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Chat GPT×Slackで新規機能のプロトタイピングと今後の展望(全1記事)

ChatGPTを使った学習コンテンツをAPI公開“翌日”にリリース 社員の集合知でコトに向かう、爆速プロトタイピング

大規模言語モデル(LLM)を、実際にプロダクトや実務に役立つかたちで利用している各社が見た使いどころや、実践の上での工夫について学び合うためのイベント「ChatGPT IN ACTION 実践で使う大規模言語モデル」。グロービス社からは、松原元気氏が登壇。学習コンテンツ「GAiChaL」のリリースにおける取り組みについて発表しました。

ChatGPTを活用して個人開発もしている

松原元気氏(以下、松原):本日は「ChatGPTを活用したプロダクトのリリースと今後の展望」というテーマでLTいたします。グロービスでエンジニアをしています、松原です。よろしくお願いします。

始めに簡単に自己紹介をいたします。私は松原と申します。グロービスにてエンジニアをしています。もともと東芝で電力系の仕事をしていて、そのあとゲームエンジニアに転向して、2021年4月からグロービスにてエンジニアをしています。

簡単に、個人開発を共有いたします。「ChatGPTでこんなのをやったよ」というので、3DモデリングをChatGPTに吐き出させたり、ChatGPTをいかに活用するかというところで入力を簡単にしたインターフェイスをどう落とし込むかというアプリを個人開発しています。こちらはTwitterのプロフィールにリンクを固定で貼っているので、もしよかったら覗きに来てください。

私がキャリアの中で「個人の能力には限界がある。だけど他の人と協力して一人では生み出せないアウトプットを出すことができる」という言葉を大切にしています。こちらは以前働いていたグリーという会社の藤本さん(藤本真樹氏)というCTOの方にかけてもらった言葉で、この言葉が今日のテーマになってくるので、先に共有いたします。

「グロービスとは?」というところを共有いたします。グロービスは、年間約1,100名が入学する日本最大級のビジネススクールです。企業研修など、社会人教育を提供しています。そのほかにも「GLOBIS学び放題」「GLOBIS Unlimited」「ナノ単科」「GLOPLA LMS」など、さまざまなデジタルプロダクトを提供しています。今回取り扱うのは、ナノ単科という、オンラインで学習する大学院の授業です。

今日の発表をどんな方に届けたいのかなというところで、一部タイトルを変更しました。(スライドを示して)今日はこんな方の参考になればなと思っています。ChatGPTを使ってなにかできないかなと考えている方、実際にChatGPTを使ってプロダクトを作ってみたいと思っている方、実際に企画からリリースまでの流れを知りたいなと思っている方に届けたいと思っています。

(スライドを示して)こちらは今日の目次です。

ChatGPTのAPI公開のインパクトを振り返る

まずは簡単に、ChatGPTのAPIの公開のインパクトをみんなで振り返りたいなと思います。こちらは3月2日にリリースされたのですが、実際にAPIが公開されたことで、みなさんご存じのとおりサービスでの利用が可能になりました。1,000トークンあたり27円とすごく安く使えます。あとはこれまでのモデルに対してすごく精度が上がっているというのがインパクトの1つかなと考えます。

※出典:日本経済新聞

ChatGPTを使った学習コンテンツ「GAiChaL」をリリース

「GAiChaL」のリリースについてです。3月3日にグロービス経営大学院 ナノ単科の一部のコンテンツとして、GAiChaLという、ChatGPTを使った学習コンテンツをリリースしています。なんとChatGPTのAPIの公開翌日にプレスリリースを出しています。

GAiChaLとは何なのかを簡単に説明します。ChatGPTを利用してLINEで学習のレコメンドがもらえるサービスがGAiChaLです。グロービスAI研究所のメンバーがプロンプトをカスタマイズして、社会人学習に特化したモデルを使用しています。

チャットツールなので、繰り返し質問することで何度も学習を掘り下げて行えます。例えばこういうふうに学習のレコメンドが来て、その問いに対してLINEでメッセージを送ると、やり取りが深掘りできます。

GAiChaLの主な用途としては、先ほど申し上げたとおり学習の深掘りだったり、問いかけですね。チャットなので、こちらからメッセージを送らないといけません。そこで自分で問いを立てるということをするので、その問いがある種のアウトプットとして思考力を強化できます。

結論ですが、ChatGPTと学習は相性がいいよねということは、チャットツールの特性からもみなさんにもすごくわかっていただけるかなと思います。

GAiChaLのリリースまでの流れ

GAiChaLのリリースまでの流れですが、APIの挙動テストやクオリティチェックをまずは社内で行いました。3月2日にリリースされたのですが、もうその日のうちにみんなで触ってみて「これをプロダクトとして使えるか」と話しました。

2番目に利用規約の策定というところで、先ほどもお話がありましたが、データの取り扱いなどプロダクトとしてリリースする以上、考慮しなければいけないことをチームで話し合いました。

3つ目がLINEでの実装です。APIをLINEに組み込んでプロダクトとしてリリースしました。

要するに何をやったかというと、企画が立ち上がってチームで検証をしました。セキュリティまわりの懸念点をすりつぶしていって、最終的にAPIを組み込んでリリースしました。なぜこんなに素早くリリースできるのか? というところでいうと、先ほどもお話があったのですが、LINEに組み込むところでフロントエンドの実装の工数だけでリリースできるので、すごく早くリリースできます。

LINEを使っているので、もはやフロントエンドの実装すらないような状況です。なので、素早く企画・検討してプロダクトをリリースできます。つまり、素早くプロトタイピングすることができるということかなと思います。

