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モバイル決済革命と今後のお金の概念の変化(全4記事)

日本のペイメント事業は中国の5年遅れ 海外動向から垣間見える、キャッシュレス化の行方

2019年6月7日、株式会社セガゲームス / クロシードデジタル株式会社 / 株式会社電通 / フラー株式会社が主催する、「Digital Consumer Summit 2019」が開催されました。顧客体験追求のジレンマを解き放つ、業種の垣根を越えたプレーヤーが集結し、パネルディスカッションを行いました。モバイル決済が浸透してきた昨今、今後の行方や完全にキャズムを超えるにはどんなファクトが必要なのか、顧客体験を軸に議論する「モバイル決済革命と今後のお金の概念の変化」の模様をお届けします。本パートでは、登壇者らの紹介とテーマの趣旨などについて語りました。

テーマはモバイル決済市場の行方

杉山信弘氏(以下、杉山):こんにちは。本日はお越しいただきまして、ありがとうございます。セッションとしましては、オープニングを除いてもう3つ目だと思いますので、お疲れになっているかなと思います。ですので、楽しい感じでやらせていただければなと思っております。

手を挙げていただいたりということも、いくつかやっていこうと思いますので、ぜひご協力をよろしくお願いいたします。ハッシュタグですけれども、どんどん呟いてほしいなと思っております。

ハッシュタグは、デジタルコンシューマーサミットの(頭文字を取って)#DCS2019です。ぜひ投稿してみてください。もれなく僕の会社のTwitterがリツイートさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

今回のセッションは、「モバイル決済革命と今後のお金の概念の変化」です。QR決済などの市場が今、本当に盛り上がっていて「どこそこの会社が100億円をどうした」「どこそこの会社で200億円をどうした」「こことここが連携してこんな未来になります」ということで各社、本当にさまざまなかたちで努力をされ、語られています。

一方で海外を見てみると、日本よりも進んでいると言われている市場がたくさんあります。今後、日本の市場環境がどうなっていって、どういうふうにお客さんに決済を使っていただけるようになるのか、というところを今日はディスカッションしていければ良いかなと思っております。

僕だけしゃべっていても始まりませんので、さっそくご登壇者のみなさまに自己紹介をしていだだきます。冨田さん、お願いします。

国内外の決済関連事業の現状を知る有識者らが登壇

冨田勝己氏(以下、冨田):冨田でございます。よろしくお願いします。私は決済事業者ではなくて、ポイントや決済など、この手のお金にまつわる関連で、いわゆる事業会社さんのコンサルティングをよくさせていただいています。

一方で、結果的には消費者の調査をやっていたり、実際にサービス設計などにも関わっていたりすることが多々ございます。今回のセッションのテーマに比較的詳しいということと、メディアへの露出も比較的多いということでお声がけをいただき、こちらにお呼びいただいた次第でございます。どうぞよろしくお願いします。

杉山:お願いします。続きまして、陳暁さん、よろしくお願いします。

陳暁夏代氏(以下、陳暁):よろしくお願いします。陳暁夏代と申します。今、2つの会社に所属しているんですけれども、自分の会社であるDIGDOGでは、主に日系企業の中国進出の支援をしております。ブランディングや、全体の事業戦略を一緒につくっていくところから、いろいろと携わっております。

もう1つの所属会社であるチョコレイトでは、海外事業や、企画プランナーとして所属しています。私は決済を事業主としてやっているわけではないのですが、なぜ今日呼ばれたかというと、モデレーターを務めてくれている信くんと前の会社で同期だったからなんです。今日は3年ぶりに会いましたね。

杉山:そうですね。こんなに真面目に会うのは初めてです(笑)。

陳暁:初めてです。何なら前職の時は、ほぼしゃべったこともないのにね。

杉山:新人時代に……。

陳暁:そのくらいで、2人ともパッと会社を辞めちゃったのでアレですけどね。こうして再会できて幸せです。ありがとうございます。

杉山:ありがとうございます。Twitterでは、「中国の市場に詳しい人」という切り取られ方をされたりもしているんですけど、お声掛けをさせていただいたのはそれだけじゃないです。

