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人生2周目の私が覚醒した、ゴリゴリエンジニャーというキャリア戦略(全4記事)

「これのスペシャリストとして食っていくんだ」は難しい 技術革新スピードが速い時代に大事な“キャリアの鍛え方”

技育祭は「技術者を育てる」ことを目的としたエンジニアを目指す学生のための日本最大のオンラインカンファレンスです。「技育祭2023【春】」に登壇したのは、フューチャー株式会社・執行役員の宮原洋祐氏。自身の経験から、技術革新スピードが速い時代における、お勧めのキャリア戦略について話しました。全4回。3回目は、技術革新スピードが速い時代のキャリア戦略において大事なことについて。前回はこちら。

人生2周目で考えたこと

宮原洋祐氏:では、次です。人生2周目に入って「どうしようかな」と思うわけです。今日の前の講演もそうだったのかな。ChatGPTってやはり驚きですよね。(スライドを示して)2022年11月に発表されて、これはDXについてChatGPTに聞いたものなのですが、それらしいことが返ってくる。ちょっと間違っているところもありますが、それなりの精度があって、革新的だなぁと思います。

ちょっと振り返って、2022年8月ぐらいから、ここ半年間ぐらいで何が起きたのかを、時系列で並べてみます。例えばAIが書いた絵画がコンクールで優勝したり、あとは先ほどのOpenAIの話や、Googleも負けじと文章からこのテディベアの動画を自動生成するみたいなものとかを出したり。

あとは先ほど紹介したChatGPT3が出て、Googleが2023年2月に対抗案としてBardを発表をして、今月(2023年3月)OpenAIがChatGPT4を出してみたいな感じですよね。すごいものだと思います。

(スライドを示して)振り返ると、1969年。私も生まれていないですが、人類が月に送ったアポロ計画のメインシステムが、実はみなさんが生まれる前のゲーム機の初代版みたいなものでした。ファミコンと呼んでいるものが、CPUの性能で見ると同等の性能だったと言われています。

1985年世界最速だったスーパーコンピューター、「Cray2」の12個分が「iPhone12」と一緒みたいな感じです。これはつい最近だなという感覚だったのですが、地球シミュレータは年間の維持費だけで50億円という非常に大規模なスーパーコンピューターで、世界一位でした。これが今ではGPU1枚分、価格にして11万円なので、これだけ性能が格段に上がっているということで、これは非常に大きな話かなぁと思います。

基本的にムーアの法則はやはり侮れなくて、その成長が完全に寄与しているということで、ChatGPTなども含めて、この成長のスピードはやはりすばらしいものがあって、どんどん加速しているなと思います。

技術革新スピードを利用してキャリアを設計しようと思った

その中で(自分は)どういう職にしようかなと思ったのですが、ある程度こういったスピード感ある環境下になってきたので、リスクテイクしながらスピード感のある経営、環境を求めたいなと思いました。あとやはり経営には興味を持ちました。

ほかにも少し観点を変えた時に、社会貢献みたいなものに関心をすごく持つようになったので、そういうことをやりたいというのが(人生)2周目だったのかなと思います。そんな中で、技術革新スピードを利用したキャリア設計をやろうと思い立ち考えました。

(人生)1周目の時は、企業変革みたいなものがテーマだったのですが、もう少し大きく捉えると「業界構造を変える」とか、さらにその先の「社会変革をする」とか、そんな思考を持ったなぁと思います。

今日は言えることと言えないことがあるのですが、何をやったの? ということだけを軽く紹介をします。

スタートアップベンチャーの企業経営でいくと注目されるような教育系のスタートアップ会社です。そこに最初のSeedsのタイミングから入って、Growthしていくという経験をやりました。

コロナ禍もありましたが、そういったところでスケールをしていくために、その時代に合わせて変更していく、プロダクト自体も変えていくこともスピード感をもって対応していくのが、すごくおもしろい世界だなと思います。

