2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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孫正義氏:次に小売サービスです。AIで需要を予測します。どういう天気予報なのか、曜日が、月末が、イベントが、緊急事態宣言だとかいろいろな状況の時にAIで需要をより的確に予測して、接客し、あるいは清掃し、というようなことをスマボがどんどんサービス業として進出していく。
またここでも2本の腕、2本の足で歩くという必要のない部分がたくさんあるんじゃないかと。AIで決済するということですが、Keenonを事例として紹介したいと思います。2本足、2本の腕でもないです。
このKeenon、レストランの中で自動運転しているわけです。子どもがバッと飛び出してきた時にドーンとぶつかるとダメですし、それを一つひとつプログラミングで、機械的なかたちで動くというのは不可能ですね。
混雑したレストランの中で、急に何かが飛び出してきて、人間のウエイター・ウエイトレスでも、子どもが急に出てきたらドンとぶつかって、お皿をドッと落としたりといったことが、ありがちですけれども。
2本の腕で持てる皿は2枚までとか、曲芸のように蕎麦屋の出前の人が何個重ねて持ちましたとか、そういうことを言わなくても、棚が何段もあって、そこにお皿がずらっと10個、20個乗っかると。
しかも人件費に代わる月間サブスクリプション料が、機種によって違うと思いますが、月々1台2~3万円とか、4~5万円あたり。月間数万円だったらアルバイトの人件費より安いですね。
アルバイトの人件費よりも安くて、365日、夜中までちゃっちゃちゃっちゃ運んでいくということであれば。それで、このKeenonを入れると実際に売上が伸びているらしいです。
サンプルがこうやってつるつるつるっと……よくありますね、ゴルフ場にたまに行って、サンプルのワゴンが来ると「そっちの皿も、こっちの皿も」とついつい買ってしまうのですが、こんな感じでサンプルを運んでいくようなロボットもあったり。
追加のメニューをついでにポンと押すこともあったりして。人件費のコストダウンだけでなくて、売上も実際に伸びるということです。
これにはカメラが付いていますが、安いロボットで、安全で、自動運転で障害物を避けてということで、今2万台がすでに稼働してるということです。これも1機種のロボットが全部をするというよりは、個別個別に、用途別に特化して、より安くより機能が優れたものを作っていくことができると思います。
月間のコストが機種によっても違いますけども3万円あたりで、配膳の数も1日あたり人間の1.4倍。
これが日本だとアルバイトの人件費も月々9万円、10万円よりもうちょっと高いんじゃないかと思います。さらに人間よりもたくさん働けるということで、これはもう続々と今から広がっていくのではないかと思います。
スマボ×清掃の分野では、Gaussian Robotics(GSロボット)も今、急成長しています。
同じ自動運転でも、今度は清掃に使ったということです。産業用のGSロボットだとかBrainとかありますけども、これらはもう完全な自動運転で、ディープラーニングでいろいろなことを学習しながら、自ら学習して自動運転して。猫と戦わずに、猫を避けるということで(笑)。高精度のいろんなセンサーが付いて、AIで徹底的により効率よくやっていくということです。
まっすぐ順番にルート清掃するというのもありますが、GSロボットは、人間の掃除の人が認識してそこに一直線に行くように、汚れている場所をカメラで見つけて、そこに真っ先に行って、次に汚れてる所に行くと。そうすると3回曲がればもう終わりと。
おおむね大きく汚れているような所は、まずバーンと片付けて。それで済む場合もあれば、あるいはさらに細かくいくこともあります。時間の効率が要求されるような所とか、広い空港や工場といった所は、より効率よくやることもできたりします。
さらにいっぱい汚れている所は、そこをきれいになるまで集中的に掃除して、完全に終わったらさらに全体をまんべんなくいくと。ばしゃーっとミルクをひっくり返した所があったら、ベトベトしているのがきれいになるまでやって、さらにほかの所をまんべんなくいくというようなことを、人間もやるわけですが。
そういうふうに、AIで認識して学習して戦略を立てて、戦略的に掃除を効率よく行うというのが、まるで人間のようなAI搭載のスマボだということです。清掃面積は1時間あたり3倍清掃できるようになりましたし、コストも2割ダウンということで、非常に低コストで導入できるということです。
次に、必ずしもメタルカラーのロボットだけがスマボではないと私は思います。透明カラーのスマボって何かというと、事務作業、ホワイトカラーのロボット化ですね。これはデジタルボット。デジタルボットがさまざまな事務作業をスマボ化していく、と私は思っています。
AIで課題を認識し、スマボが業務の自動化をし、さらにデジタルボットとしてルーティン作業(をする)。人間はあらゆるルーティン作業から解放されて、より人間らしい生活、より人間らしい仕事にシフトしていくべきだと思っています。退屈な繰り返し作業から人間を解放すべきで、ホワイトカラーの世界においては、このデジタルボットがそれを行っていくと。
その代表格の1つは、Automation Anywhere。こちらもビジョン・ファンドの投資先ですが、スマボがあらゆるホワイトカラーのルーチンワークを自動化する。それで、人間はよりクリエイティブなデザイニングや、企画、営業、コミュニケーションといったことをやるべきだと思っています。
