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めちゃバースの設計意図と運営してわかったこと(全2記事)

“リモートツールでの分断”に対するソリューション “盛り上がり”に振り切った「めちゃバース」のコンセプト

XRやメタバース領域のおもしろさ、なぜいま注目されているかの背景、技術的な最新情報を一緒にキャッチアップし、ヒントを得られることを目指した「メタバースラボ #2 メタバースとデザイン」。ここで株式会社ハシラスの安藤氏が登壇。メタバースの特徴やリモートツールの課題に触れつつ、「めちゃバース」のコンセプトを紹介します。

ハシラスのミッションと事例

安藤晃弘氏(以下、安藤):やります。ハシラス謹製「めちゃバース」! ハシラスのミッションは「MAGIC」のような圧倒的な高臨場感を創り出し、感動を届けることをやろうとしてるチームです。XRの技術を使ったテクノロジーと、脳と五感をだますテクニックで、本当に別世界に行っちゃったようなVRを作るのが好き! というところです。

なぜ「MAGIC」とついているのかというと、創業メンバー経営陣が、元マジシャンのXR制作チームということです。

サンシャイン60展望台の人間大砲とか、魔法のじゅうたんのVRだったりとか。残念ながらこの施設はもうないんですけど。『進撃の巨人』のVRで、ウマに乗れるものだったり。

今はBOAT RACE振興会ですね。全国津々浦々のボートレース場で、VRをかぶって遊べるものが出ています。あとはプレゼンVRの「キネトスケイプ」とか。この間はXR Kaigiに出させてもらいました。

近い未来に人類は視聴覚を拡張した世界で暮らすようになる

人類は常に視聴覚を拡張した世界で暮らすようになる。これは「VRがどうなのかあまりよくわからん」という人向けに作ってる資料だったりするんですけど、ごく近い未来に、視聴覚を拡張して暮らすのが当たり前になると思っていまして。

今はちょっと野暮ったいデバイスだったりするものが、メガネばりになってくる。100パーセント現実視界だったり、100パーセント仮想だったり、それが入り混じっているような世界に切り替えて暮らしていけるような。

インターネットに常につながった空間に包まれて、遊びも学びも劇的に変わっていくと思っているんですよ。そんな未来の時代の遊びを先取りして、世の中に広めていこうとしてます。

XR時代に先駆けた、先進的な遊びと普及版の遊びということで。僕らはふだん田端のあたりで会社やっています。

超すごい体験みたいな、その体感を伴ってハードウェアも開発してやっているようなものは、R&D(Research and Development)的であったり、ロケーションベースVRという、みなさんが初めてタッチしたような超すごい体験みたいなものもやりつつ、今はコンシューマーXR事業として、すでにみなさんが持ってるもの向けのものもいろいろやってこうというところです。

これは上で培った臨場感体験というものが、下にダウンサイズして、より使いやすいかたちというか、一般普及できるかたちでやっているという感じです。

コンテンツ×群衆=感動を体現し、大勢が集まる場を代替するメタバース

コロナ禍によって加速する、世界的なメガトレンドとしてのメタバースというものがあります。やはり言葉がすごく先行してしまっている部分があると思うんですけれど、もう人類の数だけ定義があるので、別に定義はしません。

ただ、イメージ的には3D化されたインターネットであり、自由なつながりがあるものというイメージを持っています。結局これって、3D化されてることによって抽象度が下がっているんですね。

今まではインターネットが出た時点で「これはメタバースじゃん」ってメチャクチャ言われていましたが、ページをジャンプして別のところに行くものが、現実の世界、現実の空間とは乖離が大きいですよね。

でも、今のこの会場の周りを見渡してみてください。このように3次元的になっていることによって、自分の現実世界との似姿になって、抽象度が下がることによって、より具体的になっていくことによって、脳内の補完をしなくても受け入れやすくなったりするということなんです。

よく買い物を例にしたりしてます。みなさん生で買い物に行きますよね。友だちを一緒に連れ添って、ウィンドウショッピングして。醍醐味がある。買い物は楽しい。でも、一方でECをやりますよね。机の前でカチカチクリックしてする買い物は効率的。疲れないからうれしい。このいいとこ取りができたりするんです。

いわゆる、自宅にいながらヘッドセットを掛ける場合もあれば、デスクトップの場合もあれば、友だちを連れ添って、コミュニケーション取りながらポチポチクリックして買えるみたいな。

