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キーノート6(全1記事)

ピクシブが目指す“新しい創作のかたち” 3Dを用いた技術的チャレンジ

完全招待制のオンラインカンファレンス「PIXIV MEETUP 2023」。「創作活動を、もっと楽しくする。」というミッションを遂行するために、メンバーが普段行っている業務について、自らの言葉で語り、その想いと技術を共有する場です。norio氏は、3Dの創作分野に触れ、「VRoid」「BOOTH」「VRChat」「ChatRoid」における、先進的な取り組みについて発表しました。

多くの方に快適な3Dの創作の楽しさを提供する「VRoid Studio」のiPad版をリリース

norio氏(以下、norio):これは弊社の新しいビジョンですが、「something next」ということで、私からは創作の未来につながる先進的な取り組みについてご紹介していきたいと思います。

まずは、新しい創作のかたちを提案・サポートしている「VRoidプロジェクト」からです。

VRoidプロジェクトは、約6年前に、今後AR・VRが普及して3Dの創作へのニーズが高まっていくことを想定して始まりました。今では多くの方に使われており、海外ユーザーが9割を超えるなど、世界中の人に使われるツール、プラットフォームになっています。

2023年9月に、「VRoid Studio」のiPad版をリリースしました。VRoid Studioは、もともとペンタブレットで衣装や髪などをデザインできることが特徴でしたが、ペンタブレットをPC、Macで利用している方はそこまで多くはなく、なかなか本来のポテンシャルを提供しにくいという課題がありました。今回のiPad版で「Apple Pencil」が使えるようになるので、多くの方に快適な3Dの創作の楽しさを提供できるようになりました。

そして、2024年には、「Apple Vision Pro」というものがリリースされますが、このiPad版を基に対応していけたらなと思っています。今後、空間コンピューティングにおける新しい創作のかたちも提案していけたらなと考えています。

「BOOTH」では「VRChat」ユーザーと親和性の高い機能を提供

次に、「BOOTH」と「VRChat」の取り組みについて紹介したいと思います。(スライドを示して)こちらのグラフのとおり、3Dカテゴリの売上が伸び続けています。このカテゴリは、主にVRChatで使用されるアバター、小物、ワールドなど、データ販売が占めています。

私たちとしては、3Dの創作を、よりサポートしていきたい、VRChatコミュニティのクリエイティビティと熱量に応えていきたいと思っています。

そこで、VRChat社と提携し、機能面やコミュニケーションを強化し、クリエイター支援につながる取り組みを行っています。代表例として、次に紹介する「BOOTH House」「Cafe」ワールドの提供があります。

BOOTH Houseは、一見オシャレなホームワールドに見えますが、ワールド内に置かれているアイテムのすべてがBOOTHで購入できて、その場でアイテムの情報を閲覧したり、直接BOOTHページに飛ぶことができるようになっています。

BOOTH Cafeも、一見するとオシャレなカフェのワールドですが、アバター検索システムが設置されていて、約300体のアバターからお気に入りを見つけたり、その場で試着が楽しめるようになっています。フレンドと一緒にゆったりおしゃべりしながらアバターを探すことができます。

このBOOTH House、BOOTH Cafeに設置されているアイテムやアバターを通して、VRChatクリエイターの作品を多くの人に紹介することができます。また、これは海外のVRChatユーザーにBOOTHを知ってもらうきっかけにもなっています。

このようなワールド展開以外にも、BOOTHでは、「ギフト機能」「スキリスト」など、VRChatユーザーと親和性の高い、新しい機能の提供も引き続き進めていきます。

AIに関する取り組み「ChatRoid」プロジェクト

ここからは、最新のテクノロジーと創作についてお話ししたいと思います。昨今、最新のテクノロジーというと、やはりAIになると思います。

まず私たちとしては、AIが、クリエイターの創作に対して与える影響は、今後より大きくなっていくと考えています。

現状、特に生成系AIに関しては、解決しなければならない問題があることも認識しており、慎重に対応していかなければなりません。一方で、AIを活用するためにも、AIからクリエイターを守るためにも、まず私たちがAIに関して誰よりも詳しくなっていく必要があると考えています。

そんな中で、やれることをやっていこうと進めている取り組みの1つとして、「ChatRoid」というプロジェクトがあります。

デモ

では、ここでちょっとChatRoidのデモをしたいと思います。

来るかな?

