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AI・クラウドの発展により、開発者体験はどう変わるか?(全3記事)

「これからはAIが仕事の副操縦士になっていく」 人間の生産性と可能性を劇的に向上させる「Microsoft 365 Copilot」

AI・クラウドの発展により、開発者体験はどう変わるか? 日本マイクロソフトの岡嵜禎氏は、日本CTO協会が主催する「Developer eXperience Day 2023」で、生成AIにより変わっていく“開発者の世界”について発表しました。全3回。2回目は、「Microsoft 365 Copilot」の活用について。前回はこちら。

AIが仕事の副操縦士(Copilot)になっていく

岡嵜禎氏:実際に、生成AIでより新たにできるタスクが、いくつも増えてきています。(スライドを示して)ここに緑で書いているものは従来できているタスクですが、本当に楽にこういったことができるようになりました。赤い部分は、新しくできるようになったタスクです。文章生成、思考の壁打ち、会話、アイデア創出などを上げています。

なにか文章を作ったり、なにかディスカッションを考えたり、情報をまとめたりなど、生成AIの発展によって、より発展させることができる領域が無限にあるということになります。おそらくみなさんも考えていただくと、適用したい領域がいろいろ出てくるんじゃないかなと思います。

マイクロソフトは、このAIの力を活用して、みなさん一人ひとりに仕事の副操縦士(Copilot)を付ける。そういった世界観を作っていけばいいんじゃないかと、やらせてもらっています。AIを搭載した我々のアプリケーション系の製品は「Copilot」とネーミングされているのですが、これは副操縦士という意味です。

実際に、副操縦士というのは飛行機を操縦する時にアシスタントで就いている方で、その人がいることによって、操縦士はいろいろなタスクに集中できたり、適切なサポートを提供できます。そういった「Copilot」をあらゆる領域に提供していくことによって、人の生産性や可能性を上げていこうという取り組みを我々はしています。

今のCEOでもあるSatya Nadellaも、「マイクロソフトのあらゆる製品に、製品を一変させるようなAI機能を搭載していく」と発表していて、そういったことをどんどん加速させている状況です。

もしかしたらニュースで見ている人も多いかもしれませんが、2023年に入ってから、我々はAIの機能を搭載したさまざまなソリューションを発表しています。

領域としては、(スライドを示して)例えば右上にある「GitHub Copilot」のように、開発者体験を変えるようなソリューションや、下にある「Modern work」。使っている方も多いであろうオフィス系の製品や、Teamsと言われるビデオ会議を行う仕組みに搭載していくという話。ほかには例えばセキュリティの領域に適応していく。そういったところを発表しています。

こういったものを提供することによって、業務を奪うのではなく、あくまでもCopilotである。副操縦士であるという考え方でこれらを活用することによって、みなさまがよりプロダクティブに、生産的に仕事ができるようにしたい。そういったかたちでビジネスを推進しています。

「Microsoft 365 Copilot」によってどう変わるのか?

では、どういったかたちに変わるのか。製品の宣伝ではありませんが、イメージを持ってもらうために、いくつかのものをちょっと具体的に掘り下げて説明したいと思います。一番わかりやすい世界観として「Microsoft 365 Copilot」という話をさせていただければなと思います。

みなさんお馴染みのWord、Excel、PowerPoint、Outlook、Teams。こういったものに組み込まれるとどういったことができるのか。例えば、Word、Excel、Outlookであれば、文章の生成やメールの返信。

PowerPointの場合、既存の文章や今までのやりとりから自動で生成されることによって、お客さまの対応スピードや社内のコミュニケーションスピードを加速させていくことができる。これが、こういったところに組み込まれている意味合いになっていきます。

イメージが違うところでいくと、Excelは、単に自動でグラフを作るだけではなく、そのデータの解析なんかもしてくれるというところが、大きな違いになってくるかなと思います。

例えばスプレッドシートの場合、「このデータはどういう傾向があるの?」とか「ここから何が言えるの?」というところの分析をしてくれるので、そのデータの意味の解釈をしてくれるというところも大きなポイントです。

Teamsでわかりやすいところだと、例えば打ち合わせ。1時間打ち合わせをして「どんなことを打ち合わせたのかをサマリーして」と言うと、本当に見事な議事録を作ってくれる。ジェネレーティブAIの機能を使うことによって、人間と遜色ないような作業をしてくれます。