ChatGPTに対する社内のアクション1 メンバーの知恵を集める

GAiChaLリリース後の社内のChatGPTのアクションを共有したいと思います。素早くプロトタイピングができることが大切だよねということがみんなわかったので、企画の良し悪しをチェックする体制を仕組み化しようと考えました。

社内でどんなことをやったのかというと、まずは社内のメンバーの知恵を集めました。そのあと知恵を共有できる環境を作って、意見を出し合って形にするという流れを今は行っています。まず知恵を集めるというところで何をやったかというと、社内イベントを僕が企画して、社員の集合知でコトに向かう動きというのをやってみました。

(スライドを示して)これはその時のイベントの様子です。映りきらないぐらいの参加者がいて、この日は50人ぐらいの方がChatGPTのイベントに参加してくれました。もちろん僕みたいなエンジニアもいたのですが、営業のメンバーやエンジニアじゃない、何ならコードも書いたことがないメンバーもたくさん来てくれました。

そこで、「こういう業務に活用できるんじゃないかな」という議論だったり、「こういうことで困っているんですけど、ChatGPTに使えませんか?」という、テッキーな会話ではなく「こういう活用ができるんじゃないか」という、意見を広げるミーティングができたのがとてもよかったなと思っています。

あとけっこうビックリだったのが、法務のメンバーとかも来てくれたことです。法的なリスクに対してわりと否定ではなく協力視点で意見を出してくれたのがすごくありがたかったです。

実はこれは呼びかけた翌日に開催したのですが、それで50人来てくれたので社内の関心の高さをすごく感じることができました。GAiChaLはAPI公開の翌日にリリースするというスピード感で動いたので、社内としてもすごく注目度高く動けたからかなと思っています。

開催してよかったなと思う点は、やはりみなさんの知見をたくさん吸収できたことです。50人もいるので、みんなそれぞれ視点が違って、「この人はこういう考えをしていたのか」とか「職種が違うとこう考えるのか」とか、そういったバックボーンによる視点の違いをすごく吸収できたのでよかったです。

あとは特定の部署が持っているナレッジだったりを他のチームが吸収することで「こういうことができるみたいだから、うちのチームでもこれをやってみない?」みたいな議論ができていて、すごくよかったなと思います。あとは、実際に自分のビジネスモデルを考えてきて「これをみんなで議論したいです」という、すごくアクティブなメンバーも一部いて、開催してよかったなと思いました。

あとはふだんなかなか関われない社内のAI研究のメンバーが来てくれて、実際に研究しているメンバーと「実務でこう使いたいんだよね」というメンバーが議論することによって「だったらこういうプロンプトを組んでみようか」とか、そういう議論ができたのがすごくよかったなと思っています。あとはいろいろなメンバーが集まって半分キックオフみたいな感じで議論できたので、今後のアクションのきっかけにもなりました。

ここであらためてですが「個人の能力には限界がある。だけど他の人と協力して一人では生み出せないアウトプットを出すことができる」という、最初にお伝えした大切な言葉を思い出して、このメンバーとChatGPTというコトを迎えることにすごく感謝しています。

ChatGPTに対する社内のアクション2 意見を出し合える環境を用意

次に、意見を出し合える環境を用意するというところで、まずは社内でチャットグループを作成しました。そのあと、GPT-4のボットを作って全社員がChatGPTに触れる環境を用意しました。結果何が起きたかというと、(スライドを示して)こちらは社内の営業のみなさんですが、営業でも「使ってみたいです」という方がたくさん挙手をしてくれて、知見やナレッジをどんどんシェアしてくれるようになりました。

「ChatGPTはエンジニアが使うもの」というイメージがあったかなと思いますが、技術的なバックグラウンドがない方でもどんどん活用できるというのが革命なのかなと思っています。

どのような変化が生まれたかというところでいうと、場所を作ったことにより社内のメンバーが発言できる場所ができ、ナレッジのシェアしてくれたり、毎朝ニュースのURLを送ってくれて「なんかこのニュースいいね」という話ができるようになりました。あとはやはりAIチームのメンバーが同じグループにいるので、AIの専門家の知見を他のメンバーが吸収できるようになりました。

また、エンジニアではなくても資料作成などを「ちょっとChatGPTでやってみようかな」というところで、実際に使っているメンバーもかなり増えたと聞いています。あとは実際にアプリを作ってきたエンジニアなどが「これを触ってみてよ」と言って、触ってもらえる場所にもなっています。

ChatGPTに対する社内のアクション2 意見を出し合う

意見を出し合うというところで、今は全社のアイデアソンが立ち上がっていて、全社メンバーが自由にビジネスプランやChatGPTの活用について議論できる場になっています。すでに100件以上のビジネスモデルなどが集まっており、すごく活発にみなさん議論をしています。ほかにも既存事業での活用や、事業領域で「こういうことができないかな」という議論も行われています。

昨日(※登壇当時)、ファインディさんのChatGPTのイベントに参加させてもらったのですが、やはり出てくるアイデアは、既存領域のナレッジだったり資産だったりをうまく活用していくことが大切になってくるので、そのあたりも含めていろいろな部署を巻き込みながら、領域などに最適化していくのが素早く押し込むメリットなのかなと思っています。

ChatGPTに対する社内のアクション2 アイデアを形にする

あとは形にするというところで、ChatGPTを活用してすぐにGAiChaLをリリースしたことによって、「グロービスとしてChatGPTに対してアクセルを踏むよね」という意思表示になっていると思っています。実際にアイデアソンが始まって、これから形にしていくのですが、やはり全社一丸となって全員の力を結集しながら形にしていきたいなと考えています。

最後にお知らせです。グロービスは一緒に働くメンバーを募集しています。特にエンジニアのみなさん、ぜひご検討いただければなと思います。ご清聴いただきありがとうございました。

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