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トークセッション 「漫画×テクノロジー」 ーデジタルアップデートには漫画の力が必要だー(全3記事)

平成は「一億総びびり症」の時代だった iU学長中村伊知哉氏が語る、漫画×テクノロジーの課題と可能性

これからのエンジニアに必要な知識を業界第一線で活躍するトップランナーから学ぶためのトークショー「sight update session」。第11弾は、「漫画×テクノロジー」をテーマに、クリエイティブコンテンツを活かしたICTプロジェクトなどを手掛けるiU学長の中村伊知哉氏と、大手外資系IT企業のクラウド・デベロッパー・アドボケイトであり漫画化でもある「ちょまど」こと千代田まどか氏がディスカッションを行いました。

日本が抱える「漫画×テクノロジー」の課題

西村真里子氏(以下、西村):みんな「漫画好き!」とか、ちょまどさんも漫画を描いているというところがあるんですけど、漫画というコンテンツとこれからのテクノロジーのかけ算を考えたときに、日本としての課題というか。

とくに、伊知哉さんが今までデジタル漫画とかデジタル教科書とか、コンテンツをデジタルに載せていくという取り組みをずっとされていると思うんですけど、「漫画×テクノロジー」で伊知哉さんが今、課題とみるところや行き詰まっているところ、ここは打破したいというところをいくつか教えていただきたいなと思っています。

中村伊知哉氏(以下、中村):やっとこれからだと思うんですよ。今でこそ漫画は国の宝みたいに思われているけど、それまでは国から見たら規制の対象で、「読んだらダメ!」「バカになりますよ!」と思われていた。

「クールジャパン」という言葉が生まれたのは2002年で、それもアメリカから入ってきた言葉なんですよね。「あぁ、なんだ。日本ってクールなのか」って自分たちが気が付いて、それから10年ほどかかってやっと「漫画いけるよね」となったんだけど、漫画を作る人たち、クリエイターが国内で成功して「海外にいきましょう」となってテクノロジーを使わないといけないところでテクノロジーがうまく使えていない。デジタルやテクノロジーの面で海外に遅れた面があるから、それをどう乗せていくかなということかなと思います。

西村:テクノロジーで制作する作り手はいるけど、どうでしょう。他の国は最初からデジタルでやっていたり、プロセス自体が全部変わっているということですか?

中村:例えば、韓国は紙の漫画ってほとんどないんですよね。デジタルに負けちゃったわけですよ。これは10年前のことで、だから最初からデジタルに切り替えているというか、僕の韓国人の教え子でユンイナンという作家さんがいるんです。韓国でスマホで漫画を描いてスマホで読むスタイル、韓国で言うとWebtoonというんですけど、それを成功させた人で、もう日本に行ってそのビジネスを逆上陸させて来ているんですよね。

東村アキコさんが『偽装不倫』というのをスマホ向けに連載を始めましたけど、それはユンイナンさんの事務所でやっているんですよ。

西村:おぉー。すごい。

中村:だから、日本は紙の漫画でとても成功したので、デジタルに切り替える必要性が薄かった。その間に海外がガッといっちゃったということで、これはどの分野でも同じなんですよ。教育もアナログノートなり、紙と鉛筆の教育で戦後の日本は大成功した。世界に冠たる教育システムを作ったので、デジタル教科書やITはすごく遅れていて、途上国でもダメな状態なんですよね。

西村:今はどんどん入れ替わっていっている感じなんですか?

中村:漫画の世界はデジタルで描く人がすごく増えましたけど、出ていく媒体が基本的に紙で、その商売がまだもっているから全国には切り替わっていません。だんだん世界に出て行こうとすると、紙からデジタルに切り替えていく必要があって、少なくとも作っている側はどんどんデジタルに切り替えておかないといけないよねとなっている。

これはアニメも同じです。今はどんどんネットに回っていて、伝達させる手段もネットに変わってきているから、そっちのほうが早いかな。教育でいうと、日本の小学校はパソコンが5人に1台で世界最低レベルなんですよ。1人1台にもっていかないといけない。ところが、ここでコロナが来てみんな休校になっちゃって、「家でパソコンでネットを」となって、Microsoftの商品を売らなきゃとなっている。

