2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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孫正義氏(以下、孫):もう1人、今度は違う角度ですね。インドでこれまたまったくのゼロから始めて、Fintech、ペイメントの圧倒的ナンバー1になりました。
彼は新しいペイメントの在り方を作りました。例えば、銀行預金のライセンスは持ってないんですけれども、金を1グラム単位で売り買いし、自分のアカウントで預金のように貯めて、金の価値で自分の財産を蓄積する。それを一般の人々ができるように。しかも、すべてスマホから。そういったことを、彼はまったくの独自で編み出して、新しいEコマースの在り方にも今、チャレンジしています。
彼のおかげで日本でも、ソフトバンク、そしてヤフーのPayPayがスタートすることができました。心からファミリーとしてのパートナーシップに感謝しています。彼のパッションはそこにとどまらないで、またさらにもっと大きな成長を今考えています。ぜひ今度は彼の角度からのAIの使い方をご紹介いただきましょう。Vijay。
(会場拍手)
Vijay shekhar Sharma氏(以下、Vijay):ありがとうございます。
動画:「お会計は480ルピーです」
「すみません、小銭がないのですが」
「次回のお買い物で20ルピー調整しますよ」
「Paytmがあるのに次回にまわすの?」「Paytmをお持ちですか?」
「あるわよ」
「なら、こうしてQRコードを読み取るだけでちょうどの代金を支払えますよ」
「とても簡単ですね」
「さっきの現金を返してちょうだい」
「すみません」
「唐辛子をください」
「はい、唐辛子ですね」
Paytmで買い物をもっと便利に。
Vijay:みなさま、こんにちは。Paytmを代表してまいりました。孫さんがおっしゃったとおり、我々が創業した国というのは、お互いの信用というのは現金にあった国でした。しかしそこで、ある覚醒が起こりました。国の生活を変えなければいけない、一般の消費者や市民の生活を変えなければいけないと思ったからです。
2016年、孫さんに初めてお会いしたのはニューデリーで、確か12月ごろだったと思います。当時、1億人くらいのユーザーが私どものプラットフォームを使ってらっしゃいました。我々は決済という問題をインド全域で変える。もはやこの問題は誰も解決しなくてもいい、もう解決済みとなると言ったわけです。
これは2019年の数ですけれども、この4年間で2000パーセントくらい利用者が伸びているという統計が出ました。取引額を見ますと、彼に初めてお会いしたときは確か10億ドルくらいでしょうか。20億ドルに近づいていた。そのすぐあと、2016年に30億ドルになりました。そして今は、年間のランレートが1000億ドルです。
これはインドですけれども、店舗のQRコードをスキャンするだけで済みます。PayPayと同じテクノロジーです。PayPayもそういったテクノロジーに基づいて作られています。では、このような規模で成長しながらどうして生き延びられるのかについて、ご紹介しましょう。
日本でもあったと思いますが、数日前にある大手の小売業者が導入した決済システムが、実は安全をきちんと考慮されていなかったという件で問題が発生しました。
私どもは70億もの取引を処理しています。それもミリ秒の精度で支払いを受け取って、すべてのセキュリティを提供します。そして消費者としての個人情報、それから店舗のプライバシー、あるいはビジネスでも安全を確保しています。
こういったビジネスの取引がある中で、例えばアイデンティティでチャレンジしたり、システムを変えたり、消費者に攻撃をかける、あるいはトランザクションでなにかエラーが発生するという意味で、加盟店のセキュリティがとても重要になります。何万というルールというものに従わなければいけません。それはとても重要なんです。
例えばみなさまが今ここにいて、決済の処理が他国で発生して、そしてアカウントを乗っ取られてしまった場合には、私どもはリアルタイムでそれを検知して、その取引をブロックすることができます。ですから、これだけの数のトランザクションやユーザーを、この決済でサービスできているわけです。
決済というのは、私どもが参加しているビジネスモデルの初期にあります。店舗にはたくさんのビジネスがあります。つまりお客様を保持したい、そして1人あたりの価値を上げたい、コストを削減したい。その場合、私どものキャッシュバックエンジンはインドでも日本でも、とても人気があります。これが背後のパワーとなります。
