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MPPでSwift Packagesを使ってみました(全1記事)

KotlinでiOSアプリ開発するならSwift Packagesがおすすめ 簡単に導入できるライブラリパッケージ

「Kotlin Multiplatform Mobile勉強会 Wantedly × チームラボ」は、ウォンテッドリー株式会社とチームラボ株式会社が共催するKotlin Multiplatform Mobile (KMM)の勉強会です。 プロダクションで採用しているKMMについて、開発時に得られたTipsやノウハウを共有します。バレンティノ氏は、MPPにおける「Swift Package Manager」の使用について発表しました。

「Swift Package Manager」の概要

バレンティノマルコ氏(以下、バレンティノ):こんにちは。今日は、Kotlin Multiplatform Project(MPP)でのSwift Packagesの使い方を発表したいと思います。

私は、マルコバレンティノです。イリノイ大学アーバナ・シャンペーンでコンピューターサイエンスの大学院を卒業しました。2019年4月にチームラボ株式会社に入社し、最初の半年間はiOS開発をして、そのあとの1年間半は、Android開発をしました。

2020年の春からKotlin Multiplatformをプロジェクトに導入して、それ以来、このテクノロジーに取り組んでいます。

「Swift Package Manager」は、swift用の公式のライブラリ管理ツールです。Swiftのビルドシステムと統合されています。Package.swiftというマニフェストファイルはSwiftで書かれていて、依存関係を記述できます。

MPPでSwift Package Managerを使いやすくする「Multiplatform Swift Package」

それでは、Kotlin Multiplatform側で、Swift Package Managerを使いやすくするための「Multiplatform Swift Package」というプラグインを紹介したいと思います。

Multiplatform Swift Packageは、サードパーティで作られたプラグインです。使い方はすごく簡単です。まず、sharedモジュールのgradleファイルのpluginブロックにプラグインとバージョンを定義します。

次は、同じgradleファイルのkotlinブロックに「multiplatformSwiftPackage」のブロックを作ります。今回の例は、簡単なオプションだけを使っています。いろいろなオプションを詳しく見たい場合は、下に書いているリンクにドキュメンテーションがあるので、こちらをご覧ください。

コマンドラインでcreateSwiftPackageのgradleタスクを実行したら、右のような「SwiftPackage」の成果物が作られます。ARM64とx86_64の両方が作られるので、端末でもエミュレータでも使えます。ついでに、Package.swiftも作られるので、そのまま編集なく導入できます。

ローカルとリモートへの導入方法

次にローカルとリモートへの導入の仕方を説明したいと思います。まずローカルの導入を見ていきましょう。

Swift Packageのフォルダーをそのまま「Xcode」のプロジェクトにドラッグ&ドロップします。そうすると、Swift Packageはこんなふうになります。

Swift Package入れたら、Linkingをしなければなりません。Xcodeプロジェクトを開いて、TARGETSのところのアプリケーションを選択して、Build Phasesのタグを選択します。Link Binary With Librariesを開きます。

プラスボタンを押すとこういうウィンドウが出ます。sharedのフレームワークを選択してOKを押します。これでローカルのSwift Packageが使えるようになります。

次はリモートへの導入の仕方を説明したいと思います。今回は「GitHub」を使っています。

まず、新しい成果物のリポジトリを作ります。そして、SwiftPackageのフォルダーの中に、gitをイニシャライズします。

下に貼っている例のリポジトリを、0.0.1のブランチにプッシュすると、GitHub上ではこんなふうに表示されます。

リポジトリが用意できたら、Xcodeプロジェクトを開いて、今回はプロジェクトのところのSwift Packagesのタブを選択します。プラスボタンを押したら、またこういうウィンドウが出ます。

さっき作ったGitHubの成果物のURLを貼って、Nextを押します。次に、バージョンの設定をします。先ほど0.0.1のブランチにプッシュしたので、それを入力します。最後にFinishを押します。

これで、GitHub上にSwift Packageの公開と導入ができました。ブランチを書いて、Swift Packageはこういうかたちです。もう1回ビルドしたら、同じものが出ます。

欠点もあるがMPPでSwift Packagesを使うのはおすすめ

最後に、MPPでSwift Packagesを使った感想を話したいと思います。まず、Swift Package Managerは、ファーストパーティのソリューションなので、Xcode側のセットアップは特にありませんでした。

「CocoaPods」はRubyで書かれているので、RubyやBundlerのセットアップが必要です。なので、Swift Package Managerのほうがセットアップが簡単にできます。

MPP側のセットアップも簡単でした。プラグインを入れるだけで使えるようになりました。また、ローカルとリモート導入の両方ができました。CocoaPodsのプラグインはローカル向けの導入で、リモートで公開するには自分でpodspecを書く必要があります。なので、こういう面ではSwift Packagesも簡単に使えました。

ただし、Multiplatform Swift Packageは、サードパーティのプラグインなので、MPPやXcodeが変わると、アップデートを待たなければいけない可能性はあります。

また、試した限り、ローカル導入とリモート導入は、同じiOSプロジェクトにはできませんでした。切り替えはできますが、手間が少しかかります。

最後に、利点と欠点ありますが、MPP側でSwift Packageを使うことをお勧めします。

発表は以上です。ご清聴ありがとうございます。

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