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スタートアップRidge-iで働くエンジニアの多様なキャリア(全2記事)

多様なバックグラウンドの中で成功するエンジニアの条件とは? “Ridge-i流”のキャリアの積み重ね方

ディープラーニングの実社会での活用を推進するコミュニティDeep Learning Lab(DLLAB)が主催する「DLLAB Engineer Days」が開催されました。セッション「Ridge-iで働くエンジニアの多様なキャリア」では、スタートアップ企業であるRidge-iのチーフ・リサーチ・オフィサー牛久祥孝氏が登壇し、スタートアップで働くことやエンジニアのキャリアをどのように考えていくべきかについて語りました。後半は、Ridge-iのエンジニアの個別のキャリアについて紹介します。

博士過程からスタートアップへ

牛久祥孝氏(以下、牛久):ここから実際に、他の4人がどういう思いでここにジョインして、今はどういうことを考えているかを語ってもらいたいと思います。まずはMotazさん、Morganさん。英語になりますが、ぜひお願いします。

Motaz Sabri氏(以下、Motaz):ご紹介ありがとうございます。そして、私たちのセッションにご参加いただきありがとうございます。モタ・サブリと申します、ヨルダン出身です。

これはプレゼンテーションを始める前にお話ししておきたいことなのですが、私は社会において成功者として秀でることを求められる環境からきました。2008年にキャリアをスタートさせ、アウトソーシング会社でプログラミングを始めました。

そのあと、広島大学で5年間研究し、人工知能と認識について博士号を取得しました。このことが私にスキルを磨くことの重要さを教えてくれました。最初のステップから次のステップへいった(プログラミングから研究へ移った)のは、プログラミングの背景がとても静的で、研究による促進が必要だと思ったからです。これが日本に来てスキルを磨こうと思った理由です。

博士課程を修了したあと、プログラミングと研究の2つを組み合わせることでさらに上を目指すチャンスがあると気づきました。(当時)私には3つの選択肢がありました。ポスドクとしてビジネスとリサーチを結び付けて働くか、もっとなにかビジネス志向なこと、情熱を持って情報テクノロジーと一般の人々をコンバインするか、スタートアップで働くかで、スタートアップが一番良いなと思って選びました。

たくさんの選択肢があるなかで、Ridge-iを選んだのは非常に大きなポテンシャルを持っていたからでした。このビジネススキームにはとても強い力があって、他の企業があまり注目していない細部にまで目を向けているというところです。

応募して、採用されて、毎日の成果を構想して、帰宅後、昨日よりも良くなっているなと思えるんです。学べることがハイレベルですね。

私は自分の人生をフレームとしてとらえていて、このフレームはスキルなんです。成果をフレームに入れれば入れるほど、フレームは広く大きくなっていきます。一度でも毎日成果を出そうと考えるのをやめてしまうと、フレームは小さくなり、(できる)仕事も少なくなってしまうんですね。

Ridge-iにいて非常に良い点は、環境です。私は毎日学んでいますが、1人ではなくてみんなが協力してくれますし、私もみんなに協力しています。すばらしい点ですね。それから「もっと勉強して仲間と競争したい」と思えるストレスがいつもあります。これはとても建設的なストレスであり理由となって、さらに学んで貢献していけるようになります。

Ridge-iはディープラーニングを身近にしたり、たくさんの問題解決を行うことで社会の手助けをすることをテーマとしています。以上がRidge-iを選んだ理由です。みなさんが私たちの一員となって楽しんでくれたら幸いです。ありがとうございました。

LEFRANC Morgan氏(以下、Morgan):みなさん、ご参加くださりありがとうございます。私はモルガンです。私はモタさんにかなり似たバックグラウンドを持っていて、フランス出身です。

フランスではエンジニアリングの学校に通っていて、さまざまなサイエンスやエンジニアリング、プロジェクトマネジメントを学び、多岐にわたる学習をしてきました。

実は、フランスで少しだけ画像処理をやっていて、慶応義塾大学で修士号を取りたくて日本に来ることを決めました。画像処理ではなく、コンピュータビジョンやディープラーニングを当時学んでいましたが、非常にモチベーションの高い研究環境で先進的な技術を3年間学ぶことができました。

