2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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司会:本日は「A1 セッション『IoTを超えて〜つながるプロダクトがもたらす体験の進化〜』」と題しました基調講演パネルディスカッションを開催してまいります。モデレーターは、キャスターの膳場貴子さまにお願いいたします。
(会場拍手)
それでは膳場さま、よろしくお願いいたします。
膳場貴子氏(以下、膳場):みなさま、こんにちは。ご紹介にあずかりました膳場貴子と申します。ではさっそく、すばらしいゲストのお二人をステージにお迎えしたいと思います。ソースネクスト株式会社代表取締役社長の松田憲幸さんとGROOVE X株式会社代表取締役社長の林要さんです。拍手でお迎えください。
(会場拍手)
今日はどうぞよろしくお願いいたします。では、さっそくお二人にプロダクトのご紹介も兼ねて、自己紹介をしていただきたいと思います。まずは松田社長、よろしくお願いします。
松田憲幸氏(以下、松田):ソースネクストの松田です。本日はお忙しいところ本当にありがとうございます。すでにご覧になっているかもしれませんが、POCKTALK(以下、ポケトーク)のCMをまずご覧ください。
(CM再生)
(CM再生終了)
松田:タクシーなども含めて、このCMを大量に放映しています。
この翻訳に関して、どうも疑問があるという方が多いので、ちょっとデモンストレーションをさせていただきます。「翻訳の精度に疑問を持つ人が多いですが、実際は非常に良いです」。
ポケトーク:Many people have doubts about translation accuracy but it is actually very good.
松田:こんな感じです。
(会場拍手)
よかった。はい。
(会場笑)
このポケトーク、おかげさまでもう40万台(講演日 7/2時点)を突破しました。3万円ぐらいの製品ですので、かなり驚異的なペースで売れたと思っております。ポケトークWの特徴は、今お聞きいただいたような圧倒的な翻訳精度です。
Googleだけではなく、例えば中国語だったら百度(バイドゥ)を使ったり、日本語とタイ語だったらNICT(情報通信研究機構)のエンジンを使ったり、それぞれの言語に応じて一番いいエンジンを使うことで、論理的には世界最高の翻訳機ができるということになります。
SORACOMの通信によって、世界74言語対応で、世界128の国と地域で使われています。これまでの特徴として、こういった通信が必要なものは、だいたい契約が必要でした。マンスリーのチャージがありますから、それをチャージするために契約して、クレジットカードの情報をもらって、もしくは銀行口座から引き落としというのが必要なためです。
ポケトークはそういう契約はまったくいらず、ヨドバシカメラに行って現金ですぐに購入できます。
かつ毎月の通信料金がありませんので、不安なく使える。例えば、「翻訳に応じて1,000円チャージされました」「明日は500円取られるかな」「今月は1万円かかるんだ」というふうになることはなくて。2年間は一切お金がかからないのが特徴です。
松田:(スライドを指して)WiFiなしで、これらの国と地域で利用可能です。これができた理由は、ソラコムさんのおかげです。ソラコムさんとの出会いについてお話させていただきたいと思います。
まず、ポケトークの初代バージョンは、共同記者発表会を2017年10月23日に行って、12月14日に発売しました。
安川CTOとお会いさせていただいたのが10月13日。玉川社長とお会いしたのが10月21日の夜でした。玉川社長にお会いして、「記者発表に登壇してもらえませんか?」とお伝えしました。その42時間後に記者発表会に登壇いただきました。
ポケトークの発売日までに、安川さん自らコーディングまでしていただいて、なんとか完成にこぎつけ、無事に予定通り発売できました。安川CTOとはじめてお会いしてからポケトークの発売までわずか62日間でした。おかげさまで40万台を突破しまして、現在シェアが94.6パーセント(2019年5月時点)です。
JRグループなどの大手に採用いただいている状況です。
また、日経優秀製品・サービス賞を受賞させていただきました。トヨタ「クラウン」やプリファード・ネットワークス「Chainer」などと並んで選ばれました。
膳場:ありがとうございました。圧倒的なシェアに驚いてしまいました。私も1台持っております。英語の翻訳や調べ物をする時に使うのはもちろん、子どもがおもちゃとして遊んで勝手に英語に慣れ親しんだりしていて、いろいろな使い方があるんだなと、可能性を感じています。
松田:ありがとうございます。
膳場:続きまして、GROOVE X林さんのプロダクトの紹介です。さっきからかわいい声が聞こえていますので、みなさんも気になっていると思います。ご紹介をお願いします。