一方で、コンサル企業では、テクノロジー&イノベーションの事業開発をしていくということで、よく言われるようなものですね。SDGsや働き方改革、あとは地方活性化みたいなもの。大きな社会課題に対して、その解決ドリブンな事業改革・事業拡大を経験していくということで、積み上げた感じではなく、上から考えていく経験ができたのかなと思います。

もう一方は、グロービスのDX講師です。今もなお日本は失われた10年とか20年とか、その時代を生きる方々に失礼な呼び方がよくされます。そんな中、リカレント教や今はリスキリングといったキーワードの重要性が高まってきています。再教育やスキルシフトみたいなものと考えていただいて結構です。企業の中で人のスキルを変革しなきゃいけないというニーズはすごくあって、その重要性をすごく感じます。

これは(人生)1周目もそう思いました。すごく重要だなぁと思います。なので、実務を通した経験や知恵を体系化して幅広く展開をしていたなぁと思います。

技術革新スピードが速い時代は「キャリアの鍛え方」が大事

こんなことをやって、2周目はどちらかというと、もっと大きな視点で仕事をしてきたなぁと思います。あらためて、これは1周目でも2周目でも思いますが、鍛え方はすごく大事だと思います。筋トレというだけではなく、どちらかというと「キャリアの鍛え方」ということかなぁと。今日のメッセージはこれですね。

(スライドを示して)鍛え方が大事だと思うのは、例えばこんなスキルセットを五角形で表現したとすると1点集中型で筋トレをしていくという鍛え方は、いずれ壊れちゃうかもしれないリスクも孕みながらやっていくわけですよ。

こういう1点集中で、「ここのスペシャリストとして食っていくんだ」というスキルセットは、こんなイメージです。

これは、過去はよかったかもしれないですね。まだまだ技術革新スピードが遅かった時代は、ぜんぜん問題はなかったのかもしれません。正直、この方向性から外れる可能性もあるし、鍛えた方向性がぜんぜん違って、腕を鍛えていたけど実は足の速さが求められていましたみたいなことを言われるかもしれません。

もしくは技術革新スピードが速すぎて、自分の成長速度を大幅に上回るケースがもう今すでに起きているので、こういう鍛え方はもう絶対やっちゃいけないなぁと思います。将来は予測できないと思うので、ストイックにやり続けるということはもう違うんじゃないかなと思います。気がついた時にはもう遅いというタイミングも来るかもしれません。

誤解がないように言うと、1点集中が悪いわけではなく、その難しさが出てくるということかな。1点集中する先の見通しや先見性がない限りは、かなり難しいという意味で言っています。

一方で、そういうのはわからないからと、「平均的なスキルを取っていこう」と思っても、正直、平均的なスキルを持っている技術者は今非常に多く、差別化ポイントがどんどんなくなってきています。もしかしたら、学校では評価される成績かもしれませんが、平均点的なスキルになっちゃうと、いずれ間違いなくAIに代替されるなぁと思います。

ChatGPTや、最近のMicrosoftのCopilotをみなさんはご存じですか。昨日か一昨日の記事で見ましたが、すごいですね。代替されるというイメージがつくんじゃないかなあと思います。

時代に合わせて自分自身を変革する「変化対応力」を持つ

私が本当に大事だと思うのは、「変化対応力」です。鍛え方の筋トレとして喩えるならば、ヨガみたいな鍛え方がすごく大事なんじゃないかなと思います。

私には今、2歳の娘がいるんですが、まぁすごいですね。成長スピードがすごいなって感心するんですが、やはり毎回興味・関心があることに適度にストレッチをして、背伸びをしてやり続けて成長している感じなので、適度な筋肉痛を継続的にやっていくのが必要なんだろうなと思います。

今後、技術革新スピードが加速して、将来を予想できない非連続な成長が起きることを前提とした時には、時代に合わせて自分自身を変革するスキルが本当に大事だし、そういった環境を求めるキャリア戦略が大事なんじゃないかなぁと思います。