だけど、これは一気にいくので、一気にいかないと難しいなと。ついでに言うと、ゲームもそうですよ。日本のゲームは任天堂とソニーで、30年も前に世界の王国になりました。だけど、それはテレビ向けのゲームだったわけですよ。世界が日本に負けちゃったので、パソコンとネットのゲームの世界にシフトしました。それをeスポーツと呼ぶと。だから日本はeスポーツに遅れたわけですよね。

西村:なんか今までが輝かしかった分だけ、どんどん遅れが見えちゃってる感じですね。

中村:ここまではそうなんですよ。平成の30年で負けちゃったという、そんな感じじゃないかな。令和でもう1回なんとかしましょうという時期になると思います。

スマホアプリが漫画業界を盛り上げている

西村:ちょまどさん、今の話とこれまでの経緯を聞いて、自分自身の話と照らし合わせて「あ!」と思うことって何かあります?

千代田まどか(以下、ちょまど)氏:照らし合わせてというか、率直に思ったのが、すごくもったいないなと。韓国は最初からデジタルに入っていたという話で、日本は紙媒体で成功しちゃったからあまりシフトできずに遅れてしまったというのが、せっかくクリエイティビティや作品の質がすごくいいのに波に乗れなくなってしまったのが本当にもったいないなというのがあります。

自分の体験と照らし合わせると、例えば私は昔の漫画はぜんぜん読まなかったんですね。ジャンプとか最近の漫画はいっぱい読んでいて、最近は漫画は全部スマホでしか見ないんです。それでスマホのLINEマンガとかが、いろいろな昔の漫画をボンっと持ってきて、ある程度無料で読めるというプラットフォームになっていて、「もっと読みたくて24時間待てなかったら課金してね」というやつでじゃぶじゃぶ貢いでしまっているんですけど(笑)。

そのスマホの漫画アプリで初めて昔の漫画を読むようになって、だからすごくいいなと思って。そのスマホアプリがなかったら昔の漫画は(読んでいなかった)。

西村:確かに。

ちょまど:わざわざ紙を手に取ったりせずに、スマホアプリは「今日のおすすめの無料漫画はこちら」ってバナーとかを入れてきて、なんとなく押しちゃう。すごくテクノロジーの力が漫画業界を盛り上げているなと思っていて、やっぱりいいなと思いました。

西村:確かに。ちょまどさんはわからないかもしれないんですけど、『パタリロ!』って知ってます? すごく昔の漫画があって、このコロナの騒ぎで「マンガPark」で『パタリロ!』を無料で見れるようになっていて。幼稚園のときにちょっとだけ触れたやつが「おぉ! 無償で読める!」みたいな感じで、今までずっと疎遠だったのがまた仲良くなったというのを思い出しました。

ちょまど:胸熱です!

西村:(笑)。だから、こういうかたちでクリエイターさんもどんどんデジタルやテクノロジーを使うことが当たり前になって上にいければと思うんですけど、ここでちょまどさんにもう1つ聞きたいのが、今ちょまどさんは会社のUSチームにアドボケイトとして所属しているんですよね。

ちょまど:はい、そうです。

西村:先ほど(の自己紹介で)ライブコーディングをしていましたが、漫画というコミュニケーション主体で、例えばJavaScriptとかいろいろプログラミングのことを紹介されて、みなさんどういうかたちで見ていらっしゃるか、その反応も伺っていいですか?

漫画は国境を超える

ちょまど:かなりよくて、最近は(プログラミング言語の)Pythonを擬人化したんですけど。

西村:見せる? 見せちゃう?

ちょまど:そうですね。画像検索しているのでちょっとお待ちください。

西村:あ、ごめんね(笑)。

中村:Pythonを擬人化?

ちょまど:これがPythonちゃん。見えてます?

西村:見えてます!

ちょまど:外国の方向けに英語も書いたんですけど、私が何かを擬人化するときは絶対に「ただかわいい女の子を描いただけでしょ」とならないように、すごく研究してから書くんです。

西村:素晴らしい。これはどういう研究が入っているんですか?

