2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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Michiko Sugai氏(以下、Sugai):いくつか質問の付箋もありましたね。
五ヶ市壮央(ごかちん)氏(以下、五ヶ市):おっ、そうなんですね。追いかけていきましょう。どのあたりにあったかってわかりますか?
Nami Hara氏(以下、Hara):あとチャットにも質問が。
Hara:そこに流してくれますか。
齋藤恵太氏(以下、齋藤):ここにあるよ!
五ヶ市:はーい。じゃあ、ちょっと付箋からいきましょうか。
Sugai:はい。私が今ポイントしてます。
五ヶ市:「コロナで一緒に作業できる時間が減っているんですが、Goodpatch Anywhereさんではどんな工夫をしていますか?」。
これは、たくさんあります。作業できる時間という意味では、まずはGoogleのカレンダーに自分の予定を全部入れる。先ほどのScrapbox日報みたいなもので「どの時間だったら空いているか」や「この時間に作業します」というのを共有します。
Slackでは途中の成果をガンガン投げましょう。相互レビューしたりクライアントやパートナーと一緒に「ここどうなっているの?」という課題を一緒に確認するような時間を作っていきます。
フルリモートは、このへんがすごく楽で、実際に現地に行かないといけない環境を作ってしまうと、作業自体が難しくなります。私は以前、ちょっと大きめの企業にいたことがあるんですが、打ち合わせするときは、部屋の準備やメンバー集めをして、時間の調整もする。そして、パートナーさんに「いつ来るの?」という連絡をするみたいな感じで、打ち合わせの部屋を確保するだけで半日ぐらいかかってしまいました。
このリモートのスタイルになってから、Slackで「今話せますか?」というメンションとZoomのURLを投げたら、その時点で打ち合わせを始められます。リモートだからこそというのかな? インターネットを全力で使うから実現できたみたいなもので、コミュニケーションや一緒に作業する時間を確保しています。
ただ、そのためにはFigmaやmiroみたいな一緒に作業できるツールを準備する必要があるとは思います。
恵太さん、何かしゃべりたそうですね。
齋藤:これに関しては、ここで謎のAnywhereマウントすると、「コロナになってからのほうが、コミュニケーションをとる機会が増えてませんか?」みたいなこともあるんじゃないかなと思っていて。
Anywhereのプロジェクトをやっていて、お客さんがリモートに変わって家でやるようになったプロジェクトに関しては、コミュニケーション量が増えているんじゃないかなと感じます。
全員がリモートでやれる状況を作れれば、コミュニケーション量はけっこう爆上がりする。1個のファクトとしてもあると思います。なので、そういう世界があるんだってまずは信じてみんなでやってみることが大切だと思っていたりします。
五ヶ市:コメントくださった方、ありがとうございます。では、次にいきましょうか。
齋藤:一番右の。
五ヶ市:「今回話した前提の考え方をどうやって組織に浸透させていますか?」
これはいろいろあります。最初に事業責任者の齋藤が、事業を始める前にある程度マインドセットを揃えていったのが1つ。プロジェクトを始めるときに「プロジェクトはこんなふうに進めて行く」という今回みたいなお話をキックオフのときにする。
もう1つは、各プロジェクトでぶつかった壁や乗り越えた山みたいなものをScrapboxに大量に貯めます。週次の全体定例みたいなところで、どんな壁にぶつかっているかなどを共有する。その中で「こんな取り組みやったらうまくいったよ」みたいな、ベストプラクティスみたいな、ベストまではいかないですけれども。その乗り越えた方法みたいなものを共有して、いろんなプロジェクトでサクッと実践します。
このサクッと実践するみたいなものが意外と難しいんじゃないかと思っていて。Goodpatch Anywhereは「うまくいったことはどんどん取り入れよう」みたいなもので、新しいツールとかやり方をすぐに取り入れるようなカルチャーがあります。
例えば、最近だとタックマンモデルが途中で出てきたと思います。これですね。
