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オープニングトーク「hey における PdM の役割とは」(全1記事)

PdMは意思決定するからこそ説明責任もある STORESが大切にしている「誰に・何を・なぜ作るか」の「なぜ」

heyのPdM 陣とデータアナリストが「データ分析を活用したプロダクト開発」について語る"hey Talk" Product Manager。ここで、取締役CPOの塚原氏が登壇。heyにおけるPdMの役割について話します。

自己紹介とheyのサービスについて

塚原文奈氏(以下、塚原):まず簡単に自己紹介します。塚原文奈です。今はheyの取締役CPOをしています。データに関する話は、たぶんほぼありませんが、2003年に新卒でインテリジェンスという会社に入って、そのあとサイバーエージェントに入りました。フリーランスを経て現在、という感じです。

当時、ブラケットという名前で会社がありましたが、STORES.jpができる前から入社して、入ってからSTORES.jpができて。途中でSTORES.jpの代表になって、今に至ります。

今、heyで私はプロダクト部門の管轄をしています。特に新規事業領域と、体験設計系の領域を見ていて、一部のプロダクトオーナーやプロジェクトマネージャー、あとはデザイン部門を管轄している感じです。

私たちの展開しているサービスについて、サラッと紹介します。私たちは「Just for Fun」というミッションをもとに、楽しみや情熱に駆動されるような商売を支えるサービスを作っていて、今は3つのサービスを展開しています。ネットショップが簡単に作れる「STORES」と、お店のキャッシュレス決済をすぐに導入できる「STORES 決済」、簡単に予約システムが使える「STORES 予約」の3つを運営しています。

特にスモールチームのお客さんに喜んでもらえることが多く、彼らの商売をまるっとデジタル化する支援をしています。

heyにおけるPdMの役割

本題です。今日の私のトークは「heyにおけるPdMの役割とは」というお話です。まずちょっと結論からですが、heyのプロダクトマネージャーの役割は、「誰に・何を・なぜ作るか?」を決め、それをかたちにしてサービスの成長に責任をもつ役割を担っている、と考えています。

もうちょっと体制などの説明ができればと思います。まず、heyはサービスごとにプロダクトオーナーがいます。会社としては今4人いて、既存のサービスに1人ずつと、あとは新機能の領域で1人です。プロダクトオーナーの配下にプロダクトマネージャー陣がいる配置になっています。

プロダクトごとに人数がちょっとずつ違いますが、今だとプロダクトオーナーを入れて、STORESとSTORES 決済は3人。STORES 予約は2人です。プロダクトオーナーは、言わば事業責任者になるので、サービスの成長に責任をもって、なんでもする感じの立ち位置です。

具体的には事業のPLや、年間の重要なKPIを設定したり、戦略の方針を考えたり。もちろん大まかなロードマップのテーマも決めたりします。事業責任者なので決めるだけじゃなく、例えば事業数値を見ながら開発やビジネス部門と議論をしながら、打ち手を考えることもしています。

プロダクトマネージャーは“プロダクトオーナーのメンバー”というかたちで一緒に動いていきます。プロダクトオーナーが年間で考える全体戦略に基づいて、具体的に誰に向けて何を開発するのかを決めて、それをなぜやるのかをみんなに説明しながら、関係者を巻き込んでいきます。結果的にどうやってかたちにするかを議論しながら開発していくスタイルです。

プロダクトマネジメント部門は、テクノロジー部門やデザイン部門、ビジネス部門と切り離して独立的に部門を作っています。これは開発寄りやセールス寄りなど、何らかの視点に引っ張られ過ぎず、ちゃんとお客さんと向き合って開発の優先順位を決めてもらいたい意図があるため、独立的な部門としてやっています。なので、役割上は本当に“サービス作りのハブ”という感じですね。