林要氏(以下、林):はい。GROOVE Xの林です。よろしくお願いします。GROOVE Xという会社は、この「LOVOT(らぼっと)」を開発している会社です。いよいよ、「「LOVOT」は、今年の冬に出荷となります。
私はもともと自動車会社におりまして、レーシングカーや量産車の開発をしていました。そのあとで白い人型の「Pepper(ペッパー)」というロボットの開発に携わり、それからGROOVE Xを起業しました。
ですので、私自身はIT業界での経験は短いんですけれども、ロボットは日本の風土にマッチしていると感じて、GROOVE Xを起業しました。その経緯としては、自動車会社時代にF1のプロジェクトで36ヶ国ぐらいの人と一緒に働いたんですね。拠点がドイツにありまして、そのレースチームのメンバーとして働いておりました。
いろいろな国の人と働くなかで、日本人というのはかなり特殊なんだなということを改めて発見しました。「この国民性を使って最も世界に発信できるものは何だろう?」と思ったところで、考えついたのがLOVOTでした。LOVOTの概要はこの動画でご説明させていただきます。
(動画再生)
見た目はすごくシンプルなロボットで、ぬいぐるみみたいなものなんですけれども、中身は相当凝っています。システムで考えると、充電器側にもコンピューターがあります。
充電器にインテルコンピューターが1台、本体内にもインテルが入っていて、アームが6個、さらにFPGA(field-programmable gate array)が入っていて、3つのLinuxOSが連携して動いているという。中身は究極に複雑な家庭用ロボットなんですけれども、外見はとてもハイテクに見えないという商品です。
2018年12月18日にLOVOTを発表をしました。
林:こちらが本日みなさまにご紹介する、LOVOTです。(舞台上のLOVOTとともに)。今年末の発売までに4年間の開発期間を要しております。みなさまには好意的には受け止めていただいたのかなと思います。家庭用のロボットとしては珍しく、触れ合っていただいた方の9割にご満足いただけるという製品になっております。
あと海外ですね。国内ではこういったロボットが比較的話題になりやすいですけど、「海外ではなかなか通用しない」などと言われていたなかで、今回CESに持って行ったところ、350媒体にとりあげていただき、ベストロボットにも選んでいただきました。1つわかったことは、こういったかわいいものが受け入れられるかどうかは、海外と国内であんまり差がないなということです。
ただ、その完成度が相当高くなければ、おもちゃだと思われてしまいます。ある完成度まで行くと、ちゃんとロボットだと認識してもらうことができます。今後は私どもは海外にも目を向けていきたいなと思っております。以上になります。
膳場:海外では、日本ほどロボットへの関心が高くないのでしょうか?
林:今まで日本では、かわいいロボットが多く存在していました。国内ではよく話題になってきたんですが、海外に持って行くと日本のお客様と同じ反応が得られないこともあり、僕らも海外での反応をちょっと怖がっていた部分もあります。最初は日本で発売をして、2年後くらいに海外に持って行こうかなと思っていました。でも、松田さんのところに遊びに行かせていただいたときに……。
膳場:シリコンバレーの?
林:シリコンバレーのご自宅ですね。アメリカはやっぱり違うなと。アメリカの市場で旗を上げないことには、どうにも世界は取れないんだなということに気づかされて、急遽CESに出すことに決めました。
膳場:CESに出すのも、松田さんに会ってからの化学反応で?
林:結果的にはそうですね。そこから急に海外展開を早めようかという話になって、CESに至りました。お世話になりました。
松田:ありがとうございます。8月くらいでしたね。
林:そうですね。
膳場:いつからアメリカ展開でされるのでしょう?
林:できれば2020年中に出したいとは思っていますけれども、まずは日本で製品の完成度が十分だということが判断できれば、すみやかにアメリカにも持っていきたいなと思っております。
膳場:なるほど。今ちょっといいキーワードが出てましたね。松田さんのお宅で出会って、新しい一歩を踏み出したというお話なんですけれども、これはちょっとあとでお話をうかがおうと思います。ご覧いただいたように、このポケト-クもLOVOTも、両方ともIoTで、ソラコムのSIMを使っています。片方はものすごく実用的、そしてLOVOTは......(笑)。
林:はい、役に立たないと言っていただいてけっこうですよ。
膳場:すごく愛情を喚起されるものですよね。今日のこのセッションのテーマは「つながるプロダクトがもたらす体験の進化」ということで、この2つのプロダクトは、一見まったく違った製品ですが、私たちの体験を広げてくれるという大きな共通項があるんですね。
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