ちょまど:Pythonのロゴがこれなんですけど、これは青と黄色のツートンカラーなので青と黄色の髪にして、あとは目もオッドアイにしました。

中村:おぉー。

ちょまど:あとはPythonの言語仕様的にインデントが大切で、インデントが崩れるとコンパイルエラーになったりするくらいすごく大事。他の言語のインデントはレイアウトを見やすくするなどの目的なんですけど、Pythonは本当にインデントが大切なので、Pythonちゃんは前髪ぱっつんにしてみたり。これでインデントが揃ってる。あとはパイソン(蛇)の髪飾りにしましたとか。

それから、Pythonはデータ処理系のライブラリがすごく多いので、データ処理が得意で超計算してそうだから、安直なイメージなんですけど眼鏡白衣にしたりとか、あとは、最近すごい流行りなので、ネクタイとかはモダンな感じにしました。あとは言語仕様のフィロソフィーの中にある「文法を極力単純化してコードの可読性を高める」という特徴から、シュッとしたポニーテールにしたりとか。Pythonコミュニティの方々に色々アイデアを頂きました。

外国の方からもけっこう好評で、「ジャパニーズカルチャーだね」とかすごく好評で、やっぱり漫画は国境を越えるなと思いました。

言語の壁があっても絵はみんなに受け入れられるから、漫画は他の国でもすごくウケていて。例えば私の社内のTeamsの中に「マンガチーム」というチャンネルがあって、「今期何見てる?」みたいな英語のディスカッションがバーーッと。「あれ、いつ翻訳終わるの?」みたいな。社内チャットに専用のスレッドがあるくらい。

だから、海外でもすごくウケがいい。国境を超える。英語と日本語での壁がない。

西村:素晴らしい。じゃあ逆に、国内と国外では温度感の違いみたいなものは感じないですか?

ちょまど:ないですね。なんかむしろ、なんだろう。もちろん国内もアニメ大好きですが、アニメがあるのが当然の風潮というか、その点では、海外の方が騒いでくれるイメージですね。日本のかわいいキャラがあふれかえっています。実際、私のアメリカ人の友達は「アメコミの作画に飽きているので、日本のかわいい作画が楽しい」と言っていました。

日本の漫画が持つ「壁を超える力」

西村:なるほどね。ここは伊知哉さんにも聞きたいと思います。伊知哉さんとはJapan Expoでも一度お会いしたことがありますけど、先ほどのサンフランシスコやカリフォルニアの漫画のイベントも含めて……日本からすると当たり前というか、かわいいキャラがたくさんあるということがあるかもしれないですけど、そこの良さをあまりリスペクトしていなくて、逆に海外の人たちのほうが今すごくありがたがってくれているなと私は思っているんです。もうそれは当たり前になっていて、さらに向こうでも同じようなものが作られているとか、どんな感じなんですか?

中村:当たり前になりましたね。この10年で当たり前になって、一世代過ぎたというところじゃないかな。最初に日本の漫画やアニメが海外に出始めた頃、例えば漫画で言うと西洋の本は横書きだから左手が動く本で、日本の漫画は右手が動くから左右逆なんですよね。日本の漫画を海外に輸出するときは左右逆に印刷をして輸出していたんですよ。

だから、フランスでもイタリアでもドイツでもアメリカでも、初期に売られているものは、例えば『犬夜叉』だったら主人公が右手で弓矢を引っ張っているのが、向こうで読む人は左手で読むんです。

それが、5~10年頃前かな? やっぱり日本の本場のオタクの人が読んでいる読み方で読みたいということで、日本と同じ右綴じというか、右手で開くのに翻訳を付けて売るようになった。もう漫画のコーナーは、フランスのバンド・デシネやアメリカのアメコミよりもたくさん日本の漫画が翻訳されて並んでいるけども、右手で開く本が本屋で並んでいるというのは西洋文明始まって以来のことですよ。それぐらい壁を乗り越えていっちゃうわけですよ。

西村:すごい。

中村:日本の漫画の中に「ガガンッ!」とか「ドカン!」とか「ボワーン!」という、いわゆるオノマトペがあるじゃないですか。あれって、日本は英語の表現の数倍もあるんですよ。だからそういう漫画上の音の表現が初めて西洋に出ていって、そのまま訳せないから「GAGAGAGA!」とか「DOKAN!」とか「BOWA-NN!」とかアルファベットとなって出ているというのも、壁を超える力というんですかね。

