2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
リンクをコピー
記事をブックマーク
斎藤幸士氏(以下、斎藤):僕がみなさんに聞きたいのが、海外で開発チームを持つことによって、日本の社員の人たちにどういった影響を与えるのかということで。そこは小橋さんどうですか?
小橋昭文氏(以下、小橋):そうですね。私たちは別にほぼ抵抗がないというか、「英語化をしないとやっぱりこれはできないね」とか、わりといろいろ慎重にやってきています。結局、製造業もグローバルなので、ある国で作って別の国に売れるので、「そういう商売をやっているんだったらやっていかないといけない」という認識が揃っているところはすごく助かっているというか。
「えー! そんなのいやだ!」みたいな人はたぶん1人もいないと思います。「英語とかが苦手なんだけどどうしよう、困る」と、ちょっとモヤモヤしている方はいると思います。ただ、それをなぜ事業としてやる必要があるのか、「会社のためにはこれが重要だよね」ということが、ロジカルかつきちんと情報を含めてみんなに伝えられていると私は信じたいので。
(会場笑)
小橋:なので、抵抗の声とかはそこまで聞いていないですね。行ってみたいという方はそこそこいます。
斎藤:逆にポジティブな要素も大きいと。
小橋:そうですね。
斎藤:中出さんはどうですか?
中出匠哉氏(以下、中出):そうですね。前提として、私たちはプロダクトがすごくたくさんある会社で、日本にも東京以外に福岡や京都、大阪、名古屋に開発拠点があります。
その中でホーチミンやハノイにもあるという感じなんですが、拠点間で新規プロダクトの取り合いが起こるんですよ。各拠点やりたいと手を挙げてくれるのですが、ベトナムのほうがエンジニアの採用スピードが速いので、どうしても開発体制の観点で新規プロダクトをベトナムが担う機会が多くなるんですよね。そのため各拠点や日本のマネージャーたちが一生懸命採用するというポジティブな効果はあります。
斎藤:それはすごい話ですね(笑)。
中出:もう競争です。
(会場笑)
斎藤:なるほど。ちょっとそれはおもしろい(笑)。Voicyさんはどうですか?
山元亮典氏(以下、山元):そうですね。弊社は前提として日本のマーケットを今しっかり狙っているという点ではあったりはするので、海外が前提になるのはもう少し次のフェーズなんですけれど、ネガティブなところは総じて1個もなかったと思っています。
立ち上げた時に、「ベトナムに行きたい方」みたいな感じでエンジニアを募集した時も、「やってみたいです」と言った方にけっこう経験を与えられたこともあったりしていて。
英語のやり取りなど、グローバルなところに挑戦するということは、エンジニアとしてやってほしいという僕の思いとしてもあるので、かつそこでネガティブな意見はないと思っています。
中出:若い人はけっこう行きたがりますよね。
山元:そうですね。なんか楽しそうですね。
中出:シニアの人というか、家庭があると難しいですけれど、若い人はけっこうむしろ行きたいと言ってくれますね。(でもそれに対して)「もう少し日本で経験を積んでからにしてはどうか」と言って(返して)。そういう感じかなと思いますね。
斎藤:ベトナムに行くとみんな元気になって帰ってきますよね。
中出:すごく楽しそうに。
(会場笑)
斎藤:あとやっぱり僕は花粉の季節になるとベトナムに行きたくなりますね。そして、やはり僕もそう感じていました。ベトナムで開発チームを作ることによって、日本がエンジニアにとってもすごく良い影響を与えているなと感じることがあります。
それが技術的な面でもそうで、「よく開発できたな。ちょっと早すぎない?」と。「こいつらすごいな」と思う瞬間がけっこうあって、「負けていられない」という感じで競争力が上がることもけっこうあったなと。そういった意味では、相乗効果がいろいろ発揮しやすいのかなと僕も思っています。
参加者7:イメージ的に、開発に興味のあるエンジニアは、ベトナムは非常に多くて若いと思います。DevOps関連やコーポレートITに充分な能力を持っている人材はそれなりにいるものでしょうか。開発一辺倒のイメージがあるんですよね。
中出:コーポレートITとかはそんなに多くない印象ですね。やはり“開発者”という感じの人が多いです。あとは、やはり日本ほどには発展しているサービスが多くないので、大規模なサービスを運用した経験がある人とか、そういったものになってくると少ない印象ですね。
参加者7:基本的に海外のサービスを使っているイメージが多いです。ベトナムネイティブなサービス、Grabという名前でやっていますけれど。インフラやDevOpsの進展は、国としてあまり慣れていないのかなというイメージがあります。
中出:(でも)最近はベトナムでも、徐々に日本と同じようにいろんなサービスが出てきているので、そういうところの人は増えてくると思います。
参加者7:ありがとうございます。
斎藤:中出さんがお話されたように、ベトナム初のスタートアップは今はだんだん盛り上がってきていますが、数的にはまだ少ないと思います。
(僕としても)お話されたとおり、DevOpsの経験があるエンジニアはそんなには多くない印象があります。ただ、彼らは本当に優秀な子が多いので、機会さえ与えてあげればたぶんすぐに吸収してくれるんじゃないかという印象があります。
斎藤:他はみなさんどうですか?
