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パネルディスカッション(全3記事)

“幅広く深みがある”スキルをどう客観的に評価するか 及川氏×片岡氏が考える、プロダクトマネージャーの育成・評価

プロダクトマネージャー育成の第一人者であるTably社代表取締役の及川卓也氏が「サービスの成否を分けるプロダクトマネジメントスキルの鍛え方」について講演する「【DX推進・新規事業担当者向け】 サービスの成否を分けるプロダクトマネジメント“スキル”の習得法」。片岡秀夫氏とともに対談するパネルディスカッションパートでは、最後に、プロダクトマネージャーの育成・評価について話します。前回はこちらから。

プロダクトマネージャーの知識の有無をどのようにして測るか

及川卓也氏(以下、及川):では、テーマ3にいきましょう。プロダクトマネージャーの育成・評価。定量的に測定する方法。これは難しいですね。これも先に片岡さんに聞いちゃおう。片岡さん、どう思いますか?

片岡秀夫氏(以下、片岡):そうですね。今回、まさに「スキルを定量的に測るためには、測るためにどういう仮説を立てられるのか」というご質問をいただいていたんですね。

今回、及川さんも含めて「DIA for PM」を開発した時に、基本的な知識レイヤーの話に関して、知識の有無をしっかり測ること、取ることはできると思っています。

ただ、プロダクトマネジメントはスキルレベルがかなり幅広いというか、本当に深みがあるテーマだと思っているので、そういった意味で、例えば世の中でナンバーワンのプロダクトを作れるとか、オンリーワンのプロダクトが作れるプロダクトマネージャーかどうかを測るとなると、「さすがに無理だね」と思います。

行動の内容を取って問うていくみたいなことに関しては、今回のアセスメントの中でも一定(数)そうなんですが、いわゆるシチュエーションを問うような設問を入れていく中で測定することはできるのかなと思っています。

及川:一般的に評価には、コンピテンシー評価的なものと、それを実際にアウトカムに結びつけてどれだけの成果を残したかという評価があり、これらは表裏一体だと思うんですよね。

その能力を使って実際に成果を出すためには能力が必要であり、能力の妥当性を示す。我々のようなプロダクトマネージャーのアセスメントは、他職種に比べると若干定量的なものは難しいのですが、それでも何回も実験を重ねて、それなりに客観性のある定量評価になったと思っています。

ですが、やはりこれだけでは無理な部分があるので、実際に社内でその評価を育成につなげる時は、定性的な面も含めて見て、本当にその能力があるのか、もしくはその能力を使って成果を出せているのかも併せて見ていく。これはプロダクトマネージャーに限りませんが、プロダクトマネージャーの場合は特にあるとは感じています。

育成プログラムとしてどこに注力すればいいのか

及川:では4つ(目)。全部はいけない気がするので、(スライドの)残り3つの質問のうち片岡さんはどれがいいですか。

片岡:すごく曖昧な回答になるんですが、育成プログラムとしてどこに注力すればいいのかに関しては、包含してお話しできそうだと思います。

及川:はい。どうぞ。

片岡:ここをお話しできればいいかなと思ったんですが。先ほど少しお話ししたとおり、やはりプロダクトマネージャーを育成する……。プロダクトマネージャーのスキルレイヤーはすごく幅が広くて、深さがあると思っています。

しかも、その「幅がある」という意味で知らなければいけないことは、本当に幅広いと思うんですよね。マーケティングして、エンジニアリングもして、UI/UXもしているのかみたいになると思うので、その知識をきちんと蓄えていくという意味では、1つのアプローチとして動画コンテンツ、eラーニングを見ることはあると思います。

ただ、そこを学んだだけでは活用するところまでいかないと思うので、それを実践的に使ってチャレンジして、その中でフィードバックをもらって、自分の血肉にしていくみたいなプロセスが必要なのかなと思います。

できるだけ早いうちに知識を学んで、それを活用する。現場を渡してあげることが大事なのかなと僕は思っています。

及川:わかりました。

広告業におけるプロダクトマネジメントの姿

及川:ライブでまだまだ質問をもらっているので、片岡さん。もし(気になる)コメント(が)あったら、最後に少し言っていただきたい。私はざーっと短く回答しようと思います。

まず「広告業におけるプロダクトマネジメントの姿を知りたいと思います。広告もプロダクトという考え方をするべきなのでしょうか」。イエスです。Googleのような会社でも「as Products」に対してプロダクトマネージャーが存在します。

これは非常に難しくて、パブリッシャーもいるし、アド(アドネットワーク)もいるし、実際にそれを見るユーザーもいるという、けっこうステークホルダーが多いプロダクトなので、これらのどこを立たせるか。最終的には全員ハッピーになるようなプロダクトを考えなければいけないので、プロダクトマネジメントは非常に難しくなります。

テック出身PMとビジネス出身のPMの違い・需要

次は「テック出身PMとビジネス出身のPMに分かれると思いますが、その点いかがでしょうか」。そのとおりです。どちらの需要が多いのか、どちらの数が多いのか。これは身も蓋もない答えを言うと会社によってまったく違います。

シリコンバレーでさえ、Amazonはどっちか(まちまちです)。AmazonでもAWSとeコマース部門で違うんですが。Googleがどっちかは英語で調べると出てきますが、まちまちです。

その会社がどういう事業をやっているのか、テクノロジー要素が多いかと、あとは社内にどういうような他職種がいるかによっても、プロダクトマネージャーのテック成分が多いか、ビジネス成分が多いかは変わってきます。

本当はもう少し勢いよく答えたかったし、片岡さんにもコメントをもらいたかったんですが、時間になってしまいました。申し訳ありません。

ということで、我々のパネルディスカッションは以上で終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。

片岡:ありがとうございました。

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