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本当に使える「コーチ力」をリーダーに身につけてほしいと思っている方に(全2記事)

「伝える」と「尋ねる」、より強い影響を他人に及ぼすのは? コーチングは「相手の問いを変える可能性がある」から機能する

よく「ティーチング」と対比して語られる「コーチング」。両者の違いとはいったい? そして、なぜいま「コーチングが必要」とされるのか? それらの疑問について、株式会社コーチ・エィ 代表取締役社長 社長執行役員 鈴木義幸氏がSeminarShelfのオンライン動画「本当に使える『コーチ力』をリーダーに身につけてほしいと思っている方」にて、解説しました。 ■動画コンテンツはこちら(※動画の閲覧には会員登録が必要です)

自分に対して問いかける質問は、パターン化しやすい

鈴木義幸氏:なぜ、このコーチングは機能するのかということについて、もう少しお伝えしたいと思うんですけれども、(スライドを指して)そこに出ていますように、人は自分で問いかけて、自分で答えを出そうとしています。

人は行動する前に当然、ものを考えますよね。思考します。思考と言われるものを少しブレイクダウンしていくと、思考の実態というのは自分に問いかけて、自分で答えを出す。つまり、Q&Aが連なっているのがどうも思考であると。

例えば、朝起きますよね。そうすると、無意識なんですけれども、自分に問いかける。「今日のスケジュールなんだったかな? 会議がある」。答えが出るとまた問いかける。「ああ、なんかお腹空いてきたな。何食べよう」「卵を焼いて食べようかな」「今日そういえば何着て行こう?」「スーツ着ていこうかな」。こんなふうにQAとQAが連続するのが、人の思考の実態だと言われています。

それは自然なことなんですけれども、1つ問題がありまして、人が自分に対して問いかける質問というのは、パターン化しやすいという特徴があります。そうすると、気がつくと例えば「目の前のタスク、どうやったら早く済ませることができるだろうか」という問いばかりを自分に投げていると、なかなか未来に向けた新しいクリエーションというものを思考することができないですし、それに向けた行動を起こすこともできないと。

「Tell」と「Ask」のどちらがより強い影響を人に与えるか?

そうすると「新しい問いをいかに取り入れるか?」ということが、重要になるわけなんですが、1つの考え方としましては「人は自分に対して影響力を持っている人の問いを内在化、自分の内側に取り入れる傾向」というのがあります。

そうすると、例えば自分の上司ですよね。マネージャー、あるいはそれ以上の上位職の方々が問いかけてくれることというのは、自分の中に内在化してストックする傾向というのがあるわけです。

一方、問いかける側のマネージャー、リーダーのコミュニケーションというのを考えた場合に、基本的にリーダーのコミュニケーションは、英語でいうところのTell、つまり「伝える」か。もしくはAsk「尋ねる」かどちらかになるわけなんですが、どちらのほうがより人に強い影響を与えるか? というと、実はTellではなくてAskなんですね。

なぜかというと、問われると人の脳はエンゲージしますので、尋ねられたほうが相手の脳を活性化するというところがあります。ところが、リーダーはAskではなくて、Tellにものすごく力を入れるんですね。何を伝えられるのかということを重要視する。

例で言いますと、今年はCSだと。カスタマーサティスファクションが重要だというふうに考える。そうすると、例えば会社のトップが「いいか。みんな。今年はカスタマーサティスファクションだ。CSが大事だ!」というふうに、一生懸命伝える。Tellするわけですね。

ところが、その会場、会議室を出たあと、ふとエレベーターホールで会った若手の営業マンに対して「おい、お前最近売れているか?」と言うと「売れているか?」というAsk、つまり、質問のほうがより相手の中に残るんですね。影響する。

そうすると、その社長から問われたことは当然、若手の中に内在化しますから、さっきあれほど顧客を大事にしようというメッセージを聞かされていても、問われていることが「おい、売れたのか」だと、そっちを自分の中に吸収しちゃうんですね。ということは、リーダーというのは、一体組織の中でどんな問いが共有されているのかということに対して、やはり責任を持っていきたい存在なんです。

ですから、元に戻りまして、コーチングがなぜ機能するのかというと、相手の中の問いを変える可能性があるからなんです。そして、組織の変革や未来の創造につながるような問いを、相手の中に内在化させるために、コーチングというコミュニケーションの技術は、非常に効果的であると。

みなさんが問いのバリエーションを、コーチングを学ぶことで増やし、新しい問いをその社員に対して、部下に対して問いかけることによって、新しい思考と新しい行動をスタートさせることができる。それが、コーチングが機能する大きな理由ではないかと考えております。

コーチングは研修だけでは身につかない?

