
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
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財部優一氏(以下、財部):本日モデレーターを務めます、株式会社フライルの財部と申します。よろしくお願いします。今日は質問形式で、佐々木さんからお話を聞きたいと思っています。
(スライドを示して)少しだけフライルの紹介をします。「Flyle」というプロダクトマネージャーの業務支援SaaSを提供しています。プロダクト開発における、特にWhy&Whatの工程をサポートするツールになっていて、「JIRA」や「Asana」などのプロジェクト管理ツールと併用してもらうツールです。
作る機能を決めてから、すり合わせるまでの工程をFlyleでは管理しています。その後の工程は、プロジェクト管理ツールを使ってもらうような立ち位置のツールです。プロダクトマネジメント体制を構築しているいろいろな企業で実績が出てきています。SaaSの提供に限らず、カスタマーサクセスによるサポートも構築していて、ベストなワークフローを最短で構築できるようにサポートしています。
財部:(スライドを示して)今日のタイムラインですが、オープニングは私から本当に簡単に前振りだけして、そのあとに登壇者の佐々木さんに登場していただこうと思っています。
今日のテーマは「プロダクトマネージャーの仕事の本質と心得」です。そもそも「プロダクトマネジメントとは?」というところで、みなさんの中には、このあたりに詳しい方もいらっしゃるとは思います。会社によって役割が違うと思いますが、(プロダクトマネージャーは)顧客・事業・開発のバランスを取りながら、製品を成功に導いていく役割を指します。
(スライドを示して)こちらはプロダクトマネジメントの市場ですね。直近は非常に盛り上がりを見せています。フライルの事業領域は、このプロダクトマネジメントにおける、特にプロダクトディスカバリーという領域です。このマーケットもグローバルを含めて盛り上がっているタイミングです。
この理由は、この前の工程のカスタマーサクセスのツールが普及したことで、お客さんの声がクラウド上で管理されるようになったことと、その後工程の、デリバリーフェーズのプロジェクト管理ツールもすっかり普及したことで、この間の工程の「何をどうやって作るのか」という仕組みの構築が、今はぽっかり空いている状態だからです。そこに対しての新しい仕組みやツールが求められているタイミングだったりします。
ツールに限らず、プロダクトマネジメント自体がこんなに盛り上がっている理由はいろいろあると思います。アジャイル開発が普及していったという流れもあるし、今はあらゆる産業、飲食業界などITではない産業も含めてソフトウェア化が進展しています。売って終わりではなく、売ったあとに継続的に使われる必要性があるサブスクリプションモデルの普及も、後押ししているのではないかなと僕は思っています。
(スライドを示して)そういったプロダクトマネジメントという盛り上がりの中で、プロダクトマネージャーという職種の需要も急増しているタイミングです。実際にアメリカだと、求人数が急増しているというデータがあり、弊社で取ったアンケートでも日本企業では採用強化の兆しが見られます。
一方で、日本のプロダクトマネジメントはまだまだ未成熟なところがあるのではないかと思っています。これも弊社で取ったアンケートですが、プロダクトマネージャーの経験年数は、半分以上がPM経験が3年以下で、まだまだ、経験者の絶対数が少ない市場なのかなと思っています。
なので、今日はこのプロダクトマネージャーという職種とは何なのか、本質的な役割は何なのか、そのあたりを佐々木さんにおうかがいしたいと思っています。
財部:ではさっそく、佐々木さんに登壇していただきたいと思います。佐々木さん、よろしくお願いします。
佐々木真氏(以下、佐々木):こんばんは。みなさんよろしくお願いします。佐々木です。
財部:よろしくお願いします。では、まずは自己紹介をお願いします。
佐々木:初めましての人も、そうじゃない人もいると思いますが、あらためて佐々木真と申します。よろしくお願いします。(スライドを示して)簡単な自己紹介ですが、私はプロダクト開発コミュニティの「PM Club」を主催していて、今は1,400から1,500人ぐらいの人が参加している、日本最大級のコミュニティを運営しています。
ほかには2023年1月24日に立ち上げる、プロダクト開発を学べるオンラインスクール「PM School」を運営しています。日本のプロダクトマネージャーのみなさんと仕事をしたり、いろいろな会社の顧問に入ったり、PM Schoolのサービスを提供したりしています。ふだんTwitterでも発信していますが、今日はプロダクトマネジメントの知見でいろいろとお話できればと思うので、よろしくお願いします。
財部:よろしくお願いします。(スライドを示して)PM Schoolというのはこちらですかね。
佐々木:そうですね。説明を簡単にすると、PM Clubの対象はPMになりたい人なんですが、先ほど話されていたように、2、3年とか、(市場は)まだジュニアに近いPMが多く、PM Clubもそういった方が多いですし、一部CTOやCPOをやっている人間もいるので、けっこういろいろな人が集まっているコミュニティです。
PM Schoolは、おかげさまでβ版50名が数時間で埋まって、2023年に向けて法人導入も進めています。法人で内製化支援や社員教育に使ってもらうことが多いので、興味があったらお問い合わせいただければと思っています。
財部:ありがとうございます。PM Clubも立ち上げたのはけっこう最近ですよね?
