2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
大企業向けSaaSの開発PMと導入について(全1記事)
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川瀬圭亮氏:みなさんはじめまして。川瀬と申します。本日僕からは「大企業向けSaaSの開発PMと導入について」を共有させてもらえればと思います。
(スライドを示して)まず自己紹介ですが、川瀬圭亮と申します。Twitterは@Kesuke2という名前です。会社はMNTSQ(MNTSQ, Ltd.)で、M・N・T・S・Qと書いてモンテスキューと読みます。非常にわかりにくいのですが、MNTSQという名前からちょっと想像できる方もいるかと思いますが、法律関係、契約関係のSaaSを提供しているスタートアップです。そこでPM、プロダクトマネージャー兼プロダクト開発のチームのマネージャーを担当しています。
キャリアとしてはずっとプロダクトマネージャーやプロジェクトマネージャーを担当していて、国内外のBtoB、BtoCプロダクトを業種問わずいろいろ経験してきた感じです。サイバーエージェント、(次のキャリアの)オンラインの教育系のWebサービス「Quipper」がリクルートに買収されて、リクルートで「スタディサプリ」のプロダクトマネージャーも担当していました。
その後にLINEに移って、チャットボットやメッセージングAPIや、API周りのプロダクトマネージャーを担当した後にGoogleに行きました。Googleではこれまでとぜんぜん違いますが、Google Pixelというスマートフォンのオペレーションや、GoogleマップのAPAC(Asia‐Pacific)のオペレーションを担当していました。今はMNTSQでプロダクトマネージャー(をしている)という感じです。
エンジニアバックグラウンドやデザイナーバックグラウンドというわけではなく、本当にずーっとプロダクトマネージャー、プロジェクトマネジメントを担当してきた感じです。
(スライドを示して)まず、「そもそもMNTSQって?」というところから紹介します。弊社は知名度がぜんぜんありません。そもそも何をしているかというと、実は日本を代表する大企業に、基幹システムのSaaSを提供している会社です。
(スライドを示して)ホームページからちょっと抜粋をしてきました。左側の導入実績を見てもらえればと思います。本当に日本を代表するような企業で、かつ業種問わず、例えばENEOSさんや、コマツさん、トヨタさん、三菱商事さんなどの大企業に基幹システムを提供しています。
具体的にどういうプロダクトかというと、契約締結前後の世界をマネージするSaaSを提供しています。契約書作成支援サービスだったり、「法務部や知財部の契約の審査の速度と品質の両方を上げたい」というお客さんに対して、契約の審査プラットフォームを提供しています。
それから、契約を結んだ後もきちんとリスクを管理したいという観点から、契約を管理するプロダクトを提供しています。そういうプロダクトを横断してデータベースでコアのナレッジを蓄積して、それを検索やサジェストで、基幹システム全般、契約締結前後について提供している会社です。
契約のシステムですが、法務部・知財部だけではなくて全社的に関わっていく、かつ、こういったナショナルクライアントに導入しているので、かなりプロジェクトが大きいものがほとんどという感じです。
(スライドを示して)1社1社の導入が大規模で、とにかく人が多いです。導入だけでも数十人のステークホルダーがいて、1つの会議に対して先方で数十人出てくることもざらにあります。弊社側もそれなりにきちんと体制を組んで挑んでいるので、ステークホルダーが非常に多いです。
ユーザー数で、toCでは数千万人を余裕で超えるようなプロダクトもあると思いますが、toBにおいても1社で数万人を超えることもけっこうあるプロダクトです。
さらに、ケースが多いです。まずは権限管理を含めたアカウント管理です。上長の中で「この人は見られていいけれどこの人はダメ。だけど、こういうケースでは見られていい」というように、本当に組み合わせ爆発的なケースがよく起こります。
あとは個社ごと、支社ごと、部署ごと、それからグループ会社もあったりするので、そういうところで「こういうふうにカスタマイズしたいんや」という要望をたくさん受けたりもします。
