2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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ひろゆき氏(以下、ひろゆき):(コメントを見て)「飲酒しながらプログラミングしているんですけど、ひろゆきさんもされていますか?」ということなんですけど、僕、酒を飲んでプログラムを書いたことはたぶんないですね。
司会者:へぇ、意外ですね。なんでですか?
ひろゆき:もともと、家であまり酒を飲まないのもあるんですけど、脳のバッファー量って超重要じゃないですか。
例えば、コードをバーッと書いている時に、話しかけられたり電話がかかってきたりすると、脳のバッファーに溜まっていた情報が消えちゃって、ある程度読み直しとかをしなきゃいけない。
全体を見直して、エラーが出ましたという時に、「こういうタイプのエラーだったら、ここは動いていたからここらへんだろうな」みたいな、フワフワした情報が頭の中にずっとあって。そこが削れちゃうと、本来ここが問題でエラーが起きているのにそれに気づかないで、ずっと同じようなところを調べて、「ぜんぜんこのバグ直んねぇ」みたいになったりするので、脳のバッファー量がけっこう大事という、エンジニアにしかわからない話をしているんですけど(笑)。
酒を飲んでいるとやはり脳のバッファー量が絶対的に減るんですよね。なので、やはり酒を飲んで書ける気はしないですね。
コメントで「寝ると直るよ」ってあるんですけど(笑)。何時間も直らなかったやつが、寝て次の日に直すといきなり直ることもあったりして、人間って不思議な生き物だなと思ったりはします。
司会者:では続いて、これはめちゃめちゃ多くもらった質問です。「ChatGPT」についてですね。「これからのエンジニアの仕事って、ChatGPTでどう変わっていきますか?」とか「役割とか求められるものは変わっていきますかね?」というような、心配をする声がすごく多いんですが、いかがでしょうか?
ひろゆき:僕は、「秀丸」でコードを書いているんですけど、最近の人ってほとんど開発環境を使うじゃないですか。そっちのほうがコードを補完してくれるし、「この関数はどこで書いたっけ」といったら瞬時に飛んでくれるし。なので、そういう感じで、ChatGPTを使いながらプログラムをするのがけっこう当たり前になると思うんですよね。
もちろん、自分でイチからコードを書く人もいると思うんですけど、ChatGPTにある程度ボンと投げて、それっぽいコードをもらって、「あぁ、確かに合っているな」というチェックをするだけで納品するというのは今後増えると思います。
「便利ツールとしてChatGPTを使う」は当たり前になって、むしろ「使わないでイチからフルスクラッチでコードを書いているっておかしな老害だよね」と言われる側になるんじゃないかなと思っています。
司会者:エンジニアを志望する学生さんから、「自分たちの仕事がなくなっちゃうんじゃないか」とか「もうAIに駆逐されるんじゃないか」とよく言われるんですが、このあたりはどうですか?
ひろゆき:「Illustrator」を使えば、色をなじませる処理だったり、線をきれいに戻す処理だったりがけっこう自動化できるんですけど、それが自動化できるから誰でも絵描きになれるかというとそうでもなくて、絵描きの人がみんなIllustratorを使っていた時代があるので。
「Stable Diffusion」みたいに絵がバンバン出てくると、またちょっと時代は変わるんですけど、(今は)便利ツールとして、あくまでプログラマーがコマンドを投げて、自分の納品に必要なものが便利に上がってくるものだと思うので、プログラムがまったくわからない素人がChatGPTになにかを投げて、それが動くものになって使えるまでの安定性はまだないと思うんですよね。
上がってきたものがちゃんと動くのかとか、バグがないのかとか、致命的なエラーがそのコードにないかとかは、完全な素人だとやはりわからないので、そういう意味でプログラマーの需要自体はむしろ増えてくるんじゃないかなと思うんですけどね。
要は、プログラムがすごく安く作ってもらえる時代になるので、今だと1人月100万円だけど、ChatGPTに投げりゃけっこうなものが上がってくるから、「別にこれ10万でいいっすよ」って言って、案件を月に100件一気に受けちゃうプログラマーがでてきたり。
という感じで、安価で請ける人がバンバン出てくると思うので、DX的なやつはもっと普及するんじゃないかなと思うんですけど。
司会者:むしろ、ひろゆきさん的にはエンジニアにとってもいいことだと。
ひろゆき:平均的なエンジニアのアウトプット量が増えるんでね。要は、ChatGPTをうまく使えば、1ヶ月間ずっと机に向かってコードを叩き続けて、何ステップ書けたかという量の、たぶん10倍、100倍の量になると思うんですよね。
優秀なエンジニアはコードを書くのが速い人じゃなくて、仕様やアルゴリズムを思いつく人なので、そういう人がバンバンものを出してくるとなれば、むしろ生産性やプログラマーが作るものがどんどん上がってくるんじゃないかなと思いますけど。
司会者:最近だと、とにかくエンジニアリングできれば猫も杓子も仕事があるという状況になってきているんですが、本当にちょっとだけできるという人たちは逆にきつくなってくるんですかね?