佐々木:2022年2月、3月にツイートをしたら300件ぐらいリプライが来て、なし崩し的にコミュニティが始まったという感じで(笑)。お恥ずかしながら(笑)。
財部:立ち上げの時から見ていたのですが、もう1,500人もいるのがすごいなと思いました。
佐々木:そうですね。僕も作っておいてなんですが、自分が一番ビックリしているんです。「意図的に作った」とよく言われますが、完全に偶然です。僕はPM Schoolを作って、そのあとにコミュニティを作ろうと思っていたのですが、先にコミュニティが立ち上がっちゃいました。
財部:なるほど。そうだったんですね。
佐々木:そうなんですよ。
財部:PM Schoolの立ち上げはいよいよ来月ですね。(※取材当時)
佐々木:はい。追い込みです。
財部:楽しみにしています。
佐々木:ありがとうございます。
財部:では本題に移ろうと思います。今日は、プロダクトマネージャーの悩みトップ4から、その本質に迫るという形式で進められればと思っています。よくある質問というところですかね。
(スライドを示して)まずは4つのうちの1つ目で、悩みその①ですね。業務領域の定義です。まだまだプロダクトマネージャーの業務領域は役割が曖昧です。そのため、社内からの過度な期待も相まって、無茶振りを受けてしまうことも多いのではないでしょうか。そもそもPMの役割とは何なのか、どんなスキルが求められているのか。このあたりを佐々木さんにいろいろとおうかがいできればなと思っています。
(スライドを示して)今の言い換えの部分ですね。それぞれを具体的に書いたのがこちらの質問です。いろいろな定義や考え方があると思いますが、佐々木さんはPMの役割、求められるスキルをどう考えていらっしゃいますか?
佐々木:これも難しいですね。PMが役割といえば役割なので、それはどういうことをするのかとか、どういうスキルが必要なのかという軸で回答すると、一般的にアメリカでは、プロダクトマネージャの定義が決まっているんですよね。実はもう体系立っているのですが、日本だとまだ「やる人がいないことを全部やるポジション」になっているのがあるあるだと思っています。
これは、あまりよくないなと思っています。そういった意味も含めて、本来どういうことをするのかをお話しすると、プロダクトマネージャーは、もちろんプロダクトに対しての責任者であったり、プロダクトを成長させる人というのはもちろん間違いないですが、そのプロダクトを成長させるため、成功させるために何をするのか? という点で具体的な仕事を簡単にまとめると2つしかないんですよ。
それが何かというと、1つ目がユーザーの課題を特定すること。2つ目が課題を解決する方法をプロダクトを通じて考えること。この2つに尽きます。例えば、(プロダクトマネージャーで)メチャクチャあるあるなのが「事業計画を作る」とか「ワイヤーフレームを書くとか」、あとは「エンジニアのマネジメントをする」とか。
基本的にこういうことは専門外のお仕事なんですけど、とはいえスタートアップだったり、新しい部署だったりではやる人はいないから、そういうのをPMがなし崩し的にやるというのがよくあります。ただ、本来やるべき定義、求められるスキルはこの2つであって、プロダクトマネージャーはこの2つに関してのスキルを磨いていくと、たぶん幸せなキャリアを描けるのではと思っています。
財部:なるほど。課題を知り、解決策を考えていくのがプロダクトマネージャーの本質的な役割だと。
佐々木:そうですね。
(次回へつづく)
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