参加者8:今海外で開発チームを経験されていますが、あらためて別の会社を立ち上げたとして、どのタイミングから海外の開発チームを持ち始めるのが最適・最善だと考えていますか?
中出:私がもう1回ゼロからやるんだったら、最初からやると思います。
会場:おぉ。
中出:最初から英語化はするんじゃないかなと思いますね。日本だけでやろうとしないと思います。別にベトナムがいいかどうかは置いておいて、いろいろ国があって、(そのほうが)採用のしやすさが良い。日本だけでやると必ずハンディキャップが出ると思いますが、最初からそういう意思決定をするのではなくて。
参加者8:ありがとうございます。ちなみにその時、日本の法人を立ち上げるメンバーがどういう人だったら最低限成り立つみたいなところはあったりしますか?
中出:初期メンバーにどういう人を入れるかということですか?
参加者8:そうです。エンジニアの経験のCEOだけというパターンもあると思いますし、「最低限この人はいたほうがいい」というアドバイスがあったら知りたいです。
中出:やはりCTO的な人はいないといけないと思いますが、その人の性格でどちらにするか決まってしまうと思うので、やはりいろいろなものを受け入れられる人とか、そもそも英語が得意な人とか、そういう人が採用するのとけっこう強いのかなと思いますね。
参加者8:ありがとうございます。
(次回に続く)
海外に開発チームを作る時、どんなリスクが存在していたか? CTOとマネージャーが考えていた文化・言語・品質の不安
ブリッジSEを入れ、英語ができる人を現地に常駐させる “日本と同じ環境を作る”を目指した、ベトナムのチームビルディング
「ベトナムで開発チームを作る」と決めた三者三様の理由 それぞれの立場から考えた人材確保のための打開策
やりたいことが幅広い日本のエンジニア、スペシャリストを目指すベトナムのエンジニア 性質が違うからこそ評価時に意識しておくこと
海外拠点立ち上げ時、日本からどんな人材をアサインしたか? 意識した「コミュニケーション」「プロダクト理解」「やる気」のバランス
海外の開発チームを持つことはポジティブな効果がある 日本の社員に対する、技術力と採用スピード両方の相乗効果
グローバル開発チームを持つ企業に聞くQ&A 「新規で開発チームを作るならどの国で?」「ベトナムでもエンジニア採用のために特別な何かは必要か?」
2024.12.20
日本の約10倍がん患者が殺到し、病院はキャパオーバー ジャパンハートが描く医療の未来と、カンボジアに新病院を作る理由
2024.12.19
12万通りの「資格の組み合わせ」の中で厳選された60の項目 532の資格を持つ林雄次氏の新刊『資格のかけ算』の見所
2024.12.16
32歳で成績最下位から1年でトップ営業になれた理由 売るテクニックよりも大事な「あり方」
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
PR | 2024.12.20
モンスター化したExcelが、ある日突然崩壊 昭和のガス工事会社を生まれ変わらせた、起死回生のノーコード活用術
2024.12.12
会議で発言しやすくなる「心理的安全性」を高めるには ファシリテーションがうまい人の3つの条件
2024.12.18
「社長以外みんな儲かる給与設計」にした理由 経営者たちが語る、優秀な人材集め・会社を発展させるためのヒント
2024.12.17
面接で「後輩を指導できなさそう」と思われる人の伝え方 歳を重ねるほど重視される経験の「ノウハウ化」
2024.12.13
ファシリテーターは「しゃべらないほうがいい」理由 入山章栄氏が語る、心理的安全性の高い場を作るポイント
2024.12.10
メールのラリー回数でわかる「評価されない人」の特徴 職場での評価を下げる行動5選
Climbers Startup JAPAN EXPO 2024 - 秋 -
2024.11.20 - 2024.11.21
『主体的なキャリア形成』を考える~資格のかけ算について〜
2024.12.07 - 2024.12.07
Startup CTO of the year 2024
2024.11.19 - 2024.11.19
社員の力を引き出す経営戦略〜ひとり一人が自ら成長する組織づくり〜
2024.11.20 - 2024.11.20
「確率思考」で未来を見通す 事業を成功に導く意思決定 ~エビデンス・ベースド・マーケティング思考の調査分析で事業に有効な予測手法とは~
2024.11.05 - 2024.11.05