プロダクト開発の仕方は無理に統一しない

私たちがサービス作りをする時には特徴が出ます。何を作るかの優先順位づけをする時に、けっこう独特の考慮点が多いです。私たちheyは既存の子会社3社が統合してできているため、それぞれのやり方で独自の進化をしています。プロダクト開発の仕方は、チームごとそれぞれ任せているんです。

例えば、ECは1人のプロダクトマネージャーに対して担当の開発チームがありますが、そこに対して、決済チームはプロジェクトごとに開発のメンバーを都度担当を決めて、全体のスケジュールを調整していくやり方を取っていたり。どちらがいいとかはまったくなく、お客さんにとって一番気持がいいものの中で、早くて効率が良くて、質がいいやり方があれば、それでやっていく方針です。

そのため、3社のやり方があったときに、無理に何かを統一するやり方はしていません。しかし、サービスをまたいで何らかのプロジェクトを一緒に連携していくとき、ビジネス部門との連携が多いんですが、そういうときはそれぞれの前提となる考え方とかやり方が違うため、認識を合わせることがすごく必要になってきます。

認識合わせだけを聞くと、「ちょっと堅苦しい」「面倒くさい」と思う人もいるかもしれません。しかし、私はけっこう「これはheyの特徴でもあり強みだな」と思っています。本当に7年、8年、9年やっているサービスがそれぞれあるので、トライ&エラーをしている数がそれぞれ非常に多いです。

そこでのベストプラクティスが自然に知れることは、すごくいいなと思っています。あとは、顧客の幅がとにかく広いです。サービスをまたぐと本当に幅が広くて、例えば趣味で自宅でアクセサリーを作っている主婦の方々もいますし、年間数百億円規模を売り上げているようなお客さんもいます。

業態も裾野もすごく広いため、ニーズもすごく多種多様です。その上で、私たちの売り上げを伸ばすためのコントロールするレバーがすごく少ない。サービスオールで見ると、収益の柱が月額の課金と、売れた分の手数料という従量課金です。ただ、従量課金に関しては、私たちが何かを販売するわけではありません。

使ってくれるオーナーさんが、在庫を用意したり商売をした結果、一部をちょっとビジネスさせてもらうかたち。かなりお客さん側に委ねられているビジネスになっています。そのため、直接的なコントロールは非常に難しいです。基本的には、かなりの長い時間をかけて何年もジリジリと積み上げながら増えていった結果、やっと売り上げが出るようなビジネススタイルでやっています。

“今日やったことが、明日見える”ものはあまりありません。けっこう私たちならではの考慮点が非常に多いので、何を作るかというときに「それはなぜなのか」をきちんと言語化することが重要だと思っています。

heyの“責任と権限”の文化

「なぜ」を、私たちがどう捉えているか、という文化の話です。heyでは“責任と権限”という概念が使われる文化があります。「何かの権限があると、何かの責任があるよね」という、そういう話です。例えば弊社で言うと、経営をオープンにしていく前提のもと、経営メンバーは重要な経営ジャッジをする権限をもっています。

その代わり、経営会議の議事録は公開されるし、大切な経営ジャッジは全社で説明会などが行われています。全社の説明会などをしたあと、アンケートを回収しますが、アンケートを回答するメンバーは、疑問に思ったら誰でも自由に、いつでも質問ができる権限があります。

それと同時に、質問責任があるとも考えていて。質問する場合は質問責任のもと、アンケートに名前を記入してもらって、回答を回収しています。それと同じように、heyのプロダクトマネージャーは作るものの意思決定の権限があるからこそ、「なぜ?」を説明する責任があると唱えています。

「誰に・何を・なぜ作るか」とともに責任をもつのがheyのプロダクトマネージャー

最後にまとめると、heyのプロダクトマネージャーは、「誰に・何を・なぜ作るか」を決めて、かたちにして、サービスの成長に責任をもつ役割を担っています。その中でも「なぜ」がとても大事と捉えているという話でした。私からは以上です。

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