では、一般的にコーチングを研修で身につけようというのが多いと思うんですが、我々としては、研修だけではなかなかコーチングは身につかないのではないか、と考えています。

なぜなのか? ということなんですけれども、1つ目としては、コーチングは基本的にコミュニケーションです。コミュニケーションというのは、これまでで会社に入ってからの何十年間、例えばマネージャーの方でしたら、10年とか20年、時には30年交わしている、慣れ親しんだコミュニケーションを変えよう(ということ)。

もちろんすべてをコーチングに変えるんじゃないんですが、ある場面におけるコミュニケーションをコーチングに変えようとする。ティーチングをコーチングに変えようとする。でも、どうしても長年親しんでいますから(元に)戻る可能性が高い。ですから、1日2日の研修をやったからといって変わるか? それは難しいであろうというのが、我々の経験から割り出された考え方です。

2つ目としては、1日2日の研修では、実践と振り返りの提供の場を、提供することができないからと考えています。実際に習ったこと、学んだことを部下に試してみる。

試してみて「これはうまくいくな」「うまくいかないな」というものを、振り返る機会があって、再度部下に試してみて「あ、これはいける」という感覚を持って進んでいく。こういうアクションラーニング的な場が用意されないと、本当の意味でコーチングは身につかないだろうと思っています。

よく、研修のあとにフォローとして、例えば1ヶ月に1回くらい、ちょっとフォローをするというのはあると思うんですけれども。そのくらいではコーチングを本当に身につけて、組織変革、リーダー開発に役立つレベルにまで引き上げることは、現実には難しいと思っております。

もう1つは、研修だけでは他者の体験から学ぶことができないから。他人が実際に部下にやって「こういうところをうまくいったんだ。成功したんだ」というメッセージが、新しい学びを自分の中に起こすのに、非常に重要な貴重なメッセージになるんですね。やはり、口コミ、他人の体験の影響というのは大きいんです。でも、研修だけではそれをうまく取り入れることができない。

なので、いかにこういった3つのものを実現するような、ラーニングのシステムを構築できるか? ということが、重要ではないかと思っています。

本当の意味で、使える「コーチ力」

ということで、本当に使える「コーチ力」を身につけていただくためには、こういったことが重要ではないかと、我々としては考えています。慣れ親しんだコミュニケーションを、ある意味では離脱するわけですから、1年から最低でも1年半ぐらいの継続的なトレーニングが必要だと考えています。そして、継続的に実践して、内省して振り返って、また実践してという、そういったことができる仕組みが重要だと思っています。

同時に、他人からの学びというものを加速するためには、さまざまな参加者と一緒に、共に学ぶスペース・機会というものが必要なのではないかと考えています。

そのために、(スライドを指して)こういった仕組みを弊社のほうでご用意しております。電話会議のクラスというものを使いまして、どこにいてもスマホ、携帯1本で入れますし、ご自宅から在宅からでもできますし。あるいは冒頭お伝えしましたように、海外、どこにいても出張先でも参加できます。

そして、電話会議で学んだことを職場で実践する。実践するんですけれども、もちろんうまくいったりうまくいかなかったり、ということで、プロのコーチが1対1で付いていまして。そこで、ある意味でスーパーバイズ的にコーチングを受ける。そして振り返って「もっとこうすればよかった。もっとこうできる」ということをそこで対話し、また現場に出ていく。

そうすると、電話会議のクラスの中で、もちろん自分がやったことのシェアもしますし、他の方がこんなふうにやってうまくいったんだということも、知識として情報として取り入れる。そしてまた実践する。これを繰り返していく。

しかも、だいたい1週間に1度のペースで、1年から1年半かけて実践していきますので、かなり高い確率で本当の意味で使えるコーチ力が、このシステムを通して身に付くと我々は考えています。

国内及び国際的なコーチングの資格を取得できる可能性

(スライドを指して)これが、実際にご提供させていただいているカリキュラムのクラスのタイトルなんですけれども、例えば左側にあります「信頼関係をどうやったら築くことができるのか」ですとか、8番目「アカウンタビリティ」とあります。いかに部下の主体性というものを、対話を通して高めることができるか、であったり。

もちろん自分自身の主体性というものを、いかに高められるか? ということも扱いますし。あるいは右側に目を移していただきますと、21番「感情のマネジメント」。部下が少し感情的になっている時に、それをいかに効果的に扱えるか。もちろん、自分の感情もいかにエモーションをマネージできるかというようなことも扱います。

それから、非常に具体的な部分としては、23番。面談の機会にコーチングをいかに活用し、効果的な面談としていくのか。こういった30個のカリキュラム、テーマを1年、1年半かけて学習していっていただく。

コーチ・エィアカデミアと申しますけれども「これを受講されて、いつぐらいからその成果を感じ始めましたか?」という問いに対して「1ヶ月にすでに成果を感じ始めた」と答えてくださった方が32.5パーセントいらっしゃいまして、大変うれしく思っています。これが1年以内とスパンを伸ばしますと、98パーセントの方が「1年以内には成果を感じた」と、アンケートに答えてくださっています。

最後のページになりますけれども、これまでコーチ・エィアカデミアには、1万人以上の方が受講されています。このプログラムをお取りになることによって、国内及び国際的なコーチングの資格を取得できる可能性があります。弊社の長年に渡って培いましたコーチングのメソッドが、随所に詰まった体系的にコーチングを学んでいただけれるプログラムとなっています。

それから、先ほどお伝えしましたように、忙しいビジネスパーソンでも、どこにいても携帯、スマホ1本で学べる電話会議のクラスを中心に据えていますので、時間を効率的に使っていただくことが可能になります。

以上となります。本当に学べる、使えるコーチ力をいかにして身につけるかということについて、今日はお話をさせていただきました。ぜひこの弊社のプログラムについてご興味がありましたら、お問い合わせ等いただけますと、大変うれしく存じます。本日はご視聴いただきまして誠にありがとうございました。以上となります。失礼いたします。

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