さまざまなコンテンツのディレクションをされていて、今日は一般のユーザーさんに近い気持ちを代弁していただけると思ったのが理由の1つです。あとは、中国の決済まわりのことついてもすごく詳しいということを、陳暁氏のさまざまなSNSの投稿で知っていたのがもう1つです。その2つがあったので、今日はお声掛けをさせていただいたということになっております。

陳暁:今日は、キャッシュレスのリアルユーザーとして発言します(笑)。よろしくお願いします。

電子マネー「Edy」立ち上げに関わった、楽天ペイメント戦略室室長の小山幸宏氏

杉山:ありがとうございます。よろしくお願いします。決済を実際にされている事業者様の代表として、今回は楽天ペイメントの小山(幸宏)様にお越しいただいております。それでは自己紹介をよろしくお願いいたします。

小山幸宏氏(以下、小山):楽天の小山と申します。よろしくお願いいたします。(スライドを指しながら)こちらに書かせていただいたんですけれども、早いものでもう20年前くらいですが、私はもともとデジタルキャッシュとかペイメントのような世界に非常に可能性を感じて、キャリアをスタートしています。

一番思い出深いのは、電子マネーの「Edy」というサービスの立ち上げ時にEdyにジョインして、ずっといろいろな加盟店様との交渉に奔走をしていたことです。それをきっかけに楽天に入ることになりました。

今、楽天では「楽天カード」というクレジットカードビジネスの執行役員と、4月に楽天ペイメント株式会社という今のQRコードを始めとした、楽天のペイメントを統括する会社を作りまして、そちらのペイメントの全体戦略を構築する責任者をさせていただいております。(内容が)事業寄りの話になってしまうかもしれませんが、本日はよろしくお願いいたします。

杉山:よろしくお願いします。会社の紹介もお願いします。

小山:(スライドを指しながら)こちらがよく使われている会社のスライドです。楽天グループがこんなことをしています、という内容になります。70と書いてあるところですが、実は楽天は展開している事業の数が70を超えています。

この中に「フィンテック」という、向かって右側の赤い、楽天カード、楽天銀行、楽天証券みたいな並びがあると思うんですが、今、その70の中の収益を支えるかなり大きな割合を金融事業が担っています。その金融事業で、次の大きなマーケットを広げていく役割として楽天ペイメント、QR決済みたいなものを位置づけております。

アプリ分析サービス「AppApe」責任者の杉山氏

杉山:手短に、私の自己紹介をさせていただきます。現在はフラー株式会社というところにおりまして、今回の主催者企業のうちの1つです。前職では広告代理店に勤めておりました。今、全社のマーケティングを主にやらせていただいていて、「AppApe」というアプリの分析事業のビジネスで責任者をしております。「今どんなアプリが伸びてきているか」といったデータを、自社以外のアプリなどについても知ることができるサービスです。

その中で、例えばPayPayさんがお金をたくさん投下されて、ユーザーさんに使ってもらうキャンペーンをしたときに、どれぐらい人が増え、残っているのかといったことや、LINEさんが「登録をすると1,000円がもらえる」というキャンペーンをしたときに、どれくらいの方が増えたのかというようなことを、ある程度確からしいデータとして保有しております。

私が今回、決済システムに関するお話をさせていただくのは、今、本当に決済というところがかなり広がっているというのを目の当たりにしまして、ぜひこのお話をこのタイミングでできたら良いなと思ったからです。それで、このセッションを組ませていただきました。よろしくお願いいたします。

各種決済サービスの浸透度は?

