
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
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杉山信弘氏(以下、杉山):もう1つ良いなと思った事例は、楽天さんのこのマクドナルドさんのアプリです。たぶんお使いになられている方はたくさんいらっしゃると思うんですけど、右下にRの文字があり、楽天ポイントとの連携ができます。
マクドナルド(の商品)をアプリで買うことも多いと思うんですけれども、そのときに楽天ペイのアプリや楽天ポイントのアプリをわざわざ開かなくても、ここを押すと楽天カードの画面、もしくはdポイントの画面が出てくるようになっています。
QR決済はわりと、例えばLINE PayだとLINE Pay単独のアプリを使う、PayPayだったらPayPay単独のアプリを使うという議論になっていますけれども、そうではないかたち、どんどん他のサービスに染み出していくような流れが起きるんじゃないかなと勝手に思っています。そのあたりって、どうですか?
小山幸宏氏(以下、小山):そうですね。こちらは私たちのチャレンジの1つなんですけど、私たちが持っているペイメントの機能をマクドナルドさんに提供させていただいて、一体となってマーケティングをしていくというものです。この取り組みは非常にうまくいっている事例でございますので、こういう展開も1つ、ありなのかなと思っております。
杉山:すごく不勉強で申し訳ないんですけれども、こういうのってさまざまなサービスと同時に連携はしていないじゃないですか。例えば、マクドナルドさんで言ったら2つと連携していたりするので、そのあたりってどういう決まり方をしていくものなんですか?
小山:すみません。私はマクドナルドさんとの交渉にディープに入っていたわけではないので、わかりません。ただマクドナルドさんは、オペレーションとかユーザビリティーを非常に大切にする会社だと私は認識しております。やはり、世の中で支持され、使う人が多いサービスを優先的に選び、それを簡易なUIで表現する。そこが重視されているんじゃないかな。そういうふうに考えて、お選びいただいたんじゃないかと思っています。
杉山:ありがとうございます。(スライドを切り替えながら)すいませんね。一番大事なやつをさらっと一瞬見せてしまいました。他の事業者さんとの取り組みというところでは最近、……(2019年)6月5日でしたっけ?
小山:そうですね。一昨日です。
杉山:6月5日ですけど、楽天さんがちょっと大きいリリースを出されました。気になっている方もいらっしゃると思いますし、このマクドナルドさんやローソンさんと連携するような話と同じなかでのことだと思うので、ご紹介していただきたいと思います。
楽天ペイがSuicaと連携をしていくような話がリリースとして出ておりますが、それはどういったかたちの連携になるのかというのを、教えていただける範囲でお願いします。
小山:今、楽天ペイのアプリはQRでも払えますし、バーコードでも払えますし、FeliCaでも払えます。そういういろいろな機能を搭載しているところなんですけれども、私たちが目指しているのはQRの市場を広げるということではないんです。日本におけるいろいろな複雑な状況の中、現金をデジタルキャッシュに置き換えて、キャッシュレスの世の中を作っていきたいと思っています。
昔から繋がりはあるんですけれども、JRさんとそういうお話をさせていただいた時に、Suicaの機能を楽天ペイに搭載して楽天会員に開放することで、より一体的にキャッシュレスが進められるんじゃないかと思い、日本のキャッシュレスを進めるパートナーとしてお選びいただいたということですね。
具体的には、楽天ペイアプリの中でSuicaが発行できて、そのSuicaのチャージもモバイルSuicaアプリを経由せずに、楽天ペイアプリでチャージができます。当然そのSuicaは電車に乗れますし、お買い物にも使えるという連携になります。
杉山:ありがとうございます。Suicaを使われている方。
(会場挙手)
そうですよね。モバイルSuicaにしている、もしくはオートチャージにしている方。
(会場挙手)
かなり、市場としてはある感じですね。
陳暁夏代氏(以下、陳暁):でもこれ、ポイントから切り替えられたら、実質タダで電車に乗れるということですよね。最高じゃないですか。
小山:まだポイントからはいけないんですけど(笑)。
陳暁:え、そうなんですか? 妄想しちゃいましたね(笑)。
杉山:楽天さんのポイントはめちゃくちゃ貯まりますもんね。
小山:そうですね。先ほどのお話であったように、日本はいろいろな制約があってキャッシュレスが難しいということは承知しております。それを少しでも軽減していきたいと思っているんですね。
日本独特の世界としては、やっぱりこのポイントというものは非常に支持されておりまして、楽天のペイメント戦略の中でこのポイントと連携していくということは非常に強みかなと思っています。今回のJRさんとの連携に関しても、Suicaのチャージに対して楽天ポイントが貯まるというようなサービスを軸に展開していこうと思っております。
杉山:「チャージでポイントが貯まる」という機能はあるということですね。承知いたしました。ありがとうございます。
杉山:そうしましたら、ちょくちょく出てきた話ではあると思うんですけれども、「どうやって現金より便利になっていくか」だったり「いかに使っていくか」という話を軸に進めてきたかと思います。
世の中で、ペイメントサービスやキャッシュレスが普及していくためには、どういったことが必要でしょうか? そういうお話を最後にお一人ずついただいて、締めさせていただければなと思っております。では、陳暁さんからお願いできますか?