ひろゆき:ちょっとだけできる人と、ちゃんとできる人がChatGPTに投げて上がってきたものを使うという意味でいくと、たぶん納品されたものは区別がつかないので、ギリギリでなんとかやっている人でも同じ制作物を出せるようになって、幸せ度はだいぶ上がるんじゃないかなと思うんですけど。
司会者:そういう、明るい未来が待っているよというところです。よかったです、みなさん。
司会者:プログラム系の話が続いたので、キャリア系にいきたいと思います。これも事前にもらっていた質問です。
「毎回恒例となりましたが、『技育祭』のスポンサー企業で、就職先としてお薦めの企業があれば教えてください。誹謗中傷は楓さんの顔が引きつるので避けてあげてください」というのですね(笑)。今、(スポンサーの)画面を投映しますね。
ひろゆき:スポンサー知らなくて、技育祭……。
司会者:今、画面投映しました。
ひろゆき:けっこういっぱいいるんですね。
司会者:そうなんです。
ひろゆき:ゆめみってまだちゃんとやっていらっしゃるんですね。
司会者:最近すごいですよ。どうですか? 今スポンサー企業もドキドキしながら聞いていると思います(笑)。
ひろゆき:スポンサーをするようなところって、お金が余っていてまともなところしかいないので、僕が見る限り、ここ超やべぇなというのは特にない気はしますけどね。
司会者:今、いったんそのチェックをしていたんですね(笑)。
ひろゆき:はい、大丈夫ですよと言っていて、「あっ、やべぇ」っていうのがあったらまずいなと思っていたんですけど(笑)、わりとまっとうな気がしますけどね。何をやっているのかがわからない会社もちょっと混じっている気がしますけど。
司会者:お薦めとか、ここはおもしろそうとかはありますか?
ひろゆき:金持っている会社のほうが、たぶんおもしろいプロジェクトが動きやすい時代になっちゃったんですよね。中小企業に毛が生えているぐらいだと、個人ががんばってけっこうできちゃったりするので、エンジニアの場合、「もう自分でやったら?」ってなるんですけど。
やはりAbemaTVみたいな、「ワールドカップを中継しようぜ、そのシステムを作ろうぜ」みたいなのって、毎年そこに何百億円も使える会社しかできないと思うんですよね。
それでいうと、プラチナスポンサーになれるぐらい金が余っているところのほうが、たぶんおもしろいことができるんじゃないかなと思いますけど。
司会者:とのことです。ありがとうございます。これはドキドキの質問でした(笑)。
ひろゆき:プラチナじゃない下のほうの会社は、何をやっているのかわからない会社も含まれているので、気をつけてくださいという意味なんですけど(笑)。
司会者:これは、わからないだけですからね、怪しいとかじゃなく(笑)。
司会者:では続いて、キャリア関連でいきましょうかね。これも先ほどチャットでいただきました。「専門学生が大学生にエンジニア就活で勝つ方法を教えてください」。
ひろゆき:実績じゃないですか。「こういうアプリを作っていて1万人が使っています」とか「アプリを今までに5、6個作っていて、こういうのですよ」という。
「すでに、こういうのを作っています」という人と、「大卒です。一応プログラムができるようになりました。でも特に作ったものはありません」という人だったら、即戦力のほうがいいよねという会社はぜんぜんいるので。
なので、「悩むぐらいだったらさっさとアプリでも作ったら?」という気がします。
司会者:まずはアプリを作ると。「まず作ったら?」というところで、それに関連する質問で、「今度初めて、サポーターズの2dayのハッカソンに挑戦をします。初めてものづくり、チーム活動をするんですが、気をつけるべきことや、制作についてなにかアドバイスがあればお願いします」ということです。
ひろゆき:僕、共同でプログラムするのってすごく苦手なんですよね。ペアプロみたいなのに業務で多少関わったこともあるんですけど、もう本当に向いてないなというのがわかったので(笑)。
ペアプロは向いていないけど、エンジニアとして活躍できる人もいるんですよ。今時、ハッカソンでみんなで集まって仲良くやるのが、いいエンジニアっぽくなっていると思うんですけど。
別に、言われたとおり黙って1人で仕上げて、動くものを見せて、「ほら動いたでしょう」と言って給料をもらう働き方をしているエンジニアも会社にはいっぱいいるので。
ハッカソンでうまくいくのって、むしろコミュニケーション能力になっちゃっていて、エンジニアリング能力ってあんまり関係ねぇんじゃねぇかなって気がしちゃうんですけど。
司会者:ものづくりという観点で、個人参加だとしても、初めてものづくりをする時に気をつけるべきことやアドバイスはありますか?
