
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
Notion活用事例②(全1記事)
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齋藤恵太氏(以下、齋藤):よろしくお願いします。Goodpatch Anywhereの事業責任者をしている齋藤です。
今、うちの中で2番目に古い社員になってしまいました。ずっとクライアントワークを担当してきて、そこから新規事業をやってみないかと声をかけてもらい、こういうフルリモートデザイン組織を立ち上げました。
今日は組織の話、チームでどうするかのような話ばかりですが、個人として使う意味。個人的に気に入っているのが、「(iOSの)ウィジェット最強だな」みたいなところ。アクセス速度が半端ないので、iOSのウィジェットはすごくいいと思います。
今まで普通に純正のメモを使っていましたが、自分が思ったことを、ちゃんとメモにストックしておくみたいなことであったり、アクセス速度が上がった気がします。
AnyCPUは、独自の概念です。僕がタスクをもっていると、組織としてみんなタスクが詰まって死んでしまったりするので、僕のタスクをみんなが勝手に拾えるようにシステムを作ってみたり。そんな感じでいろいろ実験をしているかたちです。
iPadとmacOS版のウィジェットも追いついてきてほしいと思っているので、よろしくお願いします(笑)。
Goodpatch Anywhereの説明はトントンいきましょう。フルリモートのデザイン組織です。東京のオフィスにおいてフルタイムで働く制約を外した、新しい実験組織として立ち上げています。
一番上の濃い青のところは、Goodpatch Anywhere全体の人数を表しています。200名超のメンバーが今所属している状態です。
フリーランスと正社員の中間というちょっと特殊な雇用形態をやっているがゆえに、自分でデザイン会社を経営している人すらAnywhereにはいるし、ビジネスコンサルティング領域から入ってくる人もいます。
いろいろな専門家の人をプロジェクトに入れられる。一番詳しい人連れてきたい欲望をけっこう忠実にやっていくと、こうなるのかなと思っています。
多様なメンバーが遠隔密着型の共創デザインチームを作るというところで、メガバンクから宇宙の話に至るまで、僕らはさまざまなプロジェクトをやってきました。
特殊なところだと、新型コロナの接触確認アプリ「COCOA」ではないほうのプロジェクトに、Anywhereとしてお手伝いしました。
では本題の、AnywhereにおけるNotionの位置づけについてです。僕らがNotionをどういうふうに捉えているかです。僕らが使っているツールは、だいたいこんな感じになっています。
Figmaではデザインを、コミュニケーションはSlackとZoom、雑談にはDiscordを使います。Notionは“オフィス”という意識で僕らは使っています。
環境が人をかたちづくると考えているので、Notionは気を使って作っていくべきかなと思っていて。僕は最近Notionを触る時間が一番長いので、“Notion建築士”と名乗ろうかなと思っているところがあります。
Anywhereオフィスの設計思想です。オフィスなので、どういうことを僕らが大事にしたいのかをちゃんと練り込まなければいけない。僕らが大事にするのは、いったんコミュニケーションとナレッジであろうと思ってやっています。
嫌いなものは、まじめな会社感。僕らはやはり、自由な発想でコラボレーションしていかなければいけない風土を作っていかなければいけない。堅い会社をやってもしょうがないわけです。そのため、まじめになりすぎないように、意識的に回避しています。
その結果、僕らのオフィスエントランスは、こうやってなっています。お知らせや、おはようDBのようなものがあったり。あとは最近できたナレッジが、ちゃんとここで見えるようになっていたり。
全体の設計もオフィスエントランスとか、委員会とか、ガレージとか、面談室みたいなものがあったりして。会社ごっことか、学校ごっこ的なノリでいろいろなものが生まれているかたちです。このへんは、あえて会社っぽくしたりとか、やりすぎたところは常にいじっています。
どうしてNotionを使っているのかという話に入っていきます。難しくいうと「コンピューターらしい仕事をしたいから」っていうところで、仕事の質を上げていきたいんです。
どういうことかというと、ざっくりレベルが4段階くらいあると思っていて。刹那的な属人化した仕事をただやっているだけ、やったことがなにも残らないレベルは、レベル1としましょう。
それをなにかドキュメンテーションを残していく、マニュアルを作っていくことであったり、記憶を外部化していくところに関しては、レベル2としましょう。これは、1の力で1の仕事をやりますが、同じ仕事が出てきたときに楽になっていくレベルです。ブログ系のツールや、Evernoteはこのレベルなのかなと思っています。
