2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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木村和貴氏(以下、木村):続いてのキーワードは「聴覚」です。三木さんからに順番にお話を聞かせてください。ヘッドフォンにつけられている写真を拝見して、何を聞いているのかなというのも気になっています。
三木明氏(以下、三木):「聴覚」ですね。いろんな人と関わることは増えていくので、しょうがないところはあります。ここはあんまり改善点はないかもしれないですね。集中したいときは「俺は集中したいんだぞ」とアピールするためにヘッドフォンをつけているんですね。
木村:なるほど、「話しかけるな」と。
三木:「ちょっと待ってくれ」みたいなスタンスですね。
井上 一鷹氏(以下、井上):これはめっちゃ大事なことですが、集中を測っているときは「聴覚」という切り口じゃないんですよ。一番僕らの集中力を削いでいるのは同僚なんです。本当にご唱和くださいなんですけど、原因は「ちょっといいですか?」なんですよ。
(一同笑)
人って何かに集中しようと思ってから深い集中状態に至るまでに、アイドリングだけで23分はかかると言われています。それだけの時間をかけて深い集中に入るのに、現代人は11分に1回は話しかけられるか、見なきゃいけないメールやチャットが飛んでくるんですね。一番大事なのは「今話しかけないで」という意思表示をすることです。
井上:僕はいつもこんな授業をやっていたり、主張もいっぱいしたりしているので、スケジュールに「ここは話しかけるな」と。「ディープシンクしております」と書くわけですよ。
三木:すばらしい。
井上:でも、そんなの絶対に関係ないですよ。「ちょっとすみません......」ってみんな話しかけてくるんです。視覚と聴覚でいうと、視覚から87%、聴覚から7%の情報を得ているらしいんです。どうやって測ったか知らないですけどね。
視覚情報って向いてる方向というか指向性があるから、こっちを向いてるとあっちは見えないじゃないですか。音は回り込んでくるので、一番邪魔しやすいんですよ。邪魔されないことが一番大事なのは絶対そう。「話しかけるな」とずっと言っているんですけどダメなんですよ。
三木:めっちゃわかる。
井上:「会社に行かない」しか方法がない。
三木:そうですね、逃げるしかない。
宇佐美夕佳氏(以下、宇佐美):私もそれがいいと思います。会社に行かないことが、一番「聴覚」から逃がれられる。オンオフのメリハリをつけて自分の集中度を高めていくか、あるいは集中しなくてもできる“作業”を会社でやるとか。そういったことを私たちの会社でもやっていますね。
三木さんがおっしゃっていたように、ヘッドフォンは「話しかけるな」というアイコンとして役に立つなと私たちも思っています。真向いの人でも横の人でも関係なく、ヘッドフォンしたら話しかけない、という暗黙のルールとして成り立っています。
例えば電話が入ったとしても「今外出中です」というアナウンスで流してしまうというやり方をしていました。高集中をとにかく削がないというやり方を同僚が配慮するんですね。そこはやっておりますね。
木村:マネジメント系の話でいくと、基本的にはいつでも話しかけやすいリーダーでいるようにして、話しかけられたら「ちょっと待って」じゃなくて、体を向けて目を見て「どうした?」と聞けといったことがすごい多いと思うんです。
もしかしたらこれから先の新しい時代のマネジメントは、集中タイムをつくりつつ、コミュニケーションの時間も深くつくるという、メリハリをきかせた時代に移っていくのかなと思います。今聞いていて、単純に話だけ聞いていればいいのではないと感じました。
話しかけると毎回毎回作業が止まって、自分の仕事がぜんぜん進んでいないときがあるなと。それだと仕事をしているのに本末転倒だなと感じたんですね。
三木:僕、週末になると翌週分の予定の隙間時間で、「ここは集中したい」という時間を完全にブロックするんですよ。やんごとなき理由があったとき時には全部対応するんですけど、打ち合わせとか「前の週に打ち合わせ入れといてね」と言っています。
木村:すごいですね、聴覚の話からだいぶ離れてきましたが......。
井上:タイムマネジメントについてはよく話をしているんですけど、スケジュールを見ると会議で埋まるじゃないですか。会議室と人を押さえないといけないから、変数が多いものから先に埋めるんですよ。だけどスケジュールが会議で埋まったあとに、会議が入っていないスケジュールを指さしてみんながなんて言うかというと、「(予定が)空いてる」と言うんですよ。