ひろゆき:まず、動くサンプルを作る。要は、掲示板を作りましょうという時に、掲示板のいろいろな機能じゃなくて、フォームでなんか投げたらそれが表示されるぐらいから作る。
自分が作ったものがちゃんと形になって動いて、「おぉ、動いた、動いた」というのをちょっとずつ直していく。それがちょっとずつ良くなっていくのが目に見えたほうが、やはりモチベーションが高くなるんですよね。
大人になってからのエンジニアだと、発注を請けた時に一番難しいところからやるので、またちょっと話が変わるんですけど。ただ、エンジニア初心者の場合は、まず動くものを作って、自分が作っているものがだんだん形になっていくという、ものづくりのおもしろさ自体を楽しめるようにしたほうがいいんじゃないかなと思うんですけど。
司会者:まずは簡単なものからでいいから、成功体験を積んでいくということですね。
ひろゆき:逆に仕事の場合は、一番難しいところをまずやって、それができるんだったらあとの部分はだいたいやったことがあるから、「全体の見積もりとしては何ヶ月ぐらいで納品できると思うんですけど」みたいな感じでやるので。
仕事になると、難しいコアになっているあまり形にならないものからやるので、ぜんぜん違うので、そこをごっちゃにするとややこしくなると思いますね。
司会者:ありがとうございます。
司会者:やはりすぐ作ってみようということですが、それに関連した、別の方からの質問です。
「勉強したりアプリを作ったりしたほうがいいとはわかりつつ、周りにすごいエンジニアが多すぎて、その距離感に絶望して萎えてしまいます。そんな私に対して活を入れてください」という(笑)。
ひろゆき:でも、日本人の周りにいるエンジニアで「すごい」が、本当にすごいのか説明できる人はあんまりいない気がしますけどね。
いい会社にいるとか、オープンソースのプロジェクトに多少コミットしているとかぐらいで、「これを作ったよ」と言って世界中の人がわかるようなソフトウェアを作っている人ってあんまりいないと思うんですよね。グリーのCTOとかは別にして。
なので、基本的にはドングリの背比べ的な気がするんですよね。基本的に、日本人で普通にエンジニアでものを作っている人って、エンジニアなら誰でも作れるものを作っていることが多いんですよね。
要は、ソフトウェアが動いているのを見たら、(エンジニアは)こうやって作るんだろうなってだいたいわかるじゃないですか。Rubyを作ったまつもとさん(まつもとゆきひろ氏)みたいなレベルはぜんぜん別なんですけど、基本的には、「こういうのだったら、コードをこう書いて、こう作るよね」と誰でもわかるものを作っているだけなので。アホみたいに頭がいいとか超優秀なエンジニアだとわかるようになるのって、もっと先だと思うんですよね。
たまに、「こんな書き方するんだ、頭おかしいな」みたいな、めちゃめちゃ優秀な人がいて、そういう人の書き方は真似できないので、「あぁ、これが天才というのか」ってなるんですけど。たぶんそういう人って本当に少数なので、「周りに優秀な人がいっぱいいる」というレベルの人だと、たぶん大して優秀じゃない人が周りにいる感じじゃないかなと思うんですけど。
(次回へつづく)
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