための重要な軸 「夢や野望的なこと」

それは「夢や野望的なこと」と「なりたい姿・働き方の理想像」です。この2つ。夢や野望的なことはそれぞれ内面の像です。つまり自分のビジョンやミッションになるようなもの。これは事業や会社への共感につなげて、自分の道を選択するのに役に立ちます。もう1つのなりたい姿・働き方の理想像は、外面の像ですよね。まさにキャリアの軸みたいなものになるものです。

成長の指針として自分の第一歩目を決めるための重要な軸となります。結論から言うとこんな感じです。

一つひとつ紹介していきます。まずは、夢や野望的なこととは何か。これは先ほど言ったように、けっこう長期的だったり恒常的な自分のビジョン、あるいは自らに課すミッションのようなものかなと僕は考えています。これは自己実現的な欲求だったり、ちょっとした変革の欲求だったりに根ざしているのかなと思っています。

めちゃくちゃ簡単に言うと例えば「名作ゲームを作りたい」とか「人を夢中にさせるエンタメを作りたい」とか。いろいろコメントにもありましたが、「社会課題を解決したい」とか「社会をより良くしたい」とか。そういう思いも大事だと思っています。ブレイクダウンすると、「教育課題を解決したい」もいろいろあるのかなと思います。

これらは自己と向き合うことで見つけたり、発見したりすることができるのかなと思っています。ケーススタディとして、例えば好き系で言うと「ゲームが好き」とかはみなさんあると思います。経験・経営だと、「こんなサービスを使って感動したことがあるんだよね」みたいなことも思い出せるんじゃないかなと思います。

課題系ですね。例えば「田舎出身で、都会との機会差を今感じている」とか「社会はもっと良くなるはずだ」みたいな漠然とした課題感でもいいと思いますが、種としてはこういう課題的なものもありです。

一つひとつを深堀ると、例えば「ゲームが好き」というところであれば、なんで好きなんだろうと考えた時に、心を動かされるのが好きなんだという気づきまで深堀れるかもしれません。「こんなサービスを使って感動した」という場合も結局、なんで感動したんだろう、今まで面倒くさいと思っていたことが便利になって感動したんだ。じゃあ自分も世の中をこういうふうに便利にしたいという感じでつなげていけるかもしれません。

「田舎出身で都会との機会差を感じた」みたいな課題だと、じゃあどうすると良くなるだろうかと発散の方向性で考えてみたり、漠然と「もっとより良い社会を作りたいな」という場合は、じゃあ今どんなところに自分はわだかまりを感じているのか、深堀ってみるこが大事かなと思っています。

これは本当に何でもいいので、好きとか、経験とか、課題とか、自分の関心を洗い出す。書いたり、人と話しながら深堀ってみましょうということが伝えたいことです。

自己と向き合うことで、見つけていけるかなと思っていて、その関心を深堀っていくことで、例えば「好き」なら、なぜ好きなの? 「感動した」なら、どこに感動して自分はじゃあどういうことをしたいか。

「課題がある」なら、どう解決するか。種ならそういうふうに広げていくといいですし、漠然とした感覚なら、どんなところに自分がわだかまりを感じているのか、分析を反復して、具体的な言葉を獲得していくと、だんだんとやりたいことのアウトラインが見えてくるのかなと思っています。

これらを言語化することで可視化された夢や野望は、事業や会社への共感につながっていくんですね。その共感から、やりたいこと、関わりたいこと、居たい場所を見つけることができるのかなと思っています。そうして言語化された夢や野望は、そのまま人生を通してやりたい自己のミッションみたいな、強固な軸に磨き上げていくことができると思うんです。

そういう強固な軸を持ちつつ、このあと紹介するなりたい姿に向かっていけると、ブレることなくけっこう楽しく人生を生きていけるのかなと思っています。

第一歩目を決めるための重要な軸 「なりたい姿・働き方の理想像」

次ですね。なりたい姿・働き方の理想像の紹介です。こちらは長期から短期とつなげて考えるもので、自分がどんな働き方をしたり、どんなキャリアを歩みたいか。あるいはどんな成長をしたいかというところになってくるかなと思っています。これはぜひみなさんにも聞いてみたいです。「つよつよエンジニアになりたい」とか、よかったらチャットで教えてください。

例えば「技術的なスペシャリストとしてバリバリやっていきたい」「何らかの分野のスペシャリストとしてやっていきたい」とか。「リーダーとして事業を引っ張っていきたい」という感じでも良いと思います。「引っ張っていくというよりは、組織を成長させる人になりたいんだ」というのもいいかもしれないし、「場所と時間に囚われない自由な働き方をしたい」とかでもいいです。