(一同笑)
会議を予約するのに、集中する時間を予約をしないのが非常に良くないんですよ。JINS MEMEで測ると、30分間何をするかを決めているやつと、ダラダラと30分間集中している人は、集中の割合がぜんぜん違うとわかるんですよ。
何かをすると決めて、聴覚中心にまわりをシャットアウトする。そのことにちゃんと意思を持っているということが、本当に大事です。聴覚からだいぶ離れていますけど、本当にそうなんですよ。Wi-Fiを切る、スマホを裏返す、ヘッドフォンをする。やるということをちゃんとスケジュールに入れないとダメですね。
木村:僕がこのスライドを作っていたときの「聴覚」のイメージは、どういう音楽を聴くといいか、モーツァルトはリラックスできるかとかでした。集中するために集中タイムをどう作るかという話で、パワーワードが出ましたね。「会議を予約するのに、なぜ集中を予約しないんだ」。みなさん、ぜひメモして帰っていただいて。
井上:いいですね、もう1回言おうかな。
(一同笑)
木村:Twitterのトレンドに入るくらい「集中も予約しよう」とみなさんに呟いていただいて。Twitterの投稿も随時見ていますので、質問など投稿いただければと思います。
井上:一応「音」の話もします。でも、答えはほぼ一緒なんです。先にいうと、「好きな音楽を聞くのと無音の、どちらが集中できますか?」という質問をみんなにしたんです。これに答えがあって、20人をJINS MEMEで研究したら、10:10でした。人によるんです。
これは論拠として強くはないんですけど、為末大さんというハードルの選手が、「超集中できます」と言っています。彼は試合前の30分、ノイズキャンセラーのヘッドフォンで集中を高めたりしているんですね。彼の分析では、幼少期の家が静かだったらしいんです。僕はどっちかというと音楽を聴いているほうがいいですね。それは幼少期に音楽がなっている家だったんですよ。
リラックスを促すために追体験をさせるほうが、自分のなかで集中に入っていけるそうです。測ればわかります。
そしてもう一つ、誰にとっても集中やリラックス効果を上げるのが自然音です。ここで流している自然音は、耳で聞こえる音だけではなく、肌でしか感じないような高周波の成分まで再現をしています。そこまでやらないとリフレッシュ効果がないことが、ビクターさんによって証明されたんですよ。YouTubeの自然音をスマホで聞いて、「うわぁ、リラックスするわぁ」というやつはマジで鼻で笑ったほうがいい。
(会場笑)
マジで効果がないことわかっています。
井上:ちなみに三木さんは無音なんですか?
三木:無音のときもありますし……。そうですね、考え事ごとをするときは無音、作業するときは音楽を流してという感じです。
井上:すばらしい。さすがですね。
木村:自分のモードによって切り替えるのも良さそうですね。
井上:もう一つ言っていいですか? そういう会ですもんね。
木村:「嗅覚」の時間をちょっと減らすので大丈夫です。
井上:ある論文を読んでたら「ホワイトノイズが集中力を上げる」と言っている人がいました。YouTubeで作業音とか見ると、ホワイトノイズが多いんですよね。ある研究結果では、もともと集中できない学生はホワイトノイズをかけると集中力が上がるとわかったんです。ただ、もともと集中できている人は集中力が下がっていたんですね。
ここから何をするべきかというと、集中したいと思ってから、集中に入るところまではホワイトノイズを流して、それからは途中で切ったほうがいいんです。入れちゃったら邪魔。だからそういう装置を今作っているんです。
三木:なるほど!
木村:子守唄みたいな、寝るまでは歌うけど、寝たら消すみたいな。近いですかね?
井上:そうですね、それにたぶん近いです。
木村:ホワイトノイズで集中力が上がることもあるんですね。
井上:上がると言われていますけど、入りのときだけらしいです。
三木:わかります。
木村:僕、機械音が苦手なんです。夏場だと卓上扇風機の「ウィーン」という音がすごく嫌なんですよ。実は今回のイベント決まったあとに、デロンギの空気清浄機能付きファンを使わせてもらっていたんです。そしてJINS MEMEをお借りして、風なし・卓上扇風機・デロンギの空気清浄機能付きファンのそれぞれの場合で集中力を測ってみたところ、デロンギの送風機のときが圧倒的に集中力が高まるとわかりました。
これは何か理由があるのではないかと思っているので、そのあたりについて今日はお三方から聞き出したいなと思っております。
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