自動化が革新をもたらします。ログインからほんの数クリックでBotを構築して、自動化ができると。これで終わり。数分間でどんどんデジタルボットができていくということです。このルーティン作業が、開始から終了まで即実行できるようになる。RPAの代表格が、Automation Anywhereだと思います。
ホワイトカラーの人々の大半の作業は、PCの前でキーボードをカチャカチャやっている。この作業のもしかしたら3分の1、あるいは半分ぐらいは、あまり考えずにルーティンワーク的にやっている。そういうホワイトカラーの人ってけっこういるんじゃないかと思います。
3分の1ぐらいの仕事がルーティンでカチャカチャやっているとすれば、それをBot化すれば、残りのクリエイティブなアイデアやプレゼンのアイデアを考えたり、相手を説得する、デザインを考える、営業する。そういうことにもっと時間を有効に(使えるようになり)、人間はより付加価値の高いものに(対応できるように)解放されていくわけですね。
そういったホワイトカラーの仕事のスマボ化が、これから続々と出ていくと思います。定型業務から自動化して、エラーを削減し、工数を削減し、生産性が上がると。ソフトバンク株式会社ではすでに、数千のデジタルワーカーがBotとして、数千人分のホワイトカラー業務を毎日行っていると。
最先端のユーザー企業の1つが、我々ソフトバンク株式会社ですが、ぜひこれから多くのお客さまに、我々のこの感動・体験を広めていきたい、ご紹介していきたいと思います。
アメリカでは、各業界のTOP10の企業の8割から9割が、Automation Anywhereをすでにデジタルボットとして導入済みです。8割から9割のアメリカのTOP10企業は、毎日このデジタルボットがルーティンワークをこなすようになってきていると。アメリカは生産性が上がるはずですね。こういうものをどんどん活用しているからですね。
先ほど言いましたように、ソフトバンク・ビジョン・ファンドでは18社のスマボ企業に資本家として資本投入し、どんどんこの分野に取り組んでいるわけですが、ビデオのショートクリップをご覧いただきたいと思います。
(Nutoは)配送用のロボットですね。そしてロボタクシーの世界のCruise。自動運転のAuroraはビジョン・ファンドが出資していたUber ATGがAuroraと合併したため、我々の保有株はAurora株に変わりました。
さらに(XAGは)農業用のドローンサービスプロバイダーで、これで種まきや肥料(の散布)といったものが効率よく安価に、正確にできるようになりました。EDDAでは脳の外科手術ができるようになりました。
OpenTronsでは、例えば最近の新型コロナなんかでもいろいろな試験薬の液体処理をやりますが、それがロボット化できた。Traxでは、スマボでより正確に、より安価に、常に店の棚の在庫管理ができる。
Brainも同じく自動運転で掃除をする、アメリカの会社です。ソフトバンクロボティクスの「Whiz」は、小回りを利かせたかたちでのオフィスの中の清掃ロボットです。配膳ロボットの「Servi」も、ソフトバンクロボティクスで、すでに日本でサービス開始しています。
先ほどのGaussian RoboticsやAutoStoreなどは、ソフトバンクロボティクスが、これから日本で販売すると。Keenonなども日本でも販売することになりそうであります。そういう準備をしていると聞いております。
ということで我々ソフトバンクグループは、最先端のスマボ企業軍団として、18社のロボット企業群になりました。ソフトバンクグループの群戦略で、おそらく世界で我々が一番進んでいるんじゃないかと思います。自動運転から手術から清掃から、何から何まで、倉庫までやっているということであります。
先ほども言いましたように、ソフトバンクロボティクスがAutoStore、Berkshire Greyのピッキング、そしてKeenonの配膳、Gaussian Roboticsの清掃。こういうものを、もうじき日本で提供開始です。
ぜひみなさんにもご利用いただきたいと思いますし、今日ご紹介した18社は、何らかのかたちでぜひ日本のみなさまにも、これから続々と提供していきたいと。ソフトバンクロボティクスが中心になって、今井(康之)君率いる、ソフトバンクの法人部隊が日本の企業のみなさまにパートナーとしてどんどんご紹介をし、広めていきたいと考えています。
結論を申し上げたいと思います。いろいろ話をしましたが、「日本の復活の鍵、スマボ」。今日は何回も言いましたね。今日は洗脳するかのように、何回も何回も申し上げましたが(笑)。
ガラボからスマボへと。「ガラボ、さよなら。スマボ、こんにちは」という感じで、これから新しいスマボの時代が来ると思っています。もし日本にスマボを1億台導入することができたならば。デジタルロボットも含めて、ホワイトカラーまで含めて1億台導入することができたとしたならば、労働人口にして10億人相当になるということです。
うなだれていたPepperも応援します! どうですか。ソフトバンクグループ、Pepperも、うなだれているばかりではありません。日本を応援し、みんなで一緒に明るく、楽しく、光り輝くような日本の未来がこれから来ることを、本当に私、心から願ってますしね。もしかしたらそういうふうにできるんじゃないかと、諦める必要は絶対ないと。
「やりたい」「やるんだ」という思いがあれば、必ず道は拓けると信じていますし、少なくとも我々ソフトバンクグループは、絶対にAI・情報革命の最先端に資本家として(関わり)、どんどんとみなさんを応援していきたいと考えております。
「情報革命で人々を幸せに」。多くの人々に本当に幸せになってもらいたい、心の底からそう思っています。我々ソフトバンクグループを挙げてがんばっていきたいと思います。ぜひよろしくお願いいたします。
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