
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
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孫正義氏(以下、孫):次に、もう一人新しいスーパースターが生まれようとしています。GrabのAnthonyです。
単に人の移動だけではなくて、最近は食べ物のデリバリーでも東南アジアでNo.1になりました。いわゆるUberと同じような事業ですが、同社と東南アジアで相当な激しい競い合いをして、そして勝ち抜いた。今はもう圧倒的なNo.1です。
それに加えて、フードデリバリーでは後発でしたけれども、最近No.1になった。ペイメントも最近始めて、すべてを抜いて、これももうじきNo.1……もうすでにNo.1ですか? 失礼しました。もうすでにNo.1。
すごいことですね。その一つの事業だけではなくて、次々に隣接している事業もAIの力を使って、そしてこの集団としての勢いを使って、圧倒的No.1になっています。最近はこれをSuper Appsと呼んでいて、一つのアプリで生活に必要なさまざまなものを取り込んでいくと。そういう状況になっています。
AI時代の新しいスーパースターです、Anthony。
(会場拍手)
Anthony Tan氏:孫さん、ありがとうございます。おはようございます。今日はお集まりいただきましてありがとうございます、本当に光栄です。
(自身の髪形を指して)通常はもっと髪の毛が長いんです。先週、髪を剃りました。これはがんの子どもの基金に寄付をするためです。実は孫さんは、私たちが集めた基金の2倍のお金を個人的に寄付してくださいました。ありがとうございます。
AI。これをできるだけシンプルにお話ししていきたいと思います。AIと聞くと怖いイメージがあるかもしれません。私たちがGrabでどのようにしてAIを使っているのか、そしていかにしてドライバーやレストランが、数百万人のお客様にサービスを提供しているのか、という話をしていきたいと思います。
私たちは8ヶ国336都市でサービスを展開しています。1億5,500万回以上のダウンロードがされています。
孫さんからお話がありましたが、多くの人たちは、GrabをUberの東南アジアのオペレーションを引き継いだものだと考えていらっしゃるかと思います。しかし、それだけではありません。
今では私たちは、お客様にとってもっともポピュラーな、そして毎日使われるブランドになっています。これはどういうことか。(孫正義氏から)Super Appsになったとお話がありましたが、まずはFintechのプラットフォームとしてNo.1です。そして、フードデリバリーのプラットフォームとしても、東南アジア全体でNo.1です。
No.1としてお客様に選ばれているということで、ほかにも特別なことがあります。4ペタバイトのデータを私たちは保有しているんです。これはどういうことかというと、だいたい2兆ページの紙に置き換えられます。通常のテキストですと2兆ページです。
そして、さらに40テラバイトのデータを毎日生成しています。これは毎日です。なぜこういったデータが集まるのか、どういう意味があるのか、どのようにこのデータ、そしてAIを私たちは使って、完璧なお客様の旅路を提供しているのか。
ここでビデオをご覧いただきたいと思います。これが私たちの完璧なカスタマージャーニーです。ご覧ください。
(動画再生)
ナレーション:Grabはこの6年間で、配車・予約サービスから、お客様の生活のさまざまなシーンをつなぐ存在に進化しました。
移動、配達、決済、一つのアプリですべてをシームレスに。これがGrabの創る未来です。
近い将来の話です。朝起きたら身支度をして、財布を持たずに、スマホだけで外出する。さまざまな配車オプションから快適さ、スケジュール、予算に応じてアプリが最適な移動手段を自動的に組み合わせてくれます。「シャトルバス→電車→タクシー」の組み合わせを選択する。バスで移動中、次のタクシーを予約。そして、すべての支払いはGrabPayで完了します。
スケジュールに合わせたクーポンなどを受け取ることも可能です。例えば、朝食のクーポン。即座にスマホで注文し、途中でお店に立ち寄り、待ち時間なく商品を受け取れます。お店を出ると、予約した車が到着します。GrabPayで移動中に支払いを済ませます。支払いを受け取ったドライバーはGrabPayで娘にお小遣いを送金し、車は時間通りに目的地へ到着する。
ドライバーが到着の手続きを実施すると、ドライバーの貯蓄額が目標に達しました! 新たな目標額を設定。達成に向けて自動でスケジュールが更新。「より早く目標額を達成しませんか?」「お願いします!」「Grabドライバーセンターで面談を予約しました」。
ランチタイム。道路は渋滞、遠出すると時間がかかりそう。時間節約のため、GrabFoodでランチを注文。たった数回のタップでお気に入りのランチが届きます。余った時間を利用して週末のパーティーのためのドレス選びができます。
そのころ、今朝のドライバーがGrabドライバーセンターに到着。Grab担当者がお出迎え。Grabの新たな収益プログラムと保険オプションを紹介。信用スコアが高いため、マイクロファイナンスも案内されました。このプログラムは、彼がより早く貯蓄額の目標、そして人生の目標も達成できるように設計されています。
