
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
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村上晴香氏(以下、村上):HALL Bにお集まりのみなさん、こんにちは。たくさんの講演がある中、ブレインパッドのホールにお集まりいただきありがとうございます。
同時刻のHALL Cでは、意図せず「君たちはどう生きるか」シリーズが繰り広げられていて(笑)、おもしろいタイムスケジュールになっていますが、今日はお祭りということで、ぜひ盛り上がっていければと思います。
では、簡単に自己紹介させていただきます。私は、人事部の村上と申します。本日、司会進行を務めます。よろしくお願いいたします。
関口朋宏氏(以下、関口):ブレインパッド代表の関口です、よろしくお願いします。今日は楽しくお話ししたいと思いますので、みなさん、ガンガンとコメントいただければと思います。
村上:みなさんお気づきかなと思いますが、本日は本社から中継をしているので、ちょっとオフィスの中をぐるりと見ていただこうかなと思います。当たり前なんですが、今日は土曜日なので誰もいないです(笑)。
関口:誰もいない(笑)。
村上:平日はけっこう社員が出勤して仕事をしています。緑も多く、きれいなオフィスなので、その様子も伝わればうれしいです。
では、本日のハッシュタグですね。先ほどサポーターズさまから(アナウンスが)ありましたが、「#技育祭 #ホールB」「#せっきー」とつぶやいていただければと思います(笑)。
関口:どうぞ。
村上:せっきーは、関口のニックネームですね。今日は私もせっきーと呼びながら司会進行したいと思います(笑)。
関口:いつもどおりせっきーでお願いします。
村上:いや、いつもどおりじゃないです(笑)。
関口:はい(笑)。
村上:みなさん、ぜひ「X」へ投稿をお願いします。「Zoom」のチャットでもどんどんコメントをお待ちしています。
私はXの投稿を拝見しているので、講演の途中でもどんどんコメントを入れていきたいなと思っています。また、最後には質問の時間を設けているので、せっきーに何を聞きたいかを考えながら聞いていただければと思います。
では、みなさん、お待たせしました。ブレインパッドの講演を始めたいと思います。ここからせっきーにバトンタッチします。よろしくお願いします。
関口:お願いします。では、さっそくいきましょう。
「君たちはどう生きるのか」シリーズですが、実は僕ももともとエンジニアをしていた時期があり、そのあたりも含めて話をしたいと思います。
簡単に自己紹介をさせてもらいます。ブレインパッドの代表をしている、関口と申します。あらためてよろしくお願いします。
資料を見ていただくとわかりますが、もともと理系学生からスタートし、ファーストキャリアとしてアクセンチュアという会社に入社し、16年コンサルタントをやっていました。
そこからブレインパッドに入社して、今は代表を務めています。2023年7月から代表に就任したので、まだ社長としては4ヶ月目でよちよち歩きをしている感じです。
簡単に私の年表についてお話しします。私は車を作りたくて車メーカーに就職したいという学生だったので、理系学生として勉強をしていました。
本当に車のメーカーに入ろうと思っていたのですが、学生の時にいろいろな出会いがある中で、ひょんなことからクリエイティブな仕事に出会ってしまいました。
ラジオ局で番組のWebデザイナーをやることになり、番組の構成作家みたいなことを3年ちょっとやる中で、「どうやって生きていこうかな?」と迷ったところがありました。というのもこの仕事が、めちゃくちゃおもしろかったんですよね。
「世の中のことをあまり知らないな」ということで、「会社に入ろう」と決めて、アクセンチュアという会社に入りました。
それからずっとコンサルタントの仕事をやってきましたが、最初は、システムエンジニアっぽいこともちょっとやっていました。先ほどのフリーランスで働いている時は、Webデザイナーと言っていますが、Webのエンジニアでもあったので、本当になんでもかんでもやっていましたというところから、今は経営をやっている、そんなキャリアの人間です。
キャリアはけっこう複雑なのですが、理系の学生からスタートし、最初はどちらかというと技術系の仕事でした。Webのデザイナーだったりエンジニアだったり、システム・エンジニア、ITコンサルタントなどを経て、戦略コンサルタントをやって、今は社長として会社の経営をやっています。