次のレベルにNotionが含まれると思っていて。データベース化です。データを集積するところにもアプローチがあって、再利用できる、チーム内共有も高度にできるのが、このレベル3かなと思っています。
どういうことかというと、例えばデータベースの中に1の力で生み出したデータが1個追加されましたと。それをさまざまな場所からアクセスして、それぞれの場所からフィルターをかけて見る、のようなところで。1ヶ所だけで効果を発揮するのではなく、いろいろな場所で効果を発揮するところが、データベース化の肝かと思っています。
もちろんこの先もあります。「本当はここがやりたい」というのは、もっとアプリケーション化していくことです。Notionのビジョンにも同じようなのがあって「まさに」と思いました。自分たち専用のアプリケーションをどんどん作っていくところ。データベースとアプリケーションがあって、いろいろなことができるようになっていく。
自動化されたり、AIが入ってくることもあるでしょう。そのようなレベルにいきたいなとは思っていますが、ここはNotionのAPIが出来てからの世界かなと思っています。
現在もデータベース系のツールを使ったり、エンジニアであれば自分でどんどんこういったアプリケーションをたぶん作っていけますが、僕らはデザイナーが中心の集団で、エンジニア集団ではありません。
今はみんなのアクセスのしやすさだったり、馴染みやすさも含めると、Notionのレベル、レベル3がちょうどいいんじゃないかなと思っている感じです。
プロジェクトにデータベースを活かしていきたいということで、いろいろやっています。デザインのリファレンス。「参考になるものを集めていこうぜ」みたいな、デザインリファレンスDBのようなものを作っています。
スライドに映っているものはダミーのものとか、いろいろ混ざってくるので、場合によってはフィクションであることをご理解ください。
こんな感じで、デザイン参考データベースを作りましょうと。これを1ヶ所にまとめておくだけでなく、各プロジェクトのポータルページから、「このプロジェクトはこのデザインを参考にしていこう」のようなものをどんどん集めていきます。自分たち用のコレクションを作っていけるんです。
自分たち用に増やしたものが、次のプロジェクトに活かされるかもしれないというところで、先ほどの再利用性を狙っていきたいと思っています。
図書館です。やはり本を整理したいです。これでみんなが買って読んだ本とか、このプロジェクトに入るときに参考にすべき本みたいなものも、全部この図書館データベース、“みんなの感想文データベース”としていますが、ここに貯めておこうと。
これもさきほどと同様、プロジェクトにとって必要な本は自分のプロジェクト名でフィルターをかけられるようにしておいて、自分のプロジェクトのトップページに置いておく。「このプロジェクトでは、この本は必読だよ」みたいなものを簡単にできる状況を作りたいと思っています。
今僕の中で画策中なのは、ここにちゃんとした情報を貯めてくれたら、その書籍の購入代はタダにするアプローチは、メチャクチャありなんじゃないかと思っています。
役に立つ情報で、その情報を貯めるということに、会社としてはやはりいくらかの投資をしていくことは意識的にやるべきなんじゃないかと思っているので。そういうアプローチも可能性を感じています。
次に面談室です。別にケンカしているわけじゃありません(笑)。Anywhereの中では、けっこう1on1をやっています。その1on1がどんどん貯まるようになっていて、1on1の内容もなるべく書いてね、と。ただセンシティブなことは書かないでね、といったかたちにしています。
1on1のシステムはいろいろあって、メンターとしての1on1や、あとは“ご指名1on1”といって、週に1回30分、好きな人に話を聞きに行っていい、というものを作っています。僕らAnywhereの組織のメンバーって、みんな初めて集まったメンバーだったりもするので、いかにコミュニケーションパスをたくさん作っていくかがすごく大事です。
ただみんなに「話して」って言っても、話すような“陽キャ”ばかりではないというところで。そんなメンバーきっかけにするためにも、こういった1on1の機会を活かしてほしいと思っています。
こうやって、みんなが気軽に1on1できるような仕組みをどんどん作っていく。これが別のところでロールアップで集計されて、誰が1on1を一番お願いされたかが見られるようになっています。
次が議事録です。議事録もなるべく統一したいなと思っています。とあるPodcastで、Notionではわりと1個のDBでガッとやられているということを聞いたので。僕らもそれに近いかたちにしたいと思っています。
内部のドキュメント管理は同じDBでやって、なるべくテンプレートから新規の項目を作るようにして。右上に議事録のテンプレートテーマのようなものを今載せていますが、こういったものを使っていくことを考えています。
大事なので、ここはポイントとして挙げていこうかなと思うんですけれど、「テンプレートを使って会議すること」が身についていると、ミーティングの改善を継続的に行えるようになります。
