2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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ここからはプロジェクト収録時の画像や映像を交えて、どのように収録したか紹介をしていきます。では、はじめに『ウマ娘 プリティーダービー』の事例紹介です。
こちらは、育成時の「トレーニング パワーLv.4」の収録事例です。
サンドバッグに見立てたものを用意して収録を行いました。スタジオで収録を行う際は、まず代用品があるかどうかを確認します。代用できそうな場合は、それらを使い、組み上げて使います。代用ができない場合は、見合ったものを購入して収録を行います。ちなみにこの代用品の赤丸のものは、スタジオの木材切断機で木材をカットし、ネジ止めして作成したベンチです。
次の事例は動画を用意しました。こちらをご覧ください。
このような感じで、育成時の「トレーニング Lv.3」のクイズモーションを録りました。クイズ台は、なるべく足につけたマーカーが隠れないように、このようなクロス台を利用して、金網を置いて収録しました。
収録中の道具は、マーカーが隠れないように骨組みだけにするなど、工夫して道具の選定をしています。それでもアクターに装着したマーカーが見えなくなる場合は、追加でマーカーを付け足して、編集でカバーできるように工夫をしています。
次も動画を用意したのでご覧ください。
育成時の「トレーニング パワー Lv.5」の収録事例です。瓦の代わりに発泡スチロールを利用して収録を行いました。キレイに割れるように中心に亀裂をあらかじめ入れています。このように、気持ちも乗りやすいように工夫をしています。
他のプロジェクトでもそうですが、収録中に使う小道具はけっこうあり、発泡スチロール・ダンボールを使うなど工夫をして作成しています。
『ウマ娘 プリティーダービー』とは異なりますが、作成した小道具の例として、使い回しが利くものは、武器庫で保管して再利用しています。
続いては『ウマ娘 プリティーダービー』のウイニングライブ収録事例を紹介します。このような場でないと、なかなかお見せする機会がないので『うまぴょい伝説』のゲーム映像と実際の動きを全尺でお見せします。
動画の最中にこのような構成で、右上にテロップが表れる箇所が何点か発生します。これについては動画視聴後に解説を行います。それではゲーム映像と、実際の動きを見比べながら、動画をご覧ください。
いかがでしたでしょうか。このように『うまぴょい伝説』は収録されていました。
それでは解説に移ります。
まずは『うまぴょい伝説』冒頭の階段です。スライドのように、階段を作成して収録を行いました。階段は、スタジオで常設している大道具を使い、事前に一度ステージと比較しながら組み合わせて再現しています。他の収録でもそうですが、階段などの大道具が必要な場合は、この大道具倉庫のものを組み合わせて収録をしています。
続いては、裏話ネタとなりますが、テイク数についてです。『うまぴょい伝説』に関係するモーションは、総テイク数として20テイク収録を行いました。動画の中でも、最初の階段部分とダンスの部分とで分けて収録しているのがおわかりかと思います。
分けて収録したところは、ステージを走る部分とバックダンサーのウマ娘の動きです。それがこのテロップが出ていた走る部分です。これは複数回アクターにしっかりと走ってもらいました。
また、バックダンサーのウマ娘たちのダンスも、バリエーションを増やすために複数回収録しました。
このように『うまぴょい伝説』の収録は、動画で紹介した一連のメインダンス以外に別で収録を行い、それらを合わせて構成されています。また、ほかのウイニングライブでもこのように別収録を行っているものがあります。
さらに、収録事前準備の工夫の1つとして、走り抜けるステージの幅に合わせて目印となるテープをひきました。
以上で『ウマ娘 プリティーダービー』の事例紹介を終わります。
続いては『ぱかチューブっ!』の収録事例を紹介します。通常の収録では身体の動きだけを録りますが、『ぱかチューブっ!』では指・顔の表情といった録れる動きをすべて録る収録形態で行いました。また、『ぱかチューブっ!』では新しい取り組みとして、プレビュー環境を通常とは異なるかたちにしました。