買い物だけに限らず、こういういいとこ取りができるものが、ありとあらゆる行動が代替されてくのが、これからくるメタバースで。現実にあった経済、現実で使われてるお金が、メタバース内で費消されてくような未来がすごく期待されているという感じです。

個性を持ったメタバースが相互に影響しながら進化してく中、いろいろなメタバースがあると思ってて。私は「OASYS」みたいに、完全に単一になるとは思わないんです。なんでかというと、リソースが有限なので、○○向きとして作ったものは、○○向けの最高の体験になりやすいと思ってるからです。

だから、ライブ視聴に適してる、会議に適してる、買い物に適してるみたいなものの中、ハシラスが作るメタバースの個性は、コンテンツ×群衆=感動を体現し、大勢が集まる場を代替しようと思っています。

(参加者拍手)

ありがとうございます。ここ、リアクションポイントです。コンテンツ×群衆=感動を体現し、大勢が集まる場を代替するメタバースです! 

(参加者拍手)

ありがとうございまーす。みんなノリいいな。うれしい。

リモートツールにおける課題を受けたコンセプト作成の経緯

プロブレムです。リモートツールでの集会における課題として、会が盛り上がりづらい、評判が悪いというのがあります。コロナ禍において、Zoomでいろいろなイベントやったんですよ。で、その結果、駄目じゃん! ってけっこうなっているんですよ。もう2年もやっていて、です。

そこに参加している感がなく、集中できず盛り上がらないというところと、バーチャル空間は一方で30人ほどの小部屋に分断されてて盛り上がらない。「cluster」さん、がんばってます。最近はもう80人とか入っていて。超すげえなと思ったりするんですが。

インスタンスが分断されたり、アバターが非表示化したり、やはり相互可視化がなされず、群衆が出ない部分があると思っています。

で、そのソリューションとしての「めちゃバース」というところで。めっちゃ簡単でめっちゃたくさん入れるメタバースということで。名前勝ちと言われています。

この開発や名づけとかは、弊社の超超超すごいエンジニアの方が作ってくれているので、僕がこの会に立ってですね、「弊社の『めちゃバース』すごいんですよ」と言うのは、若干気後れするところがあるんですけれど。

とにかく、我々はいろいろ(なことが)できるメタバースを作ろうとは思わなかったんです。すごく尖っていて、ある用途に最適と考えていて。とにかくめっちゃいっぱい入れて、めっちゃ簡単にしようぜというところで、コンセプトで作っていった経緯があります。

ほんで、コンテンツ×群衆で盛り上がりを作ろうと。できるだけ簡単にということで、基本的にはみんなが持っているデバイス対象だから、VR非対応でもうええわい! と振り切っちゃいました。

「クリックしてURLを踏んだら、もうバーチャルな世界にいた」という体験を提供できるのと、できるだけ1インスタンスに(人を)入れるということで、1インスタンス内で相互可視化3,000人ができるようになっています。

“盛り上がり”がコンテンツの価値を倍増させると思っています。これは現実でも同じじゃないですか。人混みがあって盛り上がってると、公演・式典で参加者が退屈にならない。自分がちゃんと参加してる感があったり、買い物ではつい多く買っちゃう。ブラックフライデーとかで買い過ぎちゃった人、いますよね。

展示会では、出展者・参加者を引きつけたり、ライブ公演では、当たり前ですが楽しさが増すというところがあります。

「めちゃバース」採用事例として、XR Kaigi Onlineとか、ピッチバトルとかをやりました。こういう展示会パターン、発表パターンはわかりやすいユースケースですね。

「メタバース 社内」で検索してみてください。社内イベント用のパッケージ作りました。

ビジネススケールするために、1個1個手作りでワールド作らなくても、利用料だけ払って使ってもらえる状態にしていきたいんです。

ビジネスモデル、協業イメージとしては、社内イベントパッケージを広告代理店・イベント代理店などを通して営業で取ってきてもらい、弊社は代理店とだけ商売するとか。

ニーズとしては、特注のものもまだけっこうあるんですよ。なので「お金をかけてもいいから、うちの会社用のスペシャルなものを作ってくれい」みたいなパターンには、企画制作会社さまともタッグ組んで。弊社はそんなに大きくないので、こういったことをしないとたくさんの案件をさばけなくなってしまいます。

そして、アンケート評価が高かった。特に「Zoom以上」と答えた方が、9割5分ぐらいありました。

(次回に続く)

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