2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
キーノート1 (全1記事)
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ten氏:先ほどharukasanさん(道井俊介氏)から紹介いただいたとおり、ピクシブには、マンガに関わるプロダクトが4つあるんですね。こんなにあると知らなかった人はけっこういるんじゃないかと思います。
今日は、これらのサービスがそもそも何なのか。また、どのようにつながっていくのかというのをひもときながら、マンガについてお話ししていきます。
ピクシブとマンガのつながりは、2010年にリリースされたマンガの投稿機能に遡ります。1つの作品につき、イラスト1枚という原則がここで破られて、イラストのサービスだった「pixiv」にもマンガが増えていきました。
そこから、2012年に「pixivコミック」、2018年には「Palcy」、そして2022年に、新たなサービスとして「pixivコミックインディーズ」が始まりました。
それぞれのサービスについて見ていきましょう。pixivコミックは、投稿サービスのpixivと異なり、出版社と作家さん、この2者で作っている商業作品と呼ばれるもの、いわゆる本屋さんに並んでいるマンガですね。これを中心に掲載しているサービスです。
pixivコミックは当初、雑誌の連載を紙からWebに移行してその場で試し読みができるというコンセプトで生まれたサービスです。生まれた当初は、掲載している雑誌は4誌でした。現在もさまざまな出版社に連載のプラットフォームとしてご利用いただいていて、今では、レーベル数が200を超えています。掲載作品は9,000作品を超え、MAUとしては約440万人という規模に成長しました。
そんなpixivコミックには、pixivへの投稿を経て連載化した作品が数多く掲載されています。(スライドを示して)そんな作品の一例がこちらですね。もっともっとたくさんありますが、本当に一例です。
作品がこのようなかたちで単行本化され、そこからアニメ化、ドラマ化などメディアミックス展開を迎えるものも少なくありません。pixivコミックでは、このような作品を例にして「pixivから生まれた」と言える作品をたくさん輩出することを1つの目標に掲げています。
続いては、Palcyの紹介です。2018年に生まれたPalcyは、講談社さんと共同で開発・運営しているアプリです。こちらのタイトルを見たことがある方もたくさんいるんじゃないかと思います。「すべての少女・女性マンガ好きに捧げる」と銘打っていて、少女マンガ、女性マンガを中心に掲載しているサービスです。
Palcyが生まれた背景ですが、企画が始まった2017年、この「PIXIV MEETUP」の中でも、「アプリ作ります」といった発表があったのですが、当時「ユーザーの可処分時間の消費がマンガからスマホゲームや映像コンテンツに移行しているんじゃないか?」という課題がありました。
「このままマンガに使われる時間が減っていくと、マンガという文化そのものが滅びてしまうのではないか?」。そんな危機感がマンガを選ばれるエンタメにしたいという思いにつながり、その志を同じくする2社が手を取り生まれた。これがPalcyです。
2023年で5周年を迎えたPalcyは、「わたしにPalcy」というメッセージを掲げたブランディング施策を実施して、東名阪のターミナル駅に大きな看板広告を出すなど、かなり大規模なメディア展開を実施しました。ここからさらに、次の5年、10年に向け、少女マンガ、女性マンガを中心としたアプリでの業界トップを取るという夢に向かって、今後も邁進していきます。
最後に紹介するサービスは、pixivコミックインディーズです。このpixivコミックインディーズは、2022年9月にベータ版としてリリースされた、pixivのマンガ関連サービスの中では一番新しいサービスです。
pixivコミックインディーズの仕組みについて簡単に説明をいたしますと、クリエイターは、ふだんどおりpixivにマンガ作品を投稿する。その作品をpixivコミックインディーズにも掲載するといった設定を行います。
出版社の方も、pixivコミックインディーズに訪れて、掲載された作品を読んでいく。「これは!」と感じたものに出会えた時に、そのクリエイターにスカウトを送ります。このスカウトが成立すると、商業誌への掲載や連載に向けて作品作りを進めていくということになります。
先ほどベータ版という言葉を使いましたが、どのような機能、企画を実施していけば、もっと使いやすく、さらにいろいろな出版社とクリエイターの出会いが作れるのか。そういうことをテーマに、正式リリースに向けて開発を進めている段階です。
さて、ここからは、これまでご紹介してきたサービスのつながりについてお話ししていきます。
pixivコミックインディーズが生まれる以前、私たちは、pixivへの投稿から生まれた作品をpixivコミックやPalcyといった媒体で連載化して、その連載を盛り上げていくことでコンテンツを大きくしようと考えていました。
ただ、そういった流れを外にいるクリエイターさんが見た時に、「自分の作品や自分が商業のフィールドで連載していくためには、どうすればいいんだろう?」というのが不透明になっていたのかなと思います。
そこで、pixivコミックインディーズがその間を取り持つことで、マンガを描くクリエイター視点での各サービスのつながりがより明確になったのではないかと考えています。
創作を楽しむpixiv。創作で夢に近づくpixivコミックインディーズ。創作で生きていくpixivコミック、そしてPalcy。この3ステップが理想として思い描いているものです。
それぞれのステップについて、もう少し踏み込んで見ていきます。まずはpixivからpixivコミックインディーズへのステップです。
投稿サービスであるpixivには、プロ、アマチュアを問わず、さまざまなクリエイターがいて、日々創作活動を楽しんでいます。
その中でも、プロになりたい、商業のフィールドで活躍したい、ということに関心を持っているクリエイターに、この2つのサービスを通して、日々の創作活動の中にプロへの道があることを示しています。
そして、そのpixivコミックインディーズからpixivコミックやPalcyへのステップです。創作活動で生きていくということは、簡単な道ではありません。私たちは、その道を塞ぐ障害をできるだけ排除したいと考えています。
私たち自身が、pixivコミックやPalcyといった連載、販売の媒体を運営することで、クリエイターへの還元や活躍の場を増やしていけるのではないかと考えています。
最後に、pixivコミックやPalcyからpixivへのステップですが、プロのマンガ家として活動する中でも、趣味の時間に創作活動をすることもあるかと思います。
また、読者の目線からしても、プロのクリエイターの商業作品以外の趣味の活動を追いかけられる。よりコアなファンとして、クリエイターの創作活動を応援できる。そういったプラットフォームをpixiv全体で提供することを目指しています。
この複数のサービスが、クリエイターに提供する価値を通して、さらに新たなクリエイターを獲得し、この輪の中に加えていきます。
また、ここまではいわゆる横読み、見開きのマンガのことを話していましたが、先ほどのLTでも少しお話があったとおり、縦スクロールというマンガにおいても、(スライドを示して)この輪を作り、さらに大きくしていく。これがpixivのマンガ事業です。
なぜこのような取り組みを行うのか。マンガは、日本が世界に誇る文化です。マンガという表現によって、数多くの物語が生まれ、その物語は、たくさんの人に感動を与えてきたことと思います。その感動がまた新しい物語を生み出す。これはまさしく、pixivが掲げるビジョン、「感動と衝動を、次の何かへ。」につながります。
このビジョンの実現のため、マンガに関わる人たち、つまりクリエイター、読者、出版社、たくさんのプレイヤーに対してpixivは、みなさんが暮らす世界を支えていきたい。それによって、あらゆる人がマンガをライフワークにできる。ピクシブのマンガ事業は、そのような世界を目指しています。
さて、ここまでは、絵と文字で物語をつむぐ創作、マンガについてお話ししてきました。そこから、絵というものを切り離した存在、つまり文字による創作について、pixivの小説と「ピクシブ百科事典」を担当するrisariとhonがお話をします。
(会場拍手)
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