2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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やまげん氏(以下、やまげん):せっかくなので、これからコロプラさんでやっていきたい挑戦みたいなところのお話を聞けたらと思います。
コロプラさんと言えば、モダンなシステム構成にチャレンジをしているイメージがあります。2017年ぐらいにすべてのインフラをGCP(Google Cloud Platform)に移行する決意をされたのかなと思うんですが、このあたりで実際に良かったこととか、苦労したこととかがけっこうたくさんあるのかなと思っていて。そういったところのお話聞けたらと思っていますが、実際に良かったことや苦労したことはありましたか?
菅井健太氏(以下、菅井):GCPに移行して良かったことは、今は次期Spannerみたいな環境でやっていますが、本当に安定化した、落ちなくなったなと思っていて、ゲームとSpannerの相性の良さというか、ゲームはどうしてもリリース当初はすごく負荷が高くて、だんだん初見の人がいなくなってコアが残っていく。
そうなると、最初のデータベースいわゆるMySQL時代のシャーディングの数を何個割ればいいか、マーケティングの量だったりは、どれぐらいユーザーさんが来るかを予測しながら分割しますが、それがなかなかしんどくて、多く割りすぎてしまったらリリース後にまた戻さなきゃいけないとか、そういうようなことをやっていましたが、Spannerはまったくそういうのがなくて。
先ほどあったように『ドラクエウォーク』には、「ウォークモード」という、歩いている間はずっと立ち上がりっぱなしのようなモードがあったりするので、セッションが積み上がり続けるタイトルだったりするんです。
でもSpannerが入っていることによって、受け入れられる。いくらでも拡縮できるので、そういう新しい体験をテクノロジーによって届けることができたのは、本当に良かったかなと思っています。
やまげん:僕は本番ではSpannerを使ったことがないですが、コンセプトを見た瞬間、けっこう感動したというか。
菅井:そうですよね。感動ですよ。
やまげん:グローバルでリレーショナルデータベースみたいな。「何を言っているんだ」みたいな感じではありましたが、Spannerってけっこう高いイメージもあったりしますが、そのあたりのコストのバランスもうまく取られているんですか?
菅井:一生懸命インフラの方々がスコアを見ながら拡縮しています。最適化をひたすらやっているような状況ですね。
やまげん:ありがとうございます。
やまげん:GCPの移行で苦労されたところはあるんですか?
菅井:我々がやっているのはノーメンテナンスというか。ゲームで遊んでくれているユーザーさんがいつ来てもいいように、基本的にはメンテナンスを入れないという考え方でやっています。
AWSからGCPというクラウド間でそれをやったのはけっこう大変というか、一気にぱつんとGCPに変えることは、多くは話しませんが想像していただくとわかりやすいです(笑)。
やまげん:考えただけで吐き気がしそうです(笑)。
菅井:いかにスパッと行けるかみたいなところに頭を使いながら準備していたので、「当時はよくやっていたな」「よくやったな」と思いながら今でも覚えています。
やまげん:メンテナンスを期間なしでやったんですよね。すごいそれは(笑)。あの瞬間は怖いですよね。
菅井:流れてこなかったらどうしようとか、すごく思ったりしています。
やまげん:でもおもしろい領域ですよね。僕もそういった領域はすごく好きなので。切り替えながらちょっとずつトラフィックを流して……ということをやられたのかなというイメージはしていますが。
菅井:そうですね。もちろんチョイチョイ流すところと、どうしてもパツッと一気に行かないといけないところもあるので、そういう感じですかね。あと苦労したとなると、当時GCPを使っている会社さんがそこまでいなかったので、フォローするところがないというか。
位置情報はGoogleさんみたいな感じになってケースがなかったりするので、そういうことをいかに解決するかみたいなところは、新しいシステムであるがゆえに苦労していたかなと思います。
やまげん:確かにそれはそのとおりですね。どうやって進まれたんですか?
菅井:今は行けませんが、当時は海外のGoogleさんの拠点に行ってディープにミーティングをしたり、プロダクトのPMと一緒に話をしたりとかはけっこうしていました。あとは、本番で踏んでしまったようなトラブルもあったり、そこは血を流しながら進んだという面もあったりします。
やまげん:ありがとうございます。
やまげん:せっかくなので、これからどういったことに挑戦していきたいか、目下チャレンジしていらっしゃること、これからエンジニアのテック領域を引っ張っていく上でチャレンジしたいこととかを聞かせてもらえるとうれしいなと思うんですけど、なにかありますか?
菅井:サーバーエンジニアというか、インフラとしては、多くのユーザーさんに楽しんでいただく環境を提供したいという思いでやっています。海外リージョンでどうやっていくかとか、そういったところはすごく興味があります。
あとはテックではありませんが、今日お話ししていてもそうなんですが、コロプラのブランディングというか、どういう技術や考え方で技術を選定しながらエンタメを提供していくかみたいなところを、いろいろな人に知ってもらいたいと思っていて。
イベントを開催したり、ブログを始めたりしているのは、そういう考えがあってやっているので、その領域にすごく興味があります。
やまげん:テックブランディング的な。いわゆるデベロッパーリレーションズみたいな。
菅井:はい。新しい技術に取り組んだ時に、フォローするところがない中、それを乗り越えてきたところもあるので。どちらかというと、コロプラはいろいろな会社さんにフォローしてほしいというか、参考にして、よりよいサービス作りをやってほしいと思っていて、そういう会社であり続けたいなとはすごく思っています。
やまげん:いいですね。
やまげん:とはいえ、デベロッパーリレーションズみたいなところって、答えがないのかなとも思っていて、どういったところから始めていきたいと考えていますか?
菅井:今回はブログをやっていますが、10年ぐらい前にもやったことがあるんですよ。その時は、僕など「外に向けて発表したい」みたいな人が集まってやっていましたが、やはり続かなかったので、発信し続けられることが重要だったりするのかなと思っています。
発表して潜在的なフォロワーを見つけるのが重要だと思っているので、続けることが基本なのかなと思っています。
やまげん:すごく耳が痛いというか。Voicyも「ブログを始めたけど続かなかったな」みたいな感じはあるので。
菅井:難しいですよね。
やまげん:今は現場に身を任せていたり、週1をKPIにしてがんばっていたりもしていて。続けないとという感じはわかりますね。
菅井:でもこの企画もちゃんと再開されたじゃないですか。
やまげん:はい。
菅井:それは、ご自身(の中に)も「出ていかなきゃいけない」みたいな考えがあって再開されたところもあったんですか?
やまげん:そうですね。この企画自体もテック業界に(対して)Voicyに注目してほしいという気持ちがもちろんあって。そこの接点みたいなところで、こういった企画を1回立ち上げたらいいんじゃないかというところで再開しています。
菅井:繰り返しになりますが、僕自身も「発表していこうぜ」と言って(も)「お前やってないじゃん」と言われると思うんですよ(笑)。なので、こういう場所に出るのも自分にプレッシャーをかけるじゃないですが、こういう機会はすごくうれしいなと思いながら今受けています。
やまげん:本当にそう言っていただけるとうれしいです。またいろいろなイベントでご一緒できるとうれしいなと思っています。
菅井:そうですね。
(次回に続く)
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