2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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山川和也氏(以下、山川):では、事前にもらっていた質問の中で、ちょっと毛色の違うことを話しましょう。「テックリードというより、みなさんがそもそも技術に興味を持ったきっかけは何でしたか?」峯岸さんはどうだろう。
峯岸純也氏(以下、峯岸):私がインフラに興味を持ったタイミングは大学4年生の時です。ちょうどSkypeやmixiなどが流行っていた時代で、私もSkypeをやっていました。Zoomのように、遠くの人と話すことができる技術はどうなっているんだろうと興味を持ちました。ネットワーク分野を勉強したいと思って、当時、秋葉原まで行って中古のCiscoのネットワーク機器を買って、自宅でいじっていたのが大きなきっかけだと思っています。
興味を持ったもう1つのきっかけは、大学1年生の時にプログラミングのテストで0点を取って、プログラムの才能がないと思ったことです。将来就職する時は、プログラミングのほうではなくて、インフラに固定しようと思ったのが裏側のきっかけです。
山川:ごめんね、笑っちゃって(笑)。
峯岸:いえいえ(笑)。
山川:日々触っているものやふだん利用しているサービスで、「この裏側はどうなっているんだろう」と考えたことがきっかけになっているということですかね。
峯岸:そうですね。
山川:ふとしたところから興味を持つことはありますよね。ありがとうございます。奥村さんはどうですか?
奥村和彦氏(以下、奥村):僕は小さな頃からモノを作ることが好きでした。先ほど、最初の経歴で電気回路をやっていたと言ったのですが、高校生の頃、買ったオーディオ製品が突然動かなくなって修理に出したことがありました。すぐに直って戻ってきたのですが、コンデンサが1個おかしかったと言われて。回路がすごくいっぱいあるのに、たった1個の部品がおかしくなるだけで動かなくなるのを見て、すごいと感じたのがきっかけですね。
ハードもやりながら組み込みの人ともいろいろ連携していたのは、ソフトウェアもおもしろいと感じて興味がどんどん移っていったからです。ただ、モノを作っていきたいという思いが中心にはありますね。
山川:前半2人がハードから入ってくるという、若干異色かもしれません(笑)。俺とぜんぜん違うと思いながら聞いていました(笑)。
三富さんはどうですか?
三富学氏(以下、三富):僕はベタベタなんですよね。小さな頃からゲームが大好きで、ゲームを作りたいと思っていました。文系の大学で、ちょっとシステマチックなことができるゼミに入って、がんばってゲーム会社に就職してやろうと思ったら全滅しましてね。次点としてシステム会社を受けたら、受かってしまいましたと。そこからずっと作っているという感じですかね。
山川:ありがとうございます。何かしら触っていたんですね。
三富:そうですね。
山川:おもしろい。古藤さんはどうですか?
古藤衣里子氏(以下、古藤):私は就職してからですね。ものづくりの仕事がいいなとふわっと受けていたのですが、就職氷河期だったのですごい数の会社に落ち、受かったのがIT業界でした。文系だったので就職してからプログラミングを初めて知り、やってみたらおもしろかったんです。モバイルは作ってすぐに目に見えるので、そういう楽しさがあって今に至るという感じですね。
山川:ありがとうございます。こう考えると、エンジニア職を目指す前から何かしらきっかけがあった人もいれば、実際にやってみておもしろみに気づく人もいます。本当にこれはまちまちですね。いろいろなタイプがいると思うので、おもしろいと思った技術などにチャレンジしてもらえるといいと思っています。
山川:あと2つぐらいいってみますかね。自分なりの理想のチーム像を描いていたり、こういうチームにしたいと思っていたりする人は、リーダーではけっこう多いと思うのですが、「こういうチームにしていきたい」というのがもしあれば教えてもらえますか?
三富:理想のチームですよね。みんなに好きなように作ってもらって、最後においしいところだけを持っていく。
山川:ちょっとわかるかもしれない。共感できるところはあります。こうしなきゃいけないというのをリーダーが提示しなくても、自然とみんなが「こういうものを作ろうぜ」「おっしゃ!」と前を向いて、自然と出来上がるというサイクルができていく、ということですかね。
三富:報告は僕がするので、僕の手柄です(笑)。
一同:(笑)。
山川:その手柄は必ず還元してもらえるといいのですけれども。今のはけっこうみんな頷いていたと思います。こんなチームを目指していきたい、他にある人はいますか?