そのあと、博士課程に進むか就職するかの選択肢があり、私は後者に決めました。それは、研究はとても楽しかったのですが、ただ研究しているだけでは自分のスキルが具体的なシチュエーションで使われているようにはあまり感じなかったからです。

それから、例えば、どんなふうにビジネスが日本で行われているのか、AIなどのハイテクノロジーが実際どのように企業に必要とされているかを知りたかったからです。

それが理由で就職を決めて、一番良い選択肢はたくさんの経験をすぐに積めるスタートアップだなと思いました。スタートアップの一員となるのが非常に良い理由は、会社が小規模だと何が起こっているのかをよく理解することが大切だからです。

例えば、参加していないプロジェクトでも会社がなにをやっているのかの全体像が分かって、会社が有名になるポイント、つまり成功につながる部分はどこなのかを理解することが容易になります。30人規模だと、オフィスの中で何が起きているかをきちんと把握することができます。

もしスタートアップで働くことについてもう一言添えるとすれば、基本的に楽ではないです。高いモチベーションや一生懸命働くことを要求されますし、同僚と比べられることもおそらくあるでしょう。

物事に関しても速度を求められますが、経験をすぐに積めるので得るものは非常に多いです。私に不可欠なスキルを1年でこんなに伸ばせたのは、他の企業では達成することも、夢見ることもできなかったと思います。ありがとうございました。

牛久:ありがとうございます。最初の2人は聞けばわかるように、実際に英語で働いています。出身もそれぞれ情報系で、博士号や修士号を取っています。でもそれぞれ言っていることは、ちょっとずつ違います。

経済学部出身でも手を挙げれば何でもできる

次にまた別のバックグラウンドの人ということで、市来さんお願いします。

市来和樹氏(以下、市来):私のバックグラウンドは先ほどの2人とはちょっと違っていて、経済学部の出身です。実は大学を卒業するまでプログラミングをやったことはありませんでした。じゃあ「なんでこういうことをやっているの?」というと、私は経済学でけっこういろいろな勉強をしていて、困りごとを解決するのが好きで中小企業の研究をしていました。しかし、みなさんはモノづくりにはすごく詳しいのですが、情報系のことはぜんぜん知らないようでした。

「これってなんとかしないといけないよね」と感じ、情報系の会社に行きたいと思いました。そこで一番楽しそうで伸びそうな技術がディープラーニングだったので、ディープラーニングの勉強をしてRidge-iに転職しました。では「なんでスタートアップを選んだの?」となると思いますが、ディープラーニングが出てきたのはかなり最近で、それをビジネスにしているという事例は私が調べたときにはまだほとんどありませんでした。そうなると「既存の会社でやるのはけっこう難しいのでは?」と思い、スタートアップを選びました。

「実際に働いてみてどうでしたか?」ということについて感想を述べると、スタートアップではよくも悪くもまだ組織のかたちができていないので、けっこう手を挙げればなんでもできるというのがあります。

もちろんプロジェクトのコーディングもやっているんですけど、私は経済学部出身でビジネスにもかなり興味があるので、お客さんとのセッションや要件定義なところ、どうやってデータを集めるか、どのカメラを使うか、どこから撮るか、何枚集めるか、どんなデータが必要かといったところから、最後のデプロイでどういうハードを使うか、といったところまでいろいろ経験させてもらってます。それ以外のところだと、オフィスを移転したので椅子をどうするかといった細かいところや、営業、今回のイベントも実は牛久と一緒に私も企画から関わっています。

ディープラーニングは一つの手法でしかなく、お客さんにとってもただのツールでしかないので「実は問題が解ければなんでもいい」と思っています。いろいろな技術があるんだなと知れました。あとは、成果物に妥協しない。難しいプロジェクトが多いのですが、みんなでディスカッションをしながら最後まで諦めないでやるので、自分もすごく成長できるよい機会になっています。