私どもはリアルタイムでお客様が誰かを特定し、そしてお客様がどのような特典が欲しいかまでを推測して、それを提供します。例えば小売店舗と連携したらどうでしょうか。小売店にはまず食品のレーンがあって、なにか新しいものを提供したい場合には、前にその食品を買ったかどうかを測定・推測し、その店に誘導することができるんです。
その店舗の主が新しいお客様を開拓したい、同じ商品を提供したいという場合、例えば小規模の店舗とか、今までテクノロジーというものを活用できなかった方が、我々の決済によって生活を変えることができるわけです。
実は今朝、日本のCEOの方々とお話をしていてわかったことなんですが、日本の大手の企業はクレジットカードを発行していると。しかし、消費者は何枚のクレジットカードを財布に入れることができるでしょうか? 数には限りがありますよね。
クレジットカードに対応している小売店にも、やはり限りがあります。これはリアルタイムクレジット決済で解決できます。つまり、まず買い物をした後、ローンのお金自体を店舗が提供してくれるという決済方法です。
例えばセブン-イレブンで考えてみましょう。セブン-イレブンで支払いをします。ローン自体が、セブン-イレブンからクレジットとして提供されていたらどうでしょうか。イオンでしたら、イオンがその場で信用貸しをしてくれる。
AIの決済エンジンですと、何億人という人々にリアルタイムで、すべての処理するトランザクションごとに決済あるいはローンができあがってきます。例えば孫さんも、これに参加できる。洗濯機を買う場合には、洗濯機のメーカー、あるいは小売店舗がその決済に参加することができます。
それが可能なのは、我々が大量のデータを捕捉して、それをそのスケール、あるいは規模で処理することができるからです。店舗がローンを提供し、売ることについて、私どもは数ヶ月で国最大の信用貸しの会社になりました。
私どもはいろいろなものを買い物します。必要なもの、必要でないものがいろいろとあります。例えば週末に映画が見たい。金曜に行こうか、土曜に行こうか、日曜に行こうかわからない。いろいろな計画があります。
でも、例えば広告会社のように、日によって料金が変わるというわけではない。そこで私どもは、スモールチケットの保険というものを提供しています。例えば土日だけ、また金~日までの保険を一応購入して、あとで金曜日だけキャンセルするということができるんです。これによって革新的な保険商品ができあがりました。
またこういった方々にウェルスプロダクト、つまりミューチュアルファンドなどを発行したり、あるいは株式を買ってもらうというものですけれども。これもローンチした100日目で国最大になりました。
またPaytmは去年に銀行も作りました。非常に誇りに思っているんですけれども、たった1年間で私どもは、ナンバー1のモバイル銀行になりました。4500万人のお客様、モバイルユーザー、トランザクションがあり、金額も既存の銀行すべてを合わせた額よりも上回っています。Paytm銀行は毎月35億円の貯金というものを扱っています。たったの1支店もありません。モバイル銀行です。モバイルにしか口座はありません。
孫さんがおっしゃったとおり、日本にも「PayPay」というかたちで参入できたことをうれしく思っております。またソフトバンク、ヤフージャパンと一緒に、私どもが技術の革命という世界で起きていることを、日本に提供できたことをうれしく思っています。
ただPayPayがやっていることは氷山の一角です。我々がこれから日本にもたらすもの、それは伝統的な銀行の在り方を変えると思います。
Paytmのアプリケーションは、東京やインド、あるいは世界のどの地域にいらしたとしても、その背後にあります。サポートをありがとうございました。毎回孫さんに会うたびにインスピレーションを得ます。ありがとうございます。
(会場拍手)
孫:すごいですよね。考えられますか? まだ設立してほんの数年で、事実上インドで最大の銀行になろうとしている。最大の保険会社になろうとしている。それもすべてAIを使ってやっているわけですね。
リアルタイムでお客さんにローンの審査をして、その場でローンができてしまう。こんなことは今までの日本ではなかったですよね。「クレジットカードを持ってるからいらない」なんて言ってる人は、完全に過去の人ということですね。
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