2024.10.10
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テニスのプレー開始点をサーブに頼りすぎず判別したい!(全1記事)
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鈴木碩人氏(以下、鈴木):自己紹介です。鈴木碩人といいます。2021年4月から、IT系の企業の研究開発職に入っていて、スポーツ歴は、テニスを10年くらいしています。『ベイビーステップ』みたいな頭脳戦ができたらおもしろいかなと最近思っています。
目次です。背景、着想、実験、結果、宣伝という構成で発表したいと思います。
まず背景について説明します。
試合は下の図のように、階層構造をもっているので、分析する時にポイントごとに集計する必要があります。なので、ショットの検出だけではなくて、何のゲームで何ポイント目かも分析においては必要になります。
プレーの切れ目はどう判断するのか、単純にサーブの検出ができればいいのかというと、そうではありません。実際に自分で録画して、画像認識をしてみると、撮影条件が悪かったり、フォームにばらつきがあったりして、けっこうサーブの検出漏れが発生するからです。
そこで、サーブの検出力に依存しすぎずに、プレーの開始点を見つけたいなと思いました。
着想です。サーブを打つ場合は、プレーヤーの位置関係や動作関係に制約があるので、そういうものを利用するとよりロバストに、プレーの開始点を見つけられるんじゃないかなと思いました。
実験について、説明します。
概要です。最初はCenterNetを使って、最後は決定木を使っています。
順々に説明します。まず、CenterNetでプレーヤーの動作認識と、コート検出をします。動作は、サーブ、ストローク、何もしていないの3種類としています。また、時系列入力にはしていません。
次に、CenterNetを使って検出したプレーヤーの矩形から、プレーヤーのコート状の座標を計算します。お馴染みのHomography変換を使っています。
最後にプレーヤーのコート座標と、動作の確率を使って、プレー中かどうかを2値分類します。
実験の結果です。
まずサーブの認識精度ですが、手前側のプレーヤーはけっこう精度が良いのですが、奥側のプレーヤーは、けっこう精度が悪いです。これは余談ですが、ラケットを含めると精度が上昇するというTipsがあります。
さきほど、精度が良かったと言った手前側のプレーヤーも、誤検知がある程度は発生しています。
それを踏まえたうえで、プレー分割をプレーヤーのコート座標も含めるとどうなるかというと、一応精度が向上していることがわかりました。重要度を見ても、座標の情報が効いてることがわかりました。
まとめです。野良試合では、画像認識にけっこう限界があるので、ちょっとしたルールや、工夫を利用することで、それを補うことが重要なんじゃないかなと思いました。
最後は、宣伝なのですが、戦術分析をするWebアプリを作っているので、なにか知見があったら教えていただきたいですし、興味のある方がいらっしゃったらご連絡ください。
ご清聴ありがとうございました。
(司会者拍手)
司会者:おもしろい観点でいろいろ分析をされていて、素敵だと思いました。この野良試合と言ってるのは、ご自身の試合を動画で撮って、アノテーションを自分でやったということですか?
鈴木:そうですね。
司会者:なるほど。どのぐらいアノテーションはかかったんですか?
鈴木:6ゲーム分くらいやりました。何時間必要だったんだろう。覚えてないぐらい、けっこう時間が必要でした(笑)。
司会者:そうですよね。なかなか、こういうデータは、一般の試合のやつを取ってくるのはちょっと難しいですよね。
鈴木:そうですね、なかなか大変です。こんな感じで、けっこうフェンスで3メートルくらいにくっつけても、後ろのほうのコートはあんまり見えなくて。一般人が映そうと思うと、これぐらいが限界なのかなという感じです。
司会者:そうですよね。中継ではよっぽどいいカメラを使っていますしね(笑)。1個、質問が来ています。テニスプレーヤーさんによってサーブ前のクセがいろいろとあるというところで「ボールをバウンドさせるのとかが、特徴量として使えたりしないんでしょうか?」と来ていますが、このあたりどうでしょうか?
鈴木:確かに。そういうのは使えそうだと思います。ボールのバウンド動作ですね。
司会者:プレー中にはなかなか発生し得ない動作ですからね。
鈴木:そうですね、確かに。
司会者:おもしろいですね、いいアイデアな気がします。
鈴木:そうだと思います。ありがとうございます。
司会者:もう1個質問が来ていますね。「CenterNetで取ったデータをどうLightGBMに入れたか」
鈴木:この表を見てもらうといいと思います。奥側と手前側のプレーヤー、コート座標、CenterNetを使って出力した動作のパーセンテージを入力にしています。
司会者:このコート座標はそれぞれ分解して、別のカラムにしてということですかね。ありがとうございます。それではこれで発表を終了としたいと思います。
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