簡単ですが、以上です。

牛久:はい。ありがとうございます。

エンジニアと活発に交流できる風通しの良さ

牛久:最後の事例ということでよろしくお願いします。

中野真人氏(以下、中野):どうも中野と申します。私は正社員ではなくてインターンとして、1年ぐらいこちらに携わっています。私は今、千葉大学大学院の修士1年で、画像認識の研究をしています。1年前にRidge-iとNHKが一緒にやった「モノクロの映像をカラーにする」という事例を見て、ぜひそこに携わりたくて、インターンをしています。

実際にこのスタートアップを選んでよかったことは、一つだけではなく、いろいろなプロジェクトにアサインされているエンジニアと活発に交流して、風通しのいい状態で知識を共有できるところです。そういったいろいろな経験やノウハウ、いろいろなドメインの知識が蓄えられ、幅広い視野が得られました。

先ほどのビジョンのところでも「ridgeは山の峰」という話がありましたが、実際に働いてみると、山というのは2つの大陸がぶつかってできる、そういったビジョンがあることをすごく思います。私たちが持っている最先端のディープラーニング、マシーンラーニングの技術とクライアントとの要求、この2つがぶつかってお互いが妥協することなく高みを目指していくというようなビジョンが、実際に働いてみて感じます。

牛久:ありがとうございます。ということで、駆け足でしたが、私を含めいろいろなバックグラウンドのある5人が、いろいろな想いを描きながら、ただ顧客と一緒に、AIあるいはコンピュータビジョンといった技術を使って問題解決をしていこうと考えている会社ということです。

いろいろなバックグラウンドから働ける環境

ここからは、実際に今手元にいただいている質問の中から、お答えします。さっそくですけど1個目「技術者以外の採用は行っていますか?」という質問。技術者以外の人も採用しています。「技術者になりたいけれども、まだ技術的なバックグラウンドはそんなに持っていない」という人も、Ridge-iで働けます。

実際に今日ご紹介した市来も「経済学がバックグラウンド」ですし、他にも似たようなかたちで、文系のバックグラウンドを持ってエンジニア希望で入ってきて活躍している人もけっこういます。

また、技術者以外でも当然、技術以外のバックグラウンドで働く人もたくさんいます。先ほどから言っているコンサルティングもそうですし、例えば広報に近いところで(スライドを指しながら)こういう資料を作るのがとても上手とか、あるいは管理などといった会社自体のマネジメントが本当に得意な人も参加しています。

今日の経営陣の紹介の中にはなかったですけれども、他のベンチャー企業で取締役をやっていた者も参画してます。

2個目の質問。「リモートワークは可能ですか?」可能です。私も海外から国際学会の様子を報告するときもあります。また、エンジニアもリモートでやることは可能です。

最後にもう1個だけ質問にお答えすると「社員の人事評価制度を教えてください」と言うのがありまして。これは実際の社員に聞いたほうが早い気がするので、では一番前にいる市来さん。

市来:そうですね。半年に1回ぐらいフィードバック面談があります。「Ridge-iの掲げる目標が達成できているか」とか、「技術的にこういう目標を立てていて、それがキチンとクリアされているか」とか。経営者と半年に1回目標を立ててそれを確認するミーティングも30分から1時間ぐらいあります。

そこで「そういった目標をキチンとクリアできているか」もしくは「できていないとしてもキチンとプロセスを踏んでいるか」「どういうことがダメで次にどうしたらいいのかということがキチンと明確になっているか」ということを一緒にチェックしながらそれに沿って評価をしてもらいます。

牛久:ありがとうございました。もっと他の質問にもお答えできればと思うんですけど、残念ながら時間です。このスライドのTwitterのハッシュタグはそのままリプライできます。短い時間でしたが、ご清聴ありがとうございました。Ridge-iでは一緒に働いてくれる、「ridge」を一緒に探す仲間を募集中です。WantedlyでRidge-iを検索してもらえれば、本当にたくさん出てくるので、ぜひ探してみてください。

どうもご清聴ありがとうございました。

(会場拍手)

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