これちょっとぼかすためにあえて何がverticalかとか書かなかったんですけど、チームのいい状態が上、チームの悪い状態が下だと思ってください。時間が経つごとに「右側のほうに行くよ」というようなものです。すごく簡単に説明しました。本当はもっとちゃんとしているんですけれども。
「今チームの中で、どれぐらいの時間軸にいて、どのあたりにいるかな?」というのを、毎週の振り返り会のときに「せーの!」と言って指をさします。指さすと言っても、これなんか印があって、「せーの!」と言ってみんなでフイッて置いていくんですけど。
「こんな感じでチームの状態をモニタリングすると、チームがいい状況にいるのかどうかがモニタリングできますよ」みたいな取り組みしていたりしますが、これって誰かが上から言わて始めたわけではありません。誰かが「こういうやり方があるよ」と言って、それを「じゃあそれだったらこういうやり方できるんじゃない?」と取り込んでうまくいった結果、いろんなチームに浸透していった施策です。
どうやって組織に浸透させますかという質問は、小さいことの積み重ねでコミュニケーションを社内でいっぱい取っていきながら、実験できる状態を作る。というのが答えになるかなと思います。
齋藤:そうですね。だいたい五ヶ市さんが言ったことですべてみたいなところはあります。やっぱりなにか1個の施策をやって全部がこれが解決すると最初から思わないことが、大事かなと思っていて。「こういうふうに持っていきたい」みたいな方向があって、そこに対してのすごいハードなところからソフトなところまで全部やりたいことを考えて全部やる。みたいなことがやっぱり大事なのかなと思います。
じゃあキックオフをやりますと言っても、キックオフだけで解決するわけではない。1回言われてわかるみたいな人もいないですし。自分だったら30回ぐらい言われなきゃわからないと思うところもあったりするので、それぐらいの期待値を持ってやるみたいな。
軽く始めて、「なんか効果ないね」と思ったら別にそれすぐ引っ込めてもいい。「浸透しなかったね」「なんで浸透しなかったんだろうね」というのをチームで話すことがやっぱり大事だと思います。そんな感じで、1対1でソリューションが対応しているみたいな概念をあんまり持っていないで全部やるというのが、わりとAnywhereらしさかなと思ったりします。
あれ、ういっちさん、何か書こうとしてましたけど、何か言いたいところありますか?
渡邉宇一朗(ういっち)氏(以下、ういっち):ノウハウの共有ってどんなふうにされていますか? 成功や失敗といったものの、他のプロジェクトの人たちや社内への共有の仕方で、何か工夫している点などはあります?
五ヶ市:そうですね、まずは事業の中で学んだことみたいなところは、セキュリティ的な観点であんまりほかのチームに出しにくいことがあるかなというのがまず前提とします。出せそう、いわゆるプロジェクトの中身と関係なく、例えばプロマネみたいな観点で、「これはどのプロジェクトにも使えるな」と思ったら、Goodpatch Anywhere全体で見れるScrapboxにとりあえず「ガガガッ」と情報を貯めていくことをします。
あとは、このGoodpatch Anywhere全体の定例の中で「こんなことがあったよ」「こんな取り組みがうまくいったよ」みたいに共有して、わりとそれをすぐ自分たちのプロジェクトのSlackに流してパクるみたいなことをやってたりしますね。
ういっち:その場で共有する感じなんですかね。何かそういう場があるんですか?
五ヶ市:週に1回あります。
齋藤:毎週です。
ういっち:KPTがそうなんですか?
齋藤:KPTはKPTで別なんですけど。
五ヶ市:プロジェクトごとにある。
齋藤:そう。今言ってたのは、全体の振り返り会みたいなのがあります。プロジェクトから1人ずつ話す担当として出てもらって進捗であったりとか困っていることを共有してもらうみたいな会があるんですね。そこで何かいい解答が出たときには「じゃあそれをチームに持って帰ってね」みたいな感じで全体に展開をするであったりとか。
あと、参加するのはチームで1人だけなんですけど、その会はみんなラジオで聞いててもいいよみたいな状態になっているので、参加していないけど聞いてる人もいます。
ういっち:それはPMが出る感じじゃなくて、プロジェクトから誰か代表が1人出るみたいな感じなんですか?
