2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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小城久美子氏(以下、小城):そろそろ時間も経ってきたので、次のトークテーマに移っていこうかなと思っています。その前に少しだけアナウンスですが、今なんと135人の方に聞いていただいています。ありがとうございます。
大枝史典氏(以下、大枝):すごい。
森口貴之(以下、森口):うれしいですね。
大枝:うれしいです。
小城:ただ1つ大変残念なことがあって。ハッシュタグへの質問がゼロ件なんですよね。
(一同笑)
小城:なのでみなさん、「#VoicyB43」というTwitterのハッシュタグがあるので、こちらにぜひ聞きたいことを書いておいてもらえれば。3つ目のトークテーマをお話しした後、その質問に答えていこうと思います。ぜひワイワイいろいろ書いてもらえたらうれしいなと思っています。
では、3つ目のトークテーマにいきましょう。次は「どんな組織編成をしているのか」をお話ししていこうと思います。大枝さんは先ほどから組織の話をチラチラ出してもらっているかなとと思うので、先ほどの話の続きで、アウトカムベースのお話とかを聞いてもよいですか?
大枝:はい。Voicyはけっこう組織の編成もいろいろ変えてきていて、僕が入った2020年は全社で20名ぐらいだったと思うんですよね。今だと50人ぐらいで、開発チーム、エンジニアとかデザイナーとかPMとか含めて、だいたい半分ぐらい。25人とか26人というかたちになっています。
なので、けっこう組織が膨れてきた、倍ぐらいになっているので、それに合わせてどう組織編成すればいいのかみたいなところを、エンジニアリングマネージャーといろいろ協議しながら変えていっている感じです。
まずユーザーに価値を提供するチームで言うと、先ほどあったリスナー、パーソナリティとそれぞれ分かれて、それぞれの価値を半期ごととかで定めて、注力市場領域を定めて、ロードマップを引いて開発を進めていっているところです。
その中でも、大きい開発は経営陣と揉んで一緒にやっていくところがあったりしますが、基本的に、チームの中の意思決定はチーム内で完結するようなかたちです。
けっこう特徴的というか、良く作れたなと思っているところが、リスナー・パーソナリティチームのミッションの達成を妨げるものを解決するチームというか。品質改善チームと遊軍チーム。遊軍(の字は)は遊びの軍ですが、(文字)そのまま遊軍的に動くチームを作っていて。
あとは専門性があるチームで、データチームとSREチームとQAチームみたいな感じで、人数も1人のチームもあれば(複数人のチームもある)というかたちで、25人をチーム分けをして編成している感じですね。
小城:遊軍チームがとても気になってしまったんですが、遊軍チームは何名いるんですか?
大枝:遊軍は5人かな。5人で、エンジニア以外は兼務という感じですね。僕が今、遊軍チームのPO兼務みたいなかたちなんですけれど。
事業を進めていく上でかなりあるある(なこと)かと思うんですが、プロダクトの機能をいろいろ作ったり改善したりしている中で、やはりビジネスサイドで「こういうものを作りたい」とか、「運用の部分でこういうものを改善した」みたいなのがあったりすると思うんですよね。緊急性の高いものにどうしても対応しないといけない場面が出てくるところもあって。
遊軍的に動けるチームは、基本的に僕が優先度を判断して、(それらに対して)ポンポンやっていくようなところで(笑)。リスナー・パーソナリティチームに、それぞれミッションが進んでいるところを止めないチームを作って。僕自身、これがけっこうワークしているなと思っています。
小城:メチャクチャ羨ましいですね。プロダクトマネージャーの権限で、やらなきゃいけないことをガツガツ回していけるチームということですよね。
大枝:そうです。
森口:チームというか、いい作り方というか。いいなと思いました。
大枝:これ、おすすめです。みなさんもぜひ(笑)。
小城:明日から真似したいですね。
森口:真似したいですね。
森口:弊社のチームの話もしてもいいですかね?
小城:お願いします。
大枝:ぜひぜひ。
森口:Voicyさんとは会社の人数とかがぜんぜん違うなと思ったんですけれど。最近やっと20人を超えて、その中で「いろいろな機能がまだまだ必要だよね」と思っているので。
兼務をして、1人が何個かの機能を作りながらクイックに動けるように(している)というところが、Voicyさんの今の状況とはけっこう違うかなと感じました。
スマートバンクでは、すごくクイックに方向転換というか意思決定できるし、方向転換しないといけない時はクイックに決められるところをすごく大事にしています。
まずは、今Voicyさんもお話されていたように、チーム内で意思決定がある程度できるように(する)。チーム内にPMもいるし、エンジニアもデザイナーもいるし、BizDevもいるようなかたちで、チーム内にいろいろな職種がそろっていて、その中で決めて必要なものを作れることを意識しています。
もう1個言うと、クイックに方向転換しやすいように(する)ということをすごく意識していて。経営方針として「こういう機能を作ろう」と言っていて、定量、定性的なデータやいろいろな情報で方針転換しないといけないとなった時には、別の方向にチームのメンバーをクイックに寄せてみたいなことができるように。
意思決定をすぐして、かつそれでスピードを出して、アウトプットを出せるようにチーム編成をすることを意識していますかね。
大枝:すごいですね。そこまでプロダクトチームみたいなところを20人規模でちゃんと編成されているなと思って。僕が入った20人体制の頃は本当にもうカオスで、そんな組織体系は作れていなかったので、そこをイチからがんばってきた感じなんですけれど。
それってやはり、創業者の方々にフリルの経験があったからが大きいんですか?