杉山:ここでみなさんにおうかがいしたいなと思っておりまして、いくつか質問をさせてください。1つ目なんですけれども、決済QRサービスを使われたことある方、手を挙げてください。

(会場挙手)

8割ぐらいですかね。継続してまだ使われている方、手を挙げてください。

(会場挙手)

半分くらいの方が残りました。現金より使っているという方。

(会場挙手)

ほとんどの方が残りました。現金のほうをよく使っているという方。

(会場挙手)

あまりいらっしゃらなさそうですね。

じゃあ、この会場内でいきますと、現金よりQR決済のほうが使われている状況になっているということですね。

陳暁:使ったことがない人、見てみたいです。

杉山:この会場には、アーリーアダプターしかいないということですね。全体でいうとまだ使ったことない方のほうが多いという調査もけっこうあるくらいですので、みなさんが普段いらっしゃる環境は、けっこう特殊なものと捉えていただいたほうが良いのかもしれないと思っております。ちょっと1回深堀りしてしまうんですけど、楽天ペイを使ったことがある方。

(会場挙手)

LINE Payを使ったことがある方。半分くらいですね。

(会場挙手)

PayPayを使ったことがある方。同じく半分くらいですね。LINE Payのほうがちょっとだけ多かったです。

Origami Payを使ったことがある方。

(会場挙手)

少し減りました。

楽天カードを使ったことがある方。

(会場挙手)

かなり多いですね。

ほとんど同じ方が手を挙げられたので、ユーザー層がある程度重複しているのかなと思いました。ありがとうございます。このようなかたちで今、本当に浸透しているフェーズなのかなと思っております。今日はその内容を深堀りしていって、「どうやってキャズムを越えていくのか」みたいなことをお話しできればと思っております。

日本のペイメント事業は中国の5年遅れ

杉山:1つ目ですが、自己紹介をしていただいたんですけれども、現在ペイメント領域においてどういうふうに関わられているのか、取り組んでいるのかにフォーカスして、一言ずつお話をおうかがいできればなと思っております。ただ自己紹介でほとんどお話しいただけましたので、本当に一言ずつでけっこうです。じゃあ、冨田さんお願いします。

冨田:私の場合はこれに取り組まれている会社さんの支援が多いので、実際に会員拡大に対してどうすればいいのかということを考えています。行政のお手伝いをすることもありまして、今年の10月からキャッシュレス決済がどうのこうのというのもあったりしますよね。

地方ではなかなかキャッシュレスが進まないですが、「なんで進まないんだっけ?」と聞くと、だいたいが「面倒くさい」だとか「お店からすると儲かる気がしない」みたいな感じなんです。それに対して、「じゃあどうしたら儲かるのかな」みたいなことで取り組むこともございますね。

杉山:ありがとうございます。事業者のサポートとして入るのと、政府や自治体に向けてサポートしていく立場でもいらっしゃるということですね。ありがとうございます。小山さん、よろしくお願いいたします。

小山:私はもう真っ只中にいまして、各社さんが新しく発表されるリリースやプロダクトを日々見ながら、自社のペイメント戦略をどういう順番で、どういう優先順位でやっていくのが一番キャッシュレスの世の中に近づくのかということを考えて戦略を立てていくというのがメインの仕事になりますね。

杉山:ありがとうございます。陳暁さん、お願いします。

陳暁:私はユーザー代表としてなんですけど、2014年、2015年くらいから、中国ではけっこういろいろな会社さんがペイメント事業を始めました。それを一生活者、一ユーザーとしてずっと使ってきたわけです。その中国でのあらゆる合併だったりとか、キャンペーンだったりという動きを、今まったく同じようなかたちで日本がだいたい5年遅れのスピードで追っているので、その動向を追うのが最近の趣味ですね。

「次はこういうキャンペーンが来るな」とか、「こういう企業の動きが来るな」とか、本当に、だいたい一緒なんです。「こういうことをしたら、もっとユーザーが増えるのにな」と思ったりしています。

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