西村:すごい! 確かにアメコミとかだと「BOOM!」とか、いつも同じような感じだなと思ったんですけど。

中村:でも、それは僕らよりも外国の人に発見をしてもらったほうが早いんじゃないかな。

西村:第三者が見たほうが良さに気付きやすいというのは、漫画でも起きているということなんですね。

海賊版問題

西村:今のここのテーマとしては、「漫画×テクノロジーで見えてきた日本の課題」としてしまったんですけど、伊知哉さんは、コンテンツを海外に持って行くとかコンテストをやるときに、民間だけに閉じずにガバメントのほうにも、政策とかも含めていろいろ動かしているのが私はすごいなと思います。まさにクールジャパンとかもそうかもしれないんですけど。

そこの中の人はどんどん変わってきているかもしれないんですけど、みんなのマインドや意識がどう変わったら動きやすいと思われているのか、現状の課題を教えてもらっていいですか?

中村:中の人というのは、国とかそういうところ?

西村:とか、お堅い方とかそういう方。そういう方の話を聞いて、ちょまどさんに託して、ちょまどさんがそこのブレイクスルーを作ってくれたらいいなというところで聞きたいなと思っているんですけど(笑)。

中村:まだ厄介なことはいろいろあって、例えば去年、一昨年でとても苦労したのが海賊版なんですよ。漫画は世界の人がみんな好きだから世に出るんだけども、ネットに変えてどんどんビジネスにしたいんだけど海賊版のほうが勢いがあって、みんながそっちを読んじゃうからビジネスにうまく乗っからないということ。

だから、海賊版をつぶそうぜということで、ネットのブロッキングということで「読めないようにネット側を遮断しましょうか?」と。これを国の政策でやろうかと言ったら、それは表現の自由にバッティングするという問題になってすごく揉めたんです。

結局その後、海賊版の問題は下火にはなったけれども、漫画という表現とテクノロジーを合体してビジネスにしようとすると、そういう思いもよらない大きな問題が出てきていて悩ましいんですよね。

やっぱりクリエイティブな人はすごく多いけども、それをどうやってビジネスにして儲かるようにするかということを同時に考えていかないと続いていかないので、放っておくと「海賊版で全部読まれちゃうなら漫画やーめた!」と言って他のジャンルに行くというのが出てきてしまうので、悩ましいですよね。

今のコロナも、クリエイトする人がどうやって乗り越えたらいいだろうというとすごく悩ましい問題で、答えはないんですけど、なんとかしていかないとなと。

西村:でもそれってちょっとわからなくて、例えばちょまどさんは著作権とかどう思います? 実際に……。あ! 先生もう飲んでる! いい感じ。あとで乾杯しようと思ったのに(笑)。

(一同笑)

力の源は二次創作にあり

西村:もちろん著作権で守るというのはもちろんビジネスをやる上で大切だけど、同時にWebってみんなが見られるとか、普及率みたいなところでいくつか切り分けを作れるのかなと思ったときに、ちょまどさんは自分が作ったものに対してとか二次創作とか、そういうものについてどう考えていらっしゃるか聞いていい?

ちょまど:そうですね。著作権は当然大切です。大切ですが、正直、自分が高校、大学のときに二次創作をする側だったので偉そうに言えないかも……(笑)。

西村:(笑)。でもそうだよね。何かするときに模倣から入っていくもんね。っていうフォローをしてみる(笑)。

ちょまど:いやでも、描いてもそれでお金を作ったりとかはしてなかったのであれなんですけど、やっぱり著作権は大事だと思いますね。絶対に制作者の権利は守られるべきだと思いますし。でも一方で、二次創作 (ファンアートなど) も全面禁止など、ガチガチにしようとなるとクリエイティビティが削がれるという、本当に難しい問題だなと。

中村:二次創作とおっしゃってたけど、やっぱりそれはとても大事だと思うんですよ。著作権を囲って守るのも大事だけど、日本は二次創作大国で、みんなが二次創作で作ったから大きくなってきたんですよね。だから力の基は二次創作にあるとは僕も思うので。