古藤:モバイルチームは、今がけっこう理想的だと思っています。こういう機能をつけたい、こういう改善をしたい、お客さんからの声でこういうのがあったからこういうのはどうでしょうと、自分たちで改善機能を持ち寄ってアプリを作ることが今はできています。
どういうプロダクトにしていきたい、どういう機能をつけたいということを、メンバーがそれぞれ走って、それぞれ作って出来上がったものがこちらです、と出せています。自分たちで作っているのはそうできているのですが、他に外注しているアプリもあるので、そういう輪を広げていきたいと思っています。新しい人に入ってもらい、人数をどんどん増やして、その輪を広げていきたいと思っています。
山川:すばらしい。ありがとうございます。担当しているチームだけではなく、他のチームともいろいろジョブローテーションしながら、そういう流れをうまく作っていきたいと思いますよね。ありがとうございます。
山川:では、みなさんから最後に話してもらおうと思います。テックリードになっていきたいと考えている人に伝えたいことなど、一言ずつ熱いメッセージをお願いできればと思っています。じゃあ、奥村さんからいってみますか。
奥村:技術のキャッチアップとか、自分で試して挑戦するということはいろいろ続けていかなきゃいけないと思っています。自分の後悔の話も含めて言うと、仕事と直接関係なくても興味があることをどんどんやってもらいたい。外のコミュニティのイベントや勉強会に参加してほしいとすごく思っています。
というのも、今、僕がこのテックリードを任されているのも、社外のイベントに参加していろいろな刺激を受けたことがけっこう大きいと思っています。弥生がそうだとは言いませんが、会社の中だけだとどうしてもキャッチアップしにくい環境になってしまうので、外のエンジニアの人の話をどんどん聞いて、たくさんの刺激を得てもらえればいいと思っています。
僕はそういうことをやり始めたのがけっこう晩年で、もっと早く知っていれば、こういうことをやっていれば、また違ったかたちでいろいろやれることがあったんじゃないかと後悔しています。若いうちからそういう外の世界もどんどん見ていってもらいたいと思います。僕は外のことを知らなかったです。
山川:ありがとうございます。いろいろな技術に触れるのは大事ですからね。刺激も受けますし。だから、リーディングしているチームのメンバーが「今日、勉強会に行ってきます」と言ったら、「いってらっしゃい」と送り出すタイプが私たちには多いですよね。ありがとうございます。
山川:じゃあ峯岸さん、お願いします。
峯岸:一言で言うと、まずは基本をしっかり。インフラ面の場合、クラウド環境だろうがオンプレミスの環境だろうが、物理の機器があってOSがあってミドルがあってという基本的な流れは、新しい技術が出ても変わらないと思っているので、その部分をしっかりと身につけてほしいと思っています。
1年に1回、私は自分の大学に母校訪問して、「今はこんなことをやっているよ」という話を学生とします。最後に質問を受け付けると、「どうやったらプロジェクトマネージャーになれるんですか?」とか、「どうやったらGoogleに入社できますか?」など学生ならではの質問をけっこう受けます。
その時に「基本が身についていない人がプロジェクトマネージャーになってもみんなをまとめられないでしょう」「Googleを受ける際にも基本を答えられないとやはり面接も落ちちゃうでしょう」と話をしています。そういった面もあって、基本をしっかり積み上げていくことが重要だと思っています。
山川:ありがとうございます。基礎をきっちり押さえておけば、いろいろ応用も利きます。先ほど奥村さんが言っていたように、いろいろな情報に触れてもベースと照らし合わせて考えられるという点もあるので、そういうのがいいんじゃないかということですね。ありがとうございます。
山川:じゃあ、古藤さんもお願いします。
古藤:奥村さんと峯岸さんが言ったことをまとめるだけになりますが、基礎がしっかりしてないと、他の人から何を聞いても「ちょっとよくわからないですね、その横文字は初めて聞きました」となってしまいます。基礎をしっかり持った上で、楽しい接点、新しい情報を取りに行くことをやらないと、特にモバイルは技術やOSのアップデートが毎年あるので、知らない横文字をそのままにしていてはダメですし、そのままでいると取り残されてしまいます。基礎を作りつつ、積み上げていくことを意識すると良いと思います。
山川:ありがとうございます。モバイルもすごいですものね。すごい勢いで上がっていきますし。
古藤:そうなんですよ。ついていけないですよ(笑)。
山川:ありがとうございます。じゃあトリ、三富さんお願いします(笑)。
三富:トリか(笑)。今までお三方がすばらしいことを言ってくれたところをぶっ壊すようで申し訳ないんですけども。
もちろん基礎は大事です。僕も知らない横文字が出てきたらすぐにググってしまうタイプです。それはそれとして、ただ、やりたいことをやっちゃえばいいんじゃないかと思っていて。とにかく自分はこれがいいと思ったほうへ、とりあえず突き進んでいくことがまずは必要だと思っています。
テックリードになってみたいと仮に思ったのであれば、次の日から「はい!」と手を挙げて「なりたいです」と言ってくれればいいと思うのね。自分でこんなことを言うのも正直アレですが、別に僕は技術的に秀でているわけではありません。周りの人たちのほうがよほど技術的に秀でていて、知識もあまりないのですが、この立ち位置にいます。
勢いは大事。やりたいことをとにかくのびのびやることが、自分を伸ばすことに一番つながると思っています。みなさんの言った基礎も大事にしながら、思い立ったが吉日ぐらいの勢いで、いろいろなことに挑戦してみればいいと思っています。
山川:ありがとうございます。すごく共感できます。自分がやりたいと思うことじゃないと、やっていても苦しいし、楽しくないと思います。これをやってみたいというものに率先して手を挙げてどんどんやっていけば、自然と基礎もできて、知識もついていくということですよね。ありがとうございます。
といったかたちで、いろいろなタイプのテックリードや、いろいろな意見などをお話ししました。私たちの座談会パートはここで終了したいと思います。ご視聴ありがとうございました。
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