こんな感じですかね。イメージとしてはこんな感じで、「この道に行ってみたけど、なんかこっちのほうが盛り上がっているぞ」と思ったら、そっち側にピボットして見てみるのもいいし、ちょっと諦めてやらないというのもありでしょうし、どんどんそういうのをやっていったほうがいいんじゃないかなと思います。

(スライドを示して)キャリアを適宜軌道修正をしていくかたちでいくと、結果的にはすごくユニークなスキルの獲得ができると思います。まさにこの形って、ユニークじゃないですか。絶対無理な形になると思うので、そんなキャリア設計ができる、キャリア戦略ができることが、すごく大事な時代になっていくんじゃないかなぁと私は思います。まさにこれが今日お勧めしたいキャリア設計、キャリア戦略かなぁと思います。

コンサルはマジでお勧め

では、まとめに入っていこうかなと思います。まとめとして、私は今日会社の宣伝をしにきたわけではない、忖度しないと言いました。忖度しているつもりはありませんが、正直本当に思うのは、コンサルはマジお勧めだということです。なぜかというと、持続的に成長しつつ、きちんと稼ぐこともできるからです。それは、やはりポイントかなぁと思います。

なぜ持続的に成長できるのか。これはやはりコンサルならではというところがあって、市場のニーズや変化……需要だけじゃなく変化にもすごく敏感になれるからです。

だからこそ自己変革しやすい。コンサルではない、先ほどのSIerみたいな仕事の仕方は、もうニーズありきで「なにかをやってほしい」というリクエストから始まる仕事なので、なかなか(市場との)接点は遠いです。なので、クライアントの厳しい市場との接点を経験できるかどうかが、すごく大事かなぁと思います。

なので、そういうのを感じながら、ユニークなキャリアやスキルを獲得していくのがすごくいいかなぁと思います。

私は人生転生できて、2周あったので余裕があったのですが、ほとんどの人はたぶん1周で終わっちゃうのかな。たぶん終わっちゃうと思います。すごく徳を積んだら2周目も行けるかもしれないので、今から徳を積むといいと思いますが、時間は有限です。だからこそファーストキャリアは最重要だと本当に思います。

今は転職もすごくしやすい環境下でカジュアルにできますが、ファーストキャリアがその人の生活、カルチャー、考え方などすべてに影響すると本当に思うので、本当にファーストキャリアは大事だと思います。

1周目、2周目通してでも開発力は本当にキャリア選択の源泉になる、すべての源泉になります。開発力を確実に習得することは、確かなキャリアの伸び代になるので、ぜひそういったスキルを獲得するキャリアを、まずはファーストキャリアとして選ぶといいんじゃないかなと思います。

(スライドを示して)先ほど載せたところですね。別に忖度していませんが、私が選んだキャリアはコンサルのアーキテクトというものです。

なぜ開発力が高いのかという観点で言うと、これは自ら技術を選択できるからです。いろいろなギブンコンディションで技術選定をするのではなく、自らあるべきを考え技術を選択できる立場にいるということです。なので開発力もつくし、それを他にも応用がしやすいという意味だと、汎用性もある技術なのかなぁと思います。

私の同期の中でも起業したり、Web系企業ですごく偉くなっている人ももう何人もいて、だいたい有名なところは私の知り合いなので、ある意味アーキテクト系で足腰にフットプリントつけて汎用力をつけながらいくのは、本当にいいキャリアなんじゃないかなと思います。

ちょうど30分が過ぎたぐらいなので、質疑に移れるといいなと思っています。コンサルというキーワードも含めて、みなさんの頭の中もこの猫のように、コンサル系というのがあるんだと思ってもらえたらといいなと思っています。

では、ありがとうございました。というところで、質疑があるのかな? よろしくお願いします。

(次回へつづく)

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