森口:それもありますし、フリルから楽天に買収されて、ある程度の規模でチームをやっていたメンバーがけっこういるのもあるかなと思いますね。
僕は別のベンチャー企業にいたのでそこにはいなかったのですが、そこでの知識も会社にフィードバックしながら、「合わせ技でいい組織を考えていこう」みたいな感じで動いています。
大枝:なるほど。組織作りは最初からしっかりやると本当にいいので、すごいなと思いました。
森口:きれいなことばかり言っていますが、やはり都度見直しはあって。「より良くしていくにはどうか」というのは、社内でも常に「改善必要、改善必要」という話はしていますね。
大枝:そうですよね。僕もこういう場で偉そうに言っていますが、課題は多いですよね。絶対に多いと思います(笑)。
小城:Voicyさんは(社員が)20人から50人になったとのことなので、今20人のスマートバンクさんに「これは気をつけたほうがいい」とか、なにかあったり。もしよければ一言はありますか?
大枝:さっきの話を聞くとできているので、なにもアドバイスはないですね(笑)。本当に。
でも、僕たちの最初の組織を作るみたいなところでいうと、2022年に入ってからようやくこういうかたちにできてきていて。
2021年の30名、40名ぐらいになってきた時は、開発ラインが1本だったんですよね。それまではプロジェクトとして、PMはけっこうPjM、プロジェクトマネージャーみたいなかたちでやってもらったりして。全体の方針をカチッとしっかり固めて、ガッと進むみたいなかたちでやっていたんですよ。そちらのほうが進みが速かったので。
そこで課題にぶち当たったのが、先ほどお話されていた、自律をやっていかないと上位レイヤーがボトルネックになっていくところ。これがすごく発生していて。なので、自律した組織をしっかりチーム分けしてやっていくかたちが、(Voicyは今)ようやくできてきたかなというところですね。
小城:なるほどです。ありがとうございます。
小城:この後のお話でみなさんからの質問に答えようと思っていたのですが、事前にconnpassからもらっていた質問で似た話があるので、先に読み上げてみますね。
プロダクトの意思決定をする時の役割分担についての質問が来ています。「プロダクトについて意思決定する時に、経営の方とかPMチーム、PM個人のようにいろいろな方がいると思いますが、それに対してどのように役割分担、分割がされているのか」みたいな質問をもらっています。
組織の話にもけっこう関わるかなと思うので、今の流れで聞いてみてもいいでしょうか?
大枝:僕からまず話します。意思決定の役割で言うと、やはり大きいものと小さいといったらアレですが分かれていて。先ほど言ったようなチームの中での意思決定で言うと、半期でKPIを設定していて、そこに向けて施策を行っていくところは、基本的にチームの中で意思決定していくかたちになっています。僕もレビューに入ったりもしますが、基本的にはチームの中で優先度を決めて施策を考えて実行していきます。
大きいところでいうと、新しい機能の開発であったり、例えば事業目線での戦略でプロダクトを変えていくところに関しては、僕と社長が基本的にプロダクトやUXみたいなところを話すかたちです。
あと創業時、社員1号のデザイナーがいて、そのデザイナーと3人で体験みたいなところを考えたり作ったりして、詳細はチームに任せるみたいな。プロダクト開発に関してはそういう感じで進めていますね。
小城:じゃあ、けっこうガッツリ大きな権限を持っている、プロダクトマネージャーの働きやすい仕事環境ということですね。ありがとうございます。
大枝:きれいにまとめてもらってありがとうございます。
小城:続いてB/43はいかがですか?
森口:そうですね。弊社の大きいところで言うと、次の資金調達に向けての事業戦略のストーリーがどうあるかというところが、大本の意思決定としてあって。そこは役員陣というかファウンダー陣の3人、その中でも特に代表の堀井が意思決定をするというのが大前提にあります。
そこと、あとはプロダクトマネージャーやBizDevのメンバーを踏まえて、事業戦略を実現していくために、どういうふうにプロダクトの開発ラインやプロダクト以外のプロジェクトチームの組織が必要か、同時に走らせる開発チームを決めていくのが、その次の権限委譲としてあります。
その中でチームとして何を作るかとか。Howの部分、Whatの部分はけっこうチームの中やPMに意思決定が任されている状況にはなっていますかね。
小城:プロジェクト単位でどんなものを作るかの権限委譲で経営とのコミュニケーションをしていて。
森口:そうですね。
小城:あとはもうプロフェッショナルたちが作るイメージなんですね。
森口:ざっくりとしたゴールをファウンダー陣、経営陣が決めて、その中はデザイナーもエンジニアもPMもいるようなチーム内で、経験あるメンバーと考えて実現していくということですね。
小城:なるほどです。勉強になりました。ありがとうございます。
(次回につづく)
音声×テクノロジーのVoicy、お金×テクノロジーのB/43 大型の資金調達をした2つのtoCプロダクト
「新たな市場を作る難しさ」「金融プロダクトならでは難しさ」 プロダクトマネジャーが語る、良い体験を作るための“制約”
ユーザーが欲するものを見つけるために“N1を考える” UXリサーチャーやパーソナリティサクセスと協力した、インプット頻度の高め方
上位レイヤーがボトルネックにならない、自律した組織編成 「ミッションを止めないための“遊軍チーム”がある」 「職種を揃えてクイックに意思決定できるようにする」
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