これがテンプレートを使っていないとどうなるかというと、「次からこういうふうにしよう」っていうのを、毎回みんなにアナウンスし続けなければいけません。テンプレートを使う習慣だけ身についていれば、ちょっとテンプレートを直していけば、みんな勝手にヌルッとその状態にもっていけます。
その状況を見ながら、「うまくいったね」とか「うまくいかなかったね」みたいな感じで、どんどん改善をしていく。一発で完璧なものを作るのは絶対に無理なので。そうやって改善の速度をどんどん高めていくのが、すごく大事かなと思っています。
案件共有会です。チームのところは隠していますが、週1で僕らは案件の共有会をやっています。振り返り会のようなかたちで内部的には言っています。週1で各プロジェクトから1人出てきてもらって、「今こんな感じですよ」と、「今やって、こういうのよかった」ところを共有する会です。
この共有会のまとめのページから、各プロジェクトの共有ページにリンクして発表していくというのがあるんですが、これを使って案件共有会からのナレッジ生成に取り組んでいます。
“Notion Chance!”というCalloutのタグを作って、これをコピペする。そのチームが発表しているところに、これ残しておきたいなと思ったら“Notion Chance!”が貼られるわけです。“Notion Chance!”が貼られたら、その項目をタイトルにした項目をナレッジDBに作ります。
そして共有会の最後に、「これ来週までに埋めてきてね」のようなかたちでメンバーに伝えると、発表からナレッジの生成までをスムーズにつなぐことができるかな、と思っています。このナレッジDBに溜まったものは、先ほどのエントランスにちょっと漏れだしたりするかたちで、どんどん再利用できるようにと考えています。
大事なポイントとして、やはり浸透が大事だなと思っています。どんなにいいツールでも、組織への浸透の仕方を間違えると、アレルギー反応が起こったり、ぜんぜん使ってもらえなかったりということがあるので。このへんもいろいろ考えていくべきかなと思っています。
僕らの中で出来上がったもので、給湯室みたいなものがあります。「オフィスなんだから、給湯室が欲しいんじゃ」みたいなことを誰かが言って(笑)。じゃあ作ってみようかといろいろやってみた結果、スレッドを立てて、全部コメントでコミュニケーションしていくコーナーがあるとおもしろいんじゃないか、みたいなことで作ってみました。
これはDBの1項目になっていて、「みんなのオススメ本を知りたい」とか「ダイソンユーザー集まれ」みたいなのがあって。これ開くと、コメントだけでコミュニケーションをしていく、2ちゃんねる的な掲示板スペースが出来上がります。
2ちゃんねると違うのは、誰か更新があったときに、フォローしていればちゃんとプッシュで通知がくるんです。「こんなにリテンションの高い掲示板があるのか」というものが出来上がって。
でもこれをきっかけに、Notionに戻ってくる人が増えるということは、(こういうことを)たくさん考えていくべきなのかなと思っています。なるべく距離感を近くすることを考えていきたい。
あとは、おはようコーナーのようなものもあります。「おはよう金曜日ー!」のようなこととか、本当になんでもいいです。一言書いて天気だけ選んで、みんなが「おはよう」って言う場所を作ってあります。
これもコメントできるんですよ。「今日は調子悪いな」みたいな人に対して「大丈夫?」みたいなのを書くことによって、Notionの中にちゃんとコミュニケーションを混ぜ込んでいくことは、すごく大事なんじゃないかなと思っています。
この下が、ちょっと濃くなっているんですけど。これをさらにリテンションに活かすには、僕としてはデータベースにデータが追加されたときに通知が飛んでほしいんじゃ、ということは非常に強く思っているので(笑)。これをぜひなんとかしてもらいたいな、というリクエストです。お願いします。
どうしてこういうことを考えていくかというと、ツールの浸透を考えることはやはりデザイナーの仕事だと思うんです。最初のハードルをなるべく下げる、そして、なるべくリテンションを生むような仕掛けにするというのは、デザイナーがまさにUXやUIで考えていくべきところなので、これを頭が擦り切れるくらい考える。
もちろん仕組みだけでは回らないところは愚直に手を動かしたり、地道に声をかたりする必要もあるでしょうというところも含めて考えていくと、デザイナーとしてやりがいがあるんじゃないかなと思っています。
ということで、データベースと遊びながら、APIで次のレベル4にいける日を待っていますので、Notionさんに期待しています。最後に、Anywhereはずーっと積極採用しているので、こういうところで一緒に仕事をしたい人はお声がけ、もしくはWantedlyで探して声かけてください。
ということで、以上です。ありがとうございました。
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