文書作成の時間を劇的に削減する「Copilot in Word」

実際にモノを見ることで、よりイメージを持っていただきたいと思います。

1個目は、「Copilot in Word」です。WordにジェネレーティブAIの機能が組み込まれたら、どんなことができるのか。それをちょっと見ていただければなと思います。ビデオ自体の内容は英語になっていますが、日本語の字幕が入っているので、そちらを見ていただければなと思います。

例えば、提案書を作らないといけないけれども、あまり時間がないというシチュエーションですね。そういった時は、なんらかのメモ書きがあれば、「そのメモをベースにドキュメントを作りたい」と指定します。そうすると、その文章から必要なドキュメントが自動生成されます。

デザインが気に食わない時は、「前に作った文章とデザインのテイストを同じにしたい」と、前の文章のWordを指定します。「画像はPowerPointを活用したい」と言うと、そのデザインや画像を挿入したかたちで、Wordの文章を自動カスタマイズするようになっています。

さらに、「FAQなんかも追加したほうがいいんじゃない?」とサジェストしてくれます。「FAQを追加する」とやると、こういったかたちでFAQも追加してくれます。もちろん、このまま文章をドンッと出せるかというと、そうではないかもしれませんが、かなりのレベルのドラフトを作ってくれるので、あとはこれをベースに加筆・修正していくことによって、文書作成の時間を劇的に削減できるというソリューションです。

データ活用の加速を実現する「Copilot in Excel」

続いて、ExcelにジェネレーティブAIの機能を組み込んだらどういったことができるのか。それをぜひ見ていただければなと思います。

例えば、スプレッドシートにいろいろなデータが並んでいて、このデータを分析する必要性があるというシチュエーションです。まず、このデータを指定して「どういった傾向があるのか、3つに要約してください」と言うと、「このデータからこんな3つのトレンドが見えますよ」と出てきます。

「売上が伸びた理由は何なんですか?」というかたちで問いかけると、プロダクト別や国別のデータを出してくれて、どこに売上が伸びた傾向があるかを瞬時に把握できるデータとグラフを表示してくれます。

そういったものをうまく組み合わせることによって、データ分析にかかる時間をさらに小さくすることができます。さらに「データのポイントをwhat-if分析でハイライトしてくれ」みたいなこともやってくれます。もちろん、Excelを使いこなしてそれをやることもできますが、やりたいことをCopilotに投げかけるだけで体現してくれるので、多くの方がデータ活用をより加速させることができると思います。

プレゼンテーションに必要な準備をサポートする「Copilot in PowerPoint」

同じように「Copilot in PowerPoint」というかたちで、PowerPointにジェネレーティブAIを組み込んだら、という話も簡単にできればなと思います。

考え方は基本的に先ほどのWordに近いのですが、やはり提案書やプレゼンテーション。こういうものを作るのが大変だなと思うエンジニアの方も多いと思います。

そういった時に、PowerPointが自動的に作れたらどんなに便利でしょうというシナリオですね。ベースになるデータを渡して「PowerPointを作りたいよ」と言うと、こんなかたちでPowerPointを自動的に生成してくれます。もちろんスライドにはこのまま使えないので、PowerPointの資料を追加します。例えばここだと、Cost benefitsですね。

あと「文字だらけなので、もうちょっとデザインや画像を入れたいよ」と指示を出すと、こういったデザインも入ったかたちでファイルを修正してくれます。

さらにアニメーションを付けたり、PowerPointの発表者メモをスライドの内容から自動的に作成してくれるので、それをベースにカスタマイズしていくことによって、プレゼンテーションに必要な準備を削減することができます。私も、もしこれを使うことができれば今日みたいな準備をもっと劇的に削減できるのかなと思っています。

例えば「過去に作った文章をベースに、こういったものを作りたいんですよね」と提案しようと思うと、その人がどんな文章を作っていたか、どういう方々と仕事をしていたか、どんなチームに所属をしていて、そこにあるドキュメントや資産はどういうものかが重要になってきます。この中にある「Microsoft Graph」がそれを可能にします。

文章、人の関係などをきちんとデータで持っていることによって、本人たちのパーソナライゼーションに合ったカスタマイズでAIが機能しているというところが1個の特徴になると思います。これを使ってくださいというわけではなく、そういったことも考えて機能を作っていくことを考えるといいんじゃないですか? というところで捉えていただければなと思います。

(次回へつづく)

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