齋藤:うん、誰かいればいいという感じにしてます。あんまりPMだけというふうに固定化するのもよくないかなと思っているので、その場で出られる人が出るみたいな感じです。
ちなみに、その前日にアンケートが自動的に飛んできます。「最近どう?」「このプロジェクトいい感じ?」みたいなものや「今週の学びありました?」や「ユーザーについてわかったことある?」な質問をポチポチって答えていき、その結果を見ながらフィードバックをしたりとかしていますね。
ういっち:へぇ。ありがとうございます。
五ヶ市:あと、私みたいにいろんな案件をふんわり見たいするみたいな人間が、ほかのプロジェクトで、「あそこのプロジェクトでこれうまくいってから、このプロジェクトにも適用したら?」みたいな感じで、ノウハウの持ち出しみたいなこともやったりしますね。
齋藤:あと留学生がいたり。
ういっち:プロジェクト間の留学生ですか?
齋藤:そうです。
ういっち:へえ。
齋藤:ほかの、もちろん情報共有しても問題ないレベルの人というところをある程度選抜はしますが、「じゃあ、あっちのプロジェクトが参考になりそうだから、ちょっとSlackのあっちのチャンネルに入ってきていいよ」という感じで、交換留学生みたいな感じで入れたりとかしています。
なので、「次に始まるプロジェクトはこういうプロジェクトだから、似たようなプロジェクトだから、やり方を見ておくと参考になると思うよ」みたいな感じで送り込んだりとか。
ういっち:それも固定のメンバーだけがやっているわけじゃなくて、その都度決めてやるんですか?
齋藤:そうです。みんなですね。
ういっち:へえ。なるほど。
齋藤:あとKPTのやり方でおもしろいかなって思うのは、全プロジェクトのKPTみたいな。KPTの中ってあんまりクリティカルなやばい情報って入ってこないじゃないですか。なので、このmiro上に全プロジェクトのKPTが見れるようにするんです。
ういっち:えっ!
齋藤:プロジェクトABCDみたいな感じで縦に並んでいて、毎週、じゃあ右のほうにそのプロジェクトの新しいKPTが伸びていく。みたいな感じにすると、「なんかうちのプロジェクトのKPTめっちゃ少なくね?」や「あそこめっちゃ多くね?」みたいな感覚だったり、「やっぱりもうちょっと言葉使わなきゃいけないのかな」みたいものから「あそこの本質的な議論できてる感ってなんだろうね」といったことの比較が可能です。ほかのKPTがその場に全部あるみたいなのはおすすめかなと思っていたりします。
ういっち:なるほど、そういう相乗効果とか、俯瞰して見れるとか、そういう利点があるってことですよね。
齋藤:そうです。これっていうコーナーに合わせていろいろやってますということもそんな感じですね。
ういっち:ありがとうございます。
五ヶ市:はーい。あとは、とりあえず付箋どれかっていう指定してもらっていいですか? コメントですね。
齋藤:右上のほうにも1個コメント付箋がありました。質問じゃなかったですけど……。それそれ!
五ヶ市:これですね。「プロジェクトにおけるチームだけでなく、事業部やチームを作る上でとても参考になりそう」。
齋藤:そう。いや、これね、もう完全に俺得なコメントです。Anywhereをやっててすごいおもしろいのって、1個のプロジェクトの中で成功するためにどうするんだと考えていることがそのまま組織に対しても適用できるってのが、めっちゃおもしろいなと思っているんですよね。なので、僕的にはここ完全にイコールで見てるところがあったりします。
五ヶ市:そうですね。その逆ももちろん然りで、プロジェクトとか案件みたいなのと組織が違うかと思いきや、だいたい一緒なことが多かったりとか、むしろその組織みたいな観点でプロジェクトを捉えながらうまく回していくほうがうまくいくことが多いかなという印象を持っています。
ほか、みっちーさん、どれいきましょう。
齋藤:ここじゃないですか。ここ。右下。
五ヶ市:これいきましょうか。
齋藤:それいきましょうかね。
五ヶ市:Slackbot。これで「形骸化しないための工夫ってありますか?」。形骸化したときは終わればいい、やり方を変えるときだと思います。確かにいい状況になってくるとどんどん減ってくるんですよね。「ああ、もう終わりかな?」というときになにかあるので、今のところ消えていないです。
ただ、そういうふうに形骸化したなと思ったときに、形骸化を止めるという工夫よりも、そのときに適したやり方にチェンジするマインドのほうがいいかなと思います。なぜなら、形骸化して死んでいったものはいっぱいあったからです。
齋藤:形骸化してきたことをやっぱりKPTとかで拾えるようになると、「なんでだろうね?」みたいな話ができるのでいいと思ってたりします。
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