仕事のあと、スポーツショップでドライバーに偶然会いました。彼は娘の服と靴を購入し、GrabExpressを利用して自宅に配送。挨拶をして、それぞれの帰路に向かいます。電気自動車の充電が完了。
この未来が今あなたの手元にあるGrabアプリが実現します。あらゆる人々が日常生活のさまざまなシーンで活用でき、よりすばらしく、環境にやさしく、快適な世界を実現します。ようこそ、Grabの創る未来へ。
(動画終了)
Anthony Tan氏:ドライバーの方、そしてお客様の旅路を動画で見ていただきました。ここでもっと重要なのは、こういったことが今、裏側で起こっているということなんです。これがリアルタイムで起こっていることです。
つまり、雨がどういったかたちで降るのかという天気も、孫さんは非常に正確に予測することができます。あとは交通量。どこでホットスポット、つまり需要が高くなるのか。それに基づいて価格を決定します。そして車が3分以内に到着するということも確実にしています。
AIを使ったエンジンによって、私たちはみなさんがどこに行くのかを予測します。どこに行くべきか、そしてそれに基づく、一番いい経路をレコメンドします。ドライバーのアプリの中では、もうすでにこれが構築されています。ドライバーはさまざまな渋滞を避けることができるようになっています。そして家に帰ることができるようにするわけです。
もっと重要なのは、家に帰るということだけではありません。先ほど(動画)の女性ですけれども、これはみなさんの誰にでもあり得るわけです。例えば週末になると、ヨガをするかどうかも分かっている。また、フィットネスセンターに行くということになると、AIのエンジンを使ってレコメンデーションすることができます。
例えば「このサラダはどうですか?」とオススメするわけです。そして家に向かっているとき、注文を出してくれます。家に着いたときに、ドアを開けるとドライバーが到着して、できたてのサラダが着いている。まさに、家に到達したときにサラダが届けられるということになるわけです。
ですから、1日のプランニングができる。いろいろな活動、例えば車に乗ったり、またはバイクに乗ったり、またはそれをシェアしたり、またはなにか食事を注文したり。その順番でリアルタイムでやってくれるということになります。
ここで重要なのは、単に1人のお客様の旅路ということではなく、どのようにしてAIを使って、非常に大きな世界の問題を解決するかということです。
これは典型的な東南アジアの渋滞です。
ジャカルタ、マニラなどではこうです。2019年の現状はどうかと言いますと、私たちの車がほかの車と通信をしています。またはスマートな信号と話をします。そして世界全体でリアルタイムに、先ほどの地図を使うことによって、どうすれば渋滞を排除できるかを考えるわけです。
つまりそれぞれの車が、1人ではなく4人とか5人、6人を運べるようにする。そうすると実際の問題の解決になるわけです。これはインドネシアだけでも400億ドルの問題の克服になります。
2つ目の問題として、私たちが解決できると思うことに、東南アジアでは多くの食品の廃棄が行われていることがあります。飢餓で苦しむ人がいるのに廃棄物が多いと。では何を食べたいのか。先ほども孫さんからありましたが、私たちは予測をすることができるわけです。つまりコンシューマーの挙動、ふるまいを予測できる。
例えばステーキ、サラダ、またはビーガンであれば適切な食事を提供することによって、廃棄物を削減することができます。
最後に、これは先週金曜日のベトナムの写真なんですけれども、ドライバーに会いに行ったんです。右端のドライバーの方、私のように髪の毛がないんですが(笑)。この人と話をしていて、「本当にありがとう。ありがとう」と言われました。涙を流しながら感謝してくれたんです。
なぜかと言うと、5年前、彼と2人の子供は路上生活をしていました。まったく家がなかったわけです。今ではこの人は、ドライバーのキャプテンになっています。600人から700人のドライバーを率いているわけです。そして十分な所得がある。ですから1人娘にパソコンを買ってあげることができた。
Grabではスコアを付けていて、ドライバーに対して信用を提供することができる。これまでは決してローンなどを受けることができなかった人に対して、それができるようになりました。そしてこの娘さんは、私たちが提供したローンを使って大学に行けることになったわけです。
彼の生活のパターンから非常に勤勉であるということがわかっているので、AIを使うことによって、ほかの人よりも所得が得られるようにする。これによって彼は家を建てることができ、3人の子供を持ち、より良い生活ができるようになったわけです。
孫さんの支援も得まして、私たちは協力することによって、こういったかたちで東南アジアをより良い場所にすることができます。ありがとうございました。
(会場拍手)
孫:すばらしいですね。データを徹底的に使って、Super Appsとして東南アジアでも圧倒的No.1になりました。優れた起業家というのは、1つのことで圧倒的No.1になると、そのほかの事業でも次々に成功させる。勝ちグセ、勝つ秘訣を身に付けているんだろう。そう思いますね。
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