働き方も、フリーランス、会社員、経営者、役員とさまざまなキャリアを変遷してきた、そんな人が今日は話しているよと思って聞いてください。
「ブレインパッドって何者?」なのか簡単にお話をしたいなと思います。当社のテーマは、データ活用です。日本、世界にいかにデータ活用を広めて良い世の中にしていくのか。「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」、未来を作るのが僕らブレインパッドの仕事です。
ただ、日本はまだまだデータ活用が遅れています。なのでまず、データドリブンにもっとデータが息を吸うように使われている社会を作っていかないと私たちのパーパスは達成できない。(スライドを示して)だからこそこのようなビジョンを掲げています。
どんな仕事をしているのかお話しします。私たちの会社には専門人材がたくさんいます。エンジニア、データサイエンティスト、そしてコンサルタントなどが専門性を活かして企業を支援するというのが、プロフェッショナルサービス。
あとは、私たち自身がSaaSのプロダクトを作っていて、エンジニアとプロダクトマネジャーたちが世の中に役に立つプロダクトを開発し企業に提供する、BtoBのSaaSビジネスも行っています。どちらのサービスも提供している、ちょっと変わっている会社ではあります。
当社の特徴をかいつまんでお話をすると、まず(スライドの)左上ですね。日本初ということで、当社は2004年創業です。データ、AIという言葉以前に、ビッグデータという言葉が昔あり、だいたい2010年ぐらいに流行った言葉ですが、そのはるか前の2004年に創業しました。データ分析の専門企業としてスタートしたのですが、たぶん日本では初めて上場した会社です。
先ほどもお話ししましたが、データサイエンティストが200名を超えます。データのプロという観点で、データサイエンティスト以外のエンジニアなどを含めると、会社の約半数以上がデータのプロ集団です。
(スライドに)デジタルマーケティングと書いてあります。私たちはSaaSのプロダクトで「Rtoaster」というプロダクトを提供しているのですが、このプロダクトの売りは、レコメンドエンジンです。アルゴリズムにより良いWeb接客を実現するもので、デジタルマーケティングという言葉がなかった時代から提供しているプロダクトです。もう17年目のプロダクトになります。
(スライドの)下の段ですが、データ人材の育成・教育サービスをもう10年以上提供しています。世の中にデータ活用を普及させるという観点から、人材開発も非常に重要だと捉えており、提供しています。もう7万人ぐらいの方々が私たちの研修を受けています。
先ほど少しお話ししたとおり、理系人材が非常に多く、実は新卒のうちの約8割が理系という異能集団になっています。いろいろなタイプの理系の人がいます。理学の人もいるし工学の人もいるし、ドクターもいるしマスターもいるし学士もいるので、いろいろな人たちが交ざりあっています。
あと、やはりIT人材が日本の企業に少ないという問題が日本にはあるので、企業の中でしっかりとIT、デジタル化を進めていける人材を作っていくこと、外から支援することを今、大事にしています。こんな会社です。
ちょっと私自身の話をすると、ブレインパッドもいろいろなビジネスをやってきています。その中でも、(スライドの)左上にあるのが、特に私がやってきたことなのですが、電通さんとジョイントベンチャーを作りました。伊藤忠商事さん、りそなホールディングスさんと資本業務提携もやりました。
最近は、「LINE」に特化したマーケティングツールを作っているTimeTechnologiesという会社を買収しました。ということで、ブレインパッドでこれまでやってこなかったことをやってきたのが自分の役割だと思っています。
イメージでいうと、10億円の規模感のミニマムビジネスを作ることが僕の仕事と、やってきたことです。
さてここからが本題で、どう生き残るのかという話です。みなさんだいぶこのような話は聞いていると思いますが、ちょっとおさらいしましょう。
「日本でIT人材が不足します」という話は、みなさんご存じのとおりで、45万人とか70万人とか、数十万人単位で足りない。技術の仕事が日本において非常に求められている仕事だと言われているのは、みなさんの理解のとおりです。なので、エンジニアになろうというのは、すごくいいことではあるんですよね。