それでは動画をご覧ください。
こちらは『ぱかチューブっ!』収録時の実際の映像です。新しい取り組みとして、プレビュー画面にUnityを用いました。最終映像に近いかたちで動きを確認しながら収録する方法を、『ウマ娘 プリティーダービー』の開発プロジェクトチームと協力し、新しく作りました。このようにゲームデータと連携してプレビューを行う環境整備ができるのも、社内スタジオを持つメリットの1つだと思います。
収録はこのような構成で行っていました。『ぱかチューブっ!』では目線の動きも収録しているため、台本への目線とカメラへの目線が同じになるように調整しました。
アニメ『うまよん』の次回予告も同じ構成で収録しています。こちらは予告映像に登場するウマ娘に切り替えて、プレビュー画面に映しながら収録を行いました。
ちなみに、できあがっている映像はYouTubeの『ぱかチューブっ!』チャンネルにアップされているので、よかったらご覧ください。
以上、『ぱかチューブっ!』の事例紹介でした。
最後の事例として、2021年4月から6月にかけて行ったテレビアニメ『ゾンビランドサガ リベンジ』の生配信『ゆうぎり・イン・スナック千夏』を紹介します。こちらもアーカイブが残っているので、ぜひYouTubeの「CygamesChannel」からご覧ください。
「ゆうぎり」モデルは、テレビアニメで使っていたものをいただき、CygamesPicturesで生配信用に調整したモデルを使い、本番に臨みました。こちらも『ぱかチューブっ!』と同様に、身体・指・表情を録る収録形態と、Unityでのプレビュー環境で収録しました。
収録にあたり、バーのカウンターや椅子・店内の間取りをスタジオ内に再現しました。それがスライドのものです。マーカーが見えなくなることは避けたいので、随所にこのような金網の壁を作って、カウンターも最低限の足組みで作成しています。このような工夫で、生配信時の店内の動きをリアルに再現できるようにしています。生配信時は毎回このセットを設置していました。
また、スタジオのモニターレイアウトはスライドのようにしました。おそらく過去最高のモニターの数だったと思います。
続いては、6月放送の第3夜で挑戦したことを紹介します。まずはこちらの動画をご覧ください。
挑戦したことは、ゆうぎりの頭にセットしているお団子を取るアクションです。モーションキャプチャーを少しやったことがある人ならわかると思うのですが、実際の演技をするアクターと、キャラクターモデルの体格比率は一致しないことが多いです。例えば、物を取る動作の時にアクターがそのまま物を取りにいくと、腕の長さが違うために突き抜けてしまったり、届かなかったり、指でしっかりと挟めなかったりという懸念があります。
そのような不整合な動きは、だいたいあとから修正するのですが、生配信では修正することができないため、リアルタイムでしっかりとお団子を持てるようにするために、表記している3つの問題点、「キャラクターとの体格比率」「お団子を取る際の突き抜け」「掴む指の形」を克服して本番に臨みました。ちょっとした動作になりますが、スタジオチームで研究と開発を繰り返してがんばって仕上げました。
以上のことを踏まえて、もう一度動画をご覧ください。
いかがでしたでしょうか。先ほどの問題を解決すると、自然にお団子を取っているのがわかると思います。以上で『ゆうぎり・イン・スナック千夏』の事例紹介を終わります。
本セッションのまとめです。「実働してきた収録ノウハウの蓄積」。収録回数にもとづいて貯まってきたと実感しています。「社内スタジオだからできた取り組み」。改善、そしてゲームデータと連携した環境づくりなど、Cygamesに合った作業環境の構築ができています。「さまざまな収録に対応」。身体、指、顔、生配信対応などのいろいろな収録形態に対応ができるモーションキャプチャースタジオになってきたと感じています。
最後に、Cygamesモーションキャプチャースタジオは、最高のモーションが生まれる場所として、ユーザーのみなさまに最高のモーションを届けるため、日々邁進して参ります。
本セッションは以上です。ご清聴ありがとうございました。
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