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サービス改善における数値との付き合い方(全1記事)

その数字の見方は本当に正しい? 定量データを扱う際の3つのポイント

UXデザインを題材にしたイベント「UX JAM Online」。初学者や若手でも気軽に登壇できると好評です。 3回目となる今回、「サービス改善における数値との付き合い方」のテーマで西村純氏が登壇します。ネットショップを作るサービスのデータ分析をしている同氏。現場の目線から定量データを使用したサービス改善の注意点などを話します。

定量データを扱う際の3つのポイント

西村純氏(以下、西村):本日『サービス改善における数値との付き合い方』というテーマで発表する西村です。よろしくお願いいたします。まず、自己紹介から。本格的なネットショップが作れるSTORESというサービスのデータ分析をやっています。Twitterもやっているので、ぜひフォローしてください。

僕はデータアナリストなので、ふだんは定量データを多く扱っています。そこで、定量データの利点や、定量データを扱うときの注意点を3つ、UXに絡めながらお話できればと思います。

定性と定量の役割分担

まず1つ目、定性と定量の役割分担から。なぜこれを把握しておくことが大事かというと、定量データは具体的な数字で表現されることが多いと思いからです。数字で勝ち負けを出されると、「これ、数字で勝っているんだからいいじゃないですか」みたいな感じになって、なにも言えない状態になってしまいます。

ただ、それだけで判断してしまうと、サービスの世界観を壊したり問題が起こりやすくなる可能性が。そこで役割を把握することが大切です。「ここはデータが得意な分野だ」みたいなのを理解しておくのが大事かなと考えています。

これは昔、メルカリの樫田さんがどこかで使っていた図です。内容としては、サービスにおける抽象的な部分から具体的な施策実行の流れが書いてあります。わかりやすい図なので、うちの会社のスタイルにアレンジして使っているんですが。

最初の段階の世界観を考えるところや、なぜやるのかはデータではとてもできません。全体の方針が決まって要素分解をしたり、注力ポイントを決めたりするところでようやくデータや過去のログ分析が力を発揮できるかなと思っています。

もっと得意なところとしては、具体的な施策を打つときの事前調査。効果測定をやったりするところは、データの力が発揮できるかなと思っています。

施策を打つときも、全体の体験を考えて統一させておくことは、データが苦手な部分です。そこはUXデザイナーと協力していく必要があるでしょう。これらを理解して共存することを意識して、僕は日々働いています。

事業の数字と施策の数字は区別して考える

次に2つ目、事業の数字と施策の数字は区別して考えることについて。例えばECサイトにおいて事業の数字の目標が、1ユーザーの1ヶ月の注文回数が7回だから10回にする、とします。

数字だけ受け取ると、週2回くらい利用している人に、もう1回プラスで使ってもらうにはどうするかを考えるでしょう。まず、注文数とユーザー数のグラフをご覧ください。

事業の数字って、わりと平均値で語られることが多いと思いますが、実際のユーザーって1回だけ買っている人が圧倒的に多いです。施策としては、1回買ったユーザーに、もう1回買ってもらうにはどうするべきか。この方法を考えたほうがいいと思うことが、けっこうあります。

これって事業の数字と施策の数字をしっかり区別して考えることで、解決できる問題なので、ここは意識したほうがいいと思っているところです。

定量データが得意なのは部分最適化

3つ目の定量データが得意なところは、部分最適化という話になります。例を挙げると、レコメンドエンジン......商品をオススメするような機能を作る場合。「クリック数が上がるように作って」っていう要望はけっこうよくある話だと思います。

このオーダーどおり作ると、例えば同じ冷蔵庫や、感情的に意図しないものが並ぶ結果になってしまうかもしれません。

これはクリック数をアップすることに最適化するのが正解です。実際は商品のバリエーションを出す必要があったり、すでに買ったものは出さないほうがいいなど考慮するべきポイントがたくさんあります。考慮するべきことが多くなると、データでの解決は困難になるでしょう。

対策として、方針としてどうするかを決めることがときには必要です。

ちょっと駆け足になりましたが、まとめとしてデータ分析には得意なことと苦手なことがあります。それを理解して定性と定量を融合させていきましょうという話でした。発表は以上です。ありがとうございます。

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