ほかには、各社ごとの利用機能も異なります。主要プロダクトを4つ提供していますが、その中でも「これとこのプロダクトだけを使いたい」というケースもあったりします。あとはオプションで、「DocuSign」という電子署名のサービスとの連携や、クラウド・ストレージ・サービスとの連携も提供しているので、オプションも10個以上ある状況です。
そのように人も多いしケースも多い中でどうやってPMをしているのかというと、主に2つあります。(スライドを示して)1つがプロダクト開発で、とにかく透明性を高くするところです。システムやプロセスでカバーというよりも、人と人とのコミュニケーションでなるべく事故を防ぐとか、情報差異を無くすとか、期待値調整を行うところをしっかり行っています。
もう1つが顧客導入の際に、SaaSだからといって顧客に「これを使ってください」で終わりではなく、確実に価値のある導入を実施することを心がけています。それに伴って、プロダクト開発の顧客対応リソースの調整だったり、要望を受けた時のタイムリーな検知をしっかり行えるようにしています。
(スライドを示して)透明性の担保というところで、非常に複雑な図ですが、基本的に2つのラインがあります。1つは組織や事業のイシューで、弊社はGitHub Issueですべてのタスクを管理していて、例えば「ここの社内規定を変えたい」という組織イシューもこのGitHub Issueで管理しています。
もちろん「このプロダクトのここにバグがある」とか、「これが使いにくい」とか、「こういう機能が欲しい」みたいなプロダクトのイシューも、すべてGitHub Issueで管理しています。
主にプロダクトイシューですが、PdMがまず振り分けを行って、ビジネス要件、調整カンバン、開発調整カンバンなどを用いて、短期スケジュール・長期スケジュールに反映していきます。
それをリリースをして、リリースノートなどで全社で共有します。あとはフィードバック会を同時に実施して、どういう機能がリリースされたかもしっかり共有しながら開発を進めています。
このプロセスすべてが透明化されていて、誰でもアクセスできるし、いつでもコメントができるような状況にしています。ここで社内外の期待値調整をしっかりと行っています。社外の人にはもちろんプロダクトイシューは見えませんが、顧客対面チームをとおして顧客との期待値調整を行うことをしっかりやっています。
導入の型化にも気をつけていて、正直かなり時間をかけています。システム説明や、「具体的にどういうふうに使うんだ」というトライアルを行ったりします。
そのシステム導入の際に数万ドキュメントのデータ取り込みを行ったり。(ドキュメントのデータが)数十万のこともあるので、そういうところのサポートをかなり手厚くやって、どういうデータ構造がいいかとか、どういう使い方がベストなのかを、伴走しながら導入を行っています。
導入した後も、問い合わせ対応はもちろんしっかり行えるように、工数やサポート体制を愚直に整えている状況です。
それから、プロダクト開発と顧客導入のどちらにも関わりますが、プロダクトやオプションごとの導入スケジュールの見える化をしっかりと行っています。
すごくマイナーなツールで「Fibery」という、キプロスに本社があるノーコードツールを使用しています。ここですべて見える化して、どのタイミングでどのくらいのお客さんが導入が進むかを、プロダクトもビジネスも一緒のものを見ることによって事故を防ぎます。期待値コミュニケーションをして、工数のどこが膨らみそうかの認識をしっかりそろえたうえで、開発を進めています。
さらに、顧客とのコミュニケーションはすべてログにされて全社に共有されていたり、主要アップデートもレポートで毎週きちんと共有していたりして、とにかくコミュニケーションをしっかりと行うところが、大規模プロジェクトで一番気をつけているところです。
結局弊社が何をしたいかというと「すべての合意をフェアにする」ことです。今は大企業向けプロダクトをメインに提供していますが、会社のビジョンとしては企業と企業の取引だけではなくて、企業と人、人全体に対するすべての合意をフェアにするというビジョンのために、本質的に価値のあるSaaS提供を行っています。
(スライドを示して)最後に簡単に、とにかく顧客引き合いはメチャクチャあるのですが、まだまだ人が足りないません。すごく優秀なメンバーがそろっている、かつ顧客への提供がどんどん進んでいるので、もし興味がある方はDMなりお待ちしているので、よろしくお願いします。
では、僕からのプレゼンは以上とさせてもらえればと思います。ありがとうございました。
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