話者1(※スクリーン上のキャラの声):こんにちは! みなさん「PIXIV MEETUP」、楽しんでいますか!

norio:みなさんにちょっと先に謝っておきたいのですが、このデモはガチなので、もしなにかおかしなことが起きた場合には、ちょっと寛大な心で見守っていただきたいと思っています。では、さっそく始めていきましょう。

まずは、自己紹介をお願いします。

話者1:はじめまして! 私はピクシブ株式会社のメンバーで、ChatRoidという名前です。私の役割は、みなさんから話しかけられた言葉に対して応答を考えることです。そのため、私はさまざまな事前知識を参照しながら、それを基に応答文を生成します。

norio:ふふふふ(笑)。長っ。

(会場笑)

話者1:さらに、それらの応答文を私自身の声で出すことができます。よろしくお願いします!

(会場拍手)

norio:おぉ、ありがとうございます(笑)。

今日のミートアップには500人もの人が参加してくれたみたいだね。

話者1:すみません、実際は約70人ほどの人が「PIXIV MEETUP」に参加していました。

(会場笑)

norio:えっ、そんなはずはない(笑)!

話者1:多くの興味深いゲストの方々とお話しする機会があり、大変楽しかったですよ!

norio:そんなはずはないよね。

(会場笑)

norio:ガチだということが伝わったと思います、はい。

(会場笑)

norio:ちょっとね、ここで突っ込んだ質問をしてみたいと思います。

創作活動が楽しくなる未来に向けて、ピクシブが今後やっていくべきことはなんですか?

話者1:ピクシブ株式会社のビジョンは、「Where emotion keeps activating something next 感動と衝動を、次の何かへ。」と表現されています。これは、ユーザーの方々の感動や創造的な衝動を、次の創造活動や挑戦へ結びつけることを目指していることを示しています。

そのため、我々ピクシブが今後取り組むべきことは、感情が新たななにかを生み出し、続けられるようなプラットフォームの提供や新しい表現方法の開拓を進めていくことだと考えています。

(会場拍手)

norio:おぉ(笑)。はい、すばらしいですね。キーノートで聞きたいことを全部言ってくれた感じがしますね。

(会場笑)

では、最後に締めの挨拶をお願いします。

話者1:ありがとうございました!

(会場拍手)

ChatRoidにおける、今後の展開

道井俊介氏(以下、道井):ありがとうございます。いや、ChatRoid、おもしろいですよね。

norio氏:いやぁ、本当にウケてよかったです。ありがたいです。

(会場笑)

道井:ぜんぜんリハーサルと違うことを話していたので。

norio:そうなんですよ。

道井:ちょっとね、僕らびびっていましたけど(笑)。

norio:逆に質問返しみたいなのが来ちゃうことがあるので、けっこうびびっちゃうんですよね(笑)。

道井:そうですね、けっこうびびりますよね。ChatRoidは、今後どういう展開を考えているんですか?

norio:今見ていただいたのは、実証実験を目的としたものになりますが、今後、toC的なサービス化を目指していきたい。

例えば、今まで3Dの創作ということでVRoidを展開していますが、よりインタラクティブな3Dのキャラとの創作を楽しむみたいな、そういうことが今後できていくんじゃないかなと思っているので、このあたりサービス化を目指してがんばっていきたいと思っています。

道井:ありがとうございます。今後も楽しみですね。

ピクシブでは、このChatRoid以外にも今後さまざまな技術的なチャレンジを行っていきます。

私たちの新しいビジョンは、「Where emotion keeps activating something next 感動と衝動を、次の何かへ。」。創作活動、クリエイターが持つ無限の可能性、その先に何があるのか、さらなる技術的なチャレンジと、プロダクトでも新しい挑戦を行っていきます。

この後も「PIXIV MEETUP」では、向こうの会場であったり、もちろんここでも大きなパーティーを用意しています。私もnorioさんもこの後のパーティーにもいますので、ぜひいろんなことをお話できればと思います。

もしかすると、今日発表できていないこれからやるやつとかを、ちょっと教えてくれるかもしれないので、ぜひお気軽にお声掛けください。

それでは「PIXIV MEETUP」、これからもまだ続きますので、ぜひ最後までお楽しみください。ありがとうございました。

(会場拍手)

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