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エンジニアからPdMになって苦労している話(全2記事)

「自分が持っていたPdMへの期待が自分に降ってきた、ヤバイ」 元エンジニアがPdMになったときにとった3つの対策

日本XPユーザグループ(XPJUG)が主催になり、毎年秋に開催されている「XP祭り」。ここでナビプラス株式会社の水越氏が登壇。ここからは、水越氏がPdMになってからの取り組みを話します。前回はこちらから。

厳しい目線と期待の目線が向けられるPdMになった

水越:前任者が抜けることになったので、PdMを引き受けることになりました。前任者は育休というか、お子さんが生まれてお休みになると。「この中だったら水越さんですよね」ということになって、PdMが代わることになったんです。

自分が前任者のポジションになるのですが、PdMに向けられていた疑問というか厳しい目線が残って、自分が持っていたPdMへの期待が自分に返ってきて、先ほど言ったようなことをしなくちゃいけないんじゃないかというプレッシャーがやってきて、ヤバいと。ちょっとドキッとしてしまったんですね。

いろいろ引き継ぎはしてもらいました。エンジニアの引き継ぎもあったし、PdMの引き継ぎもありました。PdMの引き継ぎはけっこう淡々と教わったんですが、いざやってみるといろいろあるんですよね。

他のチームとのやりとり。開発チーム(とのやりとり)ですね。あとはテクニカルサポートといって、お客さんとのやりとりをしているチームとか、セールス。こちらもお客さんとのやりとりですが、テクニカルサポートは実際に動いているお客さんとのやりとりで、セールスの人はもうちょっと売り込んだりする人なんですけれど。そことのやりとりがありました。

前任者は意外と自然にうまくやっていたらしく、そんなに大変なことをしているとは思っていなかったらしいんですけれど、私にとっては十分に大変で、「この職場のPdMというのはこういうことか」とわかってきました。これもちょっとドキッとしたことです。

PdMになってから起こした行動

先ほどの3冊ぐらいあった書籍も買ってみましたが、具体的にはよくわからなくて。

(このセッションのスライドの)最初に書いた読書会ですね。当時は1個前の本の読書会でしたが、月1の社外読書会で軽く相談してみたら、「プロダクトオーナーとかプロダクトマネージャーになるんだったら、インセプションデッキを作るといいよ」と言われて、「なるほど」と思って。すぐには(とり)かかれなかったのですが、今になって効いてきている。大感謝です。

自分なりの方針を決めようと思って、先ほどのプレッシャーの一部ですが、自分に返ってきた期待で、プロダクトの方向性は決めなくちゃいけないのと、あと、今まで開発とか作業のスコープは「来たらやる」みたいな感じがあったので、そこもやっていられないというか。

プロダクトマネージャーを引き継いだけれど、「まだ新米だから」と言い訳にして、(開発や作業を)減らしていくしかないなと思って減らしていきました。

PdMになって出てきた課題への対応1 プロダクトの方向性を決める

対応1がプロダクトの方向性を決めなくちゃ(いけない)ということで、「週1回30分チームでお話ししましょう」ということをやって、話してみて。話すといろいろ意見も出て自分の考えがまとまってきて、ちょっとずつプロダクトの方向性が定まりつつあるというのが今です。

決まっていなかったのが、顧客企業の規模。大規模、中規模、小規模でぜんぜんやることが違うんですけど、どこなんだと。あとはわかりづらいかもしれませんが、「管理画面で細かい設定なんてしないでいいですよ」というプロダクトなのか、「なんでも設定できるので調整してください」というプロダクトなのかはけっこう違うと思いますが、そのあたりも曖昧だったので、議論をしています。

あとは、私たちのサービスはレコメンドサービスですが、特にAmazonなどのよくできているサービスをいろいろ見て、「レコメンドサービスで受けた、いい体験とか悪い体験はどんなのですか?」ということを話して、方向性を絞っているというか、決めているところです。

インセプションデッキ(について)も数ヶ月経って思い出して、みんなで作成しているのですが、盛り上がりながら作っています。「やらないことリスト」とか作成すると、「本当にいいんですか?」みたいな感じで盛り上がっています。

PdMになって出てきた課題への対応2 スコープを減らす

近い話スコープを減らすという方針もあったので、できるだけ同時に動かさない。1個流しにするようにする方針で動いていて。PdMとしてどれかを優先するという意味で、1個流しになるように優先事項を決めることをやっています。複数が動いているとどれもなかなか終わらなくなってしまうので、1個ずつ終わらせようとやっています。

ただ、お客さんもいて、いっぱい割り込みが来るので、細かいものは山ほど動いているんですけれど。大きい開発タスクとかは1本にしようという感じで、1個流しに寄せようとしています。

それによって、途中まで動いていたことも「これは止めましょう」「後回しにしましょう」と言って手放したのですが、ほかのところから「あれどうなったんですか?」「やらないと言っていたけど本気ですか?」みたいな感じで苦情、トラブルもあって。現在進行形でもありますが、「止めないと運営できないのが現状なので」と説明しながら止めて、なんとかやっています。

PdMになって出てきた課題への対応3 PdMの社内コミュニティに参加する

(対応の)3番目です。私が困っていたので(コミュニティ発足の)相談したのもあったのですが、PdMの社内コミュニティがタイミング良く始まりました。

数人ですが、複数サービスのPdMが集まるコミュニティが発足して。先ほど言ったように私はエンジニアですが、PdMの出身者のほかの人はエンジニアじゃなかったりして。けっこう楽しいし、知らない視点で語ってくれるのでお互いに良かったです。

「相手のやっていることは真似できないけど、そのパーツが足りていないから、うちのチームでも誰かがやらなくちゃいけないかな?」みたいな感じで考えています。

まだ参加できていませんが、社外コミュニティもあるらしいです。参加しようと思っています。

まだよちよち歩きですけど、今後はインセプションデッキもなんとか完成させて活用していきたいなと。プロダクトを成長させていきたいと思っています。

チームで「セーブポイント」や「お気楽自由参加雑談会」を実施中

おまけです。実は2021年の発表があって、(その時との)差分を書いておこうと思って。最近はGatherというツールを使っています。なんか楽しいです。

あとは、今日いろいろ聞いたお話にも近いことがあったと思いますが、昼会が大人数で形骸化してきているんですね。あまりうまくいってなかったことはチーム内でも議論になって。少人数で相談をメインにして。名前はチームの「セーブポイント」という名前にしました。

私ががんばって命名して。「ここを通過するとやられてもここから再開できる」という『スーパーマリオ』の中間ポイントをイメージしていたのですが、(その)名称が「中間ポイント」だったので。「中間ポイントはちょっとな」と思って、もうちょっとRPGのセーブポイントみたいにかっこよくしました。

これは私が始めたのではないですが、問題だと思ってくれた人がやろうと言って、「お気楽自由参加雑談会」を週1・30分、Gatherの屋上のたき火で開催するということを始めてくれました。

私は主体的に盛り上げようとは思っていなかったんですけれど、けっこううまくいっていて。人の話、雑談を聞きながら作業するのは心地良くて、良いイベントだなと思っています。

ここまでで質問とかなにかご意見があったらぜひ教えてください。

私からの発表は以上でした。ありがとうございました。

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