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プロフェッショナル集団と協働するのに「フリーランスPM」に必要な能力と考え方(全1記事)

フリーランスPMは組織に所属するPMと何が違う? 属さないからこそ大切な、メンバーとの有機的なつながり

プロダクトマネージャー、プロジェクトマネージャー、エンジニアと共に、プロダクト開発事例の共有やシステム開発上流工程の相互学習の場を提供する「開発PM勉強会」。第12回目は、審査制フリーランスネットワークを運営する株式会社GNUSとの共催にて、フリーランサーが集まる開発ギルドの実態に迫りました。ここで登壇したのは、曽我義光氏。フリーランスPMと組織に所属するPMの違いについて語りました。

開発経験、コンサル経験が豊富なフリーランスPM

曽我義光氏:曽我と申します。よろしくお願いします。本日はプロジェクトマネージャー事例ということで「プロフェッショナル集団と協働するのに『フリーランスPM』に必要な能力と考え方」というタイトルで10分間いただきます。

本日の目次は3点用意しています。始めは簡単に私自身の自己紹介と経歴。2つ目がメインとなる、フリーランスPMと組織に所属するPMとの違いとは? ここで言っている「組織に所属するPM」は、主に正社員としてPMをしているケースを想像してもらえればと思います。最後にフリーランスPMのやりがいというのでまとめたいと思っています。

まず、私自身の自己紹介と経歴ですが、4つの軸でまとめています。社会人は二十数年やっていますが、例えば雇用形態は、もともと正社員で始まって、一時期派遣社員をやって、そのあとフリーランスになって、また正社員に戻って、今はフリーランスと役員をやっているという経歴です。

日系企業、外資系企業、オーナー企業、ベンチャー企業にそれぞれ所属をしていました。職種や役職という意味合いだと、もともとエンジニアを十数年やっていて、徐々にプレイングマネージャーのような役割に移りつつ、今はPMをやっています。その間に、事業会社でIT部門の部長を数年間経験したり、CTOという立場でも従事していました。

実際の開発経験やコンサルの経験ですが、主に金融系が長くなっています。ほかには製造業もやっていました。コンサルとして一部、事業会社のIT戦略の策定や実行のお手伝いもしていました。ToC向けのサービスであったり、ToB向けのサービスであったり、こんなかたちで二十数年間いろいろと携わっていました。

現在は大きく2つに軸を置いています。1つはベンチャー企業。数年前に仲間と立ち上げて、役員としてCTOの立場で携わっています。もう1つがまさに本日の話のメインとなりますが、フリーランスの開発PMとしてToC向けのサービスの案件に携わっています。いったんここまでが私自身の自己紹介となります。

GNUSの案件に携わって感じること

続いて本日のメインの話になりますが、フリーランスPMと先ほど少し説明した正社員としてのPMとの違いに関してお話したいなと思っています。私自身は正社員の時にPMという立場で15、6年ぐらい経験があるので、今のフリーランスのPMとの違いをお話できればと思っています。

こちらのページに、一般的なPMの役割をちょっとピックアップしてみました。計画立案、プロジェクト管理、○○管理とつらつらとあります。一方で関係者を含めての仕様調整もPMの役割の1つとしてある場合もあるのかなと思っています。

ここのPMの役割に関しては、プロジェクトによってその濃淡はあると思いますが、フリーランスであろうが正社員であろうが役割としては大きくは変わらないと思っています。

今はフリーランスのPMとしてGNUSの案件に携わっています。GNUSはフリーランスや副業の方が集まっているコミュニティなのですが、そこからの紹介で案件に携わっています。

その案件に、1年ちょっとフリーランスPMという立場で携わっています。延べ人数が20名ぐらいのチームの中で、私はPMの立場で、他のみなさんもフリーランスのエンジニアです。

ここはすごく個人的に感じるところですが、全員フリーランスのエンジニアということで、技術力がやはりものすごく高いなと思っています。みなさんがそれぞれ専門性を持っているというのをすごく感じています。プロフェッショナル意識がすごくあるので、仕事に対するコミット、いついつまでにやりますということに対しての「なにがなんでもやり切る」という考え方をすごくよく感じます。

(スライドを示して)「能力主義/成果主義」と書いてありますが、結果を出せば出すだけ周りの人も正当な評価をしてくれるので、成果を出せば出すほどそのチームでのその人の価値が上がるというのはすごく特徴的だと思っています。

フリーランスでプロジェクトに入った時のモチベーション維持のポイントですが、当然自分で案件を選んで仕事に就くので、まずは入口の部分で自分が興味のある案件に入るというのがモチベーション維持の1つのポイントかなと思っています。

そのチームの中で成果を出すことで、自分の自由度や権限でできることが増えて、自分のやりたいようにできるような環境にどんどんなっていくので、そこもモチベーションの1つかなと思います。

当然そこで評価されると次の案件や仕事につながるので、その点もモチベーションの維持につながっていると思っています。今はこのような環境で、1年半働いています。

フリーランスPMと組織に所属するPMの違い

フリーランスPMと、所属するPMとで一番大きく違っていると私自身が感じているのが、体制です。組織に属するPMの体制図が一般的な階層構造で、PMがその組織のトップにいて、その下にそれぞれのチームがいます。クライアントとの窓口をPMがやっているのが、正社員ではよくある組織図かなと思っています。

それに対して今携わっている案件。クライアントとの窓口というのは先ほどの組織に属するPMと同じですが、フリーランスのメンバーとの組織構造が完全にフラットな構成となっています。ここが大きく違うとこの1年ちょっとで感じていました。

この組織の違いで大きく意識しなければいけないなと思ったのが、コミュニケーションの方法です。組織に属するPMのコミュニケーション方法だと、ある意味階層構造になっていていて、ある程度組織としてグリップされており、上から下に指示するようなかたちで物事は進んでいくと思います。

一方でフリーランスのPMの場合だと、コミュニケーション方法は指示ではなく依頼というかたちで相互で有機的につながるというのが1つ大きな違いだと思っています。こういったフラットな組織の中で、PMだけが他のメンバーに指示を出すと、なかなか物事が前に進まないとすごく感じていました。

また、エンジニアのみなさんはそれぞれ得意分野をお持ちなので、PMはPMで技術のアップデートをしていかないとついていけないとすごく感じています。

なので、フリーランスPMとして活動していく上で技術のアップデートというのは、すごく必要なスキルの1つだと思っています。

フリーランスPMとしてのやりがい3つ

最後に、フリーランスPMとしてのやりがいを3つ挙げました。先ほどの話とちょっと被るのですが、1つ目がプロジェクトの選定自己プロデュースという意味で、プロジェクトを自分で選べるというのがやりがいの1つです。

また、優秀でプロフェッショナルなエンジニアと一緒に働いて刺激を受けることが、自分のスキルアップにすごくつながっているなと感じています。

最後は、エンジニアからの総合の評価で成果を出せば、報酬も含めてですが、それなりに正当な評価を受け取れるところは、すごくわかりやすくて個人的にはここがやりがいの1つだと思っています。私からは以上です。ご清聴ありがとうございました。

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