ちょまど:本当にそうなんですよね。とくに原作様への不満があると二次創作へ……。

西村:原作「様」って言うんだ(笑)。

ちょまど:例えば、原作様の最新話で自分私の推しキャラが死んでしまったとします。すると、そのキャラが死なない世界を作るしかないんですよ。そうすると同じことを考えている世の中の腐女子がたくさんいるので、みんなで盛り上がってポーンっと、大きいのができるんですよね。

その二次創作ででレベルアップした結果、そこで蓄えた画力とかシナリオ構成力で自分のオリジナル作品が作れたりする。世の中の漫画家さんも二次創作畑出身という人がけっこういる気がするんですよね。

中村:「原作さん」という言葉が素晴らしいですよね。だから原作の人に「さん」付けでリスペクトがあって、そこからまた自分の原作を作ってるんでしょ? この力だと思うんですね。僕、日本は原作力で生きていくんだと思うんですよ。

いっぱい漫画の原作があって、そこからアニメができたりキャラができたりいろいろ展開していくというのがいいんだよなぁと。初音ミクをたくさん生んでいく必要があると思っていて、あれが典型だと思うわけ。

初音ミクはボーカロイドというテクノロジーとアニメキャラのミクちゃんというTechとPOPが融合していて、しかもそれをニコ生というプラットフォームというかSNSでみんなで育てたわけですね。「作詞してみた」「作曲してみた」「演奏してみた」「踊ってみた」というみんなの貢献で、みんな力(みんなりょく)ですよ。みんな力で育てた、PopTechのこれが強みだと思うんだよなぁ。

平成は「一億総びびり症」の時代

西村:でもそうすると、もしかしたら、その二次創作をみんなで作る……里中満智子先生とかもみんなで作るみたいな話がある中で、もしかしたら最近のコロナとかでも……。

ちょっとごめんね、話が一瞬飛ぶけど。接触確認アプリ(コンタクト・トレーシング・アプリ)というのがあって、そこで個人情報が取られるんじゃないかとか、本当は取られないんだけども怯えるだけで使わないとか、海賊版で盗まれるからやらないとか。やる前から「いやー!」って閉じてしまうところを変えていかないと、それこそ生徒さんが5人に1台しかパソコンがない時代から抜け出せないんじゃないかなと思っていて。

そういうマインドとかも、今回の騒動で変わっていくのかなと思うんですけど、日本人のそういう「ウッ」となってしまうことに対してどうやったら跳ね返せるか。私はどうしてるとか、伊知哉さんだったらこうしてるというのがあったら教えていただきたいなと思います。

中村:おっしゃる通りで、僕は平成の30年間は「一億総びびり症」で、びびってやらないというのが続いたので落ちてきた。

西村:一億総びびり症(笑)。

中村:なんか怖いと新しいものが出てきてもやらない。その典型がデジタルの教育だったんですよ。「みんながパソコンを使ったからこういうことになっちゃったんじゃないか」みたいな。だからやらない。でもそれって空気の問題だと思うんですよね。空気を変える。

令和に変わったので空気を変えようと思ったら、コロナで全然違う北風が来ちゃったから、もう1回なんとかして空気を変えることに使いたいなと思うと、オリンピックと万博をうまく使いたいですよね。あれはもう、大きい換気扇を回すみたいな感じで「空気を変えましょう!」と。世界に向けて「なんでもいいからそこに乗っかって騒ぎましょう!」というのをやりたいというのが1つ。

もう1つは、僕はじじいなので、じじいの役割って目を瞑ることだと思うんですよ。「これをやったらいかんのじゃないか」ということにじじいはワーワー言ってくるので、「目を瞑ろうぜ」と言って回るという裏側に立とうと。

西村:いいですね!(笑)。なんか言いそうな人たちに「ちょっとお前ら目を瞑ってくれ!」みたいな。

中村:僕のちょっと年上連中のじじいに「黙れ! じじい!」って言う。

(一同笑)

中村:これを5年ぐらいやろうかと思ってる。

西村:頼もしい(笑)。

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