「いろいろな人と接して話をまとめたりとか、頼られたい」みたいなところ。「頼られたい」でもいいですよね。「モノにフォーカスして、プロダクト作りをこだわって意思反映させて引っ張りたい」とか、技術的なことや研究を深くされている方であれば、「社会実装をしている人になりたい」だったり。まさしく「起業したい!」でもいいですね。「お金持ちになって美味しいものを食べ続けたい」とか。いろいろあると思います。

(コメントを見て)「楽しみを感じて仕事をしたい」も、もちろん良いと思います。コメントありがとうございます。こんな感じで、多種多様な理想像をまずは立てるところから始めてみましょう。

これらを叶えるために必要なスキルや経験は何か。今、適している職種は何なのかというところ。あるいは、そこへつなげていくためのキャリアパス。このあたりがけっこう結論チックであれば、そこに行くためのキャリアパスをどう考えるかとか。そして上のスキルや経験が得られる環境はどんなところかとつなげて考えていけると思うんですね。

そういうふうに、どんな要素が自分の幸せの条件なのかを分析することで、第一歩目のやりたいことというか、居たい場所を決める大きな手掛かりになると思います。(コメントを見て)「プロダクトを作って人類に影響を与える」「自分が人類に与える影響を最大化したい」、いいですね。「引っ張りたい」、いいと思います。この逆算で自分の要素・条件を見つけることが大事です。

その要素からなりたい姿を言語化することで、自分の「やりたい!」が強固になっていくと思います。特に注意が必要なのが、職種という名前が時代によって変わりがちなところ。今はPM、PdM、テックリード、プロダクトリードエンジニア、UXデザイナー、VPoEなど、いろいろあると思いますが、そのラベルを適当に設定して満足しちゃうとけっこう危険です。

そのラベルを目指すのではなく、なりたいものに付いているラベルを認識して、今で言うとこういう職種が良いかなという感じで考えるのが大事なんですね。UXデザイナーも新しい言葉ですし、本当に職種は生物のように名前が変わりがちです。本質的に言語化しておきたいのは、「結局自分は仕事内容で言うとこういうことがしたい。それで言うと今はPdMなのかな」みたいな感じの考え方が大事です。

「夢や野望」と「なりたい姿・働き方の理想像」の交差点を探していく

メッセージとして一番伝えたいことは、この夢や野望と、なりたい姿・働き方の理想像の、この2つの軸が交差するところを探しましょうということです。

これはすなわち、関わりたい事業や自分の理想のキャリアを交差させて、この2つの軸の交差するところを探していくことで、自分のやりたいことをメチャクチャ叶えられるし、自分のなりたい姿にも近づけるし最高、みたいな状況が作り出せるんじゃないかというところですね。ここが今日一番伝えたいところです。

ちなみに、「バッチリ交差しないんだけど」「見つからないんだけど」という場合は、どうするか。

探し続けるのももちろんいいと思いますし、「これは本当に見つからないな」という場合は、最初はなりたい姿や、働き方の理想像軸の優先度を上げることがおすすめです。やはりこれらは職種、スキル、経験に直結します。実力を伸ばせる環境選びを最重要視すると、最初の第一歩としてはいいんじゃないかなと思っています。

ここができて、無事に成長を遂げることができれば、いろいろなチャンスが絶対に来るわけですよ。例えば、その共感する事業に後から参加してもいいでしょうし、そもそも共感する事業を誰かと作ることもできると思います。自分の軸やスキルを成長させておけば、好きなように動けるようになるはずだと思っています。

このあたりの2つの軸の言語化ができるように思考のステップをしっかり踏んでいって、最終的に自己の可視化ができていると、結局自分が選んだ道そのものを正解に調整していけると思うので、そんな感じで実力を伸ばせる環境選びを、最初は最優先してもいいんじゃないかなと思っています。

この環境は自分に本当に合っているんだろうか? を見極めるためには

じゃあこの道、この環境は自分に本当に合っているんだろうかを見極めるためにはどうするか。これはやはり就活時や入社後にいろいろとポイントがあると思っていて、そういった時に、いろいろな会社のいろいろな当事者からいろいろな話を聞くのがおすすめです。

ロールモデルと呼ばれる、自分の理想像が重なる人に話を聞くのもいいでしょうし、そうした人がどうやって今日に至ったのかを、ノウハウというよりかはそのままの経験談として聞かせてもらうことで、「自分だったらこういうふうにやっていけそうだな」みたいな。自分なりのパスが見つかったり、その人の経験談から自分を主語にした場合の再現性というお宝を見出すこともできるのかなと思います。

なので、人の経験談をたくさん聞いたり、人とたくさん話したりするのはすごく大事なのかなと思っています。ここまでが、「やりたい! を考える」のフェーズですね。

(次回へつづく)

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