ただ、ちょっと逆の側面があります。日本のIT人材の平均給与を調査すると、上位から20位ぐらいなんですよね。アメリカと比べると、実は2.3倍もアメリカのほうが平均給与が高いので、「日本のIT人材は足りないと言われているのに、あまり評価されていないな」というのが今の現実です。
さらに残念なのは、IT人材の給与の伸び率を調べると、日本はマイナスなんですよね。つまりIT人材の給与が下がっているんですよ。
残念ながらトップのアルゼンチンと比べると、67位というけっこう悲惨な状況なので、「あれ? 人足りないはずなんだけど、あまり評価されていないな、幸せなのかな?」というのが今の日本の状態です。
みなさんも知っていると思いますが、アメリカ人で芸人の厚切りジェイソンさんはIT企業の役員をやっています。
インタビューがあったので、ちょっとみなさんにもご紹介します。「彼から見た時に、日本と海外のエンジニアの違いって何?」という質問の回答として、入り口の部分が違うという話をしています。
例えば、専門性としてコンピューターサイエンスなどができていないと(キャリアの)入り口に立たせてもらえないとか、非常に専門性が要求される職業というのが海外です。この入り口について、この後でお話をしたいと思います。
もう1つ、ダーッと書いていますが、日本の場合エンジニアは、コーダーみたいな仕事をしている人がけっこう多いですよねという前提で。「オペレーター的な人が多いような気がするんだけどどう思います?」という話を聞くと、「エンジニアの仕事って、ただコードを書けばいいというわけじゃありませんよね」「そういう人がいること自体がちょっと間違っていると思うんですよね」という、もう「Why Japanese engineer!?」という話をしているわけです。
やはり自分の考えを持って、より効率的にコーディングをしていく、そしてシステムを作っていくのが非常に重要だし、そういうことができないと確実に仕事を奪われていくと言っています。
けっこう危機感があるよということを厚切りジェイソンさんも言ってくださっているということですね。ある意味で応援してくれていると考えてもいいんじゃないかなと思います。「みんなもっとがんばろうよ」ということだと思います。
デジタルだけじゃなくデータという関連でいうと、残念な状態に日本はあります。デジタル競争力調査という海外の調査の日本の結果は、63ヶ国中29位、真ん中ぐらいなのですが、けっこう壊滅的なのが2つあって、「デジタル/データテクノロジースキル」という観点でいうと、63ヶ国中62位でほぼ最下位。特に私たちのビジネスの領域のビッグデータや分析を経営に使っているかどうかでいうと、もうビリです。
「おい、ヤバいぞ」というのが今の日本の状態なので、この中でどうやってエンジニアとして生きていくんだというのは、一方でチャンスもすごくあると思うんですよね。でも、どういう心構えや働き方をしていくのかは非常に重要であると思っています。
私たちもそうですが、例えばITエンジニアとして、IT企業に入社するとします。ITサービスを提供している企業に入る時に覚えておいてもらいたいことが1つあります。
日本とアメリカでの違いを比較すると、このグレーの棒グラフがアメリカなのですが、一番右を見てください。情報産業は、この20年間で平均3.7パーセント伸びている。いわゆる、市場が成長しているんですね。
情報産業以外のところは1.6パーセントですが、産業全体では1.7パーセント伸びているので、やはり情報産業以外の伸びが全産業の伸びには非常に影響がある。
じゃあ、日本を見てみましょう。赤いところなのですが、「デジタル、デジタル」と言っているので、当然ながら情報産業は伸びています。2.4パーセント伸びているのですが、情報産業以外の真ん中のところが0.1パーセントしか伸びておらず、結果、全体として0.3パーセントしか伸びていない点が、海外とものすごく違うんです。
つまり、私たちのIT産業って、今すごく反省しなきゃいけないタイミングだと思っています。
ITっていろいろな産業に入っていくことによって意味をなす。成長を支援するのがITなんだけれども、それを支えているIT企業の人たちは、あまり役に立っていないと考えたほうがいいよということなので、やはり私たちみたいな存在が、ほかの産業の方々のITリテラシー、デジタルリテラシーを上げるということを、もっともっと真剣に取り組まなきゃいけない状態だと思っています。
こんな感じなんですよ。だから、「いいチャンスもあるんだけども、けっこうタフだな、今の日本」というのが、現状ですね。
(次回へつづく)
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