陳暁:はい。私は話が長いですよ? 大丈夫ですか?(笑)。
杉山:はい、大丈夫です。
陳暁:そもそも、なんでキャッシュレスを普及させたいのかなってずっと思っています。私は一ユーザーなので、一ユーザー視点では完全に「人生における時間の効率化」だと思っているんですね。なので今あるいろいろな決済の方式でいうと、私は「キャッシュレス」って本当に名乗れるのはQRコードだけだと思っています。それは圧倒的に決済スピードが違うからです。だいたい1秒から3秒で決済できます。
韓国もですけど、アメリカなんかに行くと、キャッシュレス(の手段)は、クレジットカードなんですね。そうすると10秒以上かかるんですよ。パスワード入れてレシートにサインして、そういう面倒くさいことがあるので、現金で払うほうが速かったりするんですね。
なので、本質的に「人生の時間単価」の上げ方でいうとたぶんQRコードだけなんじゃないかなと思っています。また、今後は手首にマイクロチップを入れるとか、たぶん10年後はそういった話になってくると思います。
陳暁:あとは、企業目線や国目線で語ったほうがいいなと思っています。言い間違えるとアレなのでさっき調べたんですけど、国でいうと紙幣などの発行・管理のコストが減るらしいです。じゃあ企業はなんでこんなにキャッシュレスを進めたいのかというと、やっぱり一般的に言われているのが「ビッグデータでの管理」だと思うんです。
企業側で、私が毎月、何にお金を使っていて、どういう頻度で買い物しているかのデータが取れたら、それを使って私を管理できるじゃないですか。スマホを通じて「今月はもっとこれを買えよ」みたいにプッシュ通知をバンバン送れたりだとか、いろいろなキャンペーンをダイレクトで私にプッシュできたりとかするなって思うんです。
「今、QRのほうが便利ですよ」とか、「キャッシュレスのほうが便利ですよ」と言われても、日本では実際にそうではないし、わからないと思います。なので企業はユーザーに対して(キャッシュレス決済を)使っている未来を想像してもらえるように、もっとその先の「便利な生活ステータス」みたいなことを絵として見せていただけると、おじいちゃんやおばあちゃんにもわかりやすいのかな。すごく、そのように思っています。(小山氏に対して)よろしくお願いします。
杉山:機能としてというよりも、どちらかというとその体験として、生活の中でということでしょうか?
陳暁:そうです。
杉山:わかりました。ありがとうございます。そうしましたら冨田さんからお願いできますか? (小山氏には)最後に締めていただこうと思います。
冨田勝己氏(以下、冨田):じゃあ私からは、立場的に言うと行政側のお金の使い方として、現金の維持にだいたい年間1兆円から、1.5兆円を使っているんですよ。これをキャッシュレスのほうに回したらどうかなというのが1点目。もう1点が、中国でもそうでしたが、加盟店をぶわっと広げて空気作りをするというのがとても大事なので、やはりいかに加盟店が使いやすいものにしてあげるかというのを考えなければいけないかなと思います。
そのために現金向けの1.5兆円を回すというのはとても大事かなというのと、あとは決済事業者さんが加盟店さんと、簡単・便利で低コストに支払いができ、「お店が儲かる」という環境作りができると、キャズムを越えるだろうなという気はしますね。
杉山:お店のほうのインセンティブの設計もすごく大事ということですね。
冨田:あるいは店主さんには「お店のレジ環境が快適になる」という、お店にとっての体験、これもけっこう大事なんじゃないかなと思いますね。
杉山:ありがとうございます。小山さん、お願いできますか?
小山:今日はいろいろなヒントをいただきまして、どうもありがとうございます。さっきのトライアングルのスライドありますかね? キャズムというものが果たして日本のキャッシュレスのところに当てはまるのかどうかというのはわかりませんので、そういうキーポイントみたいなものがあって一気に普及するのかどうかはわかりません。
この「キャッシュレス」という言葉が出回り始めておそらく20年ぐらい経つと思います。外国から比べると進むスピードは遅いのかもしれないですけれども、今、確実に浸透度は上がってきています。日本の中でも確実に、キャッシュレスが進んでいると思っております。私たち事業者の役目はそれをなるべく加速させて、お客様に便利に提供していくことなのかなと思っております。
(スライドを指しながら)私たちが大事にしているのはこの3つのトライアングルでして、利用していただける「利用者様」と、それを受け入れていただく「加盟店さん」と、私たち「事業者」。これらがきちんとサスティナブルな関係を築いて、永続的にインフラを作っていくということが僕たち楽天としてはすごく重要だと思っております。これのどこかがいびつになると、キャッシュレスのインフラ作りは成り立たないと思います。
私たちは、加盟店様から加盟店手数料という「フィー」を頂戴しています。それを何に使っているかというと、ユーザー様にポイントとして還元をさせていただいたり、あとはそういうインフラ投資をさせていただいたりして、このキャッシュレスのサイクルを回すために使わせていただいているんです。
この活動を愚直に続けていくことが、まず私たち事業者が目先でできることかなと思っておりまして、楽天はここの視点をずらさずにやっていきたいと考えております。
杉山:ありがとうございます。少しだけまとめさせていただきますと、まず大事なのが、国が紙幣のために使っているお金をキャッシュレスの(環境整備の)ために使うこと、ユーザーさんと店舗の体験というのを両方とも上げていくこと、事業者さんが一過性のものではなくサスティナビリティを持って伝えていき、両方の体験を上げていくことが非常に大事だという話ですね。
本当に、今回の会議全体のテーマである「ユーザーさんの体験」というところを深掘りしていくというようなセッションになったかなと思っております。本